プール熱
院長 今野 優 医学博士
昭和38年9月11日 生
平成元年 5月医師免許(第321523号)
平成 8年 9月旭川医科大学学位記(第240号)
平成 8年10月日本眼科学会眼科専門医(第8303号)
夏と言えば…
夏と言えばプールですよね。
実は私、泳げないものですから、あまりプールには馴染みがありません
でした。子どもと一緒にたまに行くことがある程度なのです。

その「プール」が名前についている病気があります。
ご存知の『プール熱』です。
「プール熱」というのは俗称で、正式には「咽頭結膜熱」といいます。

プールで遊んだ後に、症状が出たり、プールで遊んでいた子どもたちの中で
流行したりすることから、「プール熱」と呼ばれています。
でも、私のように「泳げないのでプールに行かないから、かからない」
という訳でもないのです。
この「プール熱」も「はやり目」の一つなのです。

今年は、過去10年間のうちで、最も「プール熱」が流行っているとの
ことですので、是非ご注意を。


はやり目って

白目を覆っている透明な膜が結膜です。

結膜が赤くなったり(充血)、
腫れたり(浮腫)、
瞼の裏にブツブツができたり(濾胞)、
目やにが出たり(眼脂)、
涙が出たり(流涙)、
痒くなったり(掻痒感)、
ゴロゴロしたり(異物感)
という症状が出たら結膜に炎症が生じていると考えられます。

「はやり目」は、結膜炎の中でも、ウイルスが原因でおきるもので、
人にうつる危険性がある感染性の結膜炎です。

「はやり目」は他の結膜炎よりも症状が強く、
特にお子さんでは強く現れます。


「はやり目」には、流行性角結膜炎、咽頭結膜熱、急性出血性結膜炎の
3つがあります。

流行性角結膜炎と咽頭結膜熱の原因はアデノウイルスで、
急性出血性結膜炎の原因はエンテロウイルスかコクサッキーウイルスです。

原因ははっきりしているものの、これらの原因ウイルスをやっつける
特効薬は、まだ開発されておりません。
感染したウイルスに対する免疫ができて、自然に治るのを待つしかないのが
つらい所です。


うつらない、うつさないように注意しましょう。
うつらないために普段から注意すること

・目を擦ったり、触ったりしない
・手は石鹸と流水でよく洗う
・プール後は目を洗う

うつさないために(なってしまったら特に注意)

・目を擦ったり、触ったりしない(ティッシュペーパーで触れて
                 確実に捨てる)
・手は石鹸と流水でよく洗う(触れた蛇口も洗う)
・プールは許可が出るまで禁止
・学校、幼稚園、保育園は許可が出るまで休む
・タオルや洗面用具は使い回ししない
・お風呂は最後に入る
・休養をとって体力を落とさない


アデノウイルスによる結膜炎は、以前はその症状、所見から
診断していました。
普通の結膜炎より症状が強い場合、つまり充血が強い、目やに・涙が多い、
ゴロゴロ感が強いなどの症状です。

現在では、角結膜上皮細胞中のアデノウイルス抗原検出試薬がありますので、
短時間でアデノウイルスによる結膜炎を確定診断することができます。

検査で陽性反応が出た場合、間違いなくアデノウイルス結膜炎と診断
できますが、陰性反応の時には、アデノウイルス結膜炎でないとは、
断言できません・・・。

これは、検査の感度の問題で、ウイルスの量が少ないと陰性に出てしまう
場合があるためです。


特効薬がないのに、なぜ検査を?

特効薬がないのに、検査をする理由は、うつるものか、そうでないかを
明らかにするためです。はやり目であることがわかれば、家族や他の人に
うつさないように、万全の体制をとっていただくためです。


プール熱が大流行
咽頭結膜熱はその名前通り、のどにもウイルスがいますので、
咳やくしゃみからもうつる心配があります。

日本全国の約3000カ所の小児科が定点報告所として、
咽頭結膜熱の流行を報告しています。

今年は1月から6月までで約4万1500人の発症が報告されており、
過去10年間で最多だった2年前の約2万4000人も1.7倍以上の
流行とのことです。

お子さんの発熱、のどの腫れ、目の充血など、あやしいなと思ったら、
是非小児科にご相談を。


こんの優眼科クリニックでの感染予防策
院内感染を防ぐために手洗いを励行しており、自動給水・ジェットタオルを
設置しています。

はやり目を疑う患者さんには、申し訳ございませんが、中待ちの椅子で
お待ちいただきます。

ご家族の中に目が赤く、目やにが出ている方がいらっしゃる場合は、
受付でお伝え下さい。

診察後も会計まで中待ちの椅子でお待ちいただきます。
院外薬局での感染拡大を防止する目的で院内処方をさせていただきます。

また診察後、ドアノブ、診察用顕微鏡などは、アルコールにて消毒致します。
院内感染を防ぐためには、厳重なる消毒が必要となります。

はやり目で目を患っている患者さんのお気持ちを煩わせないように、
注意して消毒致しますが、
そのような場に遭遇しました際は、どうぞご理解ご協力の程、
お願い申し上げます。

2006.8.1発行 優しい眼科クリニック第33号 に掲載するために執筆