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院長 今野 優 医学博士
昭和38年9月11日 生
平成元年 5月医師免許(第321523号)
平成 8年 9月旭川医科大学学位記(第240号)
平成 8年10月日本眼科学会眼科専門医(第8303号)
2006年 3月 MMS 発行の「Medi-Net Vol.21」に特集記事が掲載されました。

特集 患者さんへのメッセージ

HPや院内報で優しく温かく
--「10のお約束」の励行に様々な工夫--

開院以来、ホームページや院内報で地域の患者さんに優しく温かいメッセージを
送り続けているのが、北海道旭川市の「こんの優眼科クリニック」だ。
診療・手術にあたって患者さんに「10のお約束」を誓約されており、
その励行に様々な工夫も。

以下にその模様と「院長インタビュー」を--。


『優しい眼科通信』

正面玄関アプローチ部分の柔らかな感じのウッドデッキ。
バリアフリーの設計を凝らした院内。
なかでも待合室はアットホームな雰囲気を醸し出し、とびきり明るい。

道北の拠点都市、旭川市で「こんの優眼科クリニック」が開業したのは、
2003年7月のことだった。
この年の12月、同医院の院内報『優しい眼科通信』が創刊された。


<<「患者さんに優しい眼科クリニックをめざし、常に「患者さんが自分だったら、自分の親だったら、自分の子供だったら」と考え、診察させていただきます。
「こんな優しい眼科クリニックがあったらいいな」と思う眼科クリニックを実現させるために、スタッフ一同、力を合わせてがんばります。(創刊号)>>

すでに開院と同時に、地域の患者さんにぜひ知らせたい情報をと、
インターネットでホームページを立ち上げていた。
『優しい眼科通信』は、このホームページに掲載した情報を抜粋して
院内報(ペーパー)用に再編集したものだ。

A4サイズ、2ページ分のささやかな体裁の患者さん向けお知らせ
ペーパーではあるが、かわら版風の手づくり感にあふれ、
ちょっとした記事にも伝え手の優しいメッセージと温もりのようなものが、
切々とこもっている。


<<旭川の季節は駆け足で進んでいきますよね。そしてもう初雪。雪かきが始まるかと考えただけで、腰が痛くなりそうですが、雪に負けないように体調を整えて、冬を迎えましょう。今月号は「ドライアイ」についてのお話です。(第12号)>>

目の病気を平易に

毎月、月初に発行(約500部)し、受付まわりに置いて患者さんに配っている。
昨年12月時点ですでに25号を数えたが、創刊号からのバックナンバーも、
待合室の片隅に。

昨年末に出した12月号では、自医院の日帰り白内障手術の実績をまとめ、
紹介した。


<<開院から2005年10月末までに、396件執刀させていただいたことになります。
手術患者さんは「家族・知人から紹介された」が、19%→37%→48%と年々増加してきております。患者さんに紹介していただける眼科をめざしておりますので、有難いかぎりです。(第25号)>>

バックナンバーを繰ると、各号に一貫しているのは目の病気の易しい説明だ。
白内障や緑内障、糖尿病網膜症は言うに及ばず、視力(近視)、結膜炎、飛蚊症、
涙目、花粉症、目薬の正しい使い方、コンタクトレンズ診療--と、
患者さんが日常的に出くわす目に関する事柄を広く取り上げ、平易な表現で
綴っている。

また、院内での検査や診察についても具体的に触れ、
「診察の時にはテレビモニターに映された画像を一緒に見ながら説明させて
いただいておりますが、何か気になることや疑問な点がありましたら、
ご遠慮なく質問してください。質問していただきますと、さらに気合が
入りますので…」などと、患者さんに優しく呼びかけている。


スタッフの笑顔

電子カルテの導入をはじめ、電話・メールでの予約診療の受けつけなど、
待ち時間短縮の工夫と試みは、開院当初にホームページや『優しい眼科通信』で
地域の人々に表明した同医院の「10のお約束」のひとつだ。

その10項目の約束の第一に掲げたのが「スタッフ全員が笑顔で患者さんに
対応します」である。眼科通信には随時、スタッフの声も出しているが、
彼女たちの明るさや真心は次のようにそれらの記事からも浮かび上がってくる。


<<今年の目標は「痩せたい!」とかいろいろありますが、気をつけたいことは言葉づかいです。きれいな言葉で話している人って憧れですね。仕事中ももう少ししっかりとした話し方が出来れば…。(第14号)>>

インタビュー 院長にお聞きしました

--開業に踏み切られたいきさつを。

「勤務医として旭川医大病院で10年(うち2年間米国留学)、関連病院で
5年を経ての開業でした。

開業前には旭川よりさらに北にある士別というところの市立病院に
勤めていました。外来の患者さんを多い日には200人近く抱えることが
ありましたが、患者さん一人一人、本当に満足されているのだろうか(?)
という思いが、いつもありましたね。

診察にあたっては時間的にある程度のゆとりが持て、患者さんに説明を
ていねいにして納得して帰っていただけるような医療でありたい--と
そんな気持ちが次第につのり、開業へと心が傾いていきました。」


--医院名は「こんの優眼科クリニック」と、先生のお名前を
フルネームで。

「一開業医として『患者さんに優しい眼科』をモットーとして地道に
実践していきたい。私のファーストネームも優しいの『優』。
自分のこの名前、実は『すぐる』なんですが、どう読んでもらおうと、
看板に『優』を使わない手はないとこだわったわけです。
開業ポリシーの思いを込めて…」


--現実は北海道第二の都市である旭川のこと。
眼科の開業も『激選区』であると聞きます。

「その通りです。しかし、患者さんの立場に立って患者さんが望む医療と
サービスのあり方を深く掘り下げていけば、活路はいろいろ見つかるはず
です。

とにかく自分のこれまでのキャリアでやってきたことを信じ、精一杯
取り組んでいこうと、スタートから2年余りずっとやってきました。」


--「患者さんに優しい眼科」ということで、いきなり開業段階で
地域の患者さんに向けて「10のお約束」を掲げられましたね。

「約束として診療時間や診療日そのものについて、かなり工夫を
凝らしました。それに患者さんの待ち時間を短くしようと、電話・メール
での予約を受けつけることにし、また、思いきって電子カルテを導入して
診察後の待ち時間の解消に役立てています。

もっとも患者さんが全然お見えにならなければ、待ち時間なんて
いってもはじまりません…(笑)。いまのところおかげさまで1日40人
程度のペースで患者さんを迎えてやっております。」


--網膜などの目の状態の画像をモニターに映して症状を説明され、
また、プリントアウトして写真を患者さんにお渡しされている
そうですね。ていねいに説明される診察シーンが目に浮かびますが、
いまより格段に患者さんが増えてきたらどうなるのでしょうか。

「私なりのやり方でも1時間に患者さん10人は見れます。ですから
1日(8時間診療)で80人ぐらいまでなら可能です。

ただ、これはあくまで計算上のこと。1時間に10人というペースで
診るときがたまにありますが、これが8時間もずっと続くと、かなり
きびしいですね。とくにカルテの作業が追いつかなくなる。
補助にシュライバーを置くとか、音声入力を導入するとかしないと…。

ホームページも院内報もできる限りこまめに編集して出しているのは、
診療中に必ずしも十分に行きとどかない検査や病気の説明をカバーする
ためです。」


--患者さんに動いてもらわなくても済むように、診察室の
眼底カメラは台にコマを付けて移動式にされるなど、
いろいろ工夫を凝らされているご様子。
それに二つ折りの診察券には、患者さんの視力はじめ
検査結果を診療日付順に記入されてお渡しされている。
言いかえれば、細やかな気配りの「患者さんに優しい眼科」
ということでしょうか。

「ホームページも院内報もできる限りこまめに編集して出しているのは、
診療中に必ずしも十分に行きとどかない検査や病気の説明をカバーする
視力値は口頭で伝えてはおりますが、患者さんの側からすると、
それを覚えておくのは大変なのではないかと思い、それで診察券にも
記入することにしているわけです。

設備面で言えば、身の丈分の投資というか、当院はそんなに
重装備ではないんです。それよりも地域の『かかりつけ医』として
どう向き合っていくかなんですね。無論、手術の場合は難度によって
地元の基幹病院にご依頼しています。」


--白内障の日帰り手術が主体の手術の部は、休診日の前日を
除いて毎日実施されているとお伺いしております。

「月〜金の午後1時から3時の時間帯を手術に当ててやっており、
1日に2件は無理なく対応できます。いまのところ月間20例ぐらいの
ペースです。手術の日まである程度はお待ちいただくにしろ、
1ヵ月以内には何とかやってあげたいという思いでやりくりして
おります。

また、手術患者さんのご家族の希望があれば、立会い室から手術を
見守っていただきます。カルテ開示やレセプト開示まで含め、
『開かれた眼科診療』を進めることこそ、患者さんの信頼を得る
大事なカギになるというのが、私のポリシーです。」


--ホームページや院内報による情報発信も、その「開かれた
眼科診療」を実践するうえでの不可欠な手段(メディア)と
言えますね。

「ホームページを見て受診される方は、実際にはまだまだ少ない。
しかし、そうした患者さんはホームページ上であらかじめ私の顔も
ご覧になっているせいか、初対面でも何か親近感を持って
いただいているような印象を受けます。

その半面、『10のお約束』などを掲げていますから、けっして
期待を裏切らないようにと、こちらはすごくプレッシャーを
覚えますね。

いずれにせよ、今年7月には開院3周年を迎えますが、いつ、
どんな時も開業時の初心を忘れずに地道にやっていこうと思います。」

2006.3.23 記