花粉症
院長 今野 優 医学博士
昭和38年9月11日 生
平成元年 5月医師免許(第321523号)
平成 8年 9月旭川医科大学学位記(第240号)
平成 8年10月日本眼科学会眼科専門医(第8303号)
飛散で悲惨
去年の夏は凄く暑かったですよね。
台風もありましたし、異常気象という言葉を何度もテレビから
聞いていたような感じがします。

本州ではスギの木が多いですから、好天の夏の翌年はスギ花粉の飛散量が
増え、スギ花粉症の方は悲惨な目に合ってしまうのです。

旭川ではスギ花粉のアレルギーで悩まされる方は多くないと思いますが、
シラカバやイネ科の花粉アレルギーの方は、増えてきていると思われます。


アレルギーとは
私たちの身体には、細菌やウイルスなどの外敵から身を守る
「免疫」という働きがあります。

この有難い「免疫」の働きが、かえって人間に害を与える場合を
「アレルギー」と呼んでいます。

過ぎたるは及ばざるが如し…といいますが、
まさにありがた迷惑というのがアレルギーなのです。


実は私も
それほどひどくはなかったのですが、
大学に入ってからネコを飼っている友人の家に行くと、
目が痒くなって白目が水ぶくれになったり、
ほこりでくしゃみが連発したり、
のどの奥が痒くてたまらなくなったりすることがありました。

とは、いいましても時々だけでしたし、
日常生活に支障をきたすことはありませんでしたので、
アレルギー体質なんだろうなくらいで病院にもかからず、
ほおっておいていました。


ある日突然
今から7年前のある日ある晩、家族で食事に出かけました。
普段はほとんどお酒は飲まないのですが、
その日はビールをいっぱい飲みました。

いっぱいと言ってもジョッキ一杯で、
たくさん飲んだ訳ではないのです。

その帰り道、妻が買い物にお店に寄っている間、
子どもに挟まれて後部座席で待っている間に事件が起きました。

突然、咳が出て止まらなくなってしまったのです。

最初は気楽に考えていましたが、段々と苦しくなり、ちょっと
焦ってきました。

ほんの数分のことだと思いますが、苦しく長い時間に感じました。

隣に座っていた娘(当時小学2年生)が心配そうに背中を
さすってくれて、顔をのぞきこんで
「パパ、だいじょうぶ?」

何て優しい娘なんだろうと感激していたら
「これって、うつらない?」

そっちが心配だったのでしょうか…


声が出なかったのは苦しかっただけだからではなかったのです…

その発作は何とか自然に良くなったので助かりましたが、
その後もビールを飲んだ後、
雪かきをした時、
出張先の旅館に泊まった時に
咳発作に襲われるようになり、
内科で気管支喘息の診断を受け、
一時期は薬を服用し、発作時のスプレー薬も携帯していました。

規則正しい生活に気をつけるようにしてからは、
おかげ様で発作も起きなくなり、内服も止めています。


アレルギー体質
話は脱線しましたが、
アレルギーは蕁麻疹などを起こしやすい過敏体質の人に多い病気です。

気管支喘息
アトピー性皮膚炎
アレルギー性鼻炎
アレルギー性結膜炎
などが、同じグループの病気と考えられますが、
他に症状はないけれど、目だけ痒いという方は、
アレルギーが軽症と考えることができます。


アレルギー性結膜炎
目のアレルギーのうちで代表的なものは、アレルギー性結膜炎です。
春や秋など毎年決まった時期に起こりやすい季節型と
季節にかかわらない通年型があります。

季節型は花粉症の目の部分症状と考えることができます。
北海道での花粉症の原因となりやすい植物は、
3〜4月のスギ・ヒノキ科、
5月のシラカバ属の植物、
6〜8月のイネ科植物、
9月のキク科植物があげられます。

一方、通年型の原因物質としては、
ハウスダストという家の中で発生する細かいホコリで、
ダニの死体やフン、カビ、ペットの毛やフケなどが考えられています。

症状としては、強い痒みが主なもので、
炎症がひどくなると瞼の裏の結膜や、白目の充血が起こってきます。
急に強い炎症が起きたり、目を強く擦りすぎた時には
白目が腫れて水が溜まったようになります。


効果的な治療は目薬
アレルギー性結膜炎の治療には主に目薬が使われます。
1)抗アレルギー薬、2)抗ヒスタミン薬、3)ステロイド薬、
4)人工涙液の4種類に大きく分けられます。

(1) 抗アレルギー薬

近年、いくつかの抗アレルギー薬が新しく点眼薬として開発されており、
現在では6種類の抗アレルギー点眼薬から選択することができるように
なりました。
抗アレルギー薬は、副作用も少なく、適切な使用方法によりかなりの
効果が期待できますが、症状が悪化してから使ってもあまり効きません。
季節型の場合は症状が出る前からの点眼がお勧めです。
通年型では症状軽快時にも点眼回数をやや減らして、
点眼継続するなどの工夫が必要です。

(2) 抗ヒスタミン薬

アレルギー反応が始まると、ヒスタミンという物質が放出されて
痒みや充血を引き起こします。
抗ヒスタミン薬はこれを抑えます。
2種類の点眼薬があり、比較的かゆみや充血を抑える力が強いようです。

(3) ステロイド薬

アレルギー性炎症が慢性化したり重症化した後では、
ステロイド薬が必要になることが多いものです。
軽症では、症状のひどい時に短期間、低濃度のステロイド点眼薬を
併用すればかなりの効果があります。
重症になると高濃度のステロイド点眼薬が必要になります。
ステロイドには白内障や緑内障をひき起す危険がありますので、
眼科専門医の定期検査が必要です。

(4) 人工涙液

ドライアイはアレルギーを起こしやすくするだけでなく、
悪化させることもあることが分かっています。
通年型にドライアイを併発していることも多いので、検査をお勧めします。
人工涙液は防腐剤が入っていませんので、
頻繁に使ってアレルゲンを目の中から洗い流すのはとても有効です。


花粉症、アレルギー性結膜炎の患者さんも増加していますが、
アレルギーに処方するお薬も増えてきています。

お薬は合う合わないもありますので、
ご自分に適したお薬を見つけて、
アレルギーとうまく付き合っていくようにしていただきたいと思います。

何なりとお気軽に相談してください。

2005.3.1発行 優しい眼科クリニック第16号 に掲載するために執筆