ホームドクター 2014
院長 今野 優 医学博士
昭和38年9月11日 生
平成元年 5月医師免許(第321523号)
平成 8年 9月旭川医科大学学位記(第240号)
平成 8年10月日本眼科学会眼科専門医(第8303号)
2014年4月 ぶらんとマガジン発行の「あなたの街のお医者さんガイド 
ホームドクター」に白内障手術のお話が掲載されました。

家庭医学の意外なホントQ&A

眼科で緑内障と言われました。
緑内障とは、どのような病気ですか?
失明しますか?


自覚症状がほとんどなく、視野が少しずつ狭くなる病気
です。視野の欠けや狭まりは治療で元には戻せません。
早期発見・治療が重要で、今ある視野を守りましょう。
 目の働きや構造はよくカメラに例えられます。
黒目(角膜)のすぐ後ろに透けて見えるいわゆる茶目は虹彩といい、
これは目の中に入ってくる光の量を調節する働きがあり、
カメラのしぼりにあたります。
この虹彩の後ろに水晶体という部分があります。
水晶体はカメラのレンズと同じで、私達が見ようとするものを正しく、
網膜(カメラのフィルムにあたる部分)に焦点を結ばせる働きがあります。
網膜に映った像が視神経を通して脳に伝えられ、
私達は、初めてものを見ることができます。

 緑内障は視神経がおかされて、見える範囲(視野)が狭くなる病気です。
視神経は100万本以上の神経線維の束で、網膜に映った像を脳に運ぶ、
いわば目と脳をつなげるケーブルの働きをしています。
電気器具のケーブルが接続部分で壊れやすいように、
視神経も視神経乳頭と呼ばれる眼球からの出口の部分が傷害を
受けやすくなっています。視神経乳頭に傷害を与える一番の原因は、
眼球内の圧力(眼圧)と考えられています。

 目には一定の硬さがあります。
これは、目の中で作られている水と出ていく水が丁度つり合っていて、
目の硬さをほどよい状態に保っているからです。
眼圧は血圧と同じ単位(mmHg)で測定されますが、
正常の眼圧は10〜21mmHg です。眼圧が上がることによって、
視神経乳頭の傷害が起こることは解明されており、
以前は緑内障と言えば、眼圧が高いと考えられていました。
しかし、日本人には眼圧が正常範囲に入っていても緑内障になる人が
多いことが判明し、正常眼圧緑内障と呼ばれています。
正常眼圧緑内障では、視神経の強度が関係しているとみられ、
例え正常範囲内の眼圧でも、その患者さんにとっては負担になっていると
考えられます。

 視神経がおかされると徐々に消失してしまい、
その部分の情報は脳に伝わらずに視野が欠けてしまいます。
しかし、視神経の傷害はゆっくりと起こり、視野も少しずつ狭く
なっていくため、自覚症状はほとんどなく、知らないうちに病気が
進行しているのが緑内障の怖い点です。

 緑内障による視野の欠けや狭まりは、治療で元に戻すことはできません。
治療の目的は、緑内障がそれ以上に進まないようにすることです。
早期に発見し、早くから治療を受ければ、失明に至らず視力を保つことが
できます。治療は視神経乳頭に傷害を与える一番の原因である眼圧を
低くコントロールするということです。自覚症状がなくても、緑内障と
診断されたら、治療通院を継続することが視野を守るために重要だと思います。

 また、緑内障は年齢とともに増加し、40歳以上の20人に一人の割合で
みられるといわれています。
特に症状が見られなくても、緑内障を発症しやすくなるといわれる
40歳を過ぎたら、一度検査を受けてみることもあわせてお勧めしたいと
思います。