はやり目
院長 今野 優 医学博士
昭和38年9月11日 生
平成元年 5月医師免許(第321523号)
平成 8年 9月旭川医科大学学位記(第240号)
平成 8年10月日本眼科学会眼科専門医(第8303号)
はやり目
これからの季節に流行するウイルス性の結膜炎
「はやり目」について、お話させていただこうと思います。

はやり目をはじめとして、眼科の病気の中には病名に俗称のついている
ものが、いくつかあります。
例えば・・・・・
ものもらい、
めっぱ、
つき目、
目星、
雪目、
鳥目、
涙目、
逆まつげ、
白そこひ、
青そこひ、
などがあります。
俗称がつくくらい、ニックネームで呼ばれるくらい、昔から目の病気は
身近なものだったというこでしょうか。
医学の進歩によって、その治療法が確立した病気もたくさんありますが、
はやり目は、原因ははっきりしているものの、その治療方法は、いまだ
対症療法にとどまっています。

結膜炎とは

「結膜炎とは、結膜の炎症性疾患の総称です」といっても、わかったような、
わからないような説明ですよね。眼科の病気の中でも、非常に多く見られる
ものですが、一言で説明しようとしますと、非常に難しいと思います。

結膜って

結膜炎の結膜は、しろ目を覆っている透明な粘膜です。目のまん中の黒目
(角膜)の縁から瞼の裏側まで続いています。結膜は、場所によって名前が
ついており、しろ目の表面を球結膜、瞼の裏側を瞼結膜といいます。

この結膜が赤くなったり(充血)、腫れたり(浮腫)、瞼の裏にブツブツが
できたり(濾胞)、目やにが出たり(眼脂)、涙が出たり(流涙)、
痒くなったり(掻痒感)、ゴロゴロしたり(異物感)という症状が出たら
結膜に炎症が生じていると考えられます。


結膜炎の原因
結膜炎の原因として、
1. ウイルス
2. 細菌
3. アレルギー
4. その他
の4つがあります。
「はやり目」は、結膜炎の中でも、ウイルスが原因でおきるもので、
人にうつる危険性がある感染性の結膜炎です。

「はやり目」には、流行性角結膜炎、咽頭結膜熱、急性出血性結膜炎の
3つがあります。
流行性角結膜炎と咽頭結膜熱の原因はアデノウイルスで、
急性出血性結膜炎の原因はエンテロウイルスかコクサッキーウイルスです。
原因ははっきりしているものの、これらの原因ウイルスをやっつける
特効薬は、まだ開発されておりません。
感染したウイルスに対する免疫ができて、自然に治るのを待つしかないのが
つらい所です。

以前は「インフルエンザのようなものです。インフルエンザは普通の風邪
より症状が強くて、うつり易く特効薬がないんです。安静にして
体力をつけて治るのを待ちましょう。」って説明しておりましたが、
すでにインフルエンザには、特効薬が開発されましたので、
良い例え話ができなくなってしまいました。
はやり目にも、特効薬が開発されることと期待しております。


アデノウイルスによる結膜炎は、以前はその症状、所見から
診断していました。
普通の結膜炎より症状が強い場合、つまり充血が強い、目やに・涙が多い、
ゴロゴロ感が強いなどの症状です。
現在では、アデノチェックという角結膜上皮細胞中のアデノウイルス抗原
検出試薬がありますので、短時間でアデノウイルスによる結膜炎を
確定診断することができます。
アデノチェックで陽性反応が出た場合、間違いなくアデノウイルス結膜炎と
診断できますが、陰性反応の時には、アデノウイルス結膜炎でないとは、
断言できません・・・。
これは、検査の感度の問題で、ウイルスの量が少ないと陰性に出てしまう
場合があるためです。

特効薬がないのに、なぜ検査を?
特効薬がないのに、検査をする理由は、うつるものか、そうでないかを
明らかにするためです。はやり目であることがわかれば、家族や他の人に
うつさないように、万全の体制をとっていただくためです。
はやり目は伝染(うつ)るんです
といっても、空気感染する訳ではありません。
目を触った手からうつります。
ですから、一番の予防策は手洗いです。
石鹸と流水で、よく洗って下さい。

目がいずく、どうしても触りたくなると思いますが、その時は、
ティッシュペーパーを使い、専用のビニール袋にためて、
捨てるようにしましょう。
不用意にゴミ箱に捨てますと、ゴミ箱をきれいにする時に
うつってしまう可能性があります。

タオルの共用は止めましょう。

そして、幼稚園・学校は休まなければなりません。
他の人に接するお仕事であれば、休んで下さい。


こんの優眼科クリニックでの感染予防策
院内感染を防ぐために手洗いを励行しており、自動給水・ジェットタオルを
設置しています。

はやり目を疑う患者さんには、申し訳ございませんが、中待ちの椅子で
お待ちいただきます。

診察後、ドアノブ、診察用顕微鏡などは、アルコールにて消毒致します。
院内感染を防ぐためには、厳重なる消毒が必要となります。

はやり目で目を患っている患者さんのお気持ちを煩わせないように、
注意して消毒致しますが、
そのような場に遭遇しました際は、どうぞご理解ご協力の程、
お願い申し上げます。

2004.7.1発行 優しい眼科クリニック第8号 に掲載するために執筆