開業して思うこと
院長 今野 優 医学博士
昭和38年9月11日 生
平成元年 5月医師免許(第321523号)
平成 8年 9月旭川医科大学学位記(第240号)
平成 8年10月日本眼科学会眼科専門医(第8303号)
2005年 3月 銀海189 号に「開業して思うこと」が掲載されました。

患者さんが自分だったらと自問して

 2003年7月26日北海道旭川市に無床クリニックを開設致しました。
医療過疎地といわれる北海道ですが、旭川は医大もあり、所謂激戦区です。

 眼科医になって15年、大学病院で10年(うち2年間留学)と
関連病院で5年の勤務医生活を満喫しました。
大学病院での生活は良き先輩と楽しい後輩に恵まれ、充実していましたが、
連日のアブラギッシュな生活からか胆石発作にさいなまれました。

 ずっと患者サービスと家族サービスを隠しテーマにやって来ましたが、
そろそろ本腰を入れてこれらのテーマを完成させようと、
単身赴任にピリオドを打ち、改行(開業)となった次第です。


 開業するにあたっての経営理念は「患者さんに優しい眼科クリニック」です。
常に患者さんが自分だったら、自分の親だったら、自分の子どもだったら、
と考えて診察させていただく、自分がかかりたいと思う眼科を実現すること
です。

 もちろんこの夢の実現には、お金という制約があります。
親が医者ではない場合の開業は「ゼロからの出発」と言われますが、
私の場合、留学していたこともあって自己資金もままならず、
「マイナスからの出発」と皆から期待されておりました。

 私は自ら銀行との融資交渉を行い、MMSに作製していただいた
診療圏調査の結果も持っていきました。

 MMSの福谷さんには本当にお世話になりました。
いつも笑顔で、最初にお会いした時にはバブルヘッド人形かと思いましたが、
こちらの疑問にはいつも適切な返答をいただき、感謝しております。

 銀行では「自分で資料を用意した医者はみたことがない」と
感心されましたが、その割には貸し渋られました。


 設計には、眼科クリニックを手掛けたことがない建築家と偶然に出会い、
待合い・受付には医療従事者ではない妻の意見を積極的に取り入れました。
おかげでクリニックらしくない、明るく優しい建物になったと自負して
おります。

 開業して1年半が経ち、患者さんの少ない生活にも慣れてきました。
ただ、電子カルテで診察後の待ち時間解消を目指しましたが、
診察前の待ち時間も解消されているのは誤算でしょうか。

 そして、以前は網膜のブラッドフローが気になっていましたが、
今はキャッシュフローの方が気になりますし、
黄斑部の厚みが減ることを祈っていましたが、
今はレセプトの厚みが増すことも祈っています。

 診療圏も拡げたいとは思いますが、心了見を狭めないよう謙虚に精進し
「こんなに優しい眼科クリニック」と呼ばれたいと思います。

2005.3.22 記