SERVICE

あなたの目のかかりつけ医になります

こんの優眼科クリニックは、あなたの目のかかりつけ医になります。
当クリニックでは、特に
 日帰り白内障手術
 コンタクトレンズ診療
 緑内障治療
 糖尿病網膜症治療
 ドライアイ治療
に、積極的に取り組んでいます。

院長顔写真

メール医療相談

テレビ出演写真

メール医療相談

こんの優眼科クリニックは『患者さんに優しい眼科クリニック』をめざし、メールでのお問い合わせを受け付けます。
 
当クリニックを受診されたことがある方は、診察券に記入されている番号を記入して下さい。診療内容やお薬についての問い合わせや、当クリニックへのご意見・ご要望・苦情もお受けしています。
当クリニックを受診されたことがない方は、お名前・ご住所・電話番号・年齢をご記入の上、どのようなことでお困りか、ご遠慮なくご質問下さい。
質問された方のプライバシーは厳守いたします。診察しなければお答えできないこともありますことを、ご理解下さい。
 
質問と回答をホームページ上に公開することもありますので、ご了承ください。その際にも、プライバシー保護には充分注意致します。

 
メール医療相談 2007.5.1発行 優しい眼科クリニック第42号から>
メール医療相談(2)<2008.11.1発行 優しい眼科クリニック第60号から>
眼科メール医療相談<グラフ旭川2023年11月号「市民の健康ガイド」から>
目ディカル相談室2024
目ディカル相談室2023
目ディカル相談室2022
目ディカル相談室2021
目ディカル相談室2020
目ディカル相談室2019
目ディカル相談室2018
目ディカル相談室2017
目ディカル相談室2016
目ディカル相談室2015
目ディカル相談室2014
目ディカル相談室2013
目ディカル相談室2012
目ディカル相談室2011
目ディカル相談室2010
目ディカル相談室2009
目ディカル相談室2008
目ディカル相談室2007
目ディカル相談室2006

メール医療相談 2007.5.1発行 優しい眼科クリニック第42号から>
 
メール医療相談は一方通行の情報発信ではなく、インターネットの持つ双方向性の利点を活用できるのですが、診察しなければお答えできないこともありますし、文章だけのやりとりになりますので、誤解のないように気をつけて返答しています。もちろん通院中の方には、診察時に直接色々お尋ねいただきたいのですが、面と向かって聞きにくいと思われる方は、メールでも郵便でも質問を送って下されば、お答えさせていただきます。
konno@8341ganka.com までお送り下さい。
 
1年間でおよそ30件ですので、決して多くはないのですが、少しでも患者さんの不安が解消されたらよいなと考え、継続していこうと思っています。
ちなみに、今年の3月末までに108件の相談がありました。(複数回のやりとりがあったものも、1件としてカウントしています)
質問内容を大きく分類してみました。
1.白内障:手術の相談、術後の相談など→11
2.緑内障→9
3.外眼部疾患(目の充血、腫れなど)→17
4.コンタクトレンズ→27
5.小児眼科(斜視弱視など)→19
6.飛蚊症→5
7.眼底疾患→9
8.その他分類不能→11
となりました。
 
4.のコンタクトレンズについてが、27件で一番多く、インターネットをよく使用し、メール相談に抵抗のない年代の方にコンタクトレンズ装用者が多いことが考えられます。
次に5.の斜視弱視など子どもさんの目の病気についての質問が多く来ていました。若い親御さんの世代はインターネットとの接触が多く、でも小さいお子さんを連れてすぐ眼科にかかるのは大変というご事情からかと考えます。また、すでに他の眼科にかかっているのですが、しっかり説明が受けられないので、という質問が多くありました。
3.の外眼部疾患は、目が赤い、瞼が腫れたといった見た目でわかる変化についての質問が多く、ご本人にとってみると、心配だけれども病院にかかるのもチョット、ということでの質問が多いのですが、これは診察を受けていただかない限り、安易に大丈夫ですよとは、言えないので、お近くの眼科を受診して下さいというお返事が多くなってしまいます。
 
目ディカル相談室
グラフ旭川に『目ディカル相談室 目に優しいお話』というQAのコーナーを担当させていただいています。
このコーナーは「情報過多の時代ではありますが、本当に患者さんが知りたい情報はなかなか手に入りにくいのかもしれません。直接自分の主治医には聞きにくいこと、病院にかかる前にちょっと聞いてみたいことなど何でもよろしいですので、是非、目ディカル相談室にご質問下さい。」ということで始まりました。目ディカル相談室を始めてから、丁度一年経ちますので、今までの相談内容を振り返ってみたいと思います。今までの質問内容は過去のメール相談から掲載させていただきました。
 
平成18年
6月号:ご挨拶
7月号:3才時検診
8月号:閃輝暗点
9月号:近視は治りますか?
10月号:緑内障の検査
11月号:眼底出血
12月号:緑内障の視野欠損
 
平成19年
1月号:白内障日帰り手術
2月号:網膜静脈分枝閉塞症
3月号:遠視のコンタクトレンズ
4月号:ぶどう膜炎
5月号:高校生の弱視
という内容でお送りしてきました。
 
この中の7件は既に他の眼科で診療を受けている方からの質問でした。
やはり診察室ではなかなか聞きたいことをすぐ聞けないものだということが再確認できました。そのためにもメール医療相談も継続しますし、何よりも質問しやすい環境作りに気をつけたいと考えています。

メール医療相談(2)< 2008.11.1発行 優しい眼科クリニック第 60号から>
 
ホームページ上でメール相談を始めたのは、 200312月ですので、もうすぐ5年になります。
メール医療相談は一方通行の情報発信ではなく、インターネットの持つ双方向性の利点を活用できるのですが、診察しなければお答えできないこともありますし、文章だけのやりとりになりますので、誤解のないように気をつけて返答しています。
もちろん通院中の方には、診察時に直接色々お尋ねいただきたいのですが、面と向かって聞きにくいと思われる方は、メールでも郵便でも質問を送って下されば、お答えさせていただきます。
 konno@8341ganka.com までお送り下さい。
 
200751日発行の通信第 42号で開院してから 20073月末までの 108件のメール相談についてのまとめを記させていただきました。
そこからさらに1年半が経過しましたので、今回はメール相談の現況についてのご報告第2弾としまして、今年の9月末までをまとめさせていただきます。
 
108件に加えて1年半で 75件の相談がありましたので、これまで 183件になりました。
メール相談件数

上のグラフはメール相談の件数です。
決して多くはないのですが、徐々に増えてきているのがわかります。少しでも患者さんの不安が解消されたら良いなと考え、継続していこうと思っています。
メール相談の1ヵ月当たりの平均数を求めてみますと
3→2→3→3→3.5→5
ですので、今年は例年より少し多いようです。
メール相談月別件数

上のグラフはメール相談の月別の件数です。
特に季節によって多いといった特徴は見当たらないようです。これまでの 183件の相談の内容を大きく分類してみます。
 
1.白内障:手術の相談、術後の相談など →19
2. 緑内障→13
3.外眼部疾患(目の充血、腫れなど) →33
4.コンタクトレンズ →36
5.小児眼科(斜視弱視など) →33
6. 飛蚊症→9
7. 眼底疾患→14
8.その他分類不能 →26
となりました。
 
4.のコンタクトレンズについてが、 36件で一番多く、
5.斜視弱視などのお子さんの目の病気についての相談と
3.外眼部疾患の質問が 33件で次いで多い結果は前回の報告の時と変わりありませんでした。
 
コンタクトレンズのメール相談が一番多いことは、インターネットをよく使用し、メール相談に抵抗のない年代の方にコンタクトレンズ装用者が多いことだと思います。
また若い親御さんの世代はインターネットとの接触が多く、でも小さいお子さんを連れてすぐ眼科にかかるのは大変というご事情からかと考えます。
外眼部疾患は、目が赤い、瞼が腫れたといった見た目でわかる変化についての質問が多く、ご本人にとってみると、心配だけれども病院にかかるのもチョット、ということでの質問が多いだと思いますが、これは診察を受けていただかない限り、安易に大丈夫ですよとは、言えませんので、お近くの眼科を受診して下さいという返事が多くなってしまいます。
 
目ディカル相談室
グラフ旭川に『目ディカル相談室 目に優しいお話』という QAのコーナーを担当させていただいています。
このコーナーではメール医療相談に来たものをプライバシーを保護するために若干の手は加えてはいますが、そのやりとりを誌上で公開させていただいています。今までの掲載内容を振り返ってみたいと思います。
 
平成1 9
6月号:サッカーのコンタクトレンズ
7月号:甲状腺眼症
8月号:霰粒腫
9月号:「目の健康講座」告知
10月号:目の筋力
11月号:緑内障ホームトノメーター
12月号:近視の進行
 
平成20年
1月号:傍中心暗点
2月号: 55歳コンタクトレンズ再開
3月号:結膜弛緩
4月号: 1歳の内斜視
5月号:緑内障術後の白内障手術
6月号:アレルギーの結膜浮腫
7月号:内皮減少の白内障手術
8月号:レーシック
9月号:緑内障の転院希望
10月号:近視眼鏡のかけはずし
11月号:先天白内障
という内容でお送りしてきました。
 
これからも質問しやすい環境作りを気をつけたいと考えています。

2023年グラフ旭川11月号市民の健康ガイド
眼科メール医療相談

患者さんに優しい眼科
 こんの優眼科クリニックは今年の7月で開院20周年を迎えました。
 『患者さんに優しい眼科クリニック』をめざし、常に「患者さんが自分だったら、自分の親だったら、自分の子どもだったら」と考え、診療させていただいています。

メール医療相談
 『患者さんに優しい眼科クリニック』をめざし、開業当初からホームページでメールでのお問い合わせを受け付けています。メール医療相談は一方通行の情報発信ではなく、インターネットの持つ双方向性の利点を活用できるのですが、診察しなければお答えできないこともありますし、文章だけのやりとりになりますので、誤解のないように気をつけて返答しています。もちろん通院中の方には、診察時に直接色々お尋ねいただきたいのですが、面と向かって聞きにくいと思われる方は、メールで質問を送ってくだされば、お答えさせていただいています。

メール医療相談の実績
 メール医療相談には、実際にはどれくらい相談が寄せられているのか、まずは数字を出してみます。
2003年3件、2004年27件、2005年35件、2006年32件、2007年42件
2008年53件、2009年33件、2010年21件、2011年15件、2012年19件
2013年27件、2014年17件、2015年19件、2016年26件、2017年10件
2018年34件、2019年60件、2020年98件、2021年88件、2022年73件となっていました。今年はここまでで42件です。
 5年ずつで合計してみますと、2003年~2007年139件、2008年~2012年141件、2013年~2017年99件、2018年~2022年353件になっていますので、最近の5年で、それまでの倍以上の数になっています。この急激な増加は、おそらくではありますが、2017年12月にホームページをレスポンシヴに変更して、スマートフォンでも読みやすいものに改変したためではないかと思います。いまやパソコンでホームページを見る方は限られていて、多くの方はスマホから見ていると思われますので、その効果ではなかろうかと考えています。実際にホームページをご覧になった方の80%はスマホからでした。

メール医療相談の内容
 これまでのメール医療相談の内容を大きく分類してみました。
1.白内障(手術の相談、術後の相談など)83件
2.緑内障:50件
3.外眼部疾患(目の充血、瞼の腫れなど):149件
4.コンタクトレンズ:92件
5.小児眼科(斜視,弱視なそ):108件
6.飛蚊症:54件
7.眼底疾患:74件
8.その他分類不能:169件
となりました。
 外眼部疾患の質問が一番多く、小児眼科の質問がそれに次いでいました。外眼部疾患は、目が赤い、瞼が腫れたといった見た目で分かる変化についての質問が多く、ご本人にとってみると、心配だけれども病院にかかるのもチョット、ということでの質問が多いのだと思いますが、これは診察を受けていただかないと、安易に大丈夫ですよとは言えませんので、お近くの眼科を受診してくださいという返事が多くなってしまいます。小児眼科の質問をくださる親御さんの世代はスマホで検索することが多いと思いますが、小さいお子さんを連れてすぐ眼科にかかるのは大変というご事情からかと考えます。赤ちゃんを連れて眼科に行ったら、赤ちゃんをす巻きにされて開瞼器をかけられて診察されたが問題ないのか、という質問が複数回寄せられています。眼科医としては、見落としがないように、確実な診察を心がけていますし、通常の診療行為で安全なものと思って行っていることが、親御さんからみると理不尽に感じるようで、診察の前にしっかり説明して納得してもらう必要があることを再認識しています。

目ディカル相談室
 毎号、「目ディカル相談室 目に優しいお話」というQ&Aのコーナーを担当させていただいています。実際にメール医療相談に届いたものをプライバシーを保護するために若干の手は加えてはいますが、そのやりとりを誌上で公開しています。読者の皆さんもなにか聞いてみたいことがありましたら、ぜひメールをください。

 メール医療相談は、実際に診察していませんし、具体的なデータもございませんので、断定的なことはなかなか言えず「お近くの眼科を受診なさってください」「主治医の先生とよく相談してください」というお返事が多くなってしまいますので、相談してくれた方のご期待に添う返答ができていないかもしれませんが、なかには返答の後にわざわざ御礼のメールをくださる方もいらっしゃいます。「このような場を作っていただき、私のように不安で一杯の多くの人の気持ちが、先生の助言で軽くなっていると思います。お忙しい合間を縫ってかとは思いますが、この場があり続けることを切に願います。」「本当にご親切に対応して頂き、有難うございました。今野先生の様な眼科医や、相談して頂ける眼科医が増えればと感じました。本当に有難うございました。」と言った言葉をいただきますと、少しはお役に立てていると実感でき、嬉しく思っています。これからもできる限り微力ながらも、継続していきたいと思っています。

2024年3月25日 令和6年3月号
「強度近視の片眼白内障手術」
 
(Q)58歳、強度近視で、30年前に右眼の網膜裂孔の手術をしています。老眼も少しあります。
 先日いつも網膜の定期健診に行っている眼科で「右眼の白内障が進んでいるので、希望ならば手術できます」と言われました。右眼は眼鏡をかけても霞みがひどく、ほぼ左眼でパソコンで仕事をしている状態ですので手術を希望しました。
 すると、両目した方が良いとのことで、近視は強いですが白内障の影響はほとんどない左眼も手術ということに不安が出てきました。
 網膜に関するリスクを聞いてみると、白内障の手術で水を使うので、網膜に穴が開いて網膜剝離となることもままあると言う説明を受けました。
 いま白内障の進んでいない左眼も白内障の手術をして、網膜剥離になったらと思うと、右眼だけにした方が良いのかとも思います。いろいろ調べてみますと、強度近視の場合、両眼手術の方が良いという意見が多いようですが、網膜剝離のリスクを考えますと、どちらの方が良いのでしょうか。お時間のございます時に教えて頂ければ幸いです。宜しくお願い致します。

(A)ご連絡有難うございます。強度近視で右目の白内障が進行したとのことですね。白内障の手術を右目だけにするか、左目も受けるか迷っているとのことですね。
 白内障の手術の際に、白内障を摘出し、同時に眼内レンズを入れて度数を合わせます。その手術後の度数をどうするかに関して、右目だけの手術でいいかを決める必要があります。強度近視とのことですので、今までどのように矯正していたかによるかと思います。
 例えば、今までコンタクトレンズで矯正していた場合、右目だけを手術して近視を弱くして遠くにピントが合うようにして、左目はコンタクトレンズを使う、という方法があります。
 今まで、眼鏡で矯正していた場合、右目だけを手術する時には、左目に合わせて今までと同じような近視になるような眼内レンズを入れます。眼鏡の矯正の場合は、左右差が大きいと矯正できませんので、右目に強い近視を残す必要があります。
 主治医の先生がお勧めするように、両目の手術をする場合は、左右の度数を合わせることができますので、1)遠くがよく見えるようにして、近くを見る時に老眼鏡をかける。2)近くが裸眼で見えるくらいの度数に合わせて、車の運転をする時には弱い近視の眼鏡をかける。というように、どこにピントを合わせるか決めることができます。もともと近視が強い方の場合は、2)をお勧めすることが多いです。
 「白内障の手術をして網膜剥離になったら」というご心配はよく分かります。確かに、強度近視の方のほうが、網膜剥離になるリスクは近視が弱い方よりも高いです。しかし、それを心配するのであれば、網膜裂孔の手術をしている右目もそのリスクはあります。網膜剥離は、ある日突然起こってすぐ失明するという病気ではありません。網膜剥離になる前に、網膜裂孔が生じて、そこから水が回ると網膜剥離になります。網膜裂孔が生じた時には、通常、急に飛蚊症が増えます。ですので、白内障の手術後に飛蚊症が増えたと自覚された時に眼科を受診していただけましたら、網膜剥離になる前の段階で、治療ができると考えられます。手術後にも、しっかりと通院を継続することで、ご心配を軽減することができるかと思います。以上が、私の考えです。主治医の先生としっかり相談して、納得した上で手術を受けることをお勧めします。どうぞ参考になさってください。


2024年2月26日 令和6年2月号
「飛蚊症」
 
(Q)40歳女性です。
 はじめまして。ご相談させてください。飛蚊症があり、2週間前にも、飛蚊症が増えた気がして眼科を受診しました。異常なしでした。
 以前からある症状なのですが、電灯をみたり、薄暗い所から明るい窓を見たりすると、白っぽい大きめなものが数個ほど横切ります。普段は糸屑や粒のように見えている飛蚊症が光源付近では白っぽくぼやけて大きく見ているような気がします(たぶん)。電灯付近では光って見えたりもします。全部の飛蚊症がそういった見え方をするわけではないです。ぼんやりしたものが横切るのは不快なので、薄暗い所から明るい所を見ないよう、なるべく気を付けています。普段見ないようにしているので、変化に気づきにくく、先日、かなり大きなぼんやりしたものが横切ることに気付きました。長い糸屑の飛蚊症もあるので、それが白っぽく見えたのでは?と自分を納得させようとしますが不安です。
 2週間前に眼底検査を受けたばかりですが、受診した方がいいのでしょうか。空を片目で見て飛蚊症が増えていないかチェックしているのですが、これからは、薄暗い所から明るい所を見てのチェックもした方がいいのでしょうか。また、受診した眼科では散瞳なしで超広角カメラで撮っていただきました。散瞳なしの検査では見落としがあるのでは?と不安に思ったのですが大丈夫なのでしょうか。
 質問が多く申し訳ないです。お手数ですが御回答頂けたら幸いです。

(A)ご連絡有難うございます。飛蚊症が気になっていらっしゃるとのことですね。
 飛蚊症の感じ方は個々人で異なりますので、こういう見え方が飛蚊症ですと断言できるものではなく、目の前で何か動いているものが見えることを飛蚊症とよんでいます。
 飛蚊症は多くの場合は加齢に伴う生理的なことが多いのですが、網膜裂孔(目の神経の膜に穴があくこと)、硝子体出血(目の中に出血すること)、ぶどう膜炎(目の中に炎症が起きること)によるものなど、病的飛蚊症のこともあります。飛蚊症の原因として目の中に病気がみつかったという意味の、病的飛蚊症では、その原因となった病気の治療が必要になってきます。
 飛蚊症はその見え方が問題ではありません。飛蚊症を引き起こしている病気がなければ、様子をみていただくよりないと思われます。2週間前に眼底検査を受けられたとのことですが、気になるようでしたら再度眼科を受診なさって、目に病気が起きていないことを確認してください。
 散瞳なしで超広角カメラで検査を受けたとのことですが、超広角カメラの性能も改善されており、散瞳なしでかなり広い範囲の眼底が撮影できるようになっています。しかし、上下の眼底の端の方は、瞼に邪魔されてきれいに撮影できないこともあり得ます。散瞳検査をご希望の旨を眼科の先生に伝えて、ご自分で運転せずに受診して、散瞳検査を受けることをお勧めします。
 どうぞ参考になさってください。


2024年1月25日 令和6年2月号
「緑内障の他眼の手術」
 
(Q)突然の質問で失礼します。
82歳の母が半年前に左側の緑内障と白内障の手術をうけました。緑内障の手術はうまくいったそうですが白内障の手術後の出血がひどく3週間ほど退院できなかったそうです。最終的にはある程度視力が改善(0.5→0.7)にはなり、眼圧も4まで下がったそうです。
 現在、同じ病院で、ほぼ見えていない右側の目の白内障の手術を非常に強く勧められるものの半年前の恐怖もあり迷っているそうですが、病院側が勝手に2週間先で手術予定を組んだと連絡がきたそうです。因みにその白内障の手術をしても右側の目がよく見えるようになる見込みはあまりなく、手術をしないと先に手術した左目に悪影響があるから、と言われたそうですが、そのメカニズムなどはどの程度説明があったかは知りませんが全く理解できていません。
 こういった場合、やはり右眼の手術をうけるべきなのでしょうか?また手術しない場合におこる左目のリスクとはなんなのでしょうか?本人を診察なしでメールのみでのこのような質問には大変お答えにくいものと思いましたが、現在実家と遠方で診察についていくことも難しく、誰に相談してよいのかもわからず、すがる思いで質問させていただきました。
 もしよろしければご教示いただけますと大変うれしいです。何卒宜しくお願いいたします。

(A)ご連絡有難うございます。お母様の右眼の白内障手術についてのご相談ですね。ほぼ見えていない右眼の手術と言うことでご不安ですね。
 実際に診察をしておりませんので、データがなく想像での返答になってしまいますので、ご了承ください。
 さきに手術をした左眼は緑内障と白内障の手術をしたとのことですので、右眼にも緑内障がある可能性もあります。また右眼は見えるようにならなくても手術を勧められているということからは、白内障が進行しており眼圧が上がる危険性があり、そのための手術ということかもしれません。「病院側が勝手に2週間先で手術予定を組んだ」ということですが、通常はご本人の同意を取って手術を決めるものですので、ご本人には早急な手術をしないと心配な状況になるという説明があったのかもしれません。
 ご家族の方が遠方で診察について行けないとのことですので、どなたかお母様のご友人、知人に同席をお願いして手術の説明をご一緒に聞いてもらって、納得されてから手術日程を組んだ方がよろしいのではないかと思います。
 診察をしている訳ではありませんので、確定したことは申せませんが、病院が無理に手術を勧めることは通常ございませんので、何かしらの早急な手術が必要な理由があると思われます。どうぞどなたかに病院に一緒に行ってお話を聞いてもらうか、それが出来なければ主治医の先生とお電話でお話しする時間をとってもらっては、いかがかと思います。
 お役に立てない返答で申し訳ございません。メール医療相談には限界がありますことをご理解ください。どうぞ参考になさってください。


 2023年12月25日 令和6年1月号
「白内障術後の希望度数」
 
(Q)56歳 男性。白内障手術の単焦点レンズについて。
 白内障手術を受ける事になりましたが、レンズについて迷っています。眼科の先生からは遠方を見える様にすれば、眼鏡が要らなくなるからと勧められました。その際、私の希望で手術しない方と同等レベルでと話しましたが聞き入れてもらえず、今保留にしています。病院を変えようかとも考えましたが、手術日も決まっており、また1から別な病院での受診は…と躊躇しています。
 それでネットにて色々調べている状態です。私は両眼-7Dの近視です。仕事柄手元作業やパソコン作業が多く、車の運転します。今はハードコンタクトと家では眼鏡を使用しています。手術は片目だけで、10年以内にはもう片目も手術しないといけなくなると言われています。手術後眼鏡するのは問題無いですが、手元作業の度に老眼鏡するのは面倒なので、近視を残してと思っています。手元作業するなら-3D位と調べて分かりましたが、片目が-7Dなので眼鏡が使えないなら、-7Dより少し見易く-6Dにするのか眼鏡が使える範囲の-5Dにすべきなのかと思っています。
 ネット上にも色々情報があり、私自身も相談する場所がなく迷ってしまい相談させて頂きました。アドバイス等頂けたら幸いです。宜しくお願い致します。

(A)ご連絡有難うございます。片目の白内障手術の度数合わせについてですね。
 現在どのように生活しているかで考えて欲しいと思います。「仕事柄手元作業やパソコン作業が多く、車の運転します」とのことですが、「今はハードコンタクトと家では眼鏡を使用」とのことですね。
 ハードレンズは遠近両用でしょうか。遠近両用でないのなら、片目を手術して遠くに合わせて、もう片方をハードレンズで過ごすという手もあると思います。主治医の先生は現在の状況から、手術をする目を遠くに合わせたほうがよいのではないかと判断したのではないかと考えます。
 もちろん遠くを優先していないということでしたら、近くにあわせることも可能です。
 また、左右差が気になるということでしたら、もう片方も手術するということも可能です。
 いろいろな考え方がありますが、十分に考えて納得してから受けた方が良いと思います。
 「また1から別な病院での受診は…と躊躇」とのことですが、「病院を変えようかとも考えましたが、」ということでしたら、セカンドオピニオンで納得してから受けた方が、後悔しないのではないかと思います。
 どうぞ参考になさってください。

 2023年11月25日 令和5年12月号
「ものが二重に見える」
 
(Q)問い合わせ失礼いたします。以前、夫が受診させていただいたことがあり、その節はお世話になりました。47歳女性です。
 お尋ねしたいのは「目の焦点が合わない」という症状です。2週間ほど前から、右側を見た時に焦点が合わず物が二重に見えます。正面を見た時も若干焦点が合いません。こちらは物が二重に見えるほどではありません。左側を見た時は異常ありません。この症状は両目で見た時だけ起きる症状で、片目ずつ見ると異常ありません。また最近、スマートフォンの見過ぎのせいなのか右眼が眼精疲労でなかなか治りません。
 私の眼は右目と左目の視力が大きく異なります。右眼は近視で左眼が遠視(最近老眼?)です。視力ですが、自動車を運転する時は眼鏡をかけますが、日常生活では眼鏡はかけるほどではありません。
 本題ですが、先ほど述べた「焦点が合わない」という症状は一時的なものなのでしょうか?また、眼精疲労で「焦点が合わない」ということはあるのでしょうか?
 受診させていただかなければご回答が難しいかもしれませんが、相談のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

(A)ご連絡有難うございます。
 「右側を見た時に焦点が合わず物が二重に見える」「両目で見た時だけ起きる症状で、片目ずつ見ると異常ない」とのことですが、この症状は両眼性複視といいます。
 目には目を動かす筋肉が左右それぞれ6本ずつありますが、その筋肉を脳からでている神経が3つ関わっています。
 「右側を見た時に焦点が合わず物が二重に見える」という場合には右目を外側に動かす筋肉の動きが悪い場合と左目を内側に動かす筋肉の動きが悪い場合が考えられます。
 複視の場合は、まずは眼科を受診してください。目の動きを確認して、目の中にも病気が起きていないことを確認して、必要であれば脳神経の確認のために神経内科、脳神経外科への紹介が必要になる場合があります。
 やはり受診していただかなければ確かなことは申せませんので、眼科を受診していただきたいと思います。どうぞ参考になさってください。


 2023年10月25日 令和5年11月号
「緑内障治療中の中心暗点」
 
(Q)15年前から緑内障でしたが、ずっと眼圧10~11 mmHgで視野も保たれていました。が、1か月前から急に、右目の手元が見えづらくなり、眼科で検査して頂きました。
 MRI、血液検査、網膜検査、視野検査(10度)、すべて特に問題はありませんでした。しかし、右目の手元の見づらさは日ごとに増してきており、自覚症状では手元の中心近くの欠けも相当でてきました。左目は、欠けは感じないのですが、全体にぼやけて見えます。両眼とも原因がわからず困っています。視野検査に現れない視野の欠けはなぜなのか、またこの欠けは何なのか、ご教示頂けませんでしょうか。

(A)ご連絡有難うございます。
 緑内障で眼圧コントロールも良好で視野も保たれていたのが、急に悪化しているとのことですね。
 視野検査で検出できない暗点の可能性はありますが、通常は30度で行う視野検査ですが、10度の視野検査もしているとのことですので、現在出来うる検査は施行しているということになると思います。
 また頭部MRI検査で目の後ろに病気が隠されていないかの検査もしていますし、血液検査もしていますので視神経炎などの原因になる病気がないことも確認されています。網膜検査はおそらく光干渉断層検査と思われますが、目の奥の網膜の中心である黄斑部にも異常がないことを確かめられていると思います。検査結果と経過を診ながら、主治医の先生も出来うる検査を、しっかりと行っていると思われます。
 検査結果と経過がわからない私が安易に判断できないことです。メール医療相談には限界がありますことをご理解ください。
 不安なことに関しましても主治医の先生とよく相談なさって、通院を継続されることをお勧めします。主治医の先生は現時点で考えられる全ての検査をしてくださっていますので、主治医の先生を信頼して経過を診てもらって欲しいと思います。
 お役に立てないお返事で申し訳ございません。どうぞお大事になさってください。


2023年9月25日 令和5年10月号
「裂孔原性網膜剥離の手術の適否」
 
(Q)眼科で右目の網膜が10数年前に剥がれているが今はくっついている。このまま様子をみるか、剥離する前に予防で手術受けるか悩んでます。現在30代。
父は、50代のとき網膜剥離になりました。
症状は、3か月前に飛蚊症が出て受診後診断。現在、黄斑部まで剥がれていて視力低下・歪みあり。左右1回ずつレーザー治療もしました。
1. 手術するタイミング
2. 手術術式→先生は、入院2日程度で退院後は安静にする必要はないと。一般的な剥離の手術にくらべると入院期間が短くすむのはなぜか。術後これ以上視力低下はないが、物が2つに見えるかも?とは乱視とは違うのか
3. 黄斑部まで剥がれていて、この後ゆっくり剥離した場合さらに視力低下がみられるか
4. 黄斑変性のばあい、一般的にコンタクトで視力矯正しているのか
答えられる範囲でかまいませんので宜しくお願いします。
 
(A)ご連絡有難うございます。
診察をしていませんので、メールの内容からでは、なかなか判断ができないことがありますことをご了承ください。
手術するタイミングにつきましては、現在の状態が分かりませんので、ご返答できかねますが、一般的に黄斑部が剥離しているのであれば、早期に手術を受けた方が視力回復の点からよろしいのではないかと思われます。
手術術式に関しましても、主治医の先生がどのような術式を考えているのかによるかと思いますが、日帰り手術でおこなっている施設もありますので、一概に短いとは言えないのではないかと思います。
物が二つに見えるかも、というのは、複視のことだと思われます。網膜剥離の手術後に目の動きが少し悪くなる場合があり、そのためにものが二つに見えることがありえます。視力があまりよくない場合は、あまり気にならないこともあります。
黄斑部が長い期間にわたって剥離していますと視力がさらに下がる可能性はありますし、また長い期間にわたって剥離している場合、手術後の視力の回復が芳しくないこともあり得ます。
黄斑変性でコンタクトレンズで視力矯正するかどうかは、残っている視機能に依存します。黄斑変性の程度によっては矯正できない場合があります。
以上、診察をしていない上で、お答えできる範囲で返答させていただきました。
網膜剥離はそれぞれの状態、程度が異なりますので、やはり主治医の先生とよく相談されて、納得されてから手術を受けることをお勧めします。
メール相談には限界がありますことをご了承ください。お役に立てないお返事で申し訳ございません。どうぞお大事になさってください。


2023年8月25日 令和5年9月号
「白内障術後の左右差」
 
(Q)セカンドオピニオンです。
 4か月前に右目の黄斑偽円孔と白内障手術をしました。強度近視のため中距離合わせの単焦点レンズ(ジョンソン&ジョンソン) 入れました。正視を狙ったけどマイナス1程近視になったそうです。歪みはまだまだですが視力は0.6程です。左右のアンバランスがつらくて3か月前に左目の手術もしました。
 担当医が近くも見やすいようにとのことでアイハンスを入れると言いました。中距離に合わせると言ったのですが、遠方視力を聞くと0.6くらいと言われたので、テニスが趣味のためもう少し見えるようにとお願いしました。その時、気持ち悪くならないか確認したら大丈夫だと言われました。手術後、左目は予想以上の1.2まで見えるようになりました。こちらはマイナス0.25程の近視になったそうです。
 視力的にはよく見えるようになったのですが、術後から3か月以上経ちますが、左右差がありすぎて左目が疲れ、左の肩こり、頭痛に悩まされて日常生活に支障が出ています。左目を中距離に合わせたレンズ交換希望を検診の時に訴えているのですが、そのうち慣れると言われましたが、なかなか慣れません。
 この左右差のある見え方に本当に慣れるのでしょうか?このようなレンズ交換はしない方がいいのでしょうか?長文になりましたが、よろしくお願いいたします。

(A)ご連絡有難うございます。4か月前に右目の黄斑偽円孔と白内障手術、3か月前に左目の白内障手術を受けたとのことですね。セカンドオピニオンご希望とのことですが実際に診察している訳ではありませんので、一般的なことしか申せませんことをご了承ください。メール医療相談には限界がありますことをご理解ください。
 「術後から3か月以上経ちますが、左右差がありすぎて左目が疲れ、左の肩こり、頭痛に悩まされて日常生活に支障が出ています。」とのことで、「左目を中距離に合わせたレンズ交換希望」とのことですが、左右に差があり変調をきたすことを不同視といいます。
 一般的に不同視が原因としてレンズ交換を考える場合は、左右の視力の差ではなく、左右の屈折度数の差が大きい場合に問題になります。
 実際に診療している訳ではありませんが、メール内容から屈折度は右-1.0、左-0.25ということですから、左右差は0.75ということになり、これは不同視には当てはまらないかと考えられます。
 左右の視力差が気になるということでしたら、右目には黄斑偽円孔があるとのことですから、視力の回復が思わしくない可能性もあります。
 このことから「左目を中距離に合わせたレンズ交換」したとしても、症状が改善するということは、断言できないのではないかと思います。メール内容からからだけですが、積極的にレンズ交換をお勧めできないのではないかと思われます。
 あくまでも一般的な返答として参考にしていただき、実際にデータを携えてセカンドオピニオンをお求めになるのがよろしいのではないかと考えます。お役に立てないお返事で申し訳ございません。どうぞお大事になさってください。


2023年7月25日 令和5年8月号
「3か月の赤ちゃんの目に毛玉」
 
(Q)不安になって検索し、こちらにたどり着いたので質問させてください。
 先日0歳3ヶ月の赤ちゃんの目に毛玉のようなのが入り、次の日に眼科を受診しました。
 事前の説明もなく、処置室に入りベットに寝かせられ、その時点で大泣きし瞼をしっかり閉じてしまったためた、開瞼器?でしょうか。金属を閉じてる瞼に無理矢理入れて、3ヶ月の赤ちゃんワンワン泣いてるのを押さえつけ、毛玉を取り出しました。可哀想で私自身がトラウマになるくらいです。今後の経過心配でしたが目薬の処方はいらないとのことで、それから2日経ちますが朝多く目やにがでます。金属を無理矢理入れたので目に傷がついて目やにが出るのでしょうか?視力下がりませんでしょうか?笑顔も少なくなったような気がしてストレスじゃなかったか心配です。大丈夫でしょうか?宜しくお願いします。

(A)ご連絡有難うございます。3か月のお子さんの異物を取ってもらったとのことですね。
 小さなお子さんの異物を取るためには、タオルなどで体を抑えて、開瞼器をかけて取らなければなりません。事前の説明もなく、というのは申し訳なかったと思いますが、異物を残してしまいますと、黒目(角膜といいます)に傷をつけてしまう心配がありますので、確実に異物を取るためには仕方のない処置だとお考えください。
 開瞼器をかけたことで目に傷がつくということは通常ありません。目やにが出ているということですから、もう一度、眼科を受診して目薬を処方してもらってください。開瞼器をかけた処置で視力が下がるという心配はございません。小さなお子さんに処置をしたことでストレスになるとのご心配ですが、この時期では記憶にも残りませんので心配ないと思います。
 急な処置でびっくりされたことと思います。過去にもメール相談で同じように、お子さんに対しての開瞼器が心配だったというご相談が数件ありました。
 眼科医としましては安全な処置と確信して行っていますが、お母様には不安を抱かせてしまうということを肝に銘じて、当クリニックでは、しっかり説明してから、処置をしたいと思います。
 目やにに関しましては眼科を受診なさってください。どうぞ参考になさってください。


2023年6月26日 令和5年7月号
「白内障術後の飛蚊症」
 
(Q)白内障(両眼)をしてから1ヶ月経って間もない頃右目に飛蚊症を発症しました。
 手術さえしなければ良かったのかしらと考えまたストレス、スマホの検索のしすぎが原因かなと色々思い悩んでおります。
 考えられる原因をお教え下さいませ。

(A)ご連絡有難うございます。
 白内障手術を受けて1カ月経った頃に右目に飛蚊症を発症したとのことですね。飛蚊症はとても鬱陶しいと思いますので、ご心痛お察しします。
 手術さえしなければよかったとストレスを感じてらっしゃるとのことですが、基本的に飛蚊症と白内障手術は無関係だと思われます。白内障手術を受けていらっしゃらなくても、飛蚊症を生じることは一般的によく見られることです。
 大事なことは、飛蚊症が放っておいて問題のない生理的なものか、病的な原因があって生じた飛蚊症ではないかを、しっかりと診察してもらうことだと思います。
 飛蚊症の多くは、加齢に伴う生理的なものですので、白内障になる年齢の方とダブることもあり、飛蚊症で受診したら、白内障手術を勧められるということもよくあることではないかと思われます。
 飛蚊症の中でも、網膜という神経の膜に穴が開いたことによって起きるもの、目の中に出血したために起きるもの、目の中に炎症があるために起きるものなどは病的飛蚊症と呼ばれ、飛蚊症の原因となっている病気に対する治療が必要になります。
 白内障を手術してもらった先生に詳しく目の中を検査してもらって、飛蚊症が病的なものではないことを確認してもらってください。病的なものではないと診断されましたら、自覚的に飛蚊症が悪化した時に、また眼底検査をしてもらう必要があると覚えていてください。
 基本的には飛蚊症は無くならないものですので、増えていないかに注目して、増えていなければ安心して慣れて欲しいと思います。飛蚊症は基本的には、全ての方に起きるものです。眼底検査を受けて、心配ないと言われましたら、それ以上に気にやむ必要のないものとお考えください。
 ご期待に応えられるお答えではなかったかもしれませんが、どうぞご参考になさってください。


2023年5月25日 令和5年6月号
「ワンデーを3か月つけっぱなし」
 
(Q)18歳・女です。
 ワンデーコンタクトを3ヶ月ほど付けっぱなし→新しいものに取り替えてまた3ヶ月ほど付けっぱなしという生活を送っていました。
 ネットに「角膜が酸素不足となって最悪失明する」と書かれていて恐ろしく思いコンタクトを外したのですが、裸眼状態だと乾燥しているのか、目を開けているとスースーして少し痛いです。
 鏡で見ると、黒目のふちに細い血管が被っているようにも見えます。
 また目の病気について色々調べていると、
・飛蚊症→目眩がする時によくなる症状と似ている
・眼振→月に1回程度で起こる症状と似ている
と感じました。
 やはり一度眼科を受診するべきでしょうか。とりあえず1ヶ月ほどはコンタクトの装着を控えようと思っています。

(A)ご連絡有難うございます。「ワンデーコンタクトを3ヶ月ほど付けっぱなし」ということですが、ご自分でも感じていらっしゃると思いますが、とても危険な使い方です。コンタクトレンズは角膜に直接のせるものですから、涙を通して角膜にいく酸素が減ってしまいます。酸素は角膜の栄養ですから、栄養不足が続いてしまいますと、酸素不足でいろいろな問題が起きてくる危険性が増えます。
 ひとつは角膜に傷がついてしまうことです。角膜に傷がつくとしみる感じ、痛み、ゴロゴロ感が出て来ます。「目を開けているとスースーして少し痛いです」とのことですから、角膜に傷がついてる可能性が高いと思います。
 二つ目として角膜に傷がついている状態が続きますと、角膜のバリア機能が破綻していますので、細菌やウイルス、アメーバに感染する危険性が増えます。これらの病原体が感染しますと、角膜潰瘍といいまして、難治な状態を引き起こすことになります。
 三つ目が角膜新生血管です。角膜にはもともと血管はないのですが、酸素不足が長く続くことで体が反応して、本来ないはずの角膜新生血管が入って来ます。「黒目のふちに細い血管が被っているようにも見えます」ということですから、角膜新生血管が生じている可能性があります。
 四つ目は角膜内皮細胞の減少です。角膜はその透明性を保つために水をくみ出す働きを持っています。その役割をになう角膜内皮細胞は酸素不足で減少し、一度減った細胞は元通りにならないことが分かっています。角膜内皮細胞が減って行くと角膜が透明でいられなくなり、白く濁って、視力が下がってしまいます。こうなると治療は角膜移植しかなくなります。
 角膜の酸素不足によって、これらの問題が起きる心配が高まります。今のコンタクトレンズの使い方を続けていますと、そうなる危険性が非常に高くなってしまいます。
 まずはお近くの眼科を受診し、正直に今までのコンタクトレンズの使い方を話して、今現在の角膜の状態を診断してもらってください。コンタクトレンズは使わずに眼科を受診してください。どうぞ参考になさってください。


2023年4月25日 令和5年5月号
「両眼性複視」
 
(Q)こんにちは。遠方の者ですが、ご指導下さい。65歳、女性です。
 昨夜ベランダで月を見ていた時に気付いたのですが、月を見たとき最初は一つの像を結んでいるのが、2,3秒続けて見ているとだんだん月が2個になって片方が右に動いて離れていくのです。月以外の遠方に光って見える灯りなどもそのように見える時がありました。
 片目ずつだとそのような症状にはなりません(近視・乱視があるので多少ぼやけてはいますが)。
 また、家の中程度の距離だとそのような症状は全くありません(なので今まで全く気付きませんでした)。今朝、玄関を出て周りの風景を見た時は、特に感じませんでした。
 両眼複視は、脳や神経の病気が原因と知り、怖くなっています。すぐに近医を受診すべきでしょうか。

(A)ご連絡有難うございます。
 月を観ている時に月が二つに見えたとのことですね。片目ずつではそのようにならないとのことですので、お調べになったように両眼複視だと思われます。
 しかし、家の中程度の距離だとそのような症状は全くありませんとのことですので、脳や神経の病気が原因ということは考えにくいと思います。
 脳や神経の病気が原因の場合は、常にものが二つに見えるようになる場合が多いです。それぞれの目には6つの筋肉がついていて、それらの筋肉が共同して働くことで、全方向にスムーズに目を動かすことが出来ます。また、その6つの筋肉には動眼神経、滑車神経、外転神経という3つの脳神経が関わっています。それぞれ3つの神経は司る筋肉が決まっていますので、その神経の麻痺などの問題が生じた時には、特有の複視を起こします。たとえば、右の外転神経麻痺の場合には、右目が外側に動きにくくなりますので、正面を見ている時には複視はあまり気になりませんが、右側に目を動かした時に、複視が生じることになります。
 今回、月を観ている時に気がついた複視の原因の可能性としましては、外斜位、間歇性外斜視といった目の向きの問題が考えられます。
 脳や神経の病気が原因ではないと思われますが、一度お近くの眼科を受診してみていただきたいと思います。外斜位、間歇性外斜視といった目の向きの問題は、加齢に伴って調節力が落ちてくることによって、今までは真ん中に保たれていた目の向きが外側に行きやすくなってしまうこともあります。一度、詳しく検査をお受けになることをお勧めします。どうぞ参考になさってくださいませ。


2023年3月24日 令和5年4月号
「外傷性網膜剥離」
 
(Q)10歳の息子なのですが、先月16日に野球の自打球が左目下に当たり眼科を受診。強い網膜振盪とのことで経過観察、3回目の受診先月27日で、穴があいていると言われてすぐに大きな病院へ。その日のうちに手術となりました。穴は大きかったので硝子体手術の予定でしたが、まだ、10歳ということもありバックリング手術でなんとか手術してもらい成功しました。
 元々どれぐらいの穴があいていて、どこまで剥がれていて、水はいつ頃なくなるのかなどの説明がなく、どう聞いていいのかもわからないのですが、「これぐらいで済んだからよかったね」みたいなことを言われたので黄斑までは剥がれていなかったのかな?という個人的な予想でしかありません。
 術後1週間の時の診察では経過良好と言われたのですが、水がまだひかないとのことで。(元々目の半分ぐらいまで水が出てきていると手術前に言われました。)
 水は、術後すぐにひくものなのでしょうか?また、ひかない場合、どういった支障が出てきますか?
 10歳ということもあり、今後野球なら復帰させていいものかも親としては心配です。そもそも復帰できるものでしょうか?いきなり通常の練習には戻れないにしても、筋トレ、素振り、キャッチボール、ランニングなどそれぞれを再開していい時期はどれほどでしょうか?
 そして、どれほどの期間経過観察をしていくことになりますか?一生眼科に通うようになりますか?

(A)ご連絡有難うございます。息子さんの外傷性網膜剥離とのこと、ご心痛お察しします。
 網膜剥離の術後経過についてご心配のことと思います。網膜剥離に関しましては、術前の状態、網膜裂孔の大きさ、位置、硝子体の状態、近視の度数、年令など多くの因子が絡まってきます。
 ここで一般的な網膜剥離に対しての返答をしましても、主治医の先生の返答と異なった場合、お母様にさらに混乱を感じさせてしまう懸念があります。
 やはり主治医の先生に、しっかりとお時間を取ってもらって説明をうけるべきと思われます。
 『元々どれぐらいの穴があいていて、どこまで剥がれていて、水はいつ頃なくなるのかなどの説明がなく、どう聞いていいのかもわからない』とのことですが、このままお尋ねいただきたいと思います。
 お母様には医学的な知識もおありのようにお察しします。ご自分で疑問に思ってらっしゃることを、主治医の先生にしっかりお尋ねになり、不安を解消していただけることを願っています。
 ご期待に応えられる返答ではないことをおゆるしください。メール医療相談では実際に診察していませんので、個々の症例に関しまして、突っ込んだ返答が出来ませんことをご理解ください。
 どうぞお大事になさってくださいませ。


2023年2月24日 令和5年3月号
「白内障術後の近視化」
 
(Q)日々の診察で御多忙の中を本当に申し訳御座いませんが、1つお聞きしたい事があります。
 私は約2年半前に両目の白内障手術をしました。
 それ以前は強度近視でしたので、白内障手術後は近視が随分軽くなり大変喜んでいました。 ですがここ最近、パソコンを日々長時間使う仕事による影響かどうかは不明ですが、左目の近視が少し進みました。屈折度数にすると-0.5Dみたいです。
 白内障手術後は主治医の方は「レーシック手術みたいに近視の戻りは基本はない。視力も下がる事は基本はない。」との説明を受けていたので、現在、左目が近視が少し進んだ事に大変ショックを受けております。ちなみに右目は近視の屈折度数に変動はありません。
50歳でも近視は進むのでしょうか?白内障手術後に屈折度数が変動する事はあるのでしょうか?ちなみに私は単焦点レンズ入れており、手元約40cmにピントがあっております。
 御返答をお待ちしております。宜しくお願い致します。

(A)ご連絡有難うございます。両眼の白内障手術を2年半前に受けて、最近左眼の近視のみが-0.5D進んだとのことですね。
 私も主治医の先生のおっしゃる「レーシック手術みたいに近視の戻りは基本はない。」というお考えには同意します。
 「単焦点レンズ入れており、手元約40cmにピント」を合わせたとのことですから、-2.5Dの近視を残していることになります。今回-0.5D近視が進んだとのことですが、まだ50才とのことですから調節力も残っていますので、近業を長くしていることで見かけ上、近視が強く出た可能性もあります。
 一度の検査で近視が進んだと断定せずに、経過を見て行った方がよろしいのではないかと思います。
 近業を長くすることによってドライアイが生じ、見かけ上、近視が強く出た可能性もあるかと思います。
 白内障術後に度数が変動することはあり得ます。上の様な理由のこともありますし、糖尿病のコントロール状態で変動することもあります。
 定期検査を受けて、今後の度数に変動がないか、経過観察してみるのがよろしいのではないかと思います。
 お役に立てる返答ではないかもしれませんが、参考になさってください。
どうぞお大事になさってくださいませ。


2023年1月25日 令和5年2月号
「色覚異常」
 
(Q)先日息子が診察していただき、ありがとうございました。
 診察していただき、息子に色覚異常の診断がされました。付き添いに行った夫から「結構重度だと診断された」と聞きました。幼稚園や小学校(来年から小学生です)にどう伝えれば良いのか、息子の見え方には今後どのような配慮が必要なのかなどを詳しくお聞きしたいです。
・息子の見えにくい色、間違いやすい色の傾向
・今後の生活で気をつけること
・進学にあたり学校の先生に伝えたほうが良いこと
などを教えていただきたいです。どうぞよろしくお願いいたします。

(A)ご連絡有難うございます。息子さんの診断に関しましてご返信申し上げます。
 診断は先天赤緑色覚異常となります。診断は「石原式色覚検査表」38表国際版の数字表で21表誤りによります。程度は強度となります。程度判定は、パネルD-15テストをfail によります。程度判定に関しましては、パネルD-15テストでのpassを「軽度~中等度」、failを「強度」と判定することになっていますことから、強度の色覚異常ということになります。
 幼稚園や小学校では先生方も色覚異常に関しては、よくご存知のことだと思われますので、「色覚異常があり、強度と診断されている」とお話いただけましたら、ご理解いただけるはずです。
 先生にお願いすることとしましては他児童に知らせることは避け、嫌な思いや恥ずかしい思いをさせないようにして欲しい、色を扱う授業も他児童と同様に行わせ、色誤認があっても、個々の見方や感じ方を大切にし、自尊心を傷つけないよう、劣等感を抱かせないよう、細心の配慮をお願いするのがよろしいかと思います。
 息子さんの見えにくい色、間違いやすい色の傾向に関しましては、色誤認しやすい色の組み合わせがあると考えられています。特定の色が白黒に見えるというわけではなく、見る条件によって色の組み合わせが判別しにくいと考えられています。
 例えば:茶色と緑、オレンジ色と黄緑色、赤と緑、緑と灰色・黒、ピンクと灰色・白、青と紫が色誤認しやすいと考えられる組み合わせです。
 今後の生活で気をつけることに関しましては、色覚異常は、今後悪化したりするものではなく、現状のままと考えられます。運転免許は所得できます。理工系、医歯薬系の大学にも進学できます。
 あまり神経質になり、「これは何色?」と問いただすのではなく、「綺麗な赤いバラの花ね」など何気なく対象物の色名を教えることも一方法と考えます。
 進学にあたり学校の先生に伝えた方が良いことに関しましては、本人の希望・意思を尊重し、いたずらに職種を制限しないことが基本と考えられます。しかし、すべての職種に適性があるとは言えません。将来、進みたいと考える進路に適性があるか親御さんと先生と相談していただきたいと思います。
 現状では、航空機乗組員、海技従事者、鉄道関係などの職業運転手、警察官、自衛官、消防士などは資格試験に通れないと考えられます。時代とともに、変更されることもありますので、その都度、問い合わせが必要と考えます。また、印刷、塗装、繊維工業、野菜や魚の鮮度の選定など、微妙な色識別を要する職種は色覚異常がハンディとなってしまうと考えられます。
 現在は学校教育でもカラーバリアフリーの考えが浸透していますので、先生にお伝えしていただけましたら、十分な配慮が得られると思います。どうぞ参考にしてくださいませ。


2022年12月25日 令和5年1月号
「2歳の診察に開瞼器」
 
(Q) こんにちは。
 もう少しで2歳になる子供がいるのですが、先日眼科に行った際に、暴れるので開瞼器を使って診察してもらいました。開瞼器をつけるときも、必死に瞼を閉じようとしていましたし、激しく泣いていました。
 そこで心配なことがあるのですが、暴れている子供に開瞼器をつけることによって、眼球が傷つけられたりはしないでしょうか?(開瞼器によって眼球が傷つくことはあるのか)
 もちろん開瞼器をつけるときは、看護師さんと私でおさえつけました。
 ネットで調べると、レーシックの手術中に開瞼器が外れてしまって、眼球に傷がいってしまったや、未熟児の眼底検査で開瞼器をつける際に眼球を傷つけてしまったという記事を見つけたので、とても心配です。ちなみに、開瞼器には子供用のサイズがあるみたいですが、連れて行った眼科は小児眼科ではなく普通の眼科だったので、子供用の開瞼器じゃなく、大人用の開瞼器をつけられて、サイズが合わなくて、余計に眼球が傷つきやすい状況になってたのじゃないかと心配です。

(A)ご連絡有難うございます。2才のお子様の診察で開瞼器を使ったことが心配とのことですね。
 小さなお子様の診察を確実に行うためには開瞼器を使用する必要があります。開瞼器を使用する場合は「必死に瞼を閉じようとしていましたし、激しく泣いていました」という状況で使用することになります。開瞼器は眼科ではよく使用するもので、安全に使うことができますし、開瞼器を装着時、診察中、取り外す時に目を傷つける心配はございません。
 「連れて行った眼科は小児眼科ではなく普通の眼科」とのことですが、小児眼科を標榜している眼科は多くないと思いますが、私を含め普通の眼科の眼科医は赤ちゃんからお年寄りまで、幅広い年齢層の患者さんを診察しています。
 一般の眼科で開瞼器を使用することはよくありますので、異なったサイズの開瞼器を用意しているものと思いますので、実際に開瞼器を使用して診察が出来ていたということでしたら、サイズが合わなかった心配はございません。
 開瞼器という一見乱暴に見える診察でご心痛をお掛けしたことと思いますが、お子様をしっかり診察するためには必要な検査になります。受診した眼科の先生はしっかりと診察をしてくれたものと考えます。
 心配はないと思います。どうぞ参考になさってくださいませ。


2022年11月25日 令和4年12月号
「飛蚊症と光視症」
 
(Q)飛蚊症と光視症についてご相談させてください。 先月雷みたいなのが見え、眼底検査しました。今月12日に飛蚊症が増えて、眼底検査と目のCT、して異常ありませんでした。その日の夕方、左目に光が一周するみたいに光が回り、黒い濃飛蚊症が見え続け、翌日、また同じ病院で眼底検査してもらいましたが、異常なしでした。 セカンドオピニオン受けたほうがいいでしょうか?黒い色の飛蚊症がまだありますが、光の差し込みが少しだけ収まりましたが時々チカチカします。左目だけです。失明するのではと怖くてたまりません。 眼底検査を何度もすることも目に負担がかかるのではと心配です。脳神経外科にも行きましたが、異常ありませんでした。ご助言よろしくお願いいたします。
 
(A)ご連絡有難うございます。先月に光視症があり、今月12日に飛蚊症が増えたとのことですね。 光視症の原因は、網膜に引っ張る力がかかっていることによると考えられています。網膜に過度に引っ張る力がかかった時には、網膜裂孔と言いまして、網膜に裂け目が生じることがあります。網膜裂孔が生じた時には、飛蚊症が増加すると考えられますので、飛蚊症に変化を自覚なさった時には、眼底検査をお受けいただきたいと思います。 「眼底検査を何度もすることも目に負担がかかるのでは」とのご心配に関しましては、全く問題はございません。ですので、飛蚊症に変化を感じた際には、ぜひ眼底検査をお受けください。 光視症は、自然に治ることが多いのですが、その間に飛蚊症の変化があった時には眼科を受診なさってください。光視症、飛蚊症で失明することはございません。飛蚊症に変化があった時に、その都度眼底検査を受けていただき、網膜裂孔が生じていないかを確認してもらってください。網膜裂孔がなければ、一安心と考えていただきたいと思います。 光視症、飛蚊症はご自分で感じる症状ですから、とても鬱陶しいものだと思いますが、ご自分の症状の変化に気をつけてください。 今通院されている病院では、詳しく診ていただいているようですから、セカンドオピニオンは必要ないのではないかと思いますが、ご自身がより安心できると考えられるのでしたら、セカンドオピニオンをお求めください。どうぞお大事になさってください。


2022年10月25日 令和4年11月号
「網膜裂孔レーザー手術後の飛蚊症」
 
(Q)先日網膜裂孔と診断されレーザー治療を受けましたが 次の日からもまだ薄いフィルムが目の中で上下左右に出現します。
 レーザー治療したらこの症状は治らないのでしょうか?また繰り返してレーザー治療しないといけないのでしょうか?
 一週間後に来院してと言われましたが、それまで不安で仕方ないのでメール致しました。

(A)ご連絡有難うございます。先日網膜裂孔と診断され、レーザー治療を受けたとのことですね。レーザー治療の翌日にもまだ薄いフィルムが目の中で上下左右に出現するとのことですね。
「薄いフィルムが目の中で上下左右に出現」という現象は、一般的に飛蚊症と呼んでいる症状だと思います。
 今回は、網膜裂孔に対してレーザー治療をお受けになっていますが、飛蚊症は目の中に生じた濁りの影を自覚しているものです。網膜裂孔が生じた時には、網膜裂孔を通して目の中に色素細胞が舞うこともありますし、また網膜裂孔が血管からの出血を引き起こすこともあります。ですので、今回の飛蚊症は網膜裂孔が生じた時に起きた目の中の濁りによるものだとお考えください。
 また網膜裂孔に対するレーザー治療ですが、これは網膜裂孔から網膜の裏に水が回って網膜剥離になってしまうことを防ぐための治療です。網膜裂孔の周囲にレーザー光線を当てることによって、そこに火傷を作って、火傷が治ってくる過程で瘢痕を形成しますが、その瘢痕形成の力によって、網膜剥離に進展することを防止する目的で行っています。
 レーザー治療では、飛蚊症の原因となっている目の濁りが取れるわけではありませんので、飛蚊症が変わらず生じていることは致し方ないこととお考えください。飛蚊症が治らないからといって、繰り返してレーザー治療が必要になることはありません。また網膜裂孔の際に生じる飛蚊症は、長い目で見ますと、時間の経過とともに徐々に減少してくるものです。ただ残念ながら、すぐに無くなるものではないことをご理解ください。
 1週間後の来院を指示されているとのことですから、1週間後の受診をお勧めします。その間に、飛蚊症が今よりも増えていると感じられた場合は、1週間待たずに受診することをお勧めします。レーザー治療によって網膜裂孔が網膜剥離に進展しない効果が出るには時間を要します。その前に、網膜剥離が生じる可能性はゼロではありませんが、その際には飛蚊症が増えると思われます。飛蚊症が増えたと自覚される時には、受診するようにお願いします。今と同じような飛蚊症であれば、鬱陶しいでしょうが徐々に減ってくることが期待できます。
 実際に診察しているわけではありませんから、網膜裂孔の位置、網膜裂孔の大きさ、網膜裂孔に対する牽引のかかり方、年齢、近視の度数などがわかりませんので、確実なことは申せませんので、一般的な回答として参考になさってください。不安が解消されなければ、遠慮せずに主治医の先生に診察してもらうことをお勧めします。どうぞお大事になさってください。


2022年9月25日 令和4年10月号
「強度近視」
 
(Q)こんにちは。眼疾患について調べていたところ、貴院のサイトを拝見しました。よろしくお願いします。
 私の年齢は58歳で、左目-13.5D,右目-16Dのソフトを使用しています。加齢とともに視力も低下し続けています。強度近視による合併症が心配になり、4年ほど前から定期的に病院の眼科を受診しています。母は緑内障で目薬で治療中で家族全員近視です。私は網膜が薄く眼圧は21で白内障は少しあると言われました。去年の視野検査は両目とも94%です。今年の4月に右目の中心から初めて眼底出血し、3ヶ月後の検査の結果、自然吸収されていました。7年前から直線の歪みがありましたが、出血後両眼で見ても物の歪みや欠けて見えるのがひどくなりました。症状を伝えた所次回視野検査することになりました。白内障の指摘はありましたが、手術の話はなかったです。先日地元の医院でコンタクトの定期検査のため受診しましたが、矯正視力0.15、左目0.6で白内障の手術を勧められました。左目の中心が白内障だそうです。右目は特にいわれませんでした。
1、白内障の手術後、強度近視による緑内障、網膜剥離、失明などのリスクは軽減されますか。
2、眼底出血後,物の歪みや欠けて見えるのがさらにひどくなっているが今後軽減しますか。
3、白内障の手術の有無に関わらず、再出血する可能性はありますか。
4、白内障の手術をしても視力が低下することはありますか。
 不安な毎日を過ごしています。ご多忙かとは思いますが、是非ご回答ください。よろしくお願いします。

(A)ご連絡有難うございます。強度近視があり、今年の4月に右目の眼底出血があり、物の歪みや欠けて見えることがあるとのことですね。今回矯正視力右目0.15、左目0.6で左目の白内障の手術を勧められたとのことですね。実際に診察をしていませんので、確定的なことと思わずに、一般的な回答として参考になさってください。メール医療相談には限界がありますことをご了承ください。
1、白内障の手術後、強度近視による緑内障のリスクは下がると考えられていますが、強度近視でなくとも、白内障手術によって網膜剥離のリスクは高まると考えられています。しかし、網膜剥離はいきなりなるわけではなく、その前に飛蚊症が増えるなどの自覚症状が出ますので、白内障の術後もしっかりと通院、検診を継続していただけましたら、網膜剥離になる前に対処できると思いますので、心配ないと思われます。
2、物の歪み(変視症と言います)、欠けて見える(中心暗点と言います)は、黄斑変性の症状と考えられます。強度近視があるとのことですから、近視性黄斑変性の可能性があると思います。矯正視力の悪い右目には白内障があるとは言われていないとすれば、右目の視力が悪い原因は、近視性黄斑変性の可能性があると思います。これに関しましては、網膜の下に新生血管が認められないかを詳しく調べてもらって、場合によっては、お薬の注射によって改善できることもありますので、よく相談されることをお勧めします。
3、2番目のお答えからも続きますが、近視性黄斑変性の場合は、白内障手術の有無に関わらず再出血する可能性は否めません。網膜の下に新生血管が認められないかを詳しく調べてもらって、場合によっては、お薬の注射によって改善できることもありますので、よく相談されることをお勧めします。
4、白内障だけが視力低下の原因でしたら、手術によって視力向上が見込まれますが、近視性黄斑変性がありましたら、そのことが原因で視力低下することはあり得ます。手術前に、右目の視力低下の原因を詳しく調べていただいて、また左目にもそのような心配がないのかも詳しく調べていただいてください。
 不安を増やしてしまう回答であれば、申し訳ございません。手術の前に、目の状態を詳しく調べてもらって、詳しく説明してもらって、納得安心なさってから、白内障手術をお受けになりますことをお勧めします。診察していない状態での返答でありますことを、ご理解ください。実際に診察を受けていらっしゃる主治医の先生に、ご自分の不安をしっかりとお伝えになって、納得安心していただきたいと思います。どうぞお大事になさってくださいませ。


2022年8月25日 令和4年9月号
「コンタクトレンズでの痛み」
 
(Q)こんにちは。
 1年以上振りにコンタクトを使用したのですがレンズの下のサークル部分が涙や目薬でしみたり痛みがあります。普通にしてる分には痛みはないのですが、下の部分が浮いているような歪んでいる感じがします。
 今まではこんなことがなかったので戸惑ってます。(コンタクト歴は7年以上あります)
 以前はワンデーアキュビュートゥルーアイ(BC9.0 DIA14.2)を使用してましたが、乾燥が気になっていたのでおすすめされたポシュロムアクアロックスワンデー(BC8.5 DIA14.2)を購入しました。
 ちゃんと診療してもらい、角膜に傷も異常もないと言われました。ベースカーブが合ってないのでしょうか?長文失礼しました。

(A)ご連絡有難うございます。
 コンタクトレンズを使用して、しみたり痛みがあるとのことですので、可能性としては、角膜の傷が考えられます。診察を受けて角膜に傷も異常もないとのことですが、コンタクトレンズを外して、角膜を染色してみないとわからない細かい傷のこともあります。また、コンタクトレンズをつけて時間が経っていない段階では、角膜に異常がなくとも、時間とともに角膜に傷が生じるという場合も考えられるかと思います。
 またドライアイがひそんでいる可能性も考えられます。コンタクトレンズを初めて装用した時には、涙がたくさん出たと思いますが、コンタクトレンズを長年装用することで、角膜の知覚が鈍くなって、涙が出にくくなってしまいます。コンタクトレンズをつけている角膜は、涙から供給される酸素がどうしても少なくなってしまいます。そのために、今回の症状が出現した可能性もあり得るのではないかと思います。
 もちろん、ベースカーブが合っていない可能性も否定できません。以前のレンズよりもベースカーブがきつくなっていますので、そのために角膜の上でのレンズの動きが悪くなっているための症状ということもあり得ると思われます。
 コンタクトレンズで不調とのことですので、もう一度、眼科を受診して診察をお受けになることをお勧めします。その時には、コンタクトレンズのフィッティングの確認はもちろん、レンズを外した状態での角膜のチェック、ドライアイの検査も受けていただきたいと思います。
 どうぞ参考になさってください。


2022年7月25日 令和4年8月号
「緑内障の急激な視野障害」
 
(Q)緑内障についての相談です。現在50歳女性。強度の近視でありコンタクトレンズ使用。
<今までの経緯>
・6年前勤務先の健康診断で「視神経乳頭陥凹」で紹介状をもらい、定期的に受診している眼科で視野検査(ハンフリー)を受ける。→ 左目は正常範囲。右目が微妙だけれど、まだ緑内障の診断は下りなかった。今後は、年1回の視野検査をして経過を診ていく。
・2年前左目は正常範囲。右目は黒い範囲が認められた。最初は、まだ目薬はいいとの話だった。けれども私が、自分の母親が緑内障だったと話すと、目薬をした方が無難かもしれないということで、1日1回のキサラタンを処方。左目は正常範囲だけれど、今後、視神経を守っていくためにも、両眼に点眼。
・1年前 右目は同じ。けれども、今まで正常範囲だった左目の半分(上部)が黒くなっていた。先生がびっくりして「こんなに急に悪くなるのは、医学上ありえない。誤値だと思う」と言われた。
・自分から申し出てOCT検査をしてもらう。注意は必要だけれど、視野検査で黒くなっている部分は、OCT検査では反応がない。注意は必要だけれど、正常範囲と言われる。少しだけ安心したけれど、一瞬だけ。
・もうハンフリーはうまくできない。最初は、もう少し気楽にできていたと思う。だんだんと精神的に重荷になってきた。
<質問>
・今まで正常範囲であり、(特に左は)指示通りに毎日点眼しているにも関わらず、いきなり短期間で半分も視野が欠けることはあり得るのか?
・末期は必ず失明してしまうのか?

(A)ご連絡有難うございます。詳細な病歴をお書きくださいまして有難うございます。
ご存知のこととは思いますが、視野検査は光が見えたら応答してもらうという自覚検査です。自覚検査である以上、検査を受ける方の心理的側面も影響してしまう可能性があります。ですので「今まで正常範囲であり、(特に左は)指示通りに毎日点眼しているにも関わらず、いきなり短期間で半分も視野が欠けることはあり得るのか?」というご質問ですが、眼圧が点眼薬でコントロールできているという現状からは、短期間で視野欠損が進行しているとは考えにくいと思います。
 また、「視野検査で黒くなっている部分は、OCT検査では反応がない。」とのことですので、視野検査の悪化は偽陰性によるものも考えられるのではないかと思います。緑内障の進行判断は視野検査を用いますが、先に示しましたように自覚検査ですので、他覚検査であるOCT検査の結果と合わせて進行しているのか否かを判定するものです。
 主治医の先生は、とてもまめに詳しく検査してくれているようですので、不安や心配事は、その都度主治医の先生とよく相談して、OCT検査の結果が悪化していないとのことですので、今まで通り、通院検査で経過を診ていただくのが安心につながると思います。
 「末期は必ず失明してしまうのか?」ということですが、緑内障で失明してしまう方は残念ながらいらっしゃいます。緑内障は自覚症状が少ない病気ですので、ご自分で見えにくいと思った頃には緑内障がかなり進行しているということがあり得ます。ですので、緑内障で失明する方は、病院に初めて受診した時に、すでに視野がかなり狭くなっている方ということになります。
 初期の変化のころから、きちんと通院、点眼治療を受けていらっしゃいますので、そういう心配はないはずです。今までの主治医の先生との関係も良好なようですので、ご心配なことは、その都度質問して、安心して通院を続けてください。どうぞご参考になさってください。


2022年6月25日 令和4年7月号
「目がゴロゴロする」
 
(Q)一年ほど前、目がゴロゴロするので眼科で見てもらったところ、角膜に傷がついていると診断され目薬を処方されました。きっかけはコンタクトをいつもより長くつけすぎてしまった事だと思います。
 コンタクトを控えて点眼をしていれば1週間ほどで治ると言われましたが、1年たつ今もずっとゴロゴロとした痛みが続いています。左目の方が症状が強いです。
 ゴロゴロ感の原因は角膜の細かい傷である事はおそらく間違いないので、どの眼科に行っても同じよう診断をされ、すぐ治ると言われます。
 治らない原因としてはドライアイの可能性や、睡眠中に目が開いている可能性があると言われました。
 寝る時はアイマスクをするようにしています。
 普段はコンタクトを使わないようにしていますが、スポーツやイベントでコンタクトをつけることはあるのでそのたびに目が腫れてしまい困っています。
 医師にはすすめられていないのですが、ドライアイの検査はできますか?
 また、顔の構造上まぶたが閉じにくいなどの問題は眼科にかかっていればチェックされますか?

(A)ご連絡有難うございます。一年ほど前からゴロゴロ感が治まらないとのことですね。
 「きっかけはコンタクトをいつもより長くつけすぎてしまった事」だと思われますが、コンタクトレンズのオーバーウエアによる角膜炎でしたら、診察をした先生がおっしゃったように「コンタクトを控えて点眼をしていれば1週間ほどで治る」のが通常です。
 コンタクトレンズを使用せずに、角膜の傷が治らないとすると、指摘されたように「ドライアイの可能性や、睡眠中に目が開いている可能性」はあると思われます。
 ドライアイの検査は、涙液破壊時間といいまして、目の表面の涙の安定性を診る検査とシルマー試験といいまして、分泌される涙の量を測る検査になります。
 これはどこの眼科でも受けることができますので、お近くの眼科でぜひお受けください。コンタクトレンズを使用している方で、ドライアイの方は多く見受けられます。涙が少ない状態でソフトコンタクトレンズをしますと、少ない涙がレンズに奪われてしまって、角膜の傷が悪化することがあります。ハードレンズはレンズに涙が奪われることがないので、ハードレンズが適している方もいらっしゃいます。ドライアイと診断がつきましたら、点眼治療、涙点プラグなどの治療があります。
 「顔の構造上まぶたが閉じにくいなどの問題は眼科にかかっていればチェックされますか?」というご質問ですが、構造上に問題があって瞼が閉じにくいことは、瞼に外傷を受けた場合にはありますが、通常は構造上に問題がない場合が多いです。就寝中の開瞼が疑われる場合には、寝る前に眼軟膏を点入していただいて、この治療に反応するか、治療的診断をすることがあります。
 お近くの眼科を受診なさってドライアイの検査をうけることをお勧めします。どうぞ参考になさってください。


2022年5月25日 令和4年6月号
「カラコンについて」
 
(Q)カラコンについて教えてください。
・カラコンの目に優しい酸素透過率の数値の理想はどのくらいですか?
・高度管理医療機器承認番号があったとしても、酸素透過率が低かったり、直接色素に触れないように作られた「サンドイッチ構造」にはなっていないカラコンもかなりの割合で存在してるんですか?また、そういったどれか一つでも安全性の条件が欠けているカラコンは、高度管理医療機器承認番号があったとしても付けない方がいいですか?
・高度管理医療機器承認番号の有無、サンドイッチ構造か否か、理想の酸素透過率か否か以外に、カラコンを購入する上で気に留めておかなければならない点って他に何かありますか?

(A)カラコン(カラーコンタクトレンズ)についてのご質問有難うございます。
 以前は度なしカラコンは高度管理医療機器ではなかったので、雑貨として取り扱われていました。そのために購入される方も気楽な気持ちで使用していたためか、目にトラブルを起こす方が増えたことが問題となり、現在は高度管理医療機器として扱われています。
 しかしながらご質問にもありますように、高度管理医療機器承認番号があったとしても、品質の担保されていないレンズが存在しているようですし、以前消費者センターで調査を行なった結果、目にとって害を及ぼす可能性のあるレンズにも高度管理医療機器承認番号が与えられているということがわかりました。
 カラコンは現在も眼科以外のお店で扱われているようですし、その種類も多く、私もすべてを把握しておりません。
 私の眼科では、品質に問題のないものとして「メニコン社REI」「ジョンソン&ジョンソン社ディファイン」を取り扱っています。カラコンというよりはサークルレンズと呼ばれている黒目を大きく見せる効果のあるレンズです。
 「カラコンの目に優しい酸素透過率の数値の理想」というご質問ですが、実はレンズ自体の性能がよくても、レンズと目の接し方(フィッティング)に問題があると、黒目(角膜と言います)に十分な酸素が届かないことによって目にトラブルを起こす危険性があります。カラコンを含めソフトレンズもメーカー、製品によってベースカーブ、サイズが異なっています。インターネットを利用している方の中には、レンズの度数のみで購入している方もいるようですが、重要なのはフィッティングです。ソフトレンズは角膜全体を覆ってしまいますので、レンズが角膜の上で少し動く余裕を持たせないと、涙から十分な酸素が角膜に届かなくなり、トラブルの原因となります。正しいフィッティングのためには、眼科医による診察が不可欠だと思われます。
 どうぞお近くの眼科を受診なさって、眼科で取り扱っているサークルレンズを使用することをお勧めします。多種多様なレンズが存在しておりますが、眼科で取り扱っているものは、安心なものと考えていただいて、差し支えないのではないかと思います。
 ご質問の答えになっていないかと思いますが、どうぞ参考になさってください。


2022年4月25日 令和4年5月号
「強度近視片眼白内障術後」
 
(Q)初めまして。ホームページで貴医院の質問コーナーを拝見しました。
 私は強度近視で(左右とも-7Dほど)でしたが、右目のみ白内障になり、2年前に右目のみ手術を受けました。左が近視のままでしたので、あまり離さないようにと右に-4Dのレンズを入れましたが、それでも3Dほど差があるのでメガネの調整は大変です。手術後にドライアイが進み、コンタクトは入れられません。
 ところが後で知ったのですが、強度近視の場合両目とも手術をしてしまう方法があり、メガネから解放されることもあるそうですね。
 本当の希望は、今から家の中ではメガネなしの生活ができればと思うのですが、今から右目のレンズを入れ替えることは出来ないと思います。
 左目のことも含め、今後どういう風に進めていったらよいでしょうか?

(A)ご連絡有難うございます。2年前に右眼の白内障手術を受けたとのことですね。
 -7Dの近視が右眼は-4Dになったとのことですね。実際に診察をしている訳ではございませんので断定的なことは申せませんので、あくまでも一般的な答えとして参考にしていただきたいのですが、手術前の度数だけではなく、年令や優位眼、お仕事などから手術後の度数をきめることになります。
 -7Dくらいの近視がある方の場合、両眼の手術をする時でも、-3Dから-4Dの近視を残すことはよくあります。近視の方は近くが見えることになれていますので、遠くにあわせて近くが見えないと、とても不自由に感じることが多いと考えられています。ですので、現在の-4Dの状態を前向きにとらえていただきたいと思います。
 左眼の手術をして-4Dに合わせて左右同じにしてもらう方法、左眼を-2Dにして片方ずつ遠くと近くに合わせる方法もありますが(モノビジョン法といいます)、-2Dだと裸眼では遠くも少し見えにくいかと思います。左眼を遠くに合わせると左右差が出てしまうと思います。
 私としては左眼の手術をして-4Dに合わせて左右同じにしてもらう方法をお勧めします。手術を執刀された先生とよく相談することをお勧めします。どうぞ参考になさってください。


2022年3月25日 令和4年4月号
「多焦点眼内レンズの見えにくさ」
 
(Q)そちらにかかっていないものですが、質問させて頂きよろしいのでしょうか。
 昨年6月に札幌で多焦点眼内レンズ手術を受けました。術後の見え方、経過は人それぞれだと思いますが、私の場合は数ヶ月経っても術前よりも見えづらく、術後検診に行く度に脳が順応していないからと、言われていました。いずれ見えるようになると信じていましたが、半年が過ぎた頃飛蚊症になり、その1か月あとに後発白内障になりました。手術をした病院からは飛蚊症になった 
段階でそれは病気ではなく誰にでもあるものだから、それを気にするのであれば心療内科に行って下さい、と言われ、現在は違う病院に行っています。
 後発白内障の治療として左目4分の一をヤグレーザーで穴を空けて頂きました。しかし、左目は近いものは若干見えるようになりましたが、3~4メートル離れた距離は逆に白っぽくかすみ、レーザーをしていない目の方がクリアに見えます。両目で見た時も、白っぽい感じは改善していません。現在の目に白内障以外の病状は無いとの事です。ネット等で調べてもみましたが、レーザー治療で視力は元に戻ると、書いていました。何故戻らないのでしょうか。
 現在の主治医は少し様子をみましょう、との事でしたが、起床時からの見え辛さに、本当に毎日辛い気持ちになります。もし回答頂けるのであれば、幸いです。

(A)ご連絡有難うございます。
 詳細に白内障術後の経過をお知らせいただきまして有難うございます。昨年6月に多焦点眼内レンズ挿入手術をお受けになったとのことですが、術後の見え方が芳しくないとのこと、ご心痛お察しします。
 白内障の術後に見え方が良くないとおっしゃる際に、検査をしてみて視力が出ていない場合、視力が出ているが、ご本人がすっきりしない場合、手術前の屈折度数と変化がある場合、手術後に乱視がある場合、他の病気がある場合など、色々なケースを考えなければならず、手術前、手術後のデータとあわせて考えなければ、その原因にたどり着けないことがあります。
 メール医療相談では、ご本人の訴えから可能な限り考えられる原因、対処などをお伝えしたいと思ってはおりますが、個々のケースに踏み込んでお答えすることは、診察をしていないため、なかなか難しいことがあります。やはり手術を担当した先生、今診てもらっている先生とよく相談していただきたいと思います。
 ご期待にそえるご返答でなく恐縮です。メール医療相談には限界がありますことをご理解ください。どうぞお大事になさってください。


2022年2月25日 令和4年3月号
「中心性漿液性脈絡網膜症の再発」
 
(Q)私は今40歳です。
 今から8年ほど前に「中心性漿液性脈絡網膜症」と診断されたことがあり、私の場合は眼の中心に黒い丸が映る症状で、当時は左目の視力が測定不能になりました。
 その状態からは回復し、視力も戻りましたが、1年に一回程度、軽症の同症状が出ることがあります。最近では症状が軽いため眼科には行かず、様子を見ていると大抵一週間ほどで良くなります。
 最近になりまして、咳喘息のような症状が出始め、呼吸器科で「シムビコートタービュヘイラー」という吸入ステロイド剤を処方してもらい、服用し始めて1週間になるのですが、昨日から「中心性漿液性脈絡網膜症」の軽い症状が出ていて、今日の段階で状態が少し悪化しています。
 ネットでいろいろと検索していましたら『副腎皮質ステロイド薬の副作用で起きることもあります。副腎皮質ステロイド薬は飲み薬だけではなく、塗り薬、吸引薬、注射でも起きますので、主治医の先生に確認が必要です』という文言が出てきました。
 ここ最近症状が出たのが、昨年の10月、一昨年の7月です。原因がストレスの場合もあるとのことで、症状が出た時はまさにストレスを感じている時でありましたので、今回もストレスが原因なのか、ステロイド吸引が原因なのか、はっきりしません。
 とりあえず服用は中止した方がよろしいのでしょうか?

(A)ご連絡有難うございます。
 8年前に「中心性漿液性脈絡網膜症」と診断され、1年に一回程度、軽症の同症状が出ることがあるとのことですね。今回呼吸器科で吸入ステロイド剤を処方され1週間後に、「中心性漿液性脈絡網膜症」の軽い症状が出ているとのことですね。
 ご存知のこととは思いますが、「中心性漿液性脈絡網膜症」は眼底の神経の膜(網膜といいます)の、視力の大部分を司っている真ん中の部位(黄斑と言います)に、水が溜まる病気です。眼底検査を受けていただくことで診断できますが、近年は「光干渉断層計」という網膜の断面図を得ることができる器械によって、どの部位にどれくらいの水が溜まっているかを、確認することができ、この検査は特に目に負担をかけることなく画像で確認することができます。
 まずは、眼科を受診して、「中心性漿液性脈絡網膜症」が再発しているかの診断を受けていただきたいと思います。「中心性漿液性脈絡網膜症」が再発しているのならば、呼吸器科の先生と、吸入ステロイド剤を止めてもいいのかを相談していただきたいと思います。
 自覚症状だけで再発と決めるのではなく、眼科を受診して、診断してもらう必要があると思います。自己判断で内服を中止せずに、眼科を受診してください。どうぞ参考になさってください。


2022年1月25日 令和4年2月号
「内視現象」
 
(Q)はじめまして。35歳女性です。
 もともと15年程前から飛蚊症持ちなんですが‥。それとは別に10年程前から外に出て紫外線や強い太陽光を浴びると、視界の中心にもやもやと薄黒く集まってくる物が見えます。飛蚊症みたいにバラバラ動く感じではなく動かず中心に集まってくる感じです。ちなみに、室内ではそのような症状は無いです。
 眼科に2件行き、角膜、水晶体、眼底、眼圧検査しましたがいずれも異常無しでした。眼科医によると原因不明との事です。人より光に対して目が弱いかもとの事で原因分からずもやもやしてます。ちなみに眼底検査後にも視界に薄黒くもやもやした物が見える状態が2時間くらい続きました。やはり光に弱いんでしょうか?
 視野が欠けたり視界が狭くなったりは無いので脳に異常は考えにくいと言われました。何か他に原因は考えられますか?よろしくお願いします。

(A)ご連絡有難うございます。
 「外に出て紫外線や強い太陽光を浴びると、視界の中心にもやもやと薄黒く集まってくる物が見えます。」という症状ですが、これは内視現象と呼ばれるものだと思います。
 特に青の波長の光を浴びている時に感じるとされています。目の中にある神経の膜(網膜といいます)の一番奥の、物を見る時に使われる黄斑部というところは、大きい血管はないのですが、微細な血管網があります。その中を移動している血流のうちで細胞のサイズの比較的大きい白血球の動きが見えていると考えられている現象です。
 これは正常の方にみられる現象ですので、まったく心配のないものです。内視現象は生理的なものですが、意識しないと気がつかれないこともあります。これが見えたから、光に弱いとは考えられませんので、ご心配なさらないでください。眼科に行って、眼底検査でも異常がなかったとのことですので、問題ないと思います。どうぞ参考になさってください。


2021年12月25日 令和4年1月号
「初めてのコンタクトレンズ」
 
(Q)初めまして。コンタクトレンズの診察購入の流れを教えていただけますか。
 初診でコンタクトレンズを購入した後、継続して貴院で購入していくことは可能ですか。その際、定期的な受診は必要ですか?必要であればどの位の間隔で受診が必要でしょうか。13歳の子供です。

(A)ご連絡有難うございます。
 初めてご来院の際には、目に病気がないか、目の度数はどれくらいか、眼鏡があっているかを検査します。視力検査を行い、その後瞳を広げる目薬を入れて30分ほどお待ちいただいた後に眼底検査になります。瞳を広げる目薬を入れることで、目の本来の度数を知ることができます。お子さんの目はピントを合わせようとする力(調節力といいます)が強いので、瞳を広げる検査をせずに度数を決めてしまいますと、強すぎる度数(過矯正といいます)になってしまう危険性がありますので、この検査を受けてもらっています。
 目に問題がなく、眼鏡が合っていましたら、次回コンタクトレンズのはめ外しの練習になります。眼鏡が合っていない場合は、眼鏡合わせも行います。今まで眼鏡をかけていないのであれば、まずは1か月くらい眼鏡になれてもらいます。
 コンタクトレンズは黒目(角膜といいます)に直接のせて使う医療器具です。使う時間が長すぎると、涙から角膜に補給される酸素が十分でなくなり、目が赤くなったり、角膜に傷がついたりする怖れがあります。コンタクトレンズを使用するようになっても、ずっとつけっぱなしは危険です。ご自宅に戻ったら、すぐに眼鏡に取り替えるという使用方法を指導しています。コンタクトレンズのみの使用は、目にトラブルを起こす危険性が高いですので、眼鏡と併用する必要があります。
 コンタクトレンズは目の度数によって近視が強い、乱視が強い場合はハードレンズをお勧めします。軽い近視、軽い乱視の場合は使い捨てソフトレンズをお勧めします。どちらのレンズも角膜にのせますが、ハードレンズは涙の上に浮かんでいるかたちになりますので、涙から補給される酸素は、ソフトレンズに比べて多いと考えられていますので、角膜にとってはより安全です。つけた感じはソフトレンズの方が、マイルドで違和感は少ないです。どちらのレンズが適しているかは、どのような時に使用したいか、使用頻度、使用時間などを勘案して、ご相談して決めています。
 コンタクトレンズ使用開始後の定期検査に関しましては。ハードレンズの場合は半年ごと、使い捨てソフトレンズの場合は3か月ごとをお勧めしています。13歳とのことですから、度数の変化も考えられますので、3か月の検診が望ましいかと思います。
 どうぞ参考になさってください。

2021年11月25日 令和3年12月号
「近視コンタクトレンズで近くが見えにくい」
 
(Q)はじめまして。
 私は51歳女性です。学生時代から近視でメガネやコンタクトレンズを使用していました。数年前から近視用コンタクトレンズを着用したとき、近くのものが見えづらくなりました。遠近両用のコンタクトレンズを作るか、今まで通りコンタクトレンズをして老眼鏡を作るか、どちらがいいのでしょうか。
 お試しに遠近両用のコンタクトレンズを使用したところ、車の運転もできる0.7くらいに設定すると、近くの字は裸眼で見るようにはっきり見えません。

(A)ご連絡有難うございます。51歳とのことですので、やはり近視用コンタクトレンズを着用したとき、近くのものが見えづらいという老眼の症状がでていると思われます。
 ご相談にある通り、遠近両用のコンタクトレンズを作るか、今まで通りコンタクトレンズをして老眼鏡を作るか、もしくは、片眼を遠くに合わせてもう片方を近くに合わせるモノビジョンという方法を試してみるか、コンタクトレンズを近くに合わせて、運転のときに軽い近視の眼鏡をかけるか、という方法の中からの選択になろうかと思います。
 遠近両用コンタクトレンズを試してみて、見え方に納得いかないとなると、残りの方法からの選択になるのではないかと思います。実際に検査をしてみなければ、乱視量などわかりませんので、通院されている眼科で相談してみて欲しいと思います。
 今、使っていらっしゃるコンタクトレンズがハードレンズであれば、ハードレンズの遠近両用を、ソフトレンズであれば、ソフトレンズの遠近両用のお試しになるかと思われます。また乱視用のソフトレンズの場合でも、最近遠近両用タイプのレンズが開発されています。それぞれのレンズに、装用方法(マークのついた部分を外側にするなど)がございますので、眼科で指導を受けてみてください。
 どうぞ参考になさってください。


2021年10月25日 令和3年11月号
「角膜内皮細胞減少」
 
(Q)よろしくお願いします。
 32才の息子がICLの手術を受けようとしています。しかし、右目の角膜内皮細胞が1300~1600で手術の適応外です。それでも本人が望めば医者は手術するらしいです。とても心配でどうしたらいいのでしょう。

(A)ご連絡有難うございます。
 息子さんの有水晶体眼内レンズ手術に関して、角膜内皮細胞が減っているとのことですね。
 角膜内皮細胞は角膜の透明性を維持する大切な働きをしている細胞です。角膜内皮細胞は、コンタクトレンズ装用や目の手術の影響で、その数が減少することがありますが、一度減ってしまった角膜内皮細胞は、再生しないと考えられています。角膜内皮細胞が減ってくると角膜の透明性が低下し白く濁り、矯正しても視力が上がらなくなる怖れがあります。正常な角膜内皮細胞の数は2500以上と考えられていますので。1300~1600という数字はあまりよろしくないと思います。
 角膜内皮細胞が少ない状態で手術を受けることで、角膜内皮細胞が更に減少する怖れがありますので、手術の適応外と説明されたと思われます。
 今回、手術を受けることでさらに角膜内皮細胞が減少してしまいますと、角膜が白く濁る危険性があり、そうなると治療の方法は角膜移植となります。現実には角膜移植の数は限られていますので、なかなか治療が受けられないこともあります。
 角膜内皮細胞が1300~1600ということですから、手術を見合わせるということも考えていただきたいと思います。主治医の先生と、手術の合併症の可能性や、もしも角膜の濁りが生じた時には、どのような対策を考えていらっしゃるのかもよくよく相談なさることをお勧めしていただきたいと思います。
 どうぞ参考になさってください。


2021年9月25日 令和3年10月号
「間歇性外斜視」
 
(Q)小学5年生の娘の眼のですが、寝起きなどに斜視になります。
 本人の右目が特に。そうでもない時とかなり離れてる時があります。少し経つと普通の位置というか、気にならない程度になります。
 だいぶ前からで、妻は大丈夫だよと言っているのですが、とても気になるので、よろしくお願い致します。

(A)ご連絡有難うございます。小学5年生の娘さんの目の向が気になるとのことですね。
 寝起きの時や、疲れた時、眠たい時、ボーッとしている時などに、片目が外側に行く病気を間歇性外斜視といいます。娘さんの状況は、間歇性外斜視が疑われます。まぶしい時に片目をつぶるということも見られることがあります。
 間歇性外斜視の場合、まずは視力検査、眼位検査、立体視検査を行って、眼底検査も必要になると思います。左右の目の度数、左右の視力に差がないか眼鏡をかける必要がないかなど、まずは、眼科で検査を受けていただきたいと思います。
 間歇性外斜視と診断がついた場合、手術で治すかどうかの相談になると思います。目には6本の目を動かす筋肉がついているのですが、その中の外側に目を動かす筋肉(外直筋といいます)を、外側にずらして引っ張る力を弱めたり、内側に目を動かす筋肉(内直筋といいます)を縮めて引っぱる力を強めたりという手術になります。
 現状では、一緒にいらっしゃる奥様があまり気になっていないとのことですので、ほかに目に病気がないことが確認出来ましたら、外斜視になる頻度や時間が増えていかないか経過観察をして、外斜視になる頻度や時間が増えたり、ご本人が外斜視のことが気になるようでしたら、手術のご相談ということになるのではないかと思われます。
 どうぞ参考になさっていただき、お近くの眼科を受診なさってください。


2021年8月25日 令和3年9月号
「視神経乳頭陥凹拡大」
 
Q)こんにちは29歳男性です。
19歳のときに眼科で視神経乳頭陥凹拡大と診断されました。当時の眼科医には緑内障の疑いがあるので検査しますと言われ、視野検査と眼圧検査をその日に行いました。結果は異常なしでしたが、定期的に通院してくださいということで3ヶ月に1回の眼圧検査と半年に1回の視野検査を続け、これまで10年間通院してきました。
 そこで質問したいのですが、もし緑内障だった場合10年もの間視野欠損もなく、視神経乳頭陥凹拡大も進行しておらず、眼圧(16から18くらい)も安定するということはありえるのでしょうか??それとも、生理的視神経乳頭陥凹や強度の近視での視神経乳頭陥凹の可能性が高いのでしょうか?

(A)ご連絡有難うございます。19歳の時に緑内障の疑いを指摘され、その後定期検査で10年間緑内障への進行はないとのことですね。
 定期的に検査を受けられて、緑内障への進行がないことを確認されていることは、素晴らしいことだと思います。
 一度、緑内障を疑われても自覚症状がない病気ですから、定期検査を疎かにしてしまう方は残念ながらいらっしゃいます。自覚症状が出て来た時には、緑内障はかなり進行した状態になっていることもあり、日常外来診療をしていますと、きちんと定期検診に来てくださる方ですと安心だと思います。
 ご質問の件ですが、10年間進行がないことから、緑内障の心配がないのではないかとの趣旨だと思われますが、これに関しては、なかなか結論めいたことは申せないのが実情です。
 もともと緑内障は加齢に伴い発生率が高くなる病気ですし、特に40歳を越えた方に多く認められる疾患です。29歳の現時点で、緑内障にならないという判断は難しいのではないかと思います。
 もちろん、生理的視神経乳頭陥凹や強度の近視での視神経乳頭陥凹の可能性はありますが、そう断言するためには、時間軸での検討が必要になるかと思います。
 自分だったらと考えますと、定期検査を受けると思います。現時点で緑内障の変化がないということを、前向きに捉えて定期検査を受けていただきたいと 私は思います。
 どうぞ参考になさってください。


2021年7月26日 令和3年8月号
「単焦点眼内レンズ術後」
 
(Q)60歳の時、ほんのちょっとしたことで単焦点の白内障手術をしましたが、結果遠くの視力を失ってしまいました。手術前は1.0以上有りましたが今は0.6か、それ以下で運転にも眼鏡が必要となり、室内でも不便を感じる程です。手術してから3年ほど経って更に悪くなっているように感じています。思ってもみなかった結果に大変ショックでうつ状態になっています。
 視力回復にはタッチアップとか、レーザーや、他にも方法も有るようですが、周りは反対しています。手術を早まったのかという気持ちと見えない不便さにストレスでいっぱいです。なにか良い解決法があるでしょうか?

(A)ご連絡有難うございます。
 60歳の時に白内障手術を受けて遠くの視力がよろしくないとのことですね。単焦点の眼内レンズを入れたことを悔やんでいらっしゃるようですが、見え方の質に関しましては、多焦点レンズより単焦点レンズの方が高いと言われています。
 遠くが見えにくいとのことですが、度数が近視に寄っているのか、他に問題があるのかにつきましては、お話からだけでは判断がつきません。また、「3年ほど経って更に悪くなっているよう」ということでしたら現在の状態について、しっかり検査診察をお受けになって欲しいと思います。
 お調べになったように、度数の問題だけでしたら、視力回復の方法はあると思いますので、ぜひ現在の状態の検査をお受けになることをお勧めします。周りの方が反対しているとのことですが、その理由がわかりませんが、ご自分だけで思い悩まずに、ご家族の方と一緒に眼科を受診されるのがよろしいのではないかと思います。
 メール医療相談は実際に診察をしているわけではございませんので、答えに限界があることをご理解ください。ご納得のできるお答えでないことをおゆるしください。診察をお受けになって、安心出来る事をお祈りしています。どうぞ参考になさってください。


2021年6月25日 令和3年7月号
「球後麻酔」
 
(Q)47歳。緑内障のICE症候群で緑内障発作をおこし、5月に白内障と緑内障の手術をしました。
 角膜水胞症で9月に角膜内皮移植の手術をします。
 麻酔が、眼の周囲の麻酔で球後麻酔だと思いますが、痛みと怖さで不安です。球後麻酔は、激痛ですか。

(A)ご連絡有難うございます。
水泡性角膜症で9月に角膜内皮移植の手術を予定されているとのことですね。
 現在の白内障手術は、超音波水晶体吸引術となり、以前行っていた水晶体嚢外摘出術ほど時間がかからなくなりましたので、点眼麻酔もしくは、テノン嚢下麻酔で行われることが主流になっています。
 私が眼科医になった30年前には、白内障手術は水晶体嚢外摘出術で行い、麻酔も全例、球後麻酔で行っていました。球後麻酔という名前の通り、眼球の後ろ側に麻酔薬を注入する方法です。眼球を傷つけないように工夫された方法で、目のまわりに針を刺して麻酔薬を注入します。お注射と同じで、針が皮膚を貫通するときには多少の痛みはありますが、その後に痛みはありません。麻酔が効く時間も長く、眼球運動にもある程度麻酔がかかりますので、安全に手術が行われます。「痛みと怖さで不安です」とのことですが、球後麻酔は確立された安全な麻酔法です。
 どうしても、球後麻酔が怖いということでしたら、全身麻酔で手術を受けることもできるのではないかと思いますが、白内障と緑内障の手術も経験されていらっしゃるとのことですから、球後麻酔の手術でお受けになって心配ないと思います。執刀される先生と、よく相談されて納得してから手術をお受けください。どうぞ参考になさってくださいませ。


2021年5月25日 令和3年6月号
「老眼で視力低下」
 
(Q)もともと視力が悪く、裸眼で0.1あるかないかです。
 しかし、30歳代には裸眼視力が下がることもなく、同じ眼鏡でも矯正視力1.0はある状態でした。しかし、最近(ここ1年くらい)ですが、急に矯正視力が0.5くらいに下がりました。並行して、同じ時期に老眼も進み近くのものも見づらくなりました。
 老眼は近くのものだけではなく、遠くのものも見づらくなる、視力も低下するのでしょうか?

(A)ご連絡有難うございます。
 最近、矯正視力が0.5に下がったとのことですが、一度、眼科を受診して、視力検査を受けていただきたいと思います。一般的に老眼は近くが見えにくくなる状態で、老眼だけでは、遠くのものも見えにくくなったり、視力が下がったりはしないものです。
 ご自分の眼鏡の視力ではなく、しっかり合わせた眼鏡でも視力が出にくい場合は、老眼以外の病気が起こっている心配もありますので、まずはお近くの眼科を受診して検査を受けていただきたいと思います。ご自分の眼鏡で視力が下がったということですが、目の度数が変化することでご自分の眼鏡での視力が下がることもあります。度数が変化する原因としまして、もっとも多いのは目の中にあるピント合わせのレンズである水晶体の濁りです。水晶体の濁りのことを白内障といいますが、白内障は加齢に伴って生じることが多いのですが、意外と40歳代の方にも見られることがあります。白内障があっても、眼鏡の度数を変えることで、視力が上がることもあり、その場合は眼鏡を変えることで対処できるものです。眼鏡の度数を変えても、視力が出ない場合は、ある程度進行した白内障を含めて、目の中に病気がないかを調べる必要があります。その検査のためには、瞳を大きく拡げて目の中まで詳しく診せていただく必要があります。瞳を大きく拡げる目薬は、さしてから30分ほどで効果が最大になりますので、その時に詳しい眼底検査を行います。眼底検査は少しまぶしくは感じますが、痛くはない検査ですので安心してお受けください。この目薬の効果はその後も、4.5時間持続してしまいますので、検査の後にご自分で運転するには危険をともないます。特にお天気のいい日の日中にはまぶしいですし、日の暮れた時間帯の運転では、対向車のライトがまぶしく感じてしまいます。どうぞご自分では運転せずに、お近くの眼科を受診していただきたいと思います。
 一度眼科を受診なさって、目に病気が起きていないかを確認していただきたいと思います。どうぞ参考になさってください。


2021年4月26日 令和3年5月号
「緑内障があり白内障の手術」
 
(Q)先生、突然の質問にて大変失礼致します。現在47歳の男性です。昨年8月位から急に視力が低下した様な感じがしまして(メガネの度が進んだ感じがする)、今年3月に眼科を受診しましたら白内障と診察されました。白内障はグレード2みたいです。核白内障と後嚢下白内障の両方があるみたいです。元々強度近視ですので、その影響で白内障になったとの事です。
 あと初期の緑内障であると昨年1月に、別の眼科で言われました。緑内障は昨年1月から4月迄ドルモロールを点眼しまして、その後目薬を変更して、4月から9月迄コソプト配合点眼薬を点眼しました。コソプト配合点眼薬は目にしみるので、先生に「薬を変えて欲しい。」と訴えたのですが、取り合って貰えずに昨年9月に点眼薬が無くなったので点眼を自己判断で中止しました。今は緑内障の点眼薬はしていません。私は元々眼圧が両方共に約17位の正常眼圧緑内障であり、視野の欠損もあまりないので、自己判断で緑内障の点眼薬を中止しました。あと視野検査では右眼のハンフリー視野計の右下の部分の視野の欠損を緑内障の視野欠損と診察されました。別の緑内障の専門医に再度診察して頂いた所、「右下の部分の視野欠損は緑内障ではない。緑内障ではこの部分に視野欠損は出ない。貴方のこの部分の視野欠損は強度近視の影響でしょう?」と言われました。緑内障の診察で誤診があったと思っています。ですが、眼底検査では初期の緑内障と診察はされました。
 話を白内障に戻しますが、眼内レンズは多焦点レンズと単焦点レンズの両方がありますが、多焦点眼内レンズを希望していますが、いかんせん高額ですので、迷っています。単焦点レンズですと、手術後にメガネが必要ですが、手術費用が安いのが魅力です。また多焦点レンズは、ハローとグレアが出やすいのと言うのを聞いていますが、単焦点レンズもハローとグレアは出るのでしょうか?長文になりまして、本当に申し訳御座いません。
 私の今の眼の状態で今後の最善策を御教示いて頂けないでしょう?白内障の手術の可否や緑内障の今後の処置や眼内レンズをどうすれば良いか、等です。何卒、宜しくお願い致します。

(A)ご連絡有難うございます。白内障と緑内障と診断されているとのことですね。
 白内障の手術に関しまして、多焦点レンズがよいか単焦点レンズがよいかというご質問ですが、職業、普段の眼鏡の使い方、近視度数、乱視度数などから総合的に判断する必要がありますので、実際にデータがございませんので、一概にはご回答できません。手術を担当なさる先生とよくご相談して、納得してから手術を受けることをお勧めします。
 もともと強度近視とのことですので、眼鏡をかけることは苦にならないと思われますので、単焦点レンズにして手術後に眼鏡が必要になることに関しましては、あまり欠点とはならないと思います。よくお調べになって、「ハローとグレアが出やすい」ということもご存知のようですので、スッキリした見え方を優先するのであれば、単焦点レンズの方がよろしいのではないかと思われます。
 緑内障に関してですが、「緑内障の診察で誤診があったと思っています。ですが、眼底検査では初期の緑内障と診察はされました。」初期の緑内障と診断されたとのことですので、点眼治療は必要ではないかと思われます。緑内障の方の7割以上は正常眼圧緑内障ですので、眼圧が17位とのことですが、治療は必要ではないかと思います。また強度近視は緑内障の危険因子の一つです。緑内障に関しましても、白内障手術を担当なさる先生とよくご相談していただきたいと思います。
 実際に診察をしていませんので、メール医療相談には限界があることをご理解ください。白内障手術を受けて、明るい生活を取り戻すことをお祈りいたします。どうぞ参考になさってください。


2021年3月25日 令和3年4月号
「ワンデーコンタクトレンズのズレ」
 
(Q)メール相談ができると言うことでご連絡いたしました。よろしくお願いします。
 現在、ワンデーのコンタクトレンズを使用していますが、昔からつけっぱなしのまま寝たり、何日(1週間~10日ほど...)も過ごしてしまうことがあります。たまに検査をしても、眼球はきれいだとのことで止めれないままし続けていました。
 最近、片目だけメヤニ(ネバネバや乾いたもの)がすごく、瞬き時にネバネバしたものが付くこともあります。また、1~2日の短期間でズレたり、外れたりするようになり、外れた後はしばらく違和感もあります。
 これは傷がついてしまったのでしょうか。コンタクトをしてからは、10年ほどになります。

(A)ご連絡有難うございます。
 ワンデーのコンタクトレンズは薄く作られており汚れがつきやすいものです。そのため、1日使用したらはずして捨てていただくという必要があります。ご自分でも正しくない使用法であることはご存知だと思いますが、そのために、黒目(角膜といいます)に問題が起きている心配があります。
 「最近、片目だけメヤニ(ネバネバや乾いたもの)がすごく、瞬き時にネバネバしたものが付くこともあります」とのことですが、感染症といいまして、細菌がついている心配がありそうです。
 また「1~2日の短期間でズレたり、外れたりするようになり」とのことですが、上瞼の裏の白目(瞼結膜といいます)に巨大乳頭結膜炎という病気が起きている心配もあります。コンタクトレンズに付着した汚れに対してアレルギー反応が起きた時に発生する可能性があります。
 「たまに検査をしても、眼球はきれいだとのこと」ですが、ワンデーを期限を超えて長く使っていますと角膜に必要な酸素が充分ではなく角膜の透明性を維持する細胞が減ってくる怖れもあります。
 「外れた後はしばらく違和感もあります」これは、ご心配の通り角膜に傷がついている時に起きる症状です。
 お近くの眼科を受診して、現在の角膜の状態を検査してもらい、角膜に問題がなければ、正しい使い方でコンタクトレンズを使用するようにしてください。角膜に傷がついて、そこに細菌感染が起きてしまいますとひどい場合には角膜潰瘍になり、視力が回復しない場合もあります。
 脅かすようなお返事で申し訳ございません。しかし、かなり危険な使い方をしていると自覚してほしいのできついお返事になってしまいました。どうぞお近くの眼科をお早めに受診してください。


2021年2月25日 令和3年3月号
「先天白内障術後の斜視」
 
(Q)お世話になります。私は36歳・女です。
 左眼を先天性白内障のため0歳で手術し水晶体を半分摘出しました。視力回復の訓練をしましたが、忍耐不足のため回復はしませんでした。左眼は、光と色はなんとなくわかりますが、輪郭は識別することはできません。そらし眼でみているような感覚です。右眼はとても大事にしており、年一回健診で眼科に通っています。視野も測っています。
 今回質問させていただきたいのは、斜視のことです。右目は正面を見ているのに左目は上の方を向いてしまいます。自分自身そのような感覚はないのですが・・・。意識しても両目を同じ視点にコントロールできません。
 これも”斜視”というのでしょうか?このような場合でも手術で直る(左右眼の視点をあわせることはできる)のでしょうか?斜視は直らないものと思いこんでました。もし、斜視が手術で直るのなら直したいと思っています。
 心配なことは、失敗した場合、右眼の視力もなくすことはあり得るのでしょうか?それと、保険は効くのでしょうか?
 斜視があると、人の目を見て話がなかなかできないのです。特に子供は”正直”ですから・・・周りに相談しても、もう36歳でしょ、大人気ないといわれると思います。でも、これは斜視の方でないとわからない悩みと思います。ご回答頂けると嬉しいです。

(A)ご連絡有難うございます。
 左眼先天白内障術後で斜視が気になるとのことですね。「右目は正面を見ているのに左目は上の方を向いてしまいます」ということからは上斜視があるようです。
 視力の悪い方の目である左目が斜視になっている場合、廃用性斜視の可能性が
あります。左目が正面でしっかりと像をとらえることができないために斜視になっている可能性があります。
 斜視の治療として、手術があります。廃用性斜視の場合も、手術によって、今よりも正面に向くように手術で調整することは可能だと思います。ただし、手術後にだんだんとまた斜視が再発してしまう可能性も考えておく必要があると思います。いまの斜視の状態が気になるとのことですので、前向きに手術を考えて良いのではないかと私は思います。
 「失敗した場合、右眼の視力もなくすことはあり得るのでしょうか?」というご質問ですが、斜視の手術は目のまわりの筋肉の位置を変えます。斜視の角度が大きい場合は、片方の目だけではなく、両方の目の筋肉を手術することもありますので、斜視の角度が分からないので、断言はできませんが、通常は、左目の手術になると思われますので、右眼の視力が…という心配はないと思います。
 「保険は効くのでしょうか?」斜視の手術治療は保険対象になっています。
 「右眼はとても大事にしており、年一回健診で眼科に通っています」とのことですので、まずはいつも診てくださっている先生にご相談してみることをお勧めします。どうぞ参考になさってください。


2021年1月25日 令和3年2月号
「繰り返す角膜潰瘍」
 
(Q)神奈川県横浜市に住む、44歳女性です。私自身の繰りかえす角膜潰瘍について質問させて頂きたいと思います。
 一昨年2月、左目に激痛を感じ受診したところ、角膜潰瘍と診断され、ヒアレイン、クラビット、タリビット眼軟膏で治療をしました。原因不明(突いたりぶつけたなどはない)で、これまでにコンタクトも使用したことはありません。その後5月に右目、8月10月に右目と原因不明の角膜潰瘍になり同じ薬で治療しました。昨年11月下旬にまた急に激痛が走り、左目に角膜潰瘍ができていました。これらは毎回辺縁にできており、鏡で見ると白く傷がついているのがわかる状態です。今回も同じ薬でしたが、症状がどんどん悪化し、現在フルメトロン点眼を追加して様子を見ているところです。
 原因が全くわからず、繰り返すことが非常に苦痛です。涙の量は十分でドライアイの目薬は出せないと言われます。免疫の病気かもと言われたのですが、特に治療法はないとのことでした。
 質問なのですが、原因もなく繰り返すのですが何か予防する策は考えられないでしょうか?免疫の病気の場合、内科で血液検査をすれば原因が特定でき治療できる可能性があるでしょうか?それとも、目だけ限定の免疫の病気があるのでしょうか?時々、急に足首や手首、指の関節が腫れることがあるので去年リウマチの検査はしましたが異常なしでした。
 激烈な痛みに襲われることが苦痛なのと、繰り返すことで悪化し視力に影響が出ないかも心配で何か予防策を知りたいです。回答いただけたら嬉しいです。宜しくお願いします。

(A)ご連絡ありがとうございます。繰り返す角膜潰瘍でお困りとのこと、ご心痛お察しします。
 ご自分でお調べになっておられるようですが、角膜の辺縁部に角膜潰瘍を繰り返すとのことで、周辺部角膜潰瘍との鑑別が必要になってくると思われます。周辺部角膜潰瘍は膠原病などに合併することがある病気で、進行性と考えられている病態です。
 メールでの治療経過から、何度も繰り返してはいらっしゃるようですが、その都度、治療にはよく反応しているように思われます。その点からは、同じように角膜の辺縁部に生じる角膜潰瘍としてブドウ球菌に対するアレルギーによるものも考えられるのではないかと思われます。
 実際に診察をしているわけではございませんので、角膜潰瘍の深さ、潰瘍の辺縁部の変化、毛様充血の有無などわかりませんので、メールでのお話からでは判断できず、お役に立てずに申し訳ございません。
 角膜疾患を専門とされている施設にセカンドオピニオンを求めて受診されるのが、よろしいのではないかと考えます。主治医の先生に一度ご相談して、紹介状を書いていただいてはいかがでしょうか。関東にお住まいとのことですので、私の知るところでは、慶應大学病院、東京歯科大学病院は角膜外来があると思います。お役に立てない返答で誠に恐縮です。どうぞ参考になさってください。


2020年12月25日 令和3年1月号
「高校生の不同視」
 
(Q)高校生の娘が今年初めて不同視(0.3と1.2)と言われたのですが、原因は何なのでしょうか?日常生活で見る事に不自由を感じてはいなかったのですが、異常に眠たいのと関係あるのでしょうか?スポーツをする上で遠近感がうまくつかめず不利益になるのでしょうか?治療はどうするのでしょうか。メガネで悪い方の視力をあげて目を使っていくのがよいのかと思うのですが、かけずにいてもいいのでしょうか。そのままで治るのでしょうか?。

(A)ご連絡有難うございます。診察をしている訳ではありませんので、あくまでも一般論として、お返事差し上げます。
 不同視とは、視力に左右差があることではなく、左右の度数(遠視の度数、近視の度数)に差があることを言います。
 一般的に不同視の原因は、左右の目の奥行きの長さの違いにより引き起こされます。ですので、不同視は生まれつきのものと考えられています。
 手の大きさや耳の大きさなど、左右 対(つい)になっているものは左右まったく同じ大きさではなく、多少の大小の差があります。目の奥行きも左右まったく同じではなく、多少の長短の差があります。その左右の奥行きの差が大きい時にピントの合わせにくかった側の目の視力がうまく伸びなかった場合不同視弱視といいます。
 娘さんが高校生とのことですが、不同視弱視であった場合は、以前から左眼の視力が悪かったことになります。今まで、学校検診で指摘されていなかったとすれば、視力検査の時に左眼を隠す道具(遮眼子といいます)をずらして右眼で見て答えていた可能性があります。見えないのがおかしいな、と思って無意識に遮眼子をずらして答えている場合は少なからずありえます。
 「異常に眠たいのと関係あるのでしょうか? 」というご質問ですが、以前からのものと考えられますのでこのことで眠たいという症状が起きているとは考えにくいと思います。
 「スポーツをする上で遠近感がうまくつかめず不利益になるのでしょうか?」とのご質問ですが、以前からこの状態で過ごしていらっしゃいますので、この状態の見え方で遠近感を判断していたと思われます。現時点で不自由を感じていなかったとすれば、今後このことが原因で不自由になることはないだろうと思われます。
 「治療はどうするのでしょうか。」というご質問ですが、お母様がおっしゃるように「メガネで悪い方の視力をあげて目を使っていく」というのが不同視弱視の治療方法です。ただし、残念ながら、この治療に反応してくれるのは、視覚の感受性期間と考えられる10歳以下の場合です。
 しかし文献では、それまで治療をしてこなかった方の場合、視覚の感受性期間を超えていても、視力が多少改善してくる場合があるという報告もあります。一般的には治療開始時期として、残念ながら遅すぎるきらいはありますが、そのことをご理解の上、眼鏡をかけて右眼をかくして左眼を使うという方法をチャレンジしてみることは出来ると思います。ただし、その場合もしっかりと左眼にピントがあった眼鏡をかけないと効果は出て来にくいと思いますので、調節麻痺剤の点眼検査を受けて眼科で眼鏡を処方してもらう必要があります。いきなり眼鏡屋さんで眼鏡を作っても、しっかりピントがあう眼鏡にならない可能性があります。
 以上、お母様のご質問に不同視弱視の一般論としてお答えしました。しかしながら、診察をしておりませんので、診察を受けた眼科の先生とよく相談されて今後の方針を決めて行く必要があると思います。どうぞ参考になさってください。

2020年11月25日 令和2年12月号
「マイボーム腺硬塞」
 
(Q)受診したことがないのですが小さい赤ちゃんがいてなかなか受診できないのでこちらで質問させてください。
 2年近く前に下瞼の目のキワに3mm程度の出来物ができました。(調べてみたところマイボーム腺梗塞に似ています)。その時受診した眼科では点眼と軟膏(タリビット)で様子を見ると言われて薬を使いましたが、中身が少し出てきたくらいで白い塊のようなものが残ったままでした。
 その後病院に行くタイミングがなく1年半も放置してしまいました。つい最近別の病院に行き、針で中を出してもらったのですがほとんど変わらず…。処方されていたプレドニン軟膏を塗ってれば無くなるよと言われて毎日塗って1ヶ月になりますが全く変わりません。軟膏が良くないのでしょうか?それともまた中身を出してもらう方が良いのでしょうか?黒目にかぶさる感じであるので白い出来物がすごく目立って鏡を見るのが本当に嫌です。
 返答よろしくお願いいたします。

(A)ご連絡有難うございます。
 診察をしていませんので断定的なことは申し上げられませんが、教えていただいたお話からは、マイボーム腺梗塞の可能性が高いのではないかと思います。
 「針で中を出してもらったのですがほとんど変わらず」ということですので、瞼に局所麻酔をして、マイボーム腺梗塞摘出術をするのがよろしいのではないかと思います。炎症が起きているとき(触って痛みがあるとき)には、局所麻酔が効きにくいので、その場合は炎症が治まってから行うのが良いのではないかと思います。メールの内容からは、現時点で炎症は起きていないようですので、マイボーム腺梗塞摘出術をお勧めします。
 診察をしていませんので、あくまでマイボーム腺梗塞の場合の考え方と思ってお聞きください。お時間をみつけて、もう一度眼科を受診なさってご相談することをお勧めします。


2020年10月25日 令和2年11月号
「白内障術後近くが見えない」

 
(Q)初めてまして。
 一週間ほど前に白内障手術を片目しました。強度近眼、緑内障があるので、単焦点レンズで遠くに焦点をあわせたら、手元がぼやけて見えません。
 片方もバランスあわせで手術予定ですが手元がみえないのはストレスです。
 手術をうけないで、コンタクトでも大丈夫ですか?
 もう、どうしたらいいかわからないので教えて下さい。

(A)ご連絡有難うございます。
 1週間前に片目の白内障手術を受けたとのことですね。白内障の手術の際に、目の中に入れるレンズの度数で手術のあとの度数を調整しています。
 「単焦点レンズで遠くに焦点をあわせたら」とのことですので、手術前に執刀する先生から、そのような説明がされたものと思います。今はまだ片目の手術を終えた状態ですので、手術していない方の目は強度近視で近くに焦点が合っていて、手術したほうの目が遠くに焦点が合っている不同視という、左右の度数に差がある状態になっていますので、とても不自由に感じているのではないかと思います。
 「片方もバランスあわせで手術予定です」とのことですので、手術後は不同視が解消されますので、今のような不自由さからは解放されるのではないかと思います。
 「手元がみえないのはストレスです」ということでしたら、執刀する先生と、術後の度数について、もう一度相談することをお勧めします。左右の度数の差をあまり大きくしなければ、片方は遠くに合わせ、もう片方は近くにあわせるというモノビジョンという考え方もあります。
 手術前の度数、現在の度数などが分かりませんので断言することはできません。
 どうぞ手術をしてくれた主治医の先生ともう一度現在の不自由さを含めて、ご相談することをお勧めします。お役にたたないお返事で恐縮です。メール相談には、限界がありますことをご理解ください。どうぞ参考になさってください。


2020年9月25日 令和2年10月号
「CLのオーバーウエア」
 
(Q)一年ほど前、目がゴロゴロするので眼科で見てもらったところ、角膜に傷がついていると診断され目薬を処方されました。きっかけはコンタクトをいつもより長くつけすぎてしまった事だと思います。
 コンタクトを控えて点眼をしていれば1週間ほどで治ると言われましたが、一年たつ今もずっとゴロゴロとした痛みが続いています。左目の方が症状が強いです。
 ゴロゴロ感の原因は角膜の細かい傷である事はおそらく間違いないので、どの眼科に行っても同じよう診断をされ、すぐ治ると言われます。
 治らない原因としてはドライアイの可能性や、睡眠中に目が開いている可能性があると言われました。
 寝る時はアイマスクをするようにしています。
 普段はコンタクトをつかわないようにしていますが、スポーツやイベントでコンタクトをつけることはあるのでそのたびに目が腫れてしまい困っています。
 医師にはすすめられていないのですが、ドライアイの検査はできますか?
 また、顔の構造上まぶたが閉じにくいなどの問題は眼科にかかっていればチェックされますか?

(A)ご連絡有難うございます。一年ほど前からゴロゴロ感が治まらないとのことですね。
「きっかけはコンタクトをいつもより長くつけすぎてしまった事」だと思われますが、コンタクトレンズのオーバーウエアによる角膜炎でしたら、診察をした先生がおっしゃったように「コンタクトを控えて点眼をしていれば1週間ほどで治る」のが通常です。
 コンタクトレンズを使用せずに、角膜の傷が治らないとすると、指摘されたように「ドライアイの可能性や、睡眠中に目が開いている可能性」はあると思われます。
 ドライアイの検査は、涙液破壊時間といいまして、目の表面の涙の安定性を診る検査とシルマー試験といいまして、分泌される涙の量を測る検査になります。
 これはどこの眼科でも受けることができますので、お近くの眼科でぜひお受けください。コンタクトレンズを使用している方で、ドライアイの方は多く見受けられます。涙が少ない状態でソフトコンタクトレンズをしますと、少ない涙がレンズに奪われてしまって、角膜の傷が悪化することがあります。ハードレンズはレンズに涙が奪われることがないので、ハードレンズが適している方もいらっしゃいます。ドライアイと診断がつきましたら、点眼治療、涙点プラグなどの治療があります。
 「顔の構造上まぶたが閉じにくいなどの問題は眼科にかかっていればチェックされますか?」というご質問ですが、構造上に問題があって瞼が閉じにくいことは、瞼に外傷を受けた場合にはありますが、通常は構造上に問題がない場合が多いです。就寝中の開瞼が疑われる場合には、寝る前に眼軟膏を点入していただいて、この治療に反応するか、治療的診断をすることがあります。
 お近くの眼科を受診なさってドライアイの検査をうけることをお勧めします。どうぞ参考になさってください。


2020年8月25日 令和2年9月号
「飛蚊症の悪化」
 
(Q)お世話になります。埼玉県在住、27歳の男性です。6月中頃より飛蚊症が悪化し近医を受診したのですが、それからいくつか気になることが出てきましたので、失礼ですがお尋ねさせていただきたく思いメールいたしました。
 もともと10年以上前から透明なものは見えていたのですが、突然黒っぽいものが飛ぶようになり6月下旬に眼底検査と眼球に特殊なレンズを当てて診る検査を受けました。結果は近視によるものであろう萎縮と濁りがあるだけで網膜剥離等は無いとのことで、7月にも経過観察で問題なしでした。黒いものは右目と左目でそれぞれ1~2個ずつ、透明なものはそれこそ無数にあります。一番目立つ黒いものは本来?の場所は左下の方で普段は単なる影のようですが眼球の動きで中央に寄せてピントが合うと形が見えます。小さな透明な丸が密集したものの一部が黒く見え、そこから足のように紐状のものが数本出ているような形です。光の当たり具合やピントの合い方で黒い部分が大きく見えたり紐の向きが変わるのであまり正確ではないですが・・・
 不安な点はここから網膜剥離に進むことがあるのか?という点です。もちろん今後新たに病変が発生する可能性というのは別にして、つまり今あるものが引き金となってここから網膜剥離になるのかということです。もともと不安神経症もあるため、日々変化がないか不安で注意を向けざるを得ないという状況なのです。もう一つ関連して気になるのがあまり目を動かさないほうが良いのか?という点です。どうしても黒い部分を見ようとしてしまうので、気にすることで却って悪化させてしまうのではないかという不安がよぎります。
 定期的に眼底検査を受ける必要性はあるのでしょうが、ひとまず日常生活でどこまで注意を向ければよいのかわからず不安な日々を過ごしております。実際の診察だと上手く伝えられないことが多いためメール相談ができるサイトを探して・・・という形になり、受診もせずに本当に申し訳なく思うのですがよろしくおねがいします。

(A)ご連絡有難うございます。飛蚊症でお困りとのことですね。
 「不安な点はここから網膜剥離に進むことがあるのか?という点」というご質問ですが、「今あるものが引き金となってここから網膜剥離になるのか」ということに関しましては、心配ないと思います。
 「あまり目を動かさないほうが良いのか?という点」に関しましては、これも心配ないと思います。「黒い部分を見ようとしてしまうので、気にすることで却って悪化させてしまうのではないか」ということも、心配ないと思います。
 質問の中にありますように「今後新たに病変が発生する可能性ということ」は、可能性としてはありえますので、飛蚊症が増えた時にはぜひかかりつけの眼科を受診してください。「眼底検査と眼球に特殊なレンズを当てて診る検査を受けました」とありますので、かかりつけの眼科の先生は、しっかりと網膜の周辺部(端っこの方)まで診察していると思われますので、確かな診察をしてくれていると考えられます。飛蚊症に変化があったときはもちろんですが、変化がなくても主治医の先生の指示に従って受診することで安心が得られるのではないかと思います。
 飛蚊症は目の前に動き、邪魔になって鬱陶しいと思いますが、次第に慣れてくることが多いと言われています。どうぞ参考になさってください。お大事になさってくださいませ。


2020年7月25日 令和2年8月号
「目薬の使い方」
 
(Q)初めまして。メールでご相談できる眼科を探してたときにここを見つけました。通っている眼科があるのですが、そこでヒアルロン酸の目薬をもらってます。
 私は目やにが多く、ここ最近は市販の涙に近い目薬を使って目やにを洗い流してます。ずっと水道水で目の中を洗ってたのですが、自分で色々調べて水道水は良くないことを知りました。目の中の赤みや痛みも気になっており、眼科では何かのアレルギー反応があると言われました。でも特にこれと言った病気は言われてません。ヒアルロン酸をうってもあまり良くならず、市販のものもあまり使いたくなかったけど、涙に近い目薬は眼科医も勧めてらっしゃる人がいたので買いました。1日に何滴さすなど、一回のさす回数など決まってますが、回数は守ったほうがいいのでしょうか?いつも疑問に思います。洗顔するとき、目やにを流すために三回とりあえずさして、洗顔が終わり、肌のスキンケアもしたあとにまた1滴さしてますが、これは正しいでしょうか?
 あと私はまつげが濃くて長いのですが、よく目の中に入って痛くて小指を濡らして目の中のまつげを取ったりもしてます..。眼科医に相談したときはあまりしないように言われましたが痛くて仕方ないのでやってしまいます。何かいい方法はありますか?
 長いメール失礼しました。ずっと目のことで悩んでたので、思いきってここに相談してみました。もし良ければ返信まってます。お忙しいと思ってますので別に返信は無理しなくてもいいです。それでは。

(A)ご連絡有難うございます。
 水道水で目の中を洗っていたということは、お調べになったようにあまりお勧めできません。涙には、目に必要な成分が含まれており、洗眼することによって、それも流れてしまう怖れがあります。
 涙に近い目薬は、目にとって問題のないことが多いのですが、特に「ソフトサンティア」がお勧めです。涙に近い目薬の中にも、保存剤の入っているものもありますので、「ソフトサンティア」には保存剤も入っていませんので、安心して使える目薬だと思います。
 目薬の回数は、あまり多くさすことは副作用を起こすことがあり、お勧めできませんが、ソフトサンティアであれば、副作用の心配は少ないと思います。
 「洗顔するとき、目やにを流すために三回とりあえずさして、洗顔が終わり、肌のスキンケアもしたあとにまた1滴さしてます」目やにを流すためであれば、問題ないかと思います。あまりたくさんさすことは涙の必要な成分も流れてしまいますので、洗眼と同じ意味合いで、あまりお勧めではありません。
 「よく目の中に入って痛くて小指を濡らして目の中のまつげを取ったりもしてます」もやはりお勧めではありません。ソフトサンティアで流すようにして取れなければ、ご自分で無理はせずに、お近くの眼科で取ってもらうのがよろしいかと思います。どうぞ参考になさってください。


2020年6月25日 令和2年7月号
「バックリング手術後の眩しさ」
 
(Q)はじめまして、宜しくお願い致します。眼の質問にお答え頂けるとの事でご相談させて頂きます。
 網膜剥離でバックリング手術をしまして約3週間になります。視力は徐々にですが回復傾向ですが、日中の明るい時間帯は眩しくて目を開けていられなく涙が止まらないです。主治医に相談しましたがそのうち治るからとアバウトな答えしか返ってこないので不安です。目薬はリノロサールとガチフロを1日4回点眼し、プレドニンを1日1回服用し3日後に無くなり次第飲まなくて良いとの事です。本当に眩しさは治るのでしょうか。経過次第ですが、どのくらいかかるものなのでしょうか。

(A)ご連絡有難うございます。
 3週間前に網膜剥離のバックリング手術を受け、眩しくて目を開けていられなく涙が止まらないとのことですね。ご心痛お察しします。
 主治医の先生は「そのうち治るから」と仰っているとのことですので、心配な状況ではないものと思われます。
 「手術後に眩しい、涙が出る」ことの原因として、黒目(角膜といいます)に傷がついていることも考えられます。これは点眼で徐々に治まることが多いもので、一時的なことであることが多く、心配のないものです。また、手術後に瞳を広げたままにする目薬の効果がまだ残っていて眩しく感じる可能性もあります。アトロピン点眼という目薬では、最後にさしてから2~3週間瞳が広がったままで、光が入っても瞳が小さくなりにくいので眩しく感じます。網膜剥離の手術後には目の炎症を抑える目的で、アトロピン点眼を使うことが多いです。この目薬の効果も徐々に取れてくるものです。
 診察しているわけではありませんので、断言することはできません。原因を特定できませんので、どのくらいかかるかにつきましても、申し上げることはできないかと思います。
 やはり、主治医の先生に不安をお伝えになり、今の状況、今後の予後について、コメントをもらうことで、安心できるのではないかと思います。お役に立てないお返事で恐縮です。メール医療相談には限界がありますことをご理解ください。どうぞお大事になさってください。


2020年5月25日 令和2年6月号
「左眼の視力低下」

(Q)はじめまして。
10年ほど前からガチャ目で、右だけ-1.75のコンタクトを使用しております。ですが最近左目の視力低下に悩んでいます。
 右の度数を下げた方がいいのでしょうか?
 また、1ヶ月ほど前に左下の奥歯を抜きました。その後ぐらいから視力低下が気になるようになりましたが、それとは関係ないのでしょうか?
 顎関節症があり、右顎は痛みますが、左には問題ありません。
 よろしくお願いいたします。

(A)右のみ近視のコンタクトレンズを使用しているとのことですね。
 今までは左眼の視力が良好でしたが、最近視力低下を自覚しているとのことですので、左眼にメガネ、コンタクトレンズの矯正が必要なのかの検査が必要だと思われます。「ガチャ目」と仰っているのは、左右の目の度数に差がある不同視ということではないかと思いますが、今まで左眼にコンタクトレンズをしていらっしゃらなかったということからは、左右の度数の差は2ディオプター以内と思われますので、病気の範囲には入らない不同視になると思われます。
 左眼の視力低下を自覚するという理由で、右眼の度数を下げた方がいいと言う判断は出来かねます。
 奥歯の抜歯と視力低下は、通常では関連はないのではないかと思います。また顎関節症も視力には影響しないと思われます。
 まずは普段コンタクトレンズを処方してもらっている眼科を受診して、左眼の視力検査を含めてあらためて一通り検査を受けることをお勧めします。不同視はあるようですが、それ以外に斜視はないか、また両方の目で同時に見ているのか、立体感の検査などが必要になるかと思います。眼底検査も必要だと思われますので、まぶしくなる目薬を入れての検査になりますので、ご自分では運転せずに受診していただきたいと思います。左眼の視力低下の原因をはっきりすることで、安心が得られるのではないかと思います。どうぞ参考になさってください。


2020年4月25日 令和2年5月号
「中心暗点」
 
(Q)士別市  54歳 よろしくお願いいたします。
 最近、気が付いたのですが、夜空の星を見たときに、視点の中心で星をみようとすると見えません。片目ずつ見てもやはり見えません。しかし、視点を少しずらすと見える事に気がつきました。日中はこのような症状はありません。関係ないかもしれませんが、白いものを片目ずつ見ると若干色が違って見える症状があります。既往症としては、以前にぶどう膜炎で士別市立病院を受診しています。その後症状は出ていません。この時は、今野先生に丁寧に診察していただいた記憶があります。ご回答よろしくお願いいたします。

(A)視点の中心で見ようとすると見えないとのことですので、症状からは中心暗点が考えられます。しかし、中心暗点ですと明るい時にも症状がでるはずですので、一致しないかと思います。「白いものを片目ずつ見ると若干色が違って見える」ということもあるようですので、目の中の物を見ている神経の膜(網膜といいます)の真ん中の部分である、黄斑というところに病気が起きている心配があります。黄斑部は視力を司っている目の中の大切な場所であり、色や形などの判別をしています。
 以前に、「ぶどう膜炎」の既往があるとのことですが、ぶどう膜とは、目の中の茶目の部分のことです。瞳をみますと、茶目が見えると思いますが、この茶目は虹彩という部分で、茶目は目の奥につながっていて毛様体・脈絡膜と呼ばれています。この虹彩・毛様体・脈絡膜を合わせてぶどう膜と言いますが、ぶどう膜は目に栄養を送る血管の豊富な膜です。ここに炎症がおきることをぶどう膜炎といいますが、目の中の水が濁ったり、眼圧が上がったり、網膜に炎症が広がりますと、網膜血管炎や、黄斑部浮腫を引き起こすこともあります。黄斑部浮腫とは、黄斑部に水が溜まってむくんでくる状態のことですが、中心暗点を引き起こす原因にもなり得ます。
 まずは、視力検査などをうけていただき、眼底検査が必要になると思います。散瞳剤を点眼しての精密検査になります。4.5時間まぶしくなりますので、その後の運転は避けていただきたいと思います。
   ご都合のよろしい時に受診していただきたいと思います。ご希望の日がありましたら予約をいれます。どうぞ参考になさってください。


2020年3月25日 令和2年4月号
「マイボーム腺のつまり」
 
(Q)診断していないので、ドライアイかはわからないのですが、目が乾いて目を開けるのが辛かったり痛かったりします。よく目の粘膜?(眼球と睫毛の間)と言われるところに、透明や白い出来物(マイボーム腺)が出来ます…。それが出来ると目に違和感を感じたりするだけでなく、いつもより目の乾きが激しかったりして辛いです…。
 マイボーム腺のつまりを出している動画を見ました…。
 そちらの眼科様ではマイボーム腺のつまりを出して貰えたりしますでしょうか?また出すことによってのメリットやデメリットも知りたいです

(A)目が乾く感じで痛みがあるとのことですので、ご自分で考えていらっしゃるようにドライアイが疑われます。ドライアイは涙の量が少なかったり、涙の質に変化があるために、黒目(角膜といいます)や白目(結膜といいます)に傷や炎症が生じる状態です。
 まずはドライアイの検査を受けていただきたいと思います。実際に涙の量を測ることができます。下瞼に細いろ紙状の検査紙をぶら下げて、分泌される涙の量を、ろ紙が濡れた長さを測定することによって調べることができます。涙の質の検査は、角膜の表面を覆っている涙の膜の性状に問題がないか、瞬きを我慢してもらうことによって生じる涙の膜の変化をとらえるものです。
 マイボーム腺からは、涙の膜の表面を構成するあぶらの成分が分泌されています。涙の表面を薄いあぶらの膜が覆うことによって、瞬きをしてから涙が蒸発することを防いでくれる役割を担っています。マイボーム腺のつまり(マイボーム腺梗塞といいます)によって、涙の表面のあぶらの膜の状態が悪くなっていると判断された場合に、マイボーム腺を圧迫することによって、つまりを解消することができますし、当クリニックでも行っています。マイボーム腺梗塞を圧出することのデメリットは、特にないかと思いますが、点眼麻酔をしても圧迫されることで多少の痛みは感じると思います。
 ドライアイの検査を含めまして、一度検査を受けていただきたいと思います。まずは診察を受けていただいて、そのような処置が必要かどうかご相談したいと思います。お時間のある時に予約を入れてください。どうぞ参考になさってください。


2020年2月25日 令和2年3月号
「白目の膜」
 
(Q)富良野市に住んでおります36才です。
 この度は手前の諸々勝手な都合で、ご遠慮なくのお言葉に甘えて相談させて頂きたくメールしました。
 2年くらい前に右目の黒目の縁から目尻へ向けて目ヤニのような膜が出来、時々異物感はあったものの何ら支障なく放置していたところ、最近になって異物感が増したのと、その際に目を開閉させてみたところ、閉じた時に膜が飛び出てくることに気付いて多少驚き、一体なんなのか、受診しなければならないか、悩んでいます。
 植物アレルギー。眼鏡使用。特段視力の低下はありません。 
   何卒ご回答宜しくお願いします。

(A)ご連絡有難うございます。
 メールの内容からは今回の膜が飛び出てくることに関しましては、白目(結膜といいます)が腫れてしまう結膜浮腫という状態ではないかと想像します。アレルギー反応などで、結膜浮腫が起きることがあります。皮膚に起きる蕁麻疹のようなものだと考えられています。
 しかしながら、診察をしていませんので断言できません。また結膜浮腫であれば、アレルギーの点眼液で軽快することが多いですので、ぜひお近くの眼科を受診なさってください。
 2年くらい前から右目の黒目の縁から目尻へ向けて目ヤニのような膜が出来ていると言いますのは、おそらくは瞼裂斑というものではないかと思います。黒目(角膜といいます)の横に、やや黄色味かかった盛り上がりが出来てくることがあります。黒目の鼻側、耳側の両方に出来てくることもあり、盛り上がっているために炎症を起こして、充血のもとになることもありますが、通常は悪さをしないので、様子を見ていくことになる心配のない出来物です。
 お話からは心配なものではないとは思いますが、一度お近くの眼科を受診していただきたいと思います。富良野であれば富良野協会病院、ふらの西病院に眼科があります。どうぞ参考になさってください。


2020年1月25日 令和2年2月号
「若干の近視傾向」
 
(Q)最近、パソコンを見る作業が増え、視力が心配になり、眼鏡屋にて視力測定をしたのですが、家の絵?のようなものを使った機械では若干の近視傾向が見られると言われたのですが、その後ランドルト環での測定では、両目2.0.片目1.5-2.0となりました。
 これはどう言うことでしょうか。

(A)ご連絡有難うございます。
 眼鏡屋さんで行った「家の絵?のようなものを使った機械」は、オートレフラクトメータという、目の屈折力を測定する器械です。器械を覗き込んで、ピントの合う度数を調べることによって、近視、遠視、乱視の度数がわかる器械になります。器械を覗き込むことで、実際の度数よりも近視側の数字が出る可能性があります。
 「若干の近視傾向が見られると言われた」とのことですが、その後の視力測定で「両目2.0.片目1.5-2.0」とのことですので、近視はあったとしてもごく軽度の心配のないものと考えられます。
 「最近、パソコンを見る作業が増え、視力が心配」とのことですので、一度お近くの眼科を受診していただいた方がよろしいかと思います。
 パソコン作業は、比較的距離が近いため、遠方の視力だけでは、問題ないか判断がつきません。また、パソコン作業によって瞬きの回数が減ることがあり、ドライアイが生じることもあります。眼科を受診することで、目に病気が起こっていないかを詳しく調べることができ、安心出来ると思います。どうぞ参考になさってください。


2019年12月26日 令和2年1月号
「円錐角膜の痛み」
 
(Q)はじめまして。よろしくお願いします。
 長野県に住んでいるので、そちらのクリニックには行くことできませんが、メールの相談を受けて下さるとの事で、お願いします。
 私の娘です。30歳。知的障害。5年程前から、円錐角膜を患って今までは、なんともなく過ごして来ました。ここ1カ月ぐらい前から、気になりだしたのか、目をこする事が多くなり、痛いと言うようになりました。一週間ぐらい前から、黒目の真ん中あたりが白くなってきて、眼科を受診しました。目が傷ついていることはなく、黒目が混濁してる。と言われ、治すには、角膜移植しかないと言われました。目薬もありません。知的障害なので、理解は難しく、たぶん手術はむりでしょう。と。
 ほんとに、何もないのですか?このままだと失明するそうですね。このまま…絶望感しかありません。毎日、痛い、痛いと言います。つらいです。何もなくても、痛くない目薬とかないのでしょうか…
 すみません。お返事お願いします。

(A)ご連絡有難うございます。娘さんの目の痛みとのこと、ご心痛お察しします。
 円錐角膜は、基本的には痛くない病気です。1か月前から、痛いとおっしゃっているとのことと、黒目の真ん中が白くなっているとのことですから、円錐角膜に伴うことのある急性角膜水腫という病態になって、角膜の表面が腫れていて、痛みが出ている可能性が考えられます。急性角膜水腫は、角膜の内側の膜に亀裂が入って、角膜に水が入ってきてしまう状態です。ただ、診察した先生が傷ついていることはないとおっしゃったとのことですので、断言できません。
 毎日、痛いとおっしゃっているとのことですから、もう一度、痛みについてご相談することをお勧めします。急性角膜水腫で角膜が腫れている場合、眼軟膏で痛みが軽減することもありますが、診察をしていませんので、はっきりしたことは申せません。急性角膜水腫であれば、その痛みがずっと続くわけではなく、じきに治まってくることも期待できます。
 メール相談には限界があることをご理解ください。もう一度、眼科を受診なさることをお勧めします。どうぞ参考になさってください。


2019年11月26日 令和元年12月号
「中学生の先天白内障」
 
(Q)私は群馬県に住んでいるのですが、セカンドオピニオンをするべきか悩んでいて誰にも相談できなかったのでメール相談を行なっているこちらに相談させて頂きます。
 先日、卓球部に所属する中学生の息子が目が眩しくて見づらいと言うので眼科に行きました。検査をしたら、白内障と診断されました。中学生で白内障!?と驚いたのですが、先天性白内障と診断されて。今まで何もなかったのに何故今?と謎です。そして治療も今は必要なく経過観察でと。眩しくて見づらい症状がなくならなければ卓球を続ける事も難しいし、どうしたらいいのかわかりません。
 白内障の原因もわからず、ネットで調べた結果もしかしたら…と思ったのはニキビ薬を毎日塗っていること、難病があるので毎年MRIをしていることです。この2つは原因になりますか?
 セカンドオピニオンはした方がいいのでしょうか?お忙しい所申し訳ありませんが、ご回答よろしくお願いします。

(A)息子さんの白内障の診断で驚いたことと思います。
 先天白内障には、それぞれ程度に差があり、生後早期の手術が必要になる場合や、眼科を受診した際に指摘されるごく軽度のものまで、かなり程度の幅がある疾患です。ですので、先天白内障という診断名のみで、アドバイスをするのは、難しいものです。
 最近、目がまぶしくて見づらいとおっしゃっているとのことですが、先天白内障は名前の通り生まれつきの水晶体の濁りですが、通常は若いころは進行せず、中年くらいになって加齢とともに白内障が進む時期に、進行してくることが多いものです。今回のまぶしいという症状が、ご指摘の先天白内障によるものかどうかの判断が必要かと思われます。
 「ニキビ薬を毎日塗っている」ことに関しましては、ステロイド剤を目のまわりに塗ることによって白内障をきたすことはありえますが、その場合はステロイド白内障に特異的な濁り方になりますので、当てはまらないように思います。またMRI検査では、白内障は生じないと思います。治療も今は必要なく経過観察と言われたとのことからは、白内障の程度は軽いものではないかと思われます。
 やはり、お母さんがお考えになりますように、セカンドオピニオンを求めるのが、安心につながるのではないかと思います。どうぞ参考になさってください。


2019年10月26日 令和元年11月号
「白目のシミ」
 
(Q)初めまして、質問失礼します。
 10数年充血と白目の部分のシミのような症状に悩んでます。何度か他の眼科で診てもらい、目薬など貰いましたが(市販のも使ってます)、全くよくなりません。痛みなどなく涙目でもないですが、気になります。よろしくお願いします。

(A)ご連絡有難うございます。「充血と白目の部分のシミのような症状」ということですが、可能性として高いのは瞼裂斑(けんれつはん)ではないかと思います。
 瞼裂斑は20歳をこえたくらいから黒目(角膜といいます)の横の白目(結膜といいます)に、白から黄色の盛り上がりとしてでてくることがあり、盛り上がりのために刺激となり、充血の原因となる場合があります。角膜にかかって伸びていない場合、視力に影響することはありません。通常は、手術でとることはせず、経過をみています。瞼裂斑は、まれにですが徐々に大きくなって角膜にかかって伸びてくることがあり、この場合翼状片(よくじょうへん)と呼ばれます。翼状片は大きくなって来ますと、角膜に歪みを生じ、角膜乱視を引き起こすことがありますので、大きさによっては手術で取り除く必要がでてきます。
 市販の目薬も使っているとのことですが、市販の目薬には血管収縮剤が入っていることがあり、これを連用していることによって、逆に血管が広がり、充血がとれにくくなることがあります。
 診察をしていませんので、断定的なことは申せませんが、瞼裂斑の場合の返答をさせていただきました。
 充血の強い時は眼科を受診して、目薬を処方してもらうのがよろしいのではないかと思います。またほかにドライアイなど併発していないかも、診察を受けていただきたいと思います。どうぞ参考になさってください。


2019年9月26日 令和元年10月号
「軽度の遠視」
 
(Q)はじめまして。
 健康診断でミドリンという薬を点眼し気球が見える機械で視力を測ったところ、左+0.75、右+0.50の遠視と言われました。
 遠視は弱くても眼精疲労や肩こり、吐き気、倦怠感など、全身の不調と様々な病気を引き起こすと言われました。それ以来なんとなく体の調子が悪い気がして気分も滅入り困っています。+0.75と+0.5の遠視は危険なのでしょうか? 眼鏡を作る場合、ミドリン使用時の数値のままのレンズを入れれば良いのですか?「遠視は生理的緊張を加味して度数を決めます」という説明をネットで見ましたが、ミドリン使用時よりも弱い度数にする必要があるという意味なのでしょうか?お忙しいところ大した質問でなく申し訳ありません。
 健康診断だったので特定の眼科ではなく、一方的に悪いことを沢山言われたまま今後どうすれば良いのか分からず困っています。ご助言いただけると本当に助かります。何卒よろしくお願いいたします。

(A)ご連絡有難うございます。健康診断で+0.75と+0.5の遠視を指摘されたとのことですね。
 遠視の方は、遠くの視力(一般的にいう通常の視力です)は良好なことが多く、普段は眼鏡をかけていない方が多くいらっしゃいます。
 遠くの視力が良好でも、近くの視力(近方視力といいます)が悪かったり、近くを見る仕事など(コンピュータなどです)で、疲れたりすることはあり得ます。ただし、+0.75と+0.5の遠視は、度数で言いますと、非常に軽い遠視ですので、40歳未満では、あまり問題にはならない度数ではないかと思われます。
 しかし、度数と症状の有無は、その人その人の生活環境、職場環境によって異なりますので、度数だけから、眼鏡が必要かどうかは断言出来ず、まずは遠方視力、近方視力、眼位(目の向きです)などを検査して総合的に判断する必要があります。
 今回は、健康診断で遠視を指摘されたとのことですが、まずはお近くの眼科を受診して、今の状態で眼鏡の装用が必要なのかどうか、ご相談することをお勧めします。
 ご期待に添えないお返事かと思いますが、お近くの眼科を受診することで、ご心配を解消することができるのではないかと思います。どうぞ参考になさってください。


2019年8月26日 令和元年9月号
「脳動脈瘤術後の視野欠損」
 
(Q)未破裂脳動脈瘤のクリップ手術4ミリの脳動脈瘤、場所は目の神経すぐで10時間かかりました。場所は視野欠損の場所と同じです。
 手術後から 、二重に見えたりしていたのが治ったら視野検査で左下がかけている事がわかり 、脳外科で聞いたら手術した部分と同じといわれましたが、眼科では緑内障か、術後後遺症かわからないと言われて半年が過ぎました。
 毎月病院へ行き眼圧、視野検査したりしました。OTC?もやり、視野欠損している部分が赤くなってました。眼圧左が4か月前は16ぐらいが最近19です。
 左目ドライアイもあり、術後から瞼や目の周りが神経が鈍く疲れやすいです。
 今日病院いって視野検査したら、視野は半年前から変化なし。先生は、未だ緑内障か、後遺症かわからないと言われ、不安ばかり。眼圧下げる目薬やるかも悩み中みたいですが、目薬をやり始めたら止められない、緑内障と認めるのが嫌で……まだ38歳。
 術後からだから、後遺症に感じるんですが……。
 緑内障の病院を次回紹介状もらう予定です。
 視力は左目がいいんです。未破裂脳動脈瘤のクリップ手術で左目神経付近の手術の後遺症じゃないですかね。わからない、わからないで、不安ばかりです。
 OTC?で赤い場所と視野欠損が同じだと緑内障決定か?神経は異常ないみたいで検査しても後遺症だとは思うけど緑内障を完璧に否定できないと言われたり、2軒病院は行きましたが、イマイチはっきりした結果にはなりません。

(A)ご連絡有難うございます。
 未破裂脳動脈瘤のクリップ手術後の視野狭窄で、緑内障か術後後遺症かわからないとのことでのご不安とのことですね。
38才とのことで緑内障と診断がなかなかつかないとのことですね。
 術後後遺症にかぎらず、例えば視神経の先天異常などでも、先天性のものか、緑内障なのかなかなか判断がつかないということがあります。
 そういう場合でも、緑内障を除外診断するために、視野検査、OCT検査(光干渉断層検査)を行い、網膜神経線維層の厚みと視野異常の関連を検討することになりますが、緑内障の場合は、進行することがあり、術後後遺症や先天異常の場合は進行することは稀と考えられます。
 ですので、主治医の先生が行っていますように、注意深く経過を観察するということが重要なことではなかと考えます。進行する可能性のあるものを経過観察するということで、不安に感じていらっしゃるとは思いますが、診断を確定するためには、時間軸が必要になってくる場合もございます。
 セカンドオピニオンも利用されているようですが、診断する側としましては、病状を横断的に判定することは難しく、時間軸を加えて縦断的に判定していく必要があるのではないかと考えます。
 お役に立てないお答えで、不安を解消するご返答ができないことをおゆるしください。経過観察ということも、診断のためには必要である場合があることもご理解いただき、定期的に通院、検査を受けることをお勧めいたします。どうぞお大事になさってください。


2019年7月25日 令和元年8月号
「赤ちゃんの目に異物」
 
(Q)はじめまして。他県に住む者です。
 どこにも質問する場がなく、ネットで調べてましたら、貴院のメールでのお問い合わせサイトにたどりつき、初めてですが失礼を承知で質問されていただきたく存じます。
 先日、生後1ヶ月の息子の目に、毛クズのようなものが黒目部分にあるのを見つけ、黒目を傷つけてしまっていないか?と心配になり、眼科を受診しました。診ていただいた結果、何も入ってなかったらしく、念の為、生理食塩水で洗っておきました。と先生は仰られました。
 受診の際、途中まで私も診察室に入っていたのですが、息子が泣き出してからは、保護者は部屋から出ていくよう言われたので息子がどのような処置をされたのか分からないのですが、明細書には初診料のほかに、細隙燈顕微鏡検査(前眼部)、3歳未満の乳幼児加算(生体検査)と書かれてあります。あと、看護師さんが針のようなものを先生に渡してしていた様子もありました。
 受診した眼科が、小児眼科ではなかったのと、先生からは大丈夫ですよ、と一言だけだったこと、あと息子がすごく大きな声で泣いていたので、いったいどんな検査をされたのか不安になりました。
 ネットで調べたら目の中のゴミなどは放っておいたら取れるとか書いてあったりして、生後1ヶ月の赤ちゃんを無理に受診させるべきではなかったのでしょうか?
 お忙しいとは存じますが、どのような検査だったのか教えていただければ幸いです。

(A)ご連絡有難うございます。
 黒目部分に毛クズのようなものがあったとのことですので、眼科では、まずはゴミが入っているかどうかを確認させてもらいます。その際に行いますのが「細隙燈顕微鏡検査(前眼部)」です。大人の場合は、座ったままで器械に顎をのせてもらって検査しますが、3才以下のお子さんの場合は、その据え置き型の器械で検査することができませんので、手持ち型の細隙燈顕微鏡で検査をします。
 小さいお子さんの場合は、検査を嫌がって動いてしまいますのでタオルで身体を抑制して診察することが基本と考えられています。また、目を開けていないと検査できませんので、「開瞼器」という小さな器械で瞼を開いて検査させてもらいます。
 小さなお子さんの場合は、どうしても泣いてしまいますので、私も検査の時には、お子さんをあずかって、お母さんには検査室の外でお待ちいただいています。泣いているお子さんを見ているのが辛いのではないかという配慮ですが、今回、このような相談を受けましたので、その旨をしっかりとお母さんに説明する必要があると再認識しました。有難うございます。
 「ネットで調べたら目の中のゴミなどは放っておいたら取れる」ということは、希望的観測にすぎなく、まずは目の中にゴミが入っているのかを確認し、とれるものは取り、万全を期して洗眼するというのが眼科医としての正しい処置だと思います。
 とくに生後1か月のお子さんの場合、まだ涙の分泌力は低いですので、ゴミなどの異物を洗い流す力は弱いと思われます。お母さんが眼科に連れて行ってくださったことは正しい判断で、今回受診した眼科の先生の処置も、とてもよい処置だったと思います。
 受診した眼科が小児眼科ではなかった、とのことですが、歯科とは異なりまして、小児眼科という表示は出来ないことになっていますし、通常の眼科には、赤ちゃんからお年寄りまで通院しており、眼科医はすべての年代に対応出来るように勉強して来ていますので、ご安心ください。お母さんの文面から、不安を抱かせてしまったことは申し訳ございませんが、今回の眼科の先生の処置は間違いのないものだと思います。どうぞ参考になさってください。


2019年6月25日 令和元年7月号
「左右で大きさが違って見える」
 
(Q)はじめまして。家族の目の見え方について相談させてください。
 45歳男性ですが、左右の視力差があります(右目遠視あり)。右目が見えにくく、コンタクトを使用していましたが、先日コンタクトレンズをしていないときに左右の見え方を確認したところ、右目だけ対象物がとても大きく見えるというのです。右目だけで見ると字のフォントが最大で、左目で見ると普通のフォント、という表現で分かっていただけるでしょうか。右目だけで見るとズームがかかり、大きくなっていくようです。
 こんの先生のクリニックに近日中にかかろうと思いますが、仕事の調整がつかずにそのままになっています。診察をしてみないと診断できないというのは重々承知しておりますが、可能性としてどのような病気、治療があるのか知りたく、メールいたしました。
 よろしくお願いします。

(A)ご連絡有難うございます。
 左右でものの大きさが違って見えるとのことですので、ものを見る神経の膜(網膜といいます)の一番後ろの大切なところ(黄斑部といいます)に病気が起きている可能性があります。
 黄斑部というところには、視細胞といいまして、光を感じる細胞がぎっしりと並んでいますが、その細胞の配列に異常が生じた時に、ものの大きさが変わったり、場合によっては歪んで見えたり、色が変わって見えたり、暗く見えたりといった症状を引き起こします。
 黄斑部の病気にはいろいろな種類があり、お話だけからどの病気とは断言できないのですが、検査を受けてもらうことで診断がつけられると思います。代表的な病気としましては、中心性網脈絡膜症、加齢黄斑変性、黄斑円孔、網膜前膜、眼底出血などにともなう嚢胞様黄斑浮腫などがあります。
 まずは、視力検査、眼底検査を受けていただき、黄斑部の精密検査(網膜光干渉断層検査:黄斑部の断層像を写すことが出来る検査です)も必要だと思います。瞳を広げる目薬をいれて検査になりますので、検査後4.5時間はまぶしく感じて、ご自分では運転出来ません。ご自分では運転せずに受診していただきたいと思います。黄斑部の病気は早めの対処が重要なこともあります。お仕事の調整をつけて、受診されることをお勧めください。
 どうぞ参考になさってください。


2019年5月27日 令和元年6月号
「生後3か月の内斜視」
 
(Q)生後3ヶ月の男の子ですが、(33週、2492g産まれの早産低体重)斜視のように見えて、大学病院で生後2ヶ月で撮影した写真をみて内斜視ですと言われました。(左目が寄ってて、瞳孔から外れたところにフラッシュの光がありました。)
 息子を診察してもらったところ、その時は斜視の症状が出なかったので、手術とか今すぐどうこうしないとということはない。では3ヶ月後に見せてもらえますかと言われ、手術を希望される場合は他の病院を紹介しますと言われました。手術は親御さんの考え次第ですと言われました。
 生後3ヶ月なので今後自然治癒することとか無いんですかと聞いたら、内斜視はそのままで治ることはありません。今は斜視は一歳までに手術するのが良いと言われていると大学病院の先生が言われましたが、そうなんでしょうか。
 赤ちゃんなので全身麻酔になるので、とても怖く…かといって経過観察して斜視の影響で弱視になるのももっと怖いし…息子にとって何が良いのかわかりません。
 3ヶ月後まで経過観察で大丈夫でしょうか。また手術した方が予後はいいのでしょうか。教えてください。

(A)ご連絡有難うございます。
 生後3か月のお子さんの内斜視についてとのことですね。内斜視にも、原因としていくつかありますが、生後3か月とのことですので、乳児内斜視、先天内斜視と言われているものが考えられます。
 もう少し大きくなってからの内斜視では、遠視が関与している調節性内斜視というものもありますが、3か月ということでしたら、乳児内斜視が考えられます。
 乳児内斜視の場合は、つねに片方の目が内側に入っていることが多く、内斜視の程度も強いといわれています。
 「息子を診察してもらったところ、その時は斜視の症状が出なかったので、」とのことからは、つねに内斜視になっている乳児内斜視とは異なるものなのかもしれません。日によって、時間によって内斜視の程度に差があるのでしたら、何度か診察を受けていただいて、診断をはっきりしたほうがよろしいのではないかと思います。
 現在、内斜視があって3か月後まで待つのが心配なお気持ちはよくわかりますので、他の病院でセカンドオピニオンを求めてみては、いかがでしょうか。もう一つの病院でも同じ様な判断でしたら、お母様も安心できるのではないかと思います。
 実際に診察をしておりませんので、断定的なことは申せません。ご納得のいくお返事ではないかと思いますが、どうぞご了承ください。もう一つの病院を受診されることをお勧めします。どうぞ参考になさってください。


2019年4月25日 令和元年5月号
「アトピー性白内障の手術タイミング」

(Q)アトピー性白内障の手術タイミングについて、相談させてください。
 35歳男で、営業職です。右目の白内障手術を8年前に実施しており、12月に左目が見にくくなり、白内障の診断を受けました。眼底検査をしたところ、その他の異常はありませんでした。
 矯正視力は、0.6でありましたが、まだ濁りが少なく、手術は先だと診断を受けました。しかし、日中帯は、光が眩しく書類をみることも辛い(右目を手術していることから、近くが見えにくく、左目は白内障で曇りがある。)です。やはり、診断どおり、経過観察し、少し慣れるのを待つべきなのでしょうか?

(A)ご連絡有難うございます。
 アトピー性白内障の手術のタイミングということですが、片眼の手術をしていなければ、35歳という年齢から、白内障術後眼内レンズ眼では調節力がなくなることから、いわゆる老眼状態になってしまうことの懸念がありますが、8年前にすでに右眼の手術を受けていらっしゃるとのことですので、調節力がない状態についてはご理解いただいていると思いますので、その心配はないと思われます。
 すでに片眼の手術を受けていて、現在もう片方の目の曇りも気になるとのことでしたら、左眼の手術を受けて、右眼と同じ様な度数にして、近業の時には、眼鏡をかけるという方法があるのではないかと考えます。
 主治医の先生は、左眼で近業が出来ていることに重きをおいて、まだ手術をお勧めしないと仰っているのかもしれません。
 診察をしていませんので、これ以上踏み込んだ判断は出来かねます。現在の状態と、手術を受ける事の利点,欠点を主治医の先生とよくよく相談されて手術の時期を相談することが大切ではないかと思います。どうぞ参考になさってください。


2019年3月25日 平成31年4月号
「閉塞隅角緑内障の治療法」
 
(Q)62歳女性です。 
 今年4月、閉塞隅角緑内障と診断され、虹彩光凝固術のレーザー治療をうけました。
 次の治療として、白内障手術でレンズを薄くして隅角を確保するとの事です。検査の結果、白内障や他の疾患はないのですが、この手術を受けることがベストの選択でしょうか?

(A)ご連絡有難うございます。
 診察をしていませんので、断定的なことは申せませんが、一般論としてご回答申し上げます。
 閉塞隅角緑内障に対して,目の中の水(房水といいます)の流れをよくするために、虹彩光凝固術のレーザー治療をすることは一般的な治療です。虹彩に穴を開けることによって、虹彩の後ろ側から前側に房水の流れを導く治療になります。
 その治療をしてもなお、隅角が狭くなっており、さらなる治療が必要という判断だと思われます。
 水晶体を摘出することによって、水晶体の替わりに人工水晶体である眼内レンズを挿入しますが、眼内レンズは水晶体と比べますとかなり薄いので、隅角の閉塞を解除する方向に働きます。白内障手術は眼科でもっとも多く行われている手術です。
 閉塞隅角緑内障の治療として、手順も踏んでおり、理にかなった治療方針であると思います。
 以上が一般論としてのご回答ですが、それぞれの目の状態、隅角、眼圧、視野の状況などは個々に違ってきますので、ご心配ということであれば、一度セカンドオピニオンを求めてみては如何かと考えます。
 他の眼科を受診して、もう一人の先生のご意見をうかがってみて、同じ方針であれば、納得して安心して治療が受けられるのではないかと考えます。どうぞ参考になさってください。


2019年2月25日 平成31年3月号
「小さい字が見えない」

(Q)9歳の子供について相談させてください。
 本が好きな子供でいつも本を読んでいます。
 今まで生活の中で、あまり見えかたについて何も訴えたことはなかったのですが、ふとした拍子に「これ読める?」と聞いた小さい文字1ミリないくらいのものが見えにくいと言いました。よく見れば読めるけど見えにくいとのことです。
 私は近視なので、普通に生活にあるとても小さい文字を見えずらいと思ったことはなかったので、子供の訴えが不安になりました。子供の視力は9歳で完成されると聞き、もっと早くこれが見つかっていたら治療ができたのかなとも考えてしまします。
 私は近視で、遠視や乱視はないのですが、子供の症状は遠視か乱視ですか?これから、どのようにしたらいいかアドバイスいただけたら嬉しいです。よろしくお願いいたします。

(A)ご連絡有難うございます。
 9歳のお子さんが小さい文字が見えにくいとのことですが、このことだけからでは、遠視か乱視のためという診断はできません。
 まずは、実際の視力、屈折の検査(これで近視、遠視、乱視の度数がわかります)を、お近くの眼科で受けていただきたいと思います。9歳とのことですので、今までにも3歳児健診、就学時健診、眼科学校健診などで視力検査を受ける機会が何度かあったと思いますし、今までに視力不良を指摘されていないとすれば、「もっと早くこれが見つかっていたら治療ができたのかな」というご心配は杞憂ではないかと思われます。
 まずは、お近くの眼科を受診して、実際の視力をお調べになることが、不安解消につながると思います。
 メール医療相談では、実際に診察していませんので、断定的なことは申せません。申し訳ございません。ぜひ眼科を受診して、不安を解消なさることをお勧めします。どうぞ参考になさってください。


2019年1月26日 平成31年2月号
「飛蚊症と視力低下」

(Q)41歳です。
 飛蚊症になって約10年ですが、年々すこしずつ増えています。
 網膜剥離にはなっていないようですが、2年前計った視力は、0.02度数は-10です。強度近視なので1年に1度検査は、必要のようですが、最近コンタクトの度数も合わなくなり見えにくくなってきたので、裸眼視力を測るのが嫌で眼科に行っていません。昔使っていたメガネをコンタクトの上から掛けたところ-度数-12で良く見えてしまいショックでした。
 確実に裸眼は悪くなっているようですが、飛蚊症と視力低下は関係あるのですか?

(A)ご連絡有難うございます。
 近視の度数が強く、飛蚊症があるとのことですね。ご存知のこととは思いますが、飛蚊症にはほおっておいて問題のない生理的飛蚊症と他の病気が原因で起きている病的飛蚊症があります。
 病的飛蚊症には、網膜剥離の原因になる網膜裂孔によるもの、硝子体出血といって、目の中に出血したことによるもの、ぶどう膜炎などの炎症によって生じるものなどがあげられます。
 近視の度数が強い場合には、網膜裂孔が生じる危険性もありますので、1年に1度の検査を勧められていると思われます。
 裸眼視力を測るのが嫌とのことですが、眼科の検査で重要なのは、レンズをあてて測る矯正視力です。ですので、「裸眼視力は測りたくない」といつもの眼科でしたら、伝えていただいてもよろしいのではないかと思います。初めて受診する眼科では、やはり裸眼視力も測定すると思います。
 「飛蚊症と視力低下は関係あるのですか?」というご質問ですが、飛蚊症自体が視力低下の原因になるとすれば、視界の中央に飛蚊症の原因となる濁りがある場合です。
 しかしながら、ご質問からはメガネをコンタクトレンズの上からかけるとよく見えるということですので、近視の度数が進んでいると思われます。飛蚊症によって、近視が進むことはないと思います。やはり一度眼科を受診して、近視が進行している原因を明らかにしてもらいたいと思います。
 一般論ですが、近視の強い方は、水晶体の核硬化の進行が早いといわれていますので、核白内障(水晶体の核硬化が進行すること)のために、近視の度数が進んでくる場合もあります。
 いつも診てもらっている眼科を受診して、今の状態を詳しく検査してもらってください。どうぞ参考になさってください。


2018年12月25日  平成31年1月号
「視神経乳頭陥凹拡大」

(Q)こんにちは。質問させてください。
 私は30歳男性です!10年前の20歳のときに検診で視神経乳頭の拡大といわれ眼科にいきました。それから3ヶ月に一度の通院と年1回の視野検査をしています。そしてこの10年視神経乳頭は変化なく、視野検査も異常はありません。眼圧は毎回左右とも18、19ほどです。コンタクトはマイナス5のものを使っております。
 そこで質問なのですが私みたいな場合は緑内障の可能性がたかいのでしょうか?それとも、近視による影響なのか、生理的視神経乳頭陥凹の可能性がたかいのでしょうか?
 10年通院してどの影響か知りたくて不安でメールさせていただきました。よろしくお願いします。

(A)ご連絡有難うございます。
 検診で視神経乳頭の陥凹拡大を指摘され、その後10年間視神経乳頭は変化なく、視野検査も異常はないとのことですね。
 ご存知のこととは思いますが、視神経乳頭の陥凹拡大とは、緑内障の時に生じる眼底の所見です。目で見たものは、眼底の神経の膜である網膜に像を結び、それらの情報は網膜にある神経線維によって運ばれ、眼球から出て脳に伝わりますが、その眼球から出て行く場所が視神経乳頭と呼ばれています。緑内障の時には、その視神経乳頭を通過する神経線維の数が減少するために、視神経乳頭の陥凹が拡大すると考えられています。ご指摘の通り、視神経乳頭の陥凹拡大は、緑内障だけではなく、近視が強い場合や、またもともと陥凹が大きい方もいらっしゃいます。視神経乳頭の陥凹拡大を認めた場合、定期的な検査で緑内障になっていないかを経過観察する必要があると思われます。
 その際に、視野検査、OCT検査などで以前と変化がないかを注意深く診ていく必要があると思います。
 10年間変化がないとのことですが、検査結果をみていませんので、そのお話だけから、ご質問に返答することはできません。通院している主治医の先生にご質問されることをお勧めします。メール相談は、実際に診察をしておりませんので、お答えに限界がありますことをご理解ください。
 ご要望にお応えできる返答でないことをおゆるしください。どうぞお大事になさってください。


2018年11月26日  平成30年12月号
「中3の片眼弱視」

(Q)こんばんは、北見在住の中3男子の母です。
 10月に学校の検診で左目が1.2で右目が0.1で眼科に行ってくださいと言われました。
 北見の眼科では左目が1.5右目が0.1でメガネがいいと言われ視力は回復しないと言われました。
 やはり、視力の回復は難しいのでしょうか。
 右目にパッチをするとかで訓練をしたら回復するということはないのでしょうか?

(A)ご連絡有難うございます。
 不同視弱視とのことですね。中学3年生ということですので、不同視弱視の右眼の視力回復は難しいかもしれません。
 通常は、視力の成長過程のうちに治療を開始しなければ、回復が難しいと考えられています。理想的には、小学校に入る前にメガネをかけて、良い方の目(左目)にアイパッチをして、右眼の視力向上を目指すことになります。
 視力向上のためには、感受性期間内の治療開始が望ましいと考えられています。しかし、それまでに全く治療していない場合に、感受性期間が過ぎていても視力が軽度向上するという報告もあります。もちろん、全例に視力向上が見られる訳ではなく、またその視力向上の程度も軽度であることがありますが、アイパッチの治療をトライするということも悪くはないと思います。
 そのためには、完全矯正のメガネをかけて時間を決めて、左目にアイパッチをするということが必要ですので、メガネ屋さんではなく、眼科で調節麻痺剤の点眼薬を使用したうえで測定した目の度数をもとに処方してもらったメガネをかけることが必須になります。
 受診した眼科でメガネを処方していただいて、アイパッチの相談をされるのがよろしいかと思います。
 もちろん、可能でしたら当方に受診していただきたいと思いますが、一度目は、調節麻痺剤の点眼薬を使用した検査で、二度目の受診の際に、メガネ処方になると思います。どうぞ参考になさってください。


2018年10月25日  平成30年11月号
「飛蚊症の診察」

(Q)こんばんは。
 わたしは、2~3年ほど前から飛蚊症の症状が出ています。先日、眼科に診察に行き、視力・眼圧・散瞳眼底検査をしてもらいました。結果は、右目の網膜に異常がありますが今のところ穴ではないと思いますけどと言われ、2~3ヶ月後にもう一度検査を受けにきてくださいと言われました。
 次回の診察で穴が開いていればレーザーで処置をするそうです。私は、恥ずかしながら、極度の怖がりでレーザーとか麻酔とか痛みなどが怖いです。もし、次の検査で穴が開いていたらと思うと怖くて仕方ないです。ネットなどで調べるとまばたきをしないように固定されるとか色々書いてあって、私には耐えられそうにないって思ってしまって、眠ることができない日々が続いています。
 そして、2~3ヶ月後にもう一度検診と言われましたが、本当にそんな間が空いていいのか、検診に行くまでの日々で、毎日、明日突然失明するのではないかなど、不安になってしまいます。
 今、右目を動かすと痛みが出ていて、遠くを見つめるようにすると若干やわらぐのですが、右目で右を向いたりすると目の奥が痛いような、眼球が痛いような感覚があります。特に右目に違和感が色々と出てきているので怖いです。

(A)ご連絡有難うございます。飛蚊症で眼底検査を受けて、網膜に異常があると言われたとのことですね。
 「網膜に異常があるが、穴ではない」ということですので、おそらくは、網膜に薄い部分は認めたけれども、治療の対象となる網膜裂孔にはなっていないという診断だと思われます。
 2.3か月後の診察を勧められたとのことですが、待っている間、心配とのことですので、セカンドオピニオンとして、もう1人の先生に診察を受けてご意見を伺ってみてはいかがでしょうか。もう1人の先生の診断も同様でしたら、安心度は増すのではないかと思います。
 2.3か月の間に突然失明するのではないかとご心配とのことですが、網膜裂孔で急には見えなくはなりません。網膜の薄い部分に網膜裂孔が開いた場合には、通常は今まで見えていた飛蚊症が急に増えると思います。飛蚊症の自覚症状に変化が生じた際には、すぐに眼科を受診してください。それからでも治療は間に合うと思います。けれども、心配を抱えて2.3か月過ごすのは、精神的にもストレスだと思いますので、先ほど申しましたように、セカンドオピニオンで受診されるのが一つの方法ではないかと思います。
 網膜裂孔に対するレーザー治療にもご心配のようですが、当クリニックでも、レーザー治療をすることがありますが、痛みが強くて治療を断念したことはありません。
 今の段階では、レーザー治療が必要と言われているわけではありませんので、また網膜裂孔なっていない現時点では、レーザー治療の必要もありませんので、取り越し苦労はせずに、まずは現状把握が大切ではないかと思います。
 実際に診察をしているわけではございませんので、まずは、セカンドオピニオンでもう1人の先生に診察をしてもらうことをお勧めします。どうぞ参考になさってください。


2018年9月25日  平成30年10月号
「飛蚊症の検査」

(Q)私は、飛蚊症の症状で悩んでいます。
 先日、眼科で診察をしてもらったのですがその時は散瞳薬は使わずに行う無散瞳眼底検査で診てもらいました。しかし、生理的な飛蚊症なのか治療が必要な飛蚊症なのかどうかは、散瞳薬を使ってみないと詳しいことはわからないと言われました。その時は、事情があり散瞳眼底検査は受けることができませんでした。大丈夫なのか大丈夫じゃないのかはっきりわからない状態なので、散瞳薬を使って診察を受けたほうがいいのかどうかがわからないです。今まで一度も、散瞳眼底検査を受けたことがないので色々不安なことが沢山あります。まず、散瞳薬はしみないのかどうかや散瞳薬を点眼した直後は、瞳孔が開くまで30分ほどかかるとのことですが、点眼直後からしばらくは、まばたきをしたり目を閉じたりはできないのでしょうか?そして、散瞳眼底検査自体の痛みはないのか、診察が終わった後は、普通に歩いて帰れるのでしょうか?ネットで色々調べてみても、眩しすぎて全然ものが見えないや、視界がぼやけてうまく歩けないなどの情報がたくさんあり、不安になってしまいました。特に、点眼直後から瞳孔が開くまでの時間は、まばたきや目を閉じるというのは一切我慢してないといけないのでしょうか?まばたきなどを我慢したりするのは私は苦手なので不安です。長文で申し訳ありません。

(A)ご連絡有難うございます。飛蚊症でお悩みとのことですね。
 眼科の先生にお話されたように、散瞳薬の点眼をいれて、精密眼底検査を受けていただく必要があると思います。
 飛蚊症のほとんどは、病気ではなく生理的なものがおおいのですが、まれに網膜裂孔など治療が必要な病気が原因となっている場合もありますので、その検査のためには目の中の端のほうまで詳しく診察する必要があります。
 散瞳薬の点眼をいれる検査は、眼科では通常頻繁に行われています。目薬は少ししみる程度で、小さなお子さんでも問題なく受けられるものですから、どうぞご心配なく。
 瞳が広がる30分まっていただく間は、まばたきをしたり、目を閉じたりなど普段と同じように過ごしていただきます。その間、なにも我慢する必要はありませんので、心配はいりません。
 診察が終わった後は、、普通に歩いて帰れます。お天気の良い日にはまぶしく感じることはありますので、サングラスをお持ちであれば、かけたほうが楽だと思います。車の運転は、4.5時間はしないほうが安全です。
 初めてのことは何かと不安で心配だと思いますが、散瞳薬の検査は心配のない検査です。多少まぶしく感じるだけで、痛くない検査ですので、どうぞ安心して検査をお受け下さい。どうぞ参考になさってください。


2018年8月24日  平成30年9月号
「白内障術後の腫れ」
 
(Q)はじめまして。埼玉県に住んでいるものです。
 母(70代)についてご相談があります。3ヵ月前に両眼の白内障の手術をしました。見え方に問題はありませんが、現在も診察を受けると「腫れている」と言われて3ヵ月間に3回注射をしています。(両眼)
 あと、朝はまぶたと顔が腫れぼったくなったそうです。顔は耳の下が膨らんでしもぶくれの様になり、太った?と人に言われる事もあるそうです。時間が経つと普通になるようです。手術前には無かった事なので、可能性として関係があるのか無いのか、いまだに注射をしている事も含めて大丈夫なのかご返答頂けたらと思います。
 お忙しいところすみません。よろしくお願い致します。

(A)ご連絡有難うございます。白内障手術後3ヵ月を経過し、見え方には問題はないとのことですが、現在も注射をしているとのことですね。
 白内障手術後に「腫れている」と言われているとのことですが、目のどの部分が腫れているのか、分かりかねますので、何とも返答ができません。
 白内障手術後に角膜浮腫といいまして、黒目が腫れることや、黄斑浮腫といいまして、目の奥の神経の膜(網膜といいます)の中心部分が腫れることはありえます。しかしながら、両者とも、見え方に影響がでると思われます。
 角膜浮腫の場合は、目に注射をする治療法は行いませんので、おそらくは黄斑浮腫に対しての注射の治療をしているのではないかと想像します。両眼に注射をしていることからは、両眼性に黄斑浮腫をきたす病気、糖尿病黄斑浮腫、加齢黄斑変性などが考えられます。
 「朝はまぶたと顔が腫れぼったくなった」ということですが、「時間が経つと普通になる」とのことですし、白内障手術や注射の治療に関連したものではないように思われます。
 現状の診察をしておりませんので、返答しかねます。メール相談には限界がありますことをご了承ください。
 お母様の主治医の先生と、相談なさっていただきたいと思います。お役に立たないお答えで申し訳ございません。どうぞお大事になさってください。


2018年7月25日  平成30年8月号
「間欠性外斜視」
 
(Q)はじめまして。私は30代女性ですが、「斜視」について悩んでいます。
 眼科にて両目の「間欠性外斜視」と診断されました。手術は勧められませんでした。他に目の疾患・他の疾患はありません。目の状態ですが、普段は矯正された眼鏡使用、自分で「斜視状態」にすることができます。その時は複視を感じますが、それ以外ではほとんど複視を感じません。そのうえで質問なのですが
(1)両目の間欠性外斜視というのは、斜視状態になっている時に、両目が外側に外れているのでしょうか?片眼が外れているのでしょうか?
(2)斜視の方で、目がずれているときを自覚できる方がいますが、私の場合、意図的にずらせますが、それ以外は「ずれている」感覚がどうしても分かりません。複視を感じたとき=ずれている、という意味合いなのでしょうか?
(3)遠くを見ている状態で写真を撮ると、眼位がずれているように見えますが、このときは、複視は感じていません。これは、斜視状態なのか、外斜位なのか、どちらになるのでしょうか?
(4)現在が、間欠性斜視であっても、年齢とともにずれていき、次第に恒常性斜視へと移行すると聞いています。間欠性は、必ず恒常性へと移行するのでしょうか?斜視角度も必ず大きくなっていくものなのでしょうか?現在は生活上、ほとんど不便を感じていないので、手術はいつするべきなのか悩んでいます。恒常性になってから、手術すると「両眼視機能」は元に戻らないのでしょうか?
 質問は以上です。たくさん質問してしまい、申し訳ございません。どうぞよろしくお願いいたします。

(A)ご連絡有難うございます。間歇性外斜視とのこと、診察していませんので、あくまでも一般論とご理解の上、参考になさってください。
(1)間歇性外斜視は、斜視になっていない時と、外斜視のなっている時があるという意味での間歇性です。外斜視になっている時は、右目がまっすぐ見ている時に、左目が外側に向いているか、左目がまっすぐ見ている時に、右目が外側に向いている、という状態です。両目が外側に外れているということはありません。
(2)複視を感じるとき=外斜視になっているとは限りません。外斜視になっている時(例えば、右目がまっすぐ見ている時に、左目が外側に向いている)に、右目の情報のみを受け取って、左目の情報は受け取っていない場合があります。抑制がかかっているという状態ですが、ご自分では自覚していない時にも、外斜視になっていることはあり得ると思います。
(3)上に書きましたように、複視を感じるとき=外斜視になっているとは限りませんので、遠くを見ている状態で写真を撮った時に、外斜視になっていることは、あり得ると思います。
(4)間歇性外斜視が恒常性外斜視に移行することはあり得ますが、間歇性外斜視のままで経過するかたの方が多いと思います。必ずしも、悪化していくものではありません。両眼視機能はお持ちですので、恒常性になってからの手術でも遅いということはありません。現在、不便を感じていらっしゃらないとのことですので、急いで手術を受ける必要はないと思います。心配でしたら、時々お近くの眼科を受診して進行していないことを確認することで、安心出来ると思います。どうぞ参考になさってください。


2018年6月25日  平成30年7月号
「正常眼圧緑内障の点眼薬」
 
(Q)緑内障の目薬について教えてください。私は64歳です。右目がかすむことと、両目の飛蚊症で眼科を受診したところ、右目の正常眼圧緑内障と言われ、目薬を処方されました。処方された「キサラタン点眼液」についてお尋ねいたします。
 インターネットで目にしたこの薬の特徴の説明の中に、次のような記述がありました。
 「プロスタグランジン系の抗緑内障点眼液です。一般的に、第一選択薬として単独使用することはなく、β遮断薬など他の点眼薬で効果不十分なときに追加使用して効果を上げるようにします。」
 担当の先生の処方を信じて安心していますが、「単独使用することはなく~追加使用して」の部分が少し気になりましたので、ご多忙のところ恐縮に存じますが、お尋ねいたします。よろしくお願いいたします。

(A)ご連絡有難うございます。右眼の正常眼圧緑内障に対して、キサラタン点眼薬が処方されたとのことですね。
 正常眼圧緑内障とは、日本人に最も多く見られる緑内障のタイプで、眼圧は10~21mmHgという正常範囲にはいっているにもかかわらず、視神経に緑内障の変化を認め、その変化に一致した視野の暗点を認める状態です。眼圧が正常範囲にはいっていても、その方にとっては眼圧が高いために緑内障の症状を引き起こしていると考えられますので、眼圧を下げることが治療となります。まずは、点眼薬で眼圧を下げて、定期的に視力,眼圧検査、眼底検査、視野検査を行って、緑内障が悪化しないように確認していくことが大切な病気です。
 以前はβ遮断薬が緑内障薬の第一選択でした。β遮断薬は、眼圧を下げる効果が強いのですが、喘息のある方には使えない、心臓の病気がある方には使えないと言った、全身性の副作用を引き起こす心配もあります。一方、キサラタンに代表されるプロスタグランジン製剤は、β遮断薬よりも眼圧を下げる効果があり、全身副作用の心配もありませんので、現在では緑内障治療薬の第一選択にとってかわっています。
 おそらくインターネットで見たページはかなり以前に書き込まれたものか、少し古い話になってしまったものかと思います。プロスタグランジン製剤は眼圧下降効果に優れており、現在次々と新しいプロスタグランジン製剤が発売されているというのが現状です。
 プロスタグランジン製剤にも副作用があり、それは眼瞼の発毛、色素沈着が主なものです。その副作用を予防するためには、点眼後の洗顔が有効です。一番安心なのは、夜に点眼して、そのあとお風呂に入ることだと思います。お風呂に入る前に点眼する習慣をつけていただければよろしいのではないかと思います。緑内障は点眼治療を継続することが大切です。自覚症状が出て来た時には、かなり進行していることになりますので、毎日の点眼をお忘れにならないように、続けて下さい。どうぞ参考になさって下さい。


2018年5月25日  平成30年6月号
「眼科学校健診」
 
(Q)忙しいのにすみません。学校の眼科検診のことで質問があります。
 私は、コンタクトレンズをしています。眼科検診ではコンタクトレンズは、はずすのですかぁ?
 それとコンタクトレンズをつけたまま眼科検診をするのであったら、どんなことをチェックするのですか?教えてください。

(A)ご連絡有難うございます。
 学校健診(健康診断ですので、健診といいます)の時に、コンタクトレンズはしたままでも構いません。
 眼科の学校健診は、「視力検査」と「目の病気・異常の有無」を調べることになっています。視力検査は、学校健診に先立って、保健調査とともに行われていますので、学校健診の診察のときには、「目の病気・異常の有無」のほか、保健調査や視力検査の結果にも注意を払いながら、必要に応じて、皆さんに助言や指導を行うことになります。
 「目の病気・異常の有無」に関しましては、具体的には、(1)眼位のチェック(斜視、斜位がないか調べます)、(2)眼瞼のチェック、(3)結膜のチェック(結膜とは白目の上を覆っている透明な膜で、瞼の裏側までつながっています)、(4)角膜のチェック(角膜とは黒目の透明な膜のことです)、(5)瞳孔・水晶体のチェック(瞳の中にある透明なピント合わせのレンズが水晶体です)などをしています。
 これらの検査は全て、コンタクトレンズをつけたままでも可能ですので、学校健診のときにコンタクトレンズをつけたままでも、大丈夫ですよ。
 コンタクトレンズは角膜に直接のせて使用しますので、角膜の呼吸に必要な酸素が充分に行き渡らない可能性があります。朝から夜までずっとコンタクトレンズをつけていますと、角膜が酸素不足になる危険性があります。ですので、お家に帰ったら、コンタクトレンズをはずして眼鏡を掛けるようにしてください。コンタクトレンズは、知らず知らずのうちに目に負担をかけていることもありますので、しっかりと定期検診を受けて、目に問題がないことを確認してもらってくださいね。


2018年4月25日  平成30年5月号
「瞼のできもの」

(Q)一月程前、右目の上まぶたにできものが、初めは吹き出物のように見えましたが数日たつと瞼全体が赤黒く腫れ、化膿してしまいました。2、3度膿が出て腫れは治りましたが痛みや痒みはないものの赤いできものが残りました。できものは上まぶたの二重のラインよりも上で、瞼と眉毛の中間くらいの場所にできています。
 皮膚科で診てもらった所、元々は顔に幾つかあった内の1ミリ程の小さな脂肪の塊りだった所で、この状態だと麻酔をして中のシコリのような物を出すか、切り取らないと治らないと言われました。
 ですが顔だけに他に治療法がないかと迷っています。アレルギーやアトピーがあるので、痒みで目をこすってしまうと突起になっているためひどくなってしまうようです。
 このまま何もしないと大きくなる事はないでしょうか?調べたところ霰粒腫という瞼の出来物もあるようですが、霰粒腫の場合は瞼の内側に出来る物で、表面に出来る事はないのでしょうか?
 お忙しいところ、申し訳ございません。アドバイスを頂けたらと思いメールいたしました。

(A)ご連絡有難うございます。
 霰粒腫は瞼にあるマイボーム腺にできる慢性炎症ですが、細菌感染が加わると赤く腫れて、膿が出ることもあり、皮膚側に炎症が及ぶこともあります。
 症状からは、霰粒腫に細菌感染が生じた急性化膿性霰粒腫と言われる状態にも当てはまるようですが、部位的に瞼と眉毛の中間くらいとのことですので、マイボーム腺の炎症ではないように思われます。
 皮膚科の先生のおっしゃった状態は、粉瘤だと思いますが、私も皮膚科の先生と同じ意見です。通院中の皮膚科の先生に、手術以外に治療法の選択がないか、よく相談されることをお勧めします。どうぞ参考になさってください。


2018年3月26日 平成30年4月号
「疲れ目 かすみ目」

(Q)ご相談があります。お忙しい中よろしくお願いします。
 近頃,目の疲れがひどいのですが。
確かにパソコンなどは今まで通り長時間使っていますが。
前より,かすみ目が多いように気がするのですが。
どのような手立てをすればいいのでしょうか?
見ていただくには,すぐに予約は入るのでしょうか?
 よろしくお願いします。

(A)ご連絡有難うございます。
 疲れ目、かすみ目とのことですが、一度詳しく検査を受けていただきたいと思います。
 パソコンを長時間使っているということですが、パソコンを使用していると、瞬きの回数が減ってしまうと言われています。瞬きの回数が減りますと、目の表面の角膜を覆っている涙の膜が不安定になり、そのために疲れやすくなったり、かすみ目になったり、場合によっては痛みなどの症状が出ることがあり、ドライアイと言う病気になってしまうこともあります。
 視力検査、眼圧検査、ドライアイの検査の後、目薬で瞳を広げて眼底検査を受けていただいた方が、よろしいかと思います。まずは、目の中に病気がないことを確認させてください。
 瞳を広げる目薬を入れますと、4~5時間はまぶしくなり、車の運転がしにくくなりますので、ご自分で運転しないで来られる日を教えて下さい。検査は全部で1時間くらいかかります。
 ご都合の良い日を教えていただけましたら予約を入れます。宜しくお願い申し上げます。どうぞ、ご参考になさってください。


2018年2月25日 平成30年3月号
「先天鼻涙管閉塞症」
 
(Q)生後6ヶ月の息子の鼻涙管閉塞の治療について質問させて下さい。
 息子は、一週間前にブジーでの開放術を他院でして頂きました。術後二日目の朝より赤黒い目やにが出てきて(左目で朝だけ)、心配していたのですが(主治医は仕方がないと・・・)。
 一週間後の今日通水検査をして頂いたのですが、両目ともあまり通りが良くないとのことで、これからも水を通しに通うそうです。また、物理的な障害はないが、働きがあまり良くないのでしょう・・・とも言われました。
 水を通すことで治るのでしょうか?これから先、手術など必要になってくるのでしょうか?働きが良くないというのは、今後何か不備な点とかあるのでしょうか?
 お忙しいところすみませんが、教えて下さいm(__)m

(A)ご連絡ありがとうございます。
 先天鼻涙管閉塞の開放術を受けたとのことですね。開放術は外から見えない鼻涙管の中をブジーで通す手術です。
 ご存知のこととは思いますが、鼻涙管の出口に生まれつき膜が張っていることが、先天性鼻涙管閉塞の原因です。膜のために、涙が鼻の奥に抜けないので、涙目になります。また、涙の流れも滞りますので、そこにばい菌が繁殖し、目やにが出るようになります。
 鼻涙管開放術は、ブジーと呼ばれる細い棒を涙道に通して、膜を破る治療です。それで通過しているかどうかは通水検査で確認します。大人の場合は通水検査で水が行ったことを教えてもらえますが、お子さんの場合は、水を飲んだ感じで判断します。
 「あまり通りが良くないとのこと」ですが、通っているのであれば、症状は次第に改善していくと思いますが、涙や目やにの症状が残るようでしたら、再度の開放術が必要になることもあります。開放術は、一度でうまく通らないこともあります。
 症状が治まっているようでしたら、経過をみていくということで心配ないのではないかと思います。心配なことがございましたら、ぜひ担当の先生とよく相談されることをお勧めします。どうぞ参考になさってみてください。


2018年1月25日 平成30年2月号
「硝子体手術後の散瞳」

(Q)私は、東京在住の43歳の者です。突然のメールでの相談、ご容赦ください。
 私は、2ヵ月前に網膜剥離で、右目の硝子体手術をしました。経過は、それなりに良好なのですが以下の事が質問したく、メールさせていただきました。
(1)現時点でも、手術した右目の瞳が大きくなったままです。診察の時の、散瞳剤の影響が消えても(10日以上経過しても)同様です。手術した病院では、サンピロという目薬を出していただき、点眼しております。点眼すると、瞳はとても小さくなり、視界は暗くなります 
(当然ですね)。10時間程度すると、だんだん元に戻ります。担当の先生は、瞳が動いているので、癒着などもないので、回復するのではないかとのコメントです。
 このサンピロは、縮瞳させているだけの様に感じますが、適切な治療なのでしょうか?回数は、自分で調整して1回~6回との指示ですが、あまり点眼しないほうがいいのでしょうか?回復の可能性はあるのでしょうか?
(2)たまに手術した方の眼にピカッと光を感じます。心配になり、診察してもらったところ、網膜はちゃんとくっついているとの事でした。これは、術後起こりえるのでしょうか?
お忙しいところ、まことに申し訳ありません。ご回答、よろしくお願いいたします。

(A)ご連絡有難うございます。硝子体手術後の散瞳でお困りのことと察します。白内障の手術後にも、まれに散瞳したままのケースが見受けられます。ただその場合は、サンピロにも反応しないことが多いと思います。
 今回の散瞳はサンピロにしっかり反応しているとのことですし、瞳を動かす筋肉には麻痺はないと考えられます。また、癒着もないということですから、炎症も軽いと思われます。散瞳していますとまぶしかったり、ピントがあいにくかったりと不自由だとは思いますが、担当の先生がおっしゃるように、経過をみていくのがよいのではないかと考えます。サンピロの濃度を薄いものにしてもらうことも相談してみては如何でしょうか。はっきりとしたお答えでなく申し訳ございませんが、経過をみるのがよろしいかと考えます。
 光を感じるのは光視症という症状ですが、網膜を牽引することにより生じるものと考えられています。その症状があっても、診察で網膜に異常がないとのことでしたら心配はないと思いますが、頻繁に繰り返す場合は診察の間隔を短めにして、診ていただくことが重要かと思います。どうぞお大事になさってください。


2017年12月25日 平成30年1月号
「子どものミドリンM治療の副作用」

(Q)突然のメールで失礼いたします。
 8歳の子供の近視についてお伺いします。1年生の4月に左右とも1.0あった視力が、11月に学校の視力検査でCランクの回答であり、眼科検査を受けた結果、左0.3、右が0.3でミドリンMの処方とワックをすすめられました。現在も、ミドリンMとワックを継続しております。視力は、左0.3、右が0.3で変化なしです。通院している眼科の先生は、ミドリンを続けてくださいとの事ですが、ミドリンは、眼圧を上げる副作用があると思います。
 1年以上もミドリンMを使用することにより、子供の眼圧が上がり、将来、その副作用で緑内障になったりしないものなのか心配です。
 子供に対し、1年以上も、ミドリンMを使用して大丈夫なのでしょうか?また、続けることにより、今後、視力が回復することはあるのでしょうか?ご回答、よろしく、お願いいたします。

(A)ご連絡有難うございます。8歳のお子様の視力低下とのことですね。
 ミドリンMは、寝る前に点眼することによって、調節力を弱める効果をねらって、処方するお薬です。一般的に仮性近視と呼ばれる状態に対して処方しています。仮性近視とは、通常の状態で検査を行いますと、近視と判断されますが、調節麻痺剤を点眼した後の検査では、近視がなくなる状態のことです。小さいお子さんの場合は、近業などにより調節力を過多に使用してしまい、仮性近視という状態になることがあります。
 1年前からミドリンMを続けているが、視力が右0.3左0.3で変化がないとのことですが、実際の度数がわかりませんので、断定的なことは申せません。ご心配されている、ミドリンMで緑内障になる危険性はきわめて低いと思います。
 現在の状態が、仮性近視の状態のままなのか、もしくは、もうすでに近視になってしまっているのか、調節麻痺剤を点眼して検査をうけていただきたいと思います。
 可能であれば、他の眼科でセカンドオピニオンを求めてみてはいかがでしょうか。もうすでに近視になっている場合は、眼鏡の作製も考える必要が出てくるかと思います。診察しておりませんので、具体的なことは申せませんことをご了承下さい。どうぞ参考になさって下さい。


2017年11月25日 平成29年12月号
「コンタクトレンズによる頭痛」

(Q)突然で失礼いたします。
 先月から、2週間用のコンタクトレンズを使用している高校生の息子です。コンタクトをいれてから、頭痛を訴えることが多くなりました。本人はコンタクトをはずすと頭痛が治ると言っています。
 コンタクト使用によって眼圧が上がったりすることは考えられますか?また、このような時、使用は中止したほうがよいのでしょうか?
 ちなみに裸眼は0.06で網膜が2,3箇所薄くなっているので定期的に診察するよう言われています。通ってる眼科がもう閉まっているので、メールしました。お願いします。

(A)ご連絡有難うございます。
 コンタクトレンズを使用するようになってから、頭痛を訴える、コンタクトレンズをはずすと頭痛が治るとのことですので、頭痛の原因としてコンタクトレンズが考えられると思います。
 コンタクトレンズを使用することによって、眼圧が上がることはないと思います。今回の頭痛の原因として、コンタクトレンズ度数の問題ではないかと思います。
 高校生の息子さんとのことですので、調節力が強く、検査を受けた時に、実際の近視度数よりも強く近視が検出されてしまった可能性があります。若い方の場合にみられる現象なのですが、強く出てしまった近視度数に合わせて、コンタクトレンズを使用してしまいますと、過矯正という状態になってしまいます。近視の方が、強すぎる度数のコンタクトレンズを使用しますと、見かけ上、遠視の状態になってしまいます。遠くの視力を測定すると、視力は良く出ているのですが、遠視の状態のため、近くを見る時に、多くの調節力を使う必要があり、そのために疲れやすくなったり、場合によってはお子さんのように頭痛を訴えることがあります。
 度数の確認のために、処方を受けた眼科で再度検査を受けていただいた方がよろしいかと思います。それまでは、今のコンタクトレンズは使用しないほうがよろしいかと思います。
 当クリニックに受診される場合は、一度調節力を取る目薬をいれて、目の本当の度数を調べる検査を受けてもらってから、後日、コンタクトレンズ合わせをしたいと思います。目の度数を調べる検査の時に、同時に精密眼底検査を行い、網膜の薄くなっているところも、詳しく検査したいと思います。どうそ、参考になさって下さい。


2017年10月26日 平成29年11月号
「視力の左右差」

(Q)こんにちは。
 初めて質問させていただきます。最近健康診断を受けて視力が右1.2左0.7で視力に差が出ていました。
 子供のころ少し乱視が入ってるといわれたことがあります。一日中パソコンを使う仕事なのですが、左目がすごく疲れる感じがします。一度眼科を受診してメガネを使用するなど、バランスをよくすることを考えたほうがいいのでしょうか?
 25歳女性です。

(A)ご連絡有難うございます。
 視力は日によって、変動することもありますので、一度詳しく検査をうけていただきたいと思います。
 乱視とは、目の表面の黒目(角膜と言います)のカーブに差があることによって起きますが、ほとんどの方に、乱視はあります。今まで、眼鏡をかけずに過ごしているとしましたら、乱視はそれほど問題ないのではないかと思われます。
 一日中、パソコンを使う仕事ということですが、パソコンを使用していると、瞬きの回数が減ってしまうと言われています。瞬きの回数が減りますと、目の表面の角膜を覆っている涙の膜が不安定になり、そのために見えにくくなったり、疲れやすくなったり、場合によっては痛みなどの症状が出ることがあり、ドライアイと言う病気になってしまうことがあります。
 一度、お近くの眼科を受診して、視力検査、眼圧検査、ドライアイ検査、眼底検査も受けていただきたいと思います。眼科の検査は、まぶしくは感じますが、痛い検査ではありませんので、ご安心ください。瞳をひらく目薬をいれて、目の度数を調べたり、眼底検査も受けた方がいいと思います。検査の目薬をいれますと、4〜5時間はまぶしく感じますので、ご自分では運転せずに、眼科を受診してください。その上で、眼鏡が必要かどうか、相談なさってください。どうぞ、ご参考になさってください。


2017年9月25日 グラフ旭川10月号  
「白目の出来物」
 
(Q)相談したいことがあってメールをしました。左目の瞳のすぐ横にだいぶ前から丸い黄色い物ができました。
 指で触ると瞳の方まで伸びます。ずっと気になっています。これは何でしょうか?取ることができますか?49歳女性です。
 
(A)ご連絡有難うございます。
 白目(結膜といいます)にできているとしますと、瞼裂斑が考えられます。瞼裂斑は、結膜にできる良性のできものです。小さいお子さんには見られず、20歳を過ぎたくらいから、でてくる方がいますので、加齢にもとなうものと考えられています。黒目(角膜といいます)の内側(鼻側)にできることが多いのですが、黒目の外側(耳側)にできることもあります。
 加齢の他に原因として、紫外線、ハードコンタクトレンズなどが考えられています。瞼裂斑は、黒目にかかることがなく、手術はお勧めではありません。まれにではありますが、瞼裂斑が黒目にかかる翼状片になることもあります。翼状片になってしまった場合には、乱視の状態、大きさ、その方の年齢などを考慮して手術で切除する場合もあります。
 また、通常瞼裂斑は、黄色い斑点のみで、見た目にもあまり気になるものではないと思いますが、瞼裂斑炎といって、その部分を中心に炎症を起こす場合もあります。瞼裂斑炎になりますと、瞼裂斑の周りの血管が広がって赤くなり、その中心に黄色い瞼裂斑が浮き立つように目立つ場合があります。瞼裂斑炎が起きた場合には、炎症止めの目薬を処方します。
 基本的には、瞼裂斑は取らずに経過観察をお勧めしています。一度、お近くの眼科を受診し、瞼裂斑であることを確認してください。どうぞ参考になさってください。


2017年8月28日 グラフ旭川9月号  
「小学1年生遠視の診断」
 
(Q)初めまして。先日、一年生の娘が学校の視力検査でC判定を受けました。気になって眼科を受診したのですが、視力は両方とも0.4だと言われました。その後(矯正視力を測ったのだと思います)最高で左0.8、右0.7(だったと思います)まで視力が出たようで、今すぐに眼鏡の必要はない、定期的に診察と視力検査に来てください、と言われ帰宅しました。診断は遠視性乱視だとカルテに書かれていました。一ヵ月後に再診予定です。
 眼科では「一年生で0.8程度は正常範囲」「小さいときはみんな遠視で徐々に遠くまで見えるようになる」「発達としては順調といっていい」「検査方法を理解していないためにきちんと測定できないこともある」「検査の仕方、遊び疲れているなどで結果は変わってくる」というようなことを言われました。
 眼科を受診したのは3時を過ぎた時間で、混んでいたので検査まで30~1時間ほど待ちました。体調は風邪をひいていて、咳と鼻水が出ている状態です。
 私から見て、見えていないのではないか?と思ったことはありません。なので、この結果にびっくりしていて・・・・。いろいろ調べてみると、矯正視力は1.0以上でないと弱視の可能性があるとのこと。
 受診先の先生の言うように、このまま様子を見ていていいのでしょうか?お手数ですがよろしくお願いいたします
 
(A)ご連絡有難うございます。小学1年生の娘さんの矯正視力が1.0出ていないことにご心配なさっているとのことですね。
 お母さんが調べたように、小学1年生での正常な矯正視力は1.0以上と考えられています。矯正視力が1.0に満たない場合に、弱視の可能性も考えます。弱視とは、網膜や視神経に異常がないにもかかわらず、視力の成長期に、角膜から網膜の前までに何らかの異常があり、視力の発達が妨げられて良い視力が得られないことを言います。弱視の原因として、左右の度数に大きな差があることによって生じる不同視弱視、強い遠視・乱視のために生じる屈折性弱視、斜視のために生じる斜視弱視、先天白内障・眼瞼下垂などの病気が原因として生じる形態覚遮断弱視などが挙げられます。
 受診先の先生は、検査・診察の結果、そのような弱視の原因となるような状態が認められなかったので、弱視ではなく、再検査による経過観察をお勧めしたものと考えます。小さいお子さんは、慣れない検査に対する緊張や、疲れなどで、視力が揺らぐことがよくあります。小さいお子さんの遠視は正常ですので、屈折検査で強い遠視や、強い乱視は認めなかったものと思われます。ご心配でしたら、1か月待たずに、お近くの眼科で再度検査を受けてみてはいかがでしょうか。どうぞ参考になさってください。


2017年7月26日 グラフ旭川8月号 
「老眼鏡が合わない」
 
(Q)メールで失礼します。
 七十代男性、老眼で八年前に病院で検眼して眼鏡を作りました。
 最近、朝からまばたき、新聞を一時間以上で目が疲れ、その後読書すると軽いのですがめまいを感じることがあります。痛みはありません。五年前に脳腫瘍手術。
 老眼鏡が合わなくなったのでしょうか?老眼も進むのでしょうか?他の病気も考えられ受診すべきですか?眼鏡屋で検眼して作り直すたけで心配ないでしょうか?
 
(A)ご連絡有難うございます。
 目の中に水晶体というカメラのレンズに相当する組織があります。カメラでは、レンズが前後に動くことによって遠くや近くにピントを合わせてくれますが、私たちの目は、水晶体がその厚みを変えることによって遠くのものや近くのものにピントを合わせることができます。しかし年齢とともに水晶体の弾力性がだんだんと弱くなるために、厚みを変えることができなくなってきます。そのために、近くのものにピントが合わせにくくなってくるのが、老眼です。
 老眼は40歳くらいから加齢とともに徐々に進行して来ますが、70歳代では老眼が進むことは一般的にはないと考えられています。しかし、白内障が進むことによって度数が変化したり、他の病気のために、老眼鏡が合わなくなって来ている可能性はあります。
 今回は、眼鏡屋さんでの検眼ではなく、お近くの眼科を受診して、精密検査を受けることをお勧めいたします。
 視力検査、調節検査、眼圧検査を行った後に、瞳をひろげる目薬を入れて、詳しく眼底検査も受けていただきたいと思います。目に病気がないということが確認できたら、眼鏡の処方箋を発行しますので、眼鏡を作り替えてください。
 朝からまばたき、新聞での疲れの症状は、老眼鏡が合っていないことで生じることもありますが、ドライアイの症状の可能性もあります。目の表面を覆っている涙が少なくなったり、涙の安定性が悪くなってドライアイが生じると考えられます。眼科受診の際に、ドライアイの検査も一緒に受けていただきたいと思います。どうぞ参考になさって下さい。


 
2017年6月26日 グラフ旭川7月号 
「目の健康講座の告知」
 
 今回の目ディカル相談室 目に優しいお話は、いつもの相談をお休みさせていただきまして、今月開かれる「目の健康講座」の告知です。
 日本眼科医会、北海道眼科医会の共催で、「目の健康講座:あなたの目は大丈夫ですか?」が開かれます。
 7月22日の土曜日、午後4時から、神楽3条7丁目の大雪クリスタルホール 国際会議場大会議室で開講されます。もちろん受講料は無料です。目についての大切な話を、お二人の先生がしてくださいます。
 ひとつ目の講演は、「白内障について」のタイトルで市立旭川病院眼科診療部長の菅野晴美先生が担当されます。もうひとつの講演は旭川医科大学医工連携総研講座特任教授の石子智士先生が「失明から目を守るために」についてお話してくださいます。
 目の働きや構造はよくカメラに例えられます。黒目(角膜)のすぐ後ろに透けて見えるいわゆる茶目は虹彩といい、これは目の中に入ってくる光の量を調節する働きがあり、カメラのしぼりにあたります。この虹彩の後ろに水晶体という部分があります。水晶体はカメラのレンズと同じで、私達が見ようとするものを正しく、網膜(カメラのフィルムにあたる部分)に焦点を結ばせる働きがあります。網膜に映った像が視神経を通して脳に伝えられ、私達は、初めてものを見ることができるのです。
 白内障とは、カメラのレンズにあたる水晶体が白く濁ってくる状態です。冬の寒い日に、外から家の中に入ったときに、メガネが曇って見えなくなってしまうように、目の中に曇ったレンズが入っているために、目がかすんでしまう状態が白内障です。水晶体が濁り始めると、ものがかすんだり、二重に見えたり、まぶしく見えたりし、進行すれば視力が低下し、眼鏡での矯正ができなくなります。
 「目の健康講座」は毎年道内のいろんな街で開催されています。旭川で開かれるのは5年ぶりです。5年前の講座では白内障の手術のお話と目の検診の重要性のお話で、とてもわかり易いと大好評でした。目についてのまとまったお話を聞ける機会はあまりありません。きっと目に優しいお話が聞けると思いますので、お忙しい時期とは思いますが、ご興味のある方は是非お出かけください。無料の駐車場がございますので、皆さまふるってご参加お願いします。


2017年5月25日 グラフ旭川6月号 
「近視の眼鏡」
 
(Q)小学校4年生の子どもの視力のことで質問があります。
 春の学校の視力検査では、両眼0.2でした。この一年半、眼鏡を作らずに過ごしてきました。本人曰く、黒板の字も見えるし、その他特に支障ないとの事なのですが、テレビを見るときなど、小さな文字はぼやけて見えていないようです。眼鏡を使用し始める時期なのかなとも思いますが……本人は出来るだけ今のままでいたいようなのです。私が眼鏡を掛け始めたのが6年生でしたし、本人の気持ちも分かるのですが、一方で気になることも聞きましたので、質問させてください。
 先日、近視の子どもが眼鏡を掛けないままでいると、見えない状態に慣れてしまうので眼鏡を掛けても矯正しにくいと言われました。その方のお子さんが、そのような状態だったとのことです。このまましばらく眼鏡を掛けないでいることは、目にはかえって良くないのでしょうか?
 また、初めて眼鏡を作る場合、度数を弱め(0.6程度?)にした方が抵抗感が無く慣れやすいとも聞きましたが、いかがでしょうか?
 
(A)ご連絡有難うございます。学校検診で視力低下を指摘されたとのことですね。
 まずは、眼科を受診していただいて、視力低下の原因が本当に近視なのかを調べる必要があると思います。親御さんが、視力低下は近視のためと考えていても、実は乱視が強かったり、また逆に遠視のために、視力低下が生じていることもあります。
 眼科では、視力検査、屈折検査のあとに、調節麻痺剤の目薬を入れて、目の本当の度数を調べることができます。この検査をすることで、視力低下の原因が、近視、乱視、遠視などの屈折異常によるものかを知ることが出来ますし、また同時にの奥に病気がないことも確認することができます。まずは、お近くの眼科を受診していただいて、検査を受けることをお勧めします。
 眼科の検査で、原因が近視と判明したと仮定して、その後のご質問にお答えします。近視のお子さんが眼鏡をかけずに過ごし、近視の度数が進行している場合に、適切な眼鏡がかけられないということがあります。本来、眼鏡でしっかりと見えるようにしたいところが、近視度数が強いために、弱い度数の眼鏡から徐々に度数を上げていく必要がでることがあります。おそらく、お知り合いのお子さんはそういう状態だったのではないかと想像します。近視の眼鏡をかけると、近視の度数が進むと考え、眼鏡を敬遠する親御さんもいらっしゃいますが、お子さんの生活で大切なことは、学校生活がスムーズにいくことではないかと思います。見えない状態で目を細めたりして、苦労して板書するよりは、よく見える状態で授業を受けさせてあげた方が良いのではないかと考えます。
 初めての眼鏡の度数に関しましては、視力(0.6などの)をもとに合わせるのではなく、本来の目の度数を元に合わせます。さきほどお話しした眼科での調節麻痺剤の目薬をいれたあとの、目の度数を参考にして、それより強い度数にならないように注意して処方しています。強すぎる眼鏡(過矯正といいます)は、目の負担をかけてしまいますので、そうならないように処方しています。
 どうぞ参考になさってください。お近くの眼科を受診することをお勧めします。


 
2017年4月25日 グラフ旭川5月号 
「目を押す癖」


 
2017年3月25日 グラフ旭川4月号 
「白目の黒い点」
 
(Q)こんばんは。
 質問させてください。白目に黒い斑点のようなものがあります。前からあったのですが、最近数が増えた気がします。といいますか、確実に増えたと思います。
 コンタクトを装用しています。ゆっくり視力が低下していっています。(コンタクト装用が原因でしょうか?)回答お願いします。
 
(A)ご連絡有難うございます。
 白目の黒い斑点とのことですが、一般的に白目という部分は、眼球を形作っている白い強膜とその上にかかっている透明な結膜のことになります。
 強膜に色素沈着している場合もありますが、通常みられるもので最も多いものは結膜母斑という、いわゆる白目のほくろです。ほくろは通常問題のないものですが、診察せずに診断はできませんので、お近くの眼科を受診してみてください。
 白目の斑点によって視力が下がることは通常ありませんので、視力低下は、それとは関係ないのではないかと思われます。
 コンタクトレンズを使用しているとのことですが、近視、乱視などの目の度数は変化することもあります。まずは目の度数が変わっていないか、使用しているコンタクトレンズの度数が適切なものか調べる必要があると思います。度数に変化がなく、コンタクトレンズ度数が適切であれば、視力低下を引き起こす病気が起きていないか、眼底検査を受ける必要があると思います。
 白目にある斑点のことも含め、あわせて視力検査が必要と思いますので、お近くの眼科を受診なさってください。どうぞ参考になさってください。


2017年2月25日 グラフ旭川3月号 
「黒目の白い点」
 
(Q)こんにちは。
 今すごく心配な事が一つあるので教えてください。今日気付いたのですが、右目の黒目部分に小さな白い点が出来ているんです。
 これはほっといても大丈夫なものなのでしょうか?
 思い当たるところはカラーコンタクトレンズをたまに付けているくらいです。
 宜しくお願いします。
 
(A)ご連絡有難うございます。
 黒目の部分は角膜という大切な場所です。角膜は目の一番表面にあって、外界の光を目に取り入れるレンズの働きをしています。レンズは透明である必要がありますので、身体の中では血管のないめずらしい部分です。身体のあらゆる部位は血液で運ばれる酸素を使って呼吸していますが、角膜には血管がありませんので、涙からの酸素を使って呼吸しています。
 コンタクトレンズは角膜に直接のせますので、涙からの酸素が十分に取り入れられなくなる危険性があります。角膜のカーブは、個人個人異なっており、その人にしっかりあったコンタクトレンズのカーブでなければ、きつすぎることにより、角膜の上でコンタクトレンズの動きが悪くなり、角膜に酸素が十分に届きにくくなることになります。酸素が十分に届かないと、呼吸が苦しくなってしまうように、角膜に十分な酸素が届かないと、角膜に傷がついたり、場合によっては、ばい菌やウイルス、アメーバなどによる感染症が起きる心配が出て来ます。
 特にカラーコンタクトレンズで、眼科で処方されたものでなく雑貨店などで販売されているものの中には、酸素透過性の非常に悪い素材で作られたものや、色素がコンタクトレンズの外側にしみ出るものなど、問題のある商品が混在しているといわれています。また眼科で処方されたものでないレンズでは、その人の角膜のカーブに適合していない場合も多く見受けられますので、注意が必要です。
 角膜の白い点であれば、何らかの原因による角膜炎の可能性が高いです。コンタクトレンズをしないで、お近くの眼科を受診して下さい。早期に診断して、適切に治療しなければ、角膜に白い濁りが残ってしまうことがあります。白い濁りが角膜の中央に残ってしまった場合には、視力に影響する恐れもあります。今回の角膜炎がきれいに治った後に、カラーコンタクトレンズを希望される場合は、眼科でしっかりと角膜のカーブに合った酸素透過性の良いレンズを処方してもらってください。どうぞ参考になさってください。


2017年1月25日 グラフ旭川2月号 
「3歳目をこする」
 
(Q)初めてメールをさせていただきます。
 3歳になる娘のことなのですが、3日前くらいから左目をかく回数が多く、気になっております。
 見たところでは、充血することはなく、腫れている感じもありません。また、涙目になっていたりということもなく、右目だけで物を見る感じもありません。
 はじめは、前髪がかかっているからと思っていたのですが、髪の毛をたばねても左目をよくかいております。
 充血とかしていればわかりやすいのですが、このような症状は何が考えられるのでしょうか。
 診察をしてもらうのが一番良いのですが、先にお話を聞ければと思います。よろしくお願いいたします。
 
(A)ご連絡有難うございます。
 目を擦るということですが、かゆみはなさそうでしょうか。アトピーや喘息がある場合は、アレルギーが考えられると思います。その場合、白目の充血は強くない場合もあります。瞼の裏の白目だけが赤くなって腫れていることがあります。アレルギーのかゆみで擦っているとすると、目薬でかゆみをおさえることで、症状の改善が期待できると思いますので、お近くの眼科を受診なさってください。
 3歳でしたら視力検査もできると思いますので、一度、視力検査も受けていただけると安心できると思います。目の度数をしらべて、遠視や乱視、近視などで、ピントが合いにくい状態がないかを調べることができます。検査は痛くありませんので、どうぞ安心して受診していただきたいと思います。どうぞ参考になさってください。


2016年12月24日 グラフ旭川1月号 
「飛蚊症・光視症」
 
(Q)よろしくお願い致します。
 最近、左目の視界中央より左上に蛇を横にしたような形の小さな残像がゆっくり目蓋を開けると一瞬見えるようになりました。また眼球を動かすと視界の端が細く光ります。飛蚊症は数年前からあります。普段の生活には全く支障はありません、気にすると気になる程度です。
 何か病気の発症ですか?
(A)ご連絡有難うございます。
 「左目の視界中央より左上に蛇を横にしたような形の小さな残像」というのも、飛蚊症の可能性があります。「眼球を動かすと視界の端が細く光ります」これは光視症という症状です。
 ご自分の視界に、黒い糸状のものや、点状のものが飛んでいるように見える症状を飛蚊症と呼んでいます。飛蚊症は、目の中に入っている生タマゴの白身のようなゼリー状の物質の中にできた濁りの影を見ることによって感じると考えられています。特に明るい日、白い壁や白いノートを見た時に気になることが多いようです。
 光視症は、目の中に入っている生タマゴの白身のようなゼリー状の物質と目の神経の膜である網膜の間に接着があり、そこに引っ張る力が生じる時に感じると考えられています。特に暗い部屋で感じることが多いようです。
 飛蚊症や光視症で受診される方のほとんどは、心配のないもの(病気ではないもの)なのですが、なかには網膜剥離や網膜剥離の原因となる網膜の穴(網膜裂孔)が見つかる場合や、目の中の出血、目の中の炎症など病的なものが原因となっている場合もあります。
 お近くの眼科を受診して、眼底検査を受けていただきたいと思います。眼底検査を受けることによって、生理的なものか病気によるものかの診断が出来ます。
 眼科では、瞳をひろげる目薬を点眼し、30分くらいお待ちいただき、詳しく目の中の端っこまで、見せていただきます。検査自体は少しまぶしいくらいで、痛くない心配のない検査です。ただし検査後も3~4時間、瞳がひろがっているため、見づらくなりますので、運転はしないで受診することをお勧めします。どうぞ参考になさってください。

 2016年11月26日 グラフ旭川12月号 
「20代の緑内障疑い」
 
Q)相談です。
 先日、眼科にコンタクトの処方してもらうために受診しました。視力検査などいくつか検査しました。
 医師の診察の際に眼球?を見ていただいた時に、少し緑内障のような感じがすると言われました。
 しかし、年齢が20代と言う点で生まれつきの可能性が高いので大丈夫だと言われました。そして、目薬なども処方されませんでした。
 生まれつきだと仮定した場合、何も治療しなくて良いということなのでしょうか?それとも、目薬をする程ではないという事で処方されなかったのでしょか?先生はどう思いますか?
 
(A)ご連絡有難うございます。
 緑内障の診断は、眼圧検査、眼底検査による視神経乳頭の形状、
視野検査と合わせて行われます。 診察の際に「少し緑内障のような感じがする」というのは、眼底検査での視神経乳頭形状から判断したものと思われます。視神経乳頭形状から緑内障を疑った場合は、次の検査として視野検査が必要になると思います。
 今回の診察で、視野検査も異常がなかったということであれば、年齢が20代ということですから、定期的な経過観察ということで無治療で問題ないと思います。
 しかし、今回視野検査を受けていないのであれば、ぜひ、視野検査を受けることをお勧めします。通院している眼科の先生に視野検査をお願いしてください。
 緑内障は基本的には加齢に伴って増えてくる病気ですが、20代の方に緑内障がないとは言い切れません。まずは、今の状態をしっかりと検査することが大切ではないかと思います。どうぞ参考になさってください。


2016年10月26日 グラフ旭川11月号 
「レーザーイリドトミーの適否」
 

(Q)まず先生に、このようなメール相談窓口を作っていただけたことに感謝いたします。
【私は緑内障予防の手術を直ぐにすべきでしょうか。】
65歳 男性 オーストラリア在住。
 4ヵ月前よりPCの使い過ぎで酷く目が疲れるようになり、3ヵ月前に日本に短期滞在した折、眼科医に診ていただきました。その時に「あなたのような小さな眼は緑内障発作を起こすので白内障手術かレーザー手術をするように」と言われました。
 こちらの眼科医にも診てもらったら、検査の結果から緑内障も白内障も視神経の異常も無く健康な眼だと言われました。ただ、日本で「私の眼は緑内障発作を起こし易い眼と言われたが先生はどう思いますか」と聞いたら、それには答えず、発作を起こすかどうかは分からないと言い、眼圧は正常値内だけど上限にあるのでレーザー手術をしましょうと言われました。その場で了解できず一旦延期してもらいましたが、診察から6週後までにどうするか決めてくれと言われています。
 そこで私なりにネット情報で調べ、レーザーで虹彩に孔を開け眼圧を下げるものと分かりましたが、眼圧が下がってもかえって、手術前より眼が見えにくくなったり、数年後に角膜が白濁し角膜移植するしかなくなったりという恐ろしい副作用も有ることが分かりました。
 その場ですぐに了解しないで良かったと思いましたが、もし、発作が起きたらこちらの医療システムでは、短時間のうちに眼科医に処置をしてもらえる可能性は低い事は間違いない思いますので、大変迷うところです。
 何よりこの医師は私の眼は確かに緑内障発作を起こし易い眼だとは言っていませんし、確率を聞いても5%か100%か自分には分からないと言いました。こんなリスクのある手術を発作が起きるかどうかが分からないのに、やって後悔するような結果になるのが怖くて決断が出来ません。
 それでも事は失明するかもしれないので、急ぎレーザー手術をしてもらうべきでしょうか。それとも更なるセカンドオピニオンを他の医師に求めるべきでしょうか。是非、先生のアドバイスを頂きたく、よろしくお願い申しあげます。
 
(A)ご連絡有難うございます。メール読ませていただきました。結論を先にお話させていただきますと、診察をしていない状態で、適切なお返事はできないと思います。レーザー治療を受けるべきか、待つべきか迷うことと思います。セカンドオピニオンとして、もう一人の医師の診察をお勧めします。
 日本で診察を受けた時の「小さな眼」という表現は、遠視のための眼軸が短いということだと思います。緑内障発作を起こす危険性の高い方は、遠視眼です。この先生の話からは、遠視眼で前房という部分が浅いのではないかと考えさせられます。
 しかし、オーストラリアの眼科では「健康な眼」と言われていることは、前房の深さも正常なのかと、判断しているのかと思いますが…。「健康な眼」と診断していながら、レーザー治療を勧めている点が納得できません。
 オーストラリアでもう一人の医師に意見を聞いてみるべきと考えます。緑内障発作が起きてしまった時に、短時間で処置をしてもらえないのであれば、予防的にレーザー治療を受ける意義が高いと思います。しかしながら、上に書きましたように、その根拠がしっかりしていないようですので、もう一人の医師に診察を受けていただきたいと思います。
 診察をしていないメール相談には限界があることをご理解ください。スッキリしたお答えでなく、恐縮ですが、更なるセカンドオピニオンを求めるべきだと思います。どうぞ参考になさって下さい。


2016年9月24日 グラフ旭川10月号 
「外傷後の瞳孔散大」
 

(Q)はじめまして、よろしくお願い致します。
 中学生なのですが、強くうったバドミントンの羽根が目に直撃して瞳孔散大の状態となりました。
 これからの生活で気をつけるべき点はどのような事があるか、教えて頂けますか?
 
(A)ご連絡有難うございます。「バドミントンの羽根が目に直撃して瞳孔散大の状態」とのこと、見えにくさが残っていなければよいのですが。
 目をぶつけたあとになって、眼圧が上がったり、逆に下がったりすることがあります。眼圧の上下はご自分では自覚できず、病状が進んでから、自覚することがあります。ですので、ご自分では何ともないと思っていても、定期的に眼科に通院してほしいと思います。
 瞳孔散大によって、まぶしさが強い場合は、虹彩付きコンタクトレンズを装用してもらうこともあります。これは、瞳孔の大きさによりますので、まぶしさが強く日常生活に不自由を感じる場合は、主治医の先生と相談なさって下さい。
 また、目をぶつけた後に他の病気が生じることもあります。代表的なものとして、上に書いた外傷性緑内障、外傷性低眼圧症がありますが、他にも外傷性白内障、外傷性網膜剥離なども挙げられます。これらも、定期的に通院することで、大事に至る前に治療することができると思います。
 飛蚊症といいまして、目の前に黒い物が飛んでいるような症状は、網膜剥離の前兆のことがありますので、飛蚊症が出た時は、すぐに眼科を受診してください。どうぞお大事になさってください。


2016年8月26日 グラフ旭川9月号 
「内斜視術後の眼鏡」
 

(Q)今、24歳になりますが、中学生の頃内斜視の手術を受けました。
 それから眼鏡はたまに目が寄りますが、あまりかけなくなりました。眼鏡をかけると見えすぎる位なので、かけたくなくなりました。
 斜視がたまに出るのに眼鏡をかけないのはいけないのでしょうか!? 前みたいに斜視が酷くなると嫌ですが、視力があれば多少内斜視があっても、眼鏡なしでもこれから大丈夫なのでしょうか?
 
(A)ご連絡有難うございます。
 中学生の頃に内斜視の手術を受けたあとから、眼鏡をかけなくなったとのことですね。
 手術を受けたあとにも、眼鏡をかけないと内斜視が残るとのことですので、部分調節性内斜視ではないかと考えます。
 部分調節性内斜視では、遠視の眼鏡をかけても内斜視が残る場合に、その分の内斜視を手術で治し、元々の内斜視に対しては遠視の眼鏡をかけるという治療方針になります。
 ですので、手術のあとにも眼鏡をかけている必要があると思います。現在24歳とのことですので、手術をうけられてから10年近く経過しているものと思われます。その間に、成長とともに遠視度数の変化(通常は遠視の度数が軽くなっていく)が起きている可能性があります。
 まずは、現在の遠視の度数と内斜視の状態をしっかりと調べる必要があると思います。
 その上で、現在の眼鏡の度数を変更して装用するか、もしくは、眼鏡をかけなくても問題ないかを調べる必要があると思います。
 折角、内斜視の手術を受けていらっしゃるとのことですので、手術のアフターケアが大切ではないかと思います。お近くの眼科を受診することをお勧めします。どうぞ参考になさってください。


2016年7月27日 グラフ旭川8月号 
「人間ドックの眼底写真」
 

(Q)私の母(65歳)が人間ドックの健診の眼底検査で検査員に右目に対して「あー!何これ~わあー」とか「右目正常に見えてますか?異常はないですか?」などその場で言われ、それに対して母が「え?なんでしょう~白内障とか緑内障とかでしょうか?」と聞き返しても「そんなんじゃない!何だろー」ととてもびっくりした様子だったと言います。
 これだけの情報で眼科のお医者様は何を感じますか?もちろんわかる程度で良いのでお聞かせ願います。検査医が声に出して慌てるなんて患者としても動揺します。よろしくお願いします。
 
(A)ご連絡有難うございます。
 65歳のお母様の人間ドックでのこととのことですが、このお話からだけでは、何とも判断がつきかねます。
 人間ドックの検診の眼底検査ですが、通常の人間ドックでは、眼底カメラで撮影をして、それを医師が判定するという形になっていると思われます。
 人間ドックで眼底カメラを撮影する方は、看護師もしくは検査技師の方ではないかと思います。その場で、人間ドックを受けにいらした方に不安感を抱かせることになってしまっていることは、非常に残念に思います。
 結果につきましては、人間ドックを行った病院の医師の判定の後、伝えられることになると思いますので、そこに再検査が必要とありましたら、眼科を受診していただきたいと思います。
 お母様は、見え方に異常はないということですね。眼底写真に見慣れないものが写って、検査の方が驚いたとのことでしたら、考えられることとしては、網膜有髄神経線維などの先天性の変化(心配のないもの)などが挙げられます。
 検査の時にそのような対応をされ、不安に感じていらっしゃると思いますので、不安解消のためには、眼科を受診していただくことかなと思います。眼科での検査は怖い検査ではありません。まぶしくなる目薬を入れて、精密眼底検査が必要になりますので、車を運転せずにお近くの眼科を受診していただきたいと思います。どうぞ、お母様に眼科受診をお勧め下さい。参考になさっていただけましたら幸いです。


2016年6月27日 グラフ旭川7月号 
「ハードレンズ洗浄液が目に入った」
 

(Q)お忙しいところ恐れ入ります。
 私は、円錐角膜があり、仕事上でも車の運転をしますので、現在どうしてもコンタクトが切り離せない形になるのですが、粉物の食品の加工、配達営業と担当しており、食品の加工場所でもコンタクトをしていたためかコンタクトに傷がつきやすく、これまでコンタクトの買い替え時期は相当早いものでした。数ヶ月前、車での配送時、買い替える予定にあったコンタクトの方の片目がどうしても痛くなってしまい、路肩に車を止め、その一方のコンタクトを外し、ハードコンタクト用の保存液(つけおきのもの)につけ、わずかばかり休息をとりました。しかし、コンタクトをすすぐ場所や手を洗浄する場所を確保できないままの状態となってしまい、恐る恐るハンカチで強く拭いただけの不衛生な手ですすがないコンタクトを多少は水分を振って切りながらもはめてしまいました。おそらく10秒ほどは強くしみる刺激に涙が溢れ、ダメだ外そう、と感じたその直後には落ち着いたのですが、15分ほどで職場には戻れたので、すぐにコンタクトは外し、目の状態を確認しました。
 幸い充血もなく、痛みもなく、その日はコンタクトはそのまませずに帰宅。その後も充血や痛みなく、このトラブルから一週間~二週間後に訪れた眼科の検診でも何も異常は確認されませんでした。(この内容は医師の先生には言いませんでした。)
 現在、コンタクトは午後にかけての車の運転時のみとし、装着前に食品の粉末が目に入っているものと想定し、水で目をよくすすいでしばらくしてから装着するなど、今回のトラブルでコンタクトのことを気持ちを変えて極力調べるようになったのですが、合わせてコンタクトの洗浄液のアルカリ活性剤の有毒性、薬剤外傷なども知りました。
 このトラブルで、角膜の上層部に関われず、内部へのダメージなど必ず何かしらあったかと思いますが、数週間前の検診においても異常は告げられずまた、一応眼底検査もその後受けてみたのですが問題箇所は言われておりません。ですが、トラブルを告げていない分、極めて深刻なダメージ(驚嘆なもの含めまして)が起きている心配はないのかなどうっすらと気がかりがあり、扱いに関しても後悔するところです。こういった点に関しまして、ご忠告やご見解など、もし今野先生から頂けましたら幸いです。
 
(A)ご連絡有難うございます。円錐角膜でハードコンタクトレンズ使用中に、ハードレンズ保存液が目に入ったとのことですね。
 ハードレンズは、目が痛くなった時には角膜に傷がついてしまう心配がありますので、やはり一度はずして、レンズを水道水で洗ってから、再装着していただきたいと思います。もしも、お近くに水道がないときには、水道のある場所までは、気を付けて片目で移動していただきたいと思います。
 今回、ハードコンタクトレンズ用の保存液が目に入ったとのことですが、角膜に傷をつけてしまう危険性はあります。しかし、ご心配されているような内部へのダメージは考えにくいと思います。あくまでも角膜に傷がつく心配のみだと思います。その後の眼科診察で異常はなかったとのことですので、心配はないと思います。
 コンタクトレンズ装着前に「水で目をよくすすいでしばらくしてから装着」とのことですが、目を洗ってから装着する必要はないと思います。涙の成分など、目に必要なものも流されて、逆に角膜に傷がついてしまうこともあります。レンズをしっかり、水道水で洗って装着することで問題ないと思います。どうぞ参考になさってください。


2016年5月26日 グラフ旭川6月号 
「強度近視の白内障手術」
 

(Q)現在49歳です。
 19歳の時に初コンタクト目に合いませんでした。25歳くらいの時に2度目のコンタクトを買いデータを見るとR=BC9.40 P=-8.25 S=9.2 L=BC=8.45 P=-12.25 S=9.2が記録にあります。ですがほとんどコンタクトは痛くて、パカパカしている感じで目に合わず、あまりしませんでした。10年前にはレーシックを考えていましたが、乱視が強度のためかできませんでした。私の角膜は平らだとも言われました。その時の角膜厚616と623です。3年ほど前に近視性脈絡血管?で目にアバスチンだか?注射しました。2年前の記録に、乱視が右c-6.25左c-5.25だと。近視も右S-9.25左S-14.0の記録がありました。 最近ここ1~2年でしょうか、とても見えにくいのです。今年2月に眼科受診し、白内障、網膜萎縮、眼球が大きくなっているとの事、カリーユニの処方です。
 白内障が原因で目が見えないのか?網膜萎縮なのか?眼球が大きくなっているのが原因なのか?わからない様子にみえました。もし手術しか方法がないのであれば、多焦点眼内レンズとかを考えてみましたが、乱視強度の人には合わないとあったりしますし、どうなんでしょうか?遠くも近くもの夢はしょせん無理ですか? 単焦点レンズなら利き目を1メートル~2メートル位に合わせ片側を30~50センチにあわせて遠くは(車の運転、映画鑑賞とか)眼鏡がいいともききますが? 遠くに合わせると近視に戻ろうとして網膜の萎縮がすすむとかあるとか聞いたのですが? 私に合うものはあるんでしょうか。昔から乱視です。矯正視力は右は0.7位、左は右目に合わせたかたちのレンズ で0.2か0.3くらいです。左目を視力上げようとすると度を上げると少しでますが具合が悪くなります。私の選択肢としてなにがいいのか?わかりません。よろしくお願いいたします。
 
(A)ご連絡ありがとうございます。
 強度近視がもともとあり、乱視も強いとのことですね。3年前に(左右不明ですが)近視性脈絡膜新生血管(近視性黄斑変性)に対し、アバスチンの硝子体注射を受け、最近、白内障の手術を勧められているとのことですね。
 白内障の手術によって、近視の度数を選ぶことができますので、度数については、よく考えていただきたいと思います。乱視の度数が右-6.25、左-5.25ということですので、多焦点眼内レンズの適応にはならないのではないかと思います。
 強度近視の方の場合、今までの生活で近くは見えるという感覚があると思いますので、単焦点眼内レンズで近くにピントがあうように、軽い近視を残すことで術後の状態がうまくいくことが多いと思います。運転の時には、今までよりもずっと薄い近視の眼鏡を装用することになります。
 「遠くに合わせると近視に戻ろうとして網膜の萎縮がすすむ」という話は、私は聞いたことがありません。
 術後の度数についての、私の考えを伝えさせていただきました。現在の眼底の状態などもわかりませんので、あくまでも一般的なお答えとして参考の上、手術をする主治医の先生と、よくご相談なさってください。
 メール相談には限界があることを、ご理解下さい。どうぞお大事になさってください。


2016年4月26日 グラフ旭川5月号 
「白内障手術と網膜裂孔手術」
 

(Q)68才男性です。
 最近数ヵ月で急速に視力が低下したため、今日初めて眼科を受診しました。近代的な、おそらく最新の検査機器をそろえていると思える眼科専門病院です。様々な検査の後、白内障が進行しており直ぐに手しましょうと言われました。また、網膜の一番外側外周部に若干の欠損が認められるのでレーザー治療もしましょう、と言われました。その他では、加齢黄斑にも気を付けてルテインのサプリも飲みましょう、と言われました。保険の効かない高価な検査機器も使っていろいろな検査をしましたが、そのほかには悪いところはないそうです。
 取りあえず視力を回復したいので、今回は白内障の手術のみをお願いしたところ、網膜の治療(網膜光凝固術)を先にやらないと白内障の治療は難しいと言われています。年金収入のみの生活ですので、二つの手術を連続して行うのは経済的に困難です。お尋ね致します・・・先に白内障の手術をして、後で余裕のできた時に網膜の凝固術をするのでは問題があるのでしょうか?その他、健康診断でも特に体に異常はありません。
 どうぞよろしくお願いします。
 
(A)ご連絡有難うございます。白内障の手術と、網膜裂孔の光凝固術を勧められたとのことですね。
 じつは、白内障手術をすることによって、網膜剥離の発生率が高くなることがわかっています。白内障手術によって、水晶体を摘出するのですが、それにともなう、目の後ろ側(硝子体といいいます)の変化も生じるためと考えられています。
 網膜剥離という病気は、目の神経の膜である網膜に穴があき(網膜裂孔といいます)、そこから網膜の下に水がまわることによって発生します。網膜剥離が起きる前には、網膜裂孔が発生することになります。網膜剥離になってしまいますと、放置しておきますと失明につながりますので、入院の上、手術が必要な目にとっては重大な病気です。
 今回、白内障手術の前に網膜裂孔の光凝固術を勧められたとのことですが、それは正しい判断だと思います。白内障の手術だけして様子を見ることは、網膜剥離の発生率を高めてしまうことになるからです。まずは、網膜裂孔に対して光凝固術を行って、その後に白内障手術を受けるのが良いと思います。
 同じ月に2つの手術を受けた場合に、高額医療の対象となり、お支払い金額に限度額がでてくることがありますので手術をうける病院で、相談してみてください。
 どうぞ参考になさってください。お大事にしてください。両方の手術を受けられて、完治することをお祈り申し上げます。


2016年3月26日 グラフ旭川4月号 
「白内障術前検査」
 

(Q)お尋ねします。
 左目強度の近視(0.05)、右目中心性脈絡網膜症です。
 白内障手術をするために、コンタクトをはずしてすぐに、光学的眼軸長 眼の長さを測るなどの検査をしました。日常はメガネで生活していて、外出するときのみ、コンタクトをしています。手術するまでコンタクトをすることがありません。単焦点眼内レンズを決めるのに、コンタクトをはずした時とメガネの時との誤差が出ないのでしょうか?手術後の見え方に影響しないか教えてください。
 また強度の近視なので、少し近視を残して1mにピントを合わせて-1、視力0.4に設定すると言われました。どういう見え方になりますか?よろしくお願いします。
 
(A)ご連絡有難うございます。
 白内障手術の際に入れる眼内レンズの度数は、眼軸長と角膜曲率半径から計算されます。コンタクトレンズをしていたことによる眼軸長の誤差は大きいものではないと思いますが、角膜曲率半径に影響が出ることがあります。
 ハードレンズかソフトレンズか、コンタクトレンズのフィッティング状態、またコンタクトレンズをつけていた時間などに影響され、数字に変化が生じる可能性は否定できません。
 手術を担当する先生と相談し、コンタクトレンズを1週間はしていない状態で、もう一度、検査をうけることをお勧めします。
 少し近視を残して1メートルにピントを合わせるという狙いは、近視の方ですることが多いですが、元々の度数、年齢、お仕事などを勘案して決定するものですので、これも主治医の先生とお話をして、納得してから手術を受けることをお勧め致します。
 メール相談では、実際に診察をしておりませんので、お答えに限界があることをご了承ください。手術の前に、主治医の先生とよく相談することをお勧め致します。どうぞ参考になさってください。


2016年2月26日 グラフ旭川3月号 
「糖尿病の血管新生緑内障」
 

(Q)60歳男性です。
 5年前、糖尿病増殖性網膜症で両眼ともレーザー凝固を受けました。
 その後、右眼だけ何度か出血を繰り返しため、3ヵ月前に硝子体手術と白内障手術を同時にしました。しかし、2か月たって血管新生緑内障になり、トラベクレクトミーにて現在は眼圧10前後、視力0.7と安定しております。ブレブ形成も良好で2種類の抗炎症点眼を続けております。緑内障発症時、右眼圧は35でした。アバスチン投与後、4種類の降圧点眼薬をつけましたが、21までしか下がらず手術に至りました。
 ところが初回の手術頃から両眼とも視界が暗くなり霧視がひどく難儀しています。左眼は白内障があるものの、まだ手術はしなくて良いとのことです。左の視力は0.3、眼圧10です。他に特に暗い所が極端に見づらい症状も日増しに強くなってきております。このような症状の原因と改善手段をお伺いいたします。よろしくアドバイスお願いいたします。
 
(A)ご連絡有難うございます。両眼の増殖糖尿病網膜症に対して、レーザー治療を行い、その後右眼に硝子体手術と白内障手術を受け、血管新生緑内障を発症し、アバスチン投与、緑内障点眼治療後に、トラベクレクトミーを施行されているとのことですね。
 両眼とも視界が暗くなり、霧視がひどいとのことですが、原因として考えられることとしましては、右眼緑内障による視野狭窄、糖尿病黄斑浮腫による視力低下、左眼白内障による視力低下、糖尿病角膜症による視力低下、レーザー治療による視界の暗さなどが挙げられます。
 しかしこれらは、あくまでも可能性として考えられることで、実際に診察をしている主治医の先生とよく相談することが大切ではないかと思います。
 ご本人が見えにくくなったと感じていても、視力検査の結果は悪化していないこともありますし、逆に、ご本人が自覚していなくても、網膜症が悪化していることもあり得ます。主治医の先生のご説明を充分に聞いていただきたいと思います。
 メール相談には、限界があることをご理解ください。どうぞお大事になさってください。


2016年1月26日 グラフ旭川2月号 
「ブルーライト」
 

(Q)はじめまして。年齢は45歳です。アメリカ在住のため住所・電話番号は記しておりません。日本語で相談できる眼科を探しておりまして、こんの優眼科クリニックのホームページに辿り着きました。どうぞ宜しくお願い致します。
 相談は子ども(5歳)のことです。皮膚科で間違ってブルーライト治療をさせてしまいました。時間は15分間。ブルーライトを当てたのは両足と両腕です。
 小さい為、私が同席することになり、2人共にブルーライトを遮断する黄色いメガネを渡されました。お医者様とナースの見解によりますと、ブルーライト治療は副作用がないとのことでした。しかし、家に帰って調べましたところ、ブルーライトはメガネをつけても40~50%しか光を遮断せず、目の網膜まで達する強い光であり、子どもは水晶体が綺麗なため、光を通しやすいと知りました。
 心配しておりますのは、娘の網膜、黄斑部に何等かのダメージを与えていないか?今は大丈夫でも、年齢とともに症状がでてきたりしないか?ということです。とても心配しております。もし、宜しければご回答のほど、どうぞ宜しくお願い申し上げます。
 
(A)ご連絡有難うございます。皮膚科でブルーライト治療を受けたことが心配とのことですね。
 ブルーライトが網膜に影響を及ぼすと考えられるようになったのは、ブルーライトが身近なものになった最近のことです。ブルーライトが網膜に問題を起こすと考えられるのは、長時間、長期間にわたってブルーライトにさらされる場合だと思われます。調べてみましたところ、短時間のブルーライト照射による網膜障害は、報告されていないようです。
 今回のブルーライト治療は15分間、ブルーライトを当てたのは両足と両腕、ブルーライトを遮断する黄色いメガネをかけていらしたとのことですので、全く心配はないと思います。
 ご心配でしょうから、一度、現在の目の状態を検査してもらうと、さらに安心できるのではないかと思います。今回のブルーライト治療が、後になって障害を起こすことは考えにくいと思いますので、現時点での検査を受けられて、安心するのがよろしいかと思います。どうぞご参考になさってください。


 
2015年12月25日 グラフ旭川1月号 
「片眼白内障術後の度数」
 
(Q)63才の女性です。半年前に左目の白内障手術を受けました。
 近視で普段は眼鏡をかけています。裸眼で家の中の生活ができることが希望だったのでそのことは先生にも話していましたが、右目はさほど進行していないということとリスクのことを強く言われ左目だけの手術にしました。
 手術後、明るくはなりましたが視力は落ちました。先生は片目だけの場合は手術しないほうの目にあわせなくてはいけないし、また今回は眼内レンズの度数が充分出なかったと言われました。
 先日検診で後発白内障の症状があると言われ手術を勧められました。また右目も白内障が進んでいるようです。両目を一緒にやらなかったことの後悔と、今の結果に納得がいかないまま後発白内障の手術を受けることに気持ちの整理がつきません。ちなみにここには眼科がひとつしかありません。もう左目の視力(レンズに関して)が回復して眼鏡なしで生活することはできないのでしょうか?よろしくお願いします。
 
(A)ご連絡有難うございます。
 半年前に左眼のみの白内障手術を受け、術後の度数は手術をしていない右眼の近視に合わせたとのことですね。
 手術の前に執刀医の先生ともご相談されたこととは思いますが、片方の目だけの手術の場合は、手術していない方の度数に合わせないと、手術後、不同視という状態が生じて、問題になってしまうことがあります。左右の度数に差がありすぎますと、くらくらする、見えにくい、両方の目で物をしっかり見ることができない、具合が悪くなるなどの症状が出てしまうことがあります。それを予防するためには、手術をしていない目の度数に合わせる必要があります。
 元々の近視の度数がどれ位であったかが、分かりませんので断定的なことは申せませんが、近視の強いかたに、「裸眼で家の中が生活できる」くらいの度数にしてしまうと、近視のかたは近くが見えることに慣れているために、あまり芳しくないという結果になることもあります。そのようなことを勘案されて、術後の度数を選択したのではないかと想像します。
 後発白内障の手術に関しましては、通常の白内障手術のように手術場で行うものではなく、外来でレーザー光線による治療になります。この治療は時間もあまりかかりませんし、合併症もあまり生じない安全な治療です。後発白内障で、手術後の見え方よりも悪くなっていることが自覚されるのであれば、後発白内障レーザー治療は、受けた方がよろしいのではないかと思います。
 あくまでも、診察をしていない上での一般的な回答として参考にしていただき、一番大切なことは、主治医の先生と、よくお話をされて、十分納得されてから判断することではないかと思います。
 メール相談では、お答えに限界があることをご了承下さい。どうぞお大事になさってください。
 

2015年11月25日 グラフ旭川12月号
「強度近視まぶしい」
 

(Q) 67才母の症状について御質問させていただきます。
 もともと強度近視があり近医に長年通院しています。半年前に急にかすみ目・まぶしさが生じ、受診したところ、「まぶしいこと自体は病気ではない」と診断されました。眼圧を測定したところ、高くなっており、緑内障検査をしたところ、緑内障ではないとのことでした。定期的に眼圧は今まで測定していましたが、ぎりぎり正常値内で経過していました。
 緑内障点眼液を開始するも眼圧は低下どころか上昇しており、現在26前後で推移しています。まぶしさがひどく、屋外では天気の良い日には人が二重にみえたりするため外出もできない状況です。屋内ではまぶしいということはありません。
 このまま眼圧が下がる治療を継続する以外に他に治療はないのでしょうか。また眼圧低下にともないこれらの症状が改善することは期待できるのでしょうか。
 宜しくお願い致します。
 
(A)ご連絡有難うございます。
 半年前に急にかすみ目・まぶしさが生じたとのことですが、この時には、緑内障ではないとのことですので、かすみ目・まぶしさは、他に原因があるのかもしれません。
 強度近視の方は、そうでない方より、白内障が早く進むことがあります。白内障が進むと、かすみ目・まぶしさが生じることがありますが、主治医の先生は、どのように仰っているのでしょうか。屋外では天気の良い日には人が二重にみえたりするという症状も、白内障の時に、生じる可能性があります。
 もちろん、眼圧が上がっていることは問題ですので、眼圧を下げる治療は必要だと思いますが、お話からは緑内障ではなく、高眼圧症として点眼薬を処方されているものと思われます。症状の原因は、眼圧が高いことではないように思います。
 診察をしておりませんので、断定的なことを申し上げられませんので、あまりお役に立つお答えではないのではないかと思いす。現状を、主治医の先生とよく相談されることがよいのではないかと感じました。どうぞ参考になさってください。


2015年10月26日 グラフ旭川11月号
「白内障術後の油性の涙」
 

(Q) 遠く離れた愛知県からメールを送信します。白内障の手術執刀医院に訴えてもコメントすらありませんので、以下の症状についてお尋ねします。
 白内障と後発白内障の手術とを受けています。最初の白内障の術後、メガネが非常に油っぽいのか読書をしていて1時間もすると、油性の白い膜がメガネに付着し、本が大変読み辛くなります。メガネ拭きの布で拭いても取れません。
 油性の涙は両眼ですが、左眼は油性がきつくないためか、運転中に涙がひっきりなしに出て、左目はうるんで道路標識も見づらくなります。
 どのような原因でこうなるのか、またその治療法はあるのか、教えていただければ幸甚です。
 
(Q)ご連絡有難うございます。白内障の手術後に油性の涙が気になるとのことですね。
 涙が多い現象のことを「流涙症」と言います。涙は常に涙腺で作られ、角膜の表面を濡らし、瞼の分泌腺からの脂成分と混ざり合うことにより、涙膜を形成します。
 瞬きとともに、鼻側に流れていき、目頭にある涙点から涙小管を経由して涙嚢、鼻涙管と排出されます。この一連の涙の流れを涙道といいますが、涙道が狭くなっていたり(狭窄)、涙道につまりがある(閉塞)場合に、流涙症が生じます。
 また、涙道の通過に異常がない場合でも、吸い込みの力が弱くなることによって、流涙症が起きることがあります。
 流涙症の原因がどこにあるのかを主治医の先生に調べていただいては如何でしょうか。もうすでに調べていて、涙道の通過障害がない場合は、脂成分を分泌するマイボーム腺の働きに問題があるのかもしれません。主治医の先生に、ご相談してください。
 メール相談では、実際に診察をしている訳ではありませんので、満足いくお返事ではないかもしれませんが、メール相談には、限界があることもご理解下さい。どうぞ参考になさってください。


2015年9月25日 グラフ旭川10月号
「頭痛・目の不調」
 

(Q)初めまして。
 年齢は25歳、事務職で1日4.5時間、伝票処理にてパソコンに向かって仕事をしております。数年前から頭痛や目の不調に悩まされており、今回今野先生のサイトを見つけご相談いたしました。
 今の仕事に就くまで、視力は2.0と1.5。当時は7時間勤務で、一年後には眼鏡が必要な視力まで低下。眼科を受診し、眼鏡を作りましたが、眼鏡を掛けると眩しいような目眩のするような何とも言えない日々が続きました。しかし、段々と頭痛、吐き気、目眩、パソコンの画面が歪む、伝票等の数字を見ていると目が回るような気持ちの悪さ、しまいには眼鏡を掛けている事さえが苦痛で仕方のない日が続き、眼科を受診しました。
 そこでは、眼底検査等やドライアイ検査をしましたが、特に異常が無く、ビタミン剤やピントを合わせる目薬を処方して貰い様子を見るようにと。だが、目薬をさした所で症状は改善されず。視力が下がってきた事もあり、眼鏡を変えてみたりしましたが、頭痛や吐き気は悪くなる一方です。
 他の眼科も2ヶ所受診しましたが、結果はどこも同じで疲れ目。目薬を出しておきますね。で、終わりです。最終、『頭痛等は全てが目の問題ではない』と言われ、脳神経外科でMRIを撮りましたが異常は無く、『精神的な物でしょう』との診断でした。確かに私は不安障害という病気と、逆流性食道炎を患っております。しかし、眼鏡を掛けるまでは頭痛や目眩等、こんなに辛い症状はありませんでした。これは目の病気なのでしょうか?それとも精神的な物なのでしょうか?
 是非、今野先生のご意見が聞きたく、メールさせて頂きました。お忙しいとは思いますが、ご返答いただけたらと思います。
 
(Q)ご連絡有難うございます。
 事務職の仕事を始めてから、頭痛、目の不調があり、眼鏡をかけても、症状が緩和されず、疲れ目の点眼液も効果が少ないとのことで、ご心痛のほど、お察し申し上げます。パソコン仕事の場合、ドライアイの症状が出て来ることがあります。涙の量は少なくなくても、瞬きの回数の減少と相まって、涙の表面からの蒸発量が増えたり、涙の表面の膜が不安定になる場合もございます。
 検査をしてみませんと、現在の視力、屈折度などわかりませんので、一度、受診していただきたいと思います。御都合のよろしい時に予約を入れますので、一度受診してください。
 視力検査、眼圧検査、ドライアイ検査の後、瞳を拡げて目の中を調べる精密眼底検査もしてみます。瞳が大きくなりますと、近くが見えにくくなったり、まぶしく感じたりしますので、4.5時間は運転をさけていただきたいと思いますので、ご自分では運転しないでご来院をお願いします。
 予約を入れることができますので、御都合の良い日時をお知らせください。宜しくお願い致します。どうぞ参考になさってください。


2015年8月25日 グラフ旭川9月号 
「47歳初めてのCL」
 

(Q)初めてメールさせて頂きます。
 そちらには、まだ受診したことがないのですが、HP で「こんの優眼科クリニック」をみて投稿してみました。
 私は47才/男/近視と乱視と老眼があるようです。眼鏡も時折邪魔に感じ、最近コンタクトレンズを考えています。色々ネットでも価格がありますが、どの様に選んだらいいのか? コンタクトレンズの予算はどの位の物になるのか(メーカー選びも)不安です。乱視用の値段と老眼用のレンズはいくら位になりますか? コンタクトレンズをそちらで作るなら何日位かかるか教えて下さい。
 お忙しい中、申し訳ございませんが宜しくお願い致します。
 
(A) ご連絡有難うございます。コンタクトレンズを初めてご希望とのことですね。
 47歳とのことですので、おっしゃるように老眼もあると思われます。コンタクトレンズには、ハードレンズとソフトレンズがありますが、乱視の度数が強い場合には、乱視用のソフトレンズでは視力がでないことがあります。その場合には、ハードレンズになります。
 老眼に関しましては、遠近両用のコンタクトレンズもございます。ハードレンズ、ソフトレンズともに遠近両用がありますが、乱視用のソフトレンズには遠近両用がございません。
 まずは、検査を受けていただいてコンタクトレンズのタイプを相談させていただく必要があると思います。ほかの病気がないかを確認する検査もうけていただきたいので、最初の受診の日には、眼底検査になります。視力検査、眼圧検査の後、瞳を拡げて目の中を調べる精密眼底検査が必要になります。瞳が大きくなりますと、近くが見えにくくなったり、まぶしく感じたりしますので、4.5時間は運転をさけていただきたいと思いますので、ご自分では運転しないでご来院をお願いします。
 御都合のよろしい日がありましたら、予約をいれますので、ご連絡をお願い致します。最初の受診で、コンタクトレンズの使用に問題がなければ、2度目の受診の時に、コンタクトレンズのはめはずしの練習に来ていただくことになります。どうぞ参考になさってください。


2015年7月25日 グラフ旭川8月号 
「弱視と眼瞼下垂手術」
 

(Q)小4の娘なんですが軽度の知的障害で、小学校に入学する前の健康診断の視力検査の時、開いている穴の方向を指で示すことが出来なくて、眼科で視力検査をするようにいわれ、総合病院内の眼科に行きました。やはり正確な開いている穴の位置を示すことがあまり出来なかったので、定期的に通って視力検査をすることになり、今から3年くらい前に弱視だということもわかり、眼鏡をかけはじめました。
 眼鏡をかけた状態で視力は0.5~0.6くらいで眼底検査も1年に一度していますが、異常はありませんが、瞼の筋肉があまりなくて目を大きく見開くことが出来なくて、1年くらい前から手術をしたら視力も少しは良くなるかもといわれましたが、私も娘も手術はしたくないので眼鏡でなんとか出来るのでしたら眼鏡でお願いしたいといっていたのですが、今日受診日でまた手術の話をされて、しかも私に手術しか方法がないといわれたらどうするのかとまで聞かれ、なんだか手術を強制されている感じでした。娘は泣くし私も答えに困るしで、とりあえずは眼鏡でということにはなりましたが、眼鏡も3年たってるから買い替えないとダメだといわれ、また来週受診することになりました。
 娘は手術の話をされはじめてから、この病院に通いたくないといってはいたのですが、今回は絶対にもう二度とこの眼科には行きたくないと泣いていました。看護婦さんは若い方が多くて優しいのですが、どの医者とも私も娘も合わなくて私も違う病院に変えたいと思っているのですが、今通っている病院に何もいわずに違う病院に行っても大丈夫なんでしょうか?
 とにかく手術だけは絶対にさけたいです。弱視についても全くわからないので教えてほしいです。よろしくお願い致します。
 
(A)ご連絡有難うございます。
 文面からは、弱視で眼鏡をかけているとのことですが、眼瞼下垂もあり、手術により視力回復が見込まれるので手術を考えてみてはどうでしょうか、と現在の主治医の先生に言われているとのことですね。
 弱視の原因が、屈折異常だけによるものでしたら、眼鏡の装用によって、視力が回復してくることが多いと思います。
 しかし、弱視の原因として、眼瞼下垂の関与も考えられる場合は、手術によって視力向上の可能性があります。
 現在、通院されている病院で手術を勧められているとのことですが、他の病院の意見を聞くということは、良いことだと思います。屈折度数の検査など、もう一度新たにすることになると思います。現在、通院している病院に紹介状を頼みにくいのであれば、紹介状なしで、受診してもよいのではないかと思います。
 「とにかく手術だけは絶対にさけたいです」とおっしゃられていますが、もう一つの病院でも、手術が必要と判断された際には、前向きに手術のことも考えていただきたいと思います。
 診察をしているわけではございませんので、一般的なお答えになりますが、どうぞ参考になさって下さい。お大事になさって下さい。


2015年6月25日 グラフ旭川7月号 
「緑内障のセカンドオピニオン」
 

(Q)初めまして。ホームページを見て、メールでご相談できると知りました。よろしくお願します。
 2ヵ月前に人間ドックを受け、緑内障の疑いがあると診断され、先月に検査をし、両目ともに中央付近が視野が欠けている部分と視神経が薄くなっている部分が一致していて、眼圧が12から13なので、ほぼ間違いなく緑内障と言われました。先月の末から、タプロスと言う薬で治療を始めました。
 まだ、視野が欠けていて、不自由なことはありませんが、使っている薬に多少副作用があると書いてあるので、職場の上司、同僚にお話したところ、怖い病気なので、眼科専門の病院へ行くべきだと言われました。緑内障の診断は難しいとも言われているようで、1つの病院ではなく、他の先生の見解も聞くべきと書いてある本もあります。
 お世話になっている病院の先生を信頼していない訳ではありませんが、他の先生の見解も聞きたいとも思っています。
 先生のご意見をお聞かせください。よろしくお願いいたします。
 
(A)ご連絡有難うございます。緑内障と診断され、点眼治療を開始されたとのことですね。
 当方でよろしければ、再検査を受けにいらして下さい。一度目は、視力検査、眼圧検査の後、瞳を拡げる目薬を入れて、眼底検査になります。ご自分で運転せずに来院していただきたいと思います。その時に光干渉断層検査を行いまして、緑内障のために網膜神経線維層がどれくらい薄くなっているかの評価をします。
 二度目の来院時に視野検査になります。御都合のよろしい日時がありましたら、予約を入れますので、ご連絡をお願いします。
 タプロス点眼薬の副作用は、目からこぼれた目薬が瞼や睫毛につくことによって、睫毛が太く濃くなったり、瞼に産毛が生えて来る、瞼に色素沈着が生じて瞼が黒くなってくるというものがあります。目薬をさした後に、目のまわりを洗うことによって、副作用をかなり抑えることができます。私は夜にお風呂に入る直前に目薬をさすことをお勧めしています。どうぞ参考になさってください。


2015年5月25日 グラフ旭川6月号 
「高眼圧症のセカンドオピニオン」
 

(Q)献身的なご活動に敬意を表すると共にご助言を頂きたく、相談させて頂きます
【質問趣旨】
 緑内障につき、セカンドオピニオンとして別の眼科を受診した方が良いのか?
【経緯】
 人間ドックを毎年受けて居りますが、「左視神経乳頭陥凹拡大」で要精密検査となりました。人間ドックを受けた病院では眼底検査は受けられないので、はじめから眼科で眼底写真を撮り、上記所見もこの眼科からのものでしたので、同日、精密検査もこの眼科で受けました。左目の眼圧は21か22で、右目はこの所見で頭が真っ白だったので失礼ながら覚えて居りません。視力検査、眼圧測定、眼底写真、眼底検査、視野検査をしました。視野検査はハンフリーで、マリオット暗点以外、灰色部分はあったかも知れませんが黒い部分はありませんでした。半年後にもう一度精密検査をということで目薬は処方されず、経過観察ということになりました。隅角は開放型とのことでした。
 半年後の結果は、近視による視神経乳頭陥凹拡大じゃないかみたいなことを言われ、緑内障予備軍で「いつかなるかもだし、ずっとならないかもで、半年前と比べて視野検査に変化なし」なので、OCTも赤い所があって不安でしたが「一年後にまた再検査に来て下さい」とのことでした。「3~4年後でも本当は良いと思ってるけど念の為に一年後の方がこちらもあなたも安心出来るので」とのことでした。
 セカンドオピニオンとして他の眼科も受診した方が良いのでしょうか?尚、現在診察して下さって居る先生は眼科専門医です。
 ご回答頂けるのであれば幸いです。
 
(A)ご連絡有難うございます。人間ドックで視神経乳頭陥凹拡大を指摘され、眼科での精密検査で現時点では緑内障変化はないと診断され、経過観察を指示されているとのことですね。
 現在の主治医の先生の一年後の再検査の指示とのことですが、もちろん、検査結果・視神経乳頭所見を診ている訳ではありませんので、あくまでも一般的なこととして、申し上げますが、眼圧、眼底、視野検査の結果から無治療で経過観察することはよくあることです。
 緑内障の確定診断には、経過を追って時間軸も鑑みながら行うことが重要になって来ます。ただし、ご本人が心配であるならば、他の先生の意見をうかがうためにセカンドオピニオンを求めることは悪くないと思います。
 もう一つの病院の先生の意見が同じであれば、安心感が得られると思いますので、セカンドオピニオンとして他の眼科を受診してみることをお勧めします。どうぞ参考になさってください。お大事になさってください。


2015年4月24日 グラフ旭川5月号 
「黄斑円孔」
 

(Q)富良野に住む私の74歳になります母が[おうはんえんこう]を患い地元の病院にかかりました所、診てくれる先生によって診断結果が違うようで、今後どのように病気と向き合えば良いものかと同行した父と共に途方に暮れております。
 又、更に悪いことに患っているのは左目なんですが右目の視力が非常に落ちていて殆どぼやけて見えなくなってしまっているようで。体力的に強くない母なので手術等、体に負担がかかるものは避けたいと父母共に考えているようなんですが。
 どこかに良い病院はないかしらと今回検索し、こちらに辿り着いた次第です。アドバイス頂けましたら大変幸いです。どうかよろしくお願いいたします。ご教示宜しくお願いいたします。
 
(A)ご連絡有難うございます。お母様が黄斑円孔と診断されたとのことでご心痛のことと拝察いたします。
 物を見る神経の膜を網膜といいますが、視力を司っている部分は網膜の中心部の黄斑と呼ばれる場所です。黄斑に病気が生じますと、見ようとしたところが良く見えない、かすんで見える、真ん中が暗く見える、ゆがんで見える、というような症状が出て来ます。普段は両方の目で同時に物を見ていますので、片方の目の黄斑に病気が起きても、良い方の目で補ってしまいますので、病気に気がつかないこともあります。黄斑円孔とは、黄斑に丸い穴が開いてしまう病気です。以前は、黄斑円孔は治らない病気として経過観察するのみでしたが、20年ほど前に手術をすることによって治る病気になりました。残念ながら、現代の医学では手術以外には治す方法はございません。
 富良野から1時間ほどの旭川に医大があり(私の出身校ですが)、旭川医大眼科は、黄斑円孔の手術実績に優れています。手術の後、数日うつむきの姿勢を維持していただく必要はありますが、それほど、身体の負担にはならないのではないかと思います。また、右目の視力も落ちているとのことですが、その点も合わせて、旭川医大での精密検査をうけていただけたらと思います。
 現在、通院している富良野の病院の先生に旭川医大への紹介状をお願いしてみてください。どうぞ参考になさってください。


2015年3月26日 グラフ旭川4月号 
「閃輝暗点」
 

(Q)はじめまして。香川県に住むものです。お忙しいなか恐縮です。ご教示いただけたら助かります。70歳になる母親の件です。
 先日、庭掃除中に、右目に異常を感じたようで、話を聞くと、右視覚野に稲光が発光しているような模様が出現したとのこと。これは私も経験があり閃輝暗点(せんきあんてん)だと思いました。話を聞いていたら、母親と口論になり話の途中で再び閃輝暗点の状態に。40分程経て元に戻りました。ただ、その後発生されるかもの頭痛は無し。閃輝暗点では無いかもしれない、私の経験で素人判断しました。
 話を続けます。その閃輝暗点らしき症状に右目がなった日の夜、母親は寝付けず、夜中トイレに起き、午前3時から寝ておらず体調不良であり睡眠不足を訴えていました。その日昼13時に、屋根の落葉を取っていたら今度は左目が閃輝暗点状態ではなく、まず涙が左目だけに出て異常を感じ、左目の視覚野外輪が灰色がかった楕円形になり、視野が狭くなる(視野狭窄の際、まわりが黒色の方はいますが、視野がたまご型になり、たまご型の外輪から外は灰色もしくはそれに近いフィルター 膜のようなものに視覚野を邪魔される)状態になりました。頭痛はありませんでした。
 しかしながら、視覚野下部は陽炎状とのことでした。連日、目の症状を訴えたため、脳神経外科を受診しました。発症から二時間は経過していましたか。本来MRIですがCT撮影を体調から選択。見る限り視覚神経や後頭葉に異常は無し。出血、大きな腫瘍も無し。後日体調の案配でMRIを撮りますが、これは急性の症状ですが、全くわかりません。考えうる症状をご教示いただけたら助かります。
 母親は20年来、ベンゾジアゼピンを服用しています。私も服用しているので、陽炎状の閃輝暗点様のも経験がありますが、私とは全く異なります。また心臓弁膜症で血圧降下剤を服用しています。血圧はたちまち問題はなく、降下剤も最小量。先程起床したので聞きましたが、まだ左目の違和感、異常はあるようです。ご教示宜しくお願いいたします。
 
(A)ご連絡有難うございます。
 お話からは、片頭痛を伴わない閃輝暗点のように思います。閃輝暗点の場合、それが片頭痛の前駆症状である場合もありますが、閃輝暗点のみで片頭痛を伴わないこともあります。脳神経外科にて、異常はなかったとのことですので、まずは、一安心と思いますが、一度、お近くの眼科を受診していただくのが、よろしいのではないかと思います。
 左目の時には涙が出て違和感もあるとのことですので、眼科的疾患がないことを眼科で精密検査を受けていただくのが安心だと思います。視力検査、眼圧検査をした後に、眼底検査もすることになると思いますので、ご自分では運転せずに受診していただきたいと思います。どうぞ、お大事になさってください。


 
2015年2月25日 グラフ旭川3月号 
「イベント時のみのCL」
 

(Q)初めまして。今度ワンデータイプのコンタクトレンズを検討しております。
 初めてコンタクトを使用したのは平成3年頃でハードレンズでした。その後平成8年頃にソフトレンズに替えて使用していましたが、平成12年頃にオルソケラトロジーの存在を知って、色々探して札幌の眼科で購入しました。5年ほど使用していたのですが、装着後の見え方があまり良くなくなってきて徐々に使用したりしなかったりになって平成20年ごろからは全く使用していませんでした。それでも裸眼で0.5~0.6ぐらいの視力は残りましたので、その後はメガネもコンタクトも使用せずに生活していました。
 ある時とあるコンサートに行ってあまりにも遠くが見えずにショックだったので、再びオルソケラトロジーのレンズを使用してみました。一応視力は上がりましたが、遠くがしっかりと見えるとういうほどは視力を得られませんでした。
 そこで、今度また同様のどうしても1日2日視力を得たいときにコンタクトレンズはどうなんだろうと思うようになり、使い捨てのワンデータイプなら装着感も悪くないし視力も得られるかもしれないと考えました。
 しかし、そのようなイベントがある時以外は裸眼で生活することを考えていますので、そのようなピンポイントの使い方は問題ないのでしょうか?問題がないのであれば、貴院を受診してコンタクトレンズを処方していただこうかと思っております。また、費用的にはどれぐらいのものになるのかも概算で結構ですので教えていただけますでしょうか。
 お忙しいとは思いますが、よろしくお願いします。
 
(A)ご連絡有難うございます。
 イベントのときだけ、ワンデーを使うという使い方は問題ないかと思います。ワンデーレンズは片目1ヵ月分30枚入りで2700円です。
 初めての受診になりますので、視力検査、眼圧検査、角膜内皮細胞検査の後、目薬を入れて眼底検査も受けていただきたいと思います。各検査に問題がなければ、次回にコンタクトレンズ合わせになります。
 一度目の受診は、瞳を拡げますので、ご自分では運転しないで受診していただきたいと思います。御都合のよろしい日がありましたら予約を入れますので、ご連絡下さい。どうぞ参考になさってください。


2015年1月26日 グラフ旭川2月号 
「CLと老眼」
 

(Q)乱視と近視が有ります。ワンデータイプのコンタクトで-6.50の物を処方されました。
 遠くは良く見えるのですが、近くがボヤけて見えます。年齢も44歳のため老眼かとも思いましたが、眼鏡だと近くも見えます。眼鏡には乱視矯正も入っています。
 コンタクトの度数を落としたり、乱視用にする事で手元も見やすくなるのでしょうか?コンタクトは、スポーツ用に作ったのですが、出来れば普段から使いたいと思っています。何か良い方法はないでしょうか?近くに眼科がないためなかなか通院できずにいます。よろしくお願いします。
 
(A) ご連絡有難うございます。
 コンタクトレンズで近くがボヤけて見え、眼鏡では近くも見えるとのことですが、それが乱視矯正のある、なしで、説明できるかは断言できません。
 44歳とのことですので、遠くを良く見えるようにすると、近くにピントを合わせるのが大変になってくる、いわゆる老眼になっていることは大いにあり得ることだと思います。
 コンタクトレンズを普段から使いたいとのことですが、年齢から考えますと、遠近両用コンタクトレンズも、考えた方がよろしいかと思います。しかしながら、乱視用の遠近両用ソフトコンタクトレンズはありませんので、乱視なしでの遠近両用で、遠くと、近くの見え方が満足いくものか、試してみなければならないかと思います。
 やはり、一度、眼科での検査を受けていただきたいと思います。コンタクトレンズの度数、眼鏡の度数とご自分の屈折度があっているか、検査が必要だと思います。どうぞ参考になさってください。


  2014年12月25日 グラフ旭川1月号 
「発達緑内障」
 

(Q)はじめまして。
 私は東京都内在住の大学生で、発達緑内障の治療を受けています。インターネットで治療のことを調べているうち、先生がメール相談をしておられることを知り、ご相談したくメールいたしました。
 通常の治療は点眼(ルミガン、アイファガン、アゾルガ)のみなのですが、現在眼圧が高い状態が続いており(一度点滴で下げましたがまた30を超えました)、ダイアモックスを服用しています。2年程前にも同じような状態で手術を受けたのですが、見えづらい状態がしばらく続いた上、数年でこのような状態に戻ってしまうことを考えると、学業に支障が出ることからも、あまり手術はしたくないと思っています。ダイアモックスを長期間服用すると結石ができるなどの副作用があるのは聞いていますが、本当に飲み続けることはできないのでしょうか。30代前半の発達緑内障の知人で、何度か手術をしてそれでも眼圧が上がり、しかし残りの視力・視野があまりに狭いことから、再手術は難しいと言われている方がいます。その方はもうダイアモックスで下げるしかないと言うことで、飲み続けることにしたそうなのですが…。
 突然の長文で申し訳ありません。お忙しい中恐縮ですが、ご助言いただけましたらさいわいです。よろしくお願いいたします。
 
(A) ご連絡有難うございます。発達緑内障の手術後に眼圧が上がっているとのことで、ご心痛のこととお察しします。
 現在、3種類の点眼でも眼圧が高く、ダイアモックスを服用しているとのことですね。
 点眼で、眼圧が下がらない場合、点滴、内服を追加処方する場合がありますが、ご存知のように副作用がありますので、長期の内服はお勧めはできません。点眼薬も3種類していますので(一つは合剤ですので4種類になりますが)、現時点では最大限の点眼をしていることになります。
 もうすぐ、新しい作用の点眼薬が発売されますので、その点眼薬の追加投与が考えられるのではないかと思います。グラナテックという点眼薬ですが、主治医の先生と相談してください。
 それでも、眼圧が下がらない場合は、年齢が若いこともありますので、長い将来にわたる視機能の維持という点から考えますと、再手術ということも、考えなければならないのではないかと思います。
 現在の視力、視野、神経線維層の厚みなど把握した上での判断ではありませんので、どうぞ、主治医の先生とよく相談なさって下さい。お大事になさって下さい。

 

2014年11月25日 グラフ旭川12月号 
「外傷と飛蚊症」
 

(Q)はじめまして。十八歳の女です。
 昨日家族と寝ていたら、母の腕が私の目に当たってしまいました。
 目は閉じていたのですがぶつけた瞬間鈍い痛みが起き、ほんの少しの間それが続き、今は多分酷くなってないと思いたいのですが、飛蚊症なので悪化しないかと不安で、酷くなった気がして自分の事なのに本当の状態が分かりません。
 ちゃんと病院に行った方がいいのでしょうか?
 
(A) ご連絡有難うございます。
 目をぶつけたということですので、念のために眼底検査を受けた方がよろしいかと思います。
 飛蚊症が増えたかどうかは、なかなかご自分では分からないかと思いますが、目の中に病気が起きていないか調べることが大切だと思います。まずは診察を受けて、何ともなければ安心出来ると思います。
 検査は、視力検査、眼圧検査のあとに、瞳を拡げて目の中の網膜の状態を詳しく調べる眼底検査が必要です。瞳を拡げる目薬を入れますと、4.5時間はまぶしくなってしまいますので、ご自分では運転をしないで、受診してください。どうぞ参考になさってください。


2014年10月25日 グラフ旭川11月号 
「加齢黄斑変性」
 

(Q)はじめまして。インターネットで眼科のメール相談をされていることを知りまして、ご相談をさせていただきたいと思い、メールさせていただきました。
 患者は、私の義理の父で76歳になるロシア人です。昨年9月より、急な視力低下がはじまり、ものがかすんでよく見えなくなりました。モスクワ在住ですが、こちらで病院に通い、加齢黄斑変性の診断を受け、過去6ヶ月で5回の注射による処置(Ranibizumabという薬だと思います)をしてもらいましたが、改善がみられず、現在、右の目では、視界の真ん中に黒い影ができて、悪化したようだとのことです。
 こちらのお医者様には、ロシアでの治療はこれ以上難しいと言われており、日本のお医者様にセカンドオピニオンをいただけないものか、と考えております。
 治療によって改善すれば、これ以上のことはありませんが、インターネットに掲載されている情報から得られたところでは、回復は見込めないが、現状悪化を防ぐあるいは遅らせることはできる、という感じなのだろうか、という印象を持っております。専門家の意見が伺えますと、幸いです。
 長文で恐縮でございます。お忙しい中、恐れ入りますが、アドバイスをいただきますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
 
(A) ご連絡有難うございます。
 加齢黄斑変性にてご心痛のこと拝察致します。Ranibizumabにて過去6ヶ月で5回の注射による治療を受けているとのことですので、診察をしているわけではありませんので、断言はできませんが、現時点で考えられる最良の治療ではないかと思います。日本でも現在はRanibizumabなどの抗VEGF抗体の硝子体注射が加齢黄斑変性の治療の主流になっています。
 加齢黄斑変性は、ものを見るために重要な働きをしている網膜の中心部分、黄斑と呼ばれる部位に、新生血管が生じることによって、腫れや出血を引き起こす病気です。黄斑部には、視神経細胞が密集していますので、腫れや出血によって、歪みや暗点、視力低下を自覚することになります。以前は、レーザー治療なども行われていましたが、現時点では抗VEGF抗体の硝子体注射が第一選択とされています。
 抗VEGF抗体の硝子体注射によって、視力回復が得られる場合もありますが、病勢によっては、悪化を食い止めるのが精一杯ということもあります。左の目の経過観察も重要になってきますので、定期検診の継続をお願いします。どうぞお大事になさって下さい。


2014年9月26日 グラフ旭川10月号 
「網膜静脈分枝閉塞症黄斑浮腫」

 
(Q)はじめまして、静岡県浜松市在住のものです。
 64才、男性。眼底出血して3か月経過。現在は出血なし。
 網膜の腫れに伴う視野のかすみ、ゆがみ、視力低下(1.2から徐々に0.3程度にまで)。この間の治療は内服薬のみです。
 レーザー治療等は有効でしょうか。医師からは特に今後の治療方針等は伺っておりません。このまま内服薬だけでの対応でよろしいかどうか、心配です。アドバイスいただけましたら幸いです。
※病名は「左目網膜静脈分枝閉塞症」と診断されております。
※出血はないが、吸収もなしとの説明。
 
(A) ご連絡有難うございます。
 網膜静脈分枝閉塞症に伴う黄斑浮腫ということだと思います。黄斑部は、網膜の中心部分で視力を司る部分です。網膜静脈分枝閉塞症には黄斑浮腫を伴う場合があり、その際に視野のかすみ、ゆがみ、視力低下という症状を来します。
 以前は、レーザー治療が黄斑浮腫に対する唯一の治療でしたが、現在は、薬物の硝子体内注射という治療が効果的と考えられています。全ての眼科で、薬物の硝子体内注射治療を行っているわけではありませんので、まずは、主治医の先生に今後の方針について相談してみるのがよろしいのではないかと思います。
 主治医の先生が薬物の硝子体内注射治療を行っていない時には、実施出来る施設への紹介をしてくれるのではないかと思います。主治医の先生と良く相談なさってください。どうぞ参考になさってください。


2014年8月25日 グラフ旭川9月号 
「連載100回」
 

 平成18年6月号から「目ディカル相談室 目に優しいお話」のコーナーを担当させていただき、今回で丁度100回目を迎えることができました。グラフ旭川編集室の皆さま、そしてグラフ旭川愛読者の皆さまのおかげです。この場をお借りして感謝申し上げます。
 折角の連載100回の記念ですので、今までの「目ディカル相談室」を振り返ってみたいと思います。第1回は、連載開始のご挨拶をさせていただきました。第16回と73回は「目の健康講座」、89回は「緑内障無料検診」の告知をしましたので、95の質問と回答を掲載していただきました。
 
小児眼科:「3歳児検診」「高校生の弱視」「1歳の内斜視」「ワニの涙現象」「5ヵ月の内斜視」「間歇性外斜視」「下眼瞼睫毛内反」「先天鼻涙管閉塞手術の時期」「7歳の遠視」「中学1年片目の視力低下」「眼振の眼鏡あわせ」「調節性内斜視の複視」「子どもの視神経異常」「2歳8ヵ月の斜視」「学校検診で外斜視疑い」
近視:「近視は治りますか?」「近視の進行」「近視の眼鏡のかけはずし」「レーシック」「近視の進行」「部屋の照明と近視の進行」「レーシック長期安全性」
白内障:「日帰り手術」「緑内障術後の白内障手術」「角膜内皮細胞減少の白内障手術」「先天白内障37歳」「アトピー白内障40歳」「82歳白内障手術」「虚血性視神経症白内障手術」
緑内障:「緑内障検査」「視野欠損」「ホームトノメーター」「転院希望」「視神経乳頭陥凹」「点眼治療」「点眼の副作用」「緑内障の疑い」「高眼圧症」
眼底疾患:「眼底出血」「網膜静脈分枝閉塞症」「ぶどう膜炎」「傍中心暗点」「原田病」「小視症」「黄斑前膜の手術」「飛蚊症」「歪み」「糖尿病網膜症」「バックル除去手術の可否」「外傷性網膜裂孔」「交通外傷後の飛蚊症」「中心暗点」「イールズ病後の眼精疲労」「網膜裂孔術後閃輝暗点」「網膜中心静脈閉塞症」「網膜剥離の術式」「飛蚊症の運動」「黄斑変性の鑑別」「飛蚊症のレーザー治療」「黄斑浮腫」
コンタクトレンズ:「遠視のCL」「サッカーのCL」「55歳CL再開」「CLの破片」「ハードレンズ紛失更新希望」「中1サッカーのCL」「強度近視のハードレンズ」「ドライアイのCL」「初めてのハードレンズ希望」「ハードとソフトの併用」「スポーツコンタクト」
外眼部疾患:「霰粒腫」「結膜弛緩」「アレルギーによる結膜浮腫」「瞼裂斑」「授乳中の霰粒腫手術」「プール後の洗眼 」「重瞼術後の出血」「ドライアイ」「アデノウイルス結膜炎」「75歳鼻涙管閉塞」「眉毛部外傷後の眼瞼下垂」「角膜穿孔後失明」
神経眼科:「片頭痛」「甲状腺眼症」「目の筋力」「閃輝暗点」「蓄膿症と眼精疲労」「外傷後の斜視」「31歳間歇性外斜視」「群発頭痛」「眼瞼痙攣」「複視」「脳出血後遺症」「緑色に見える」
 過去の記事は、ホームページに掲載していますので、ご興味のある方はご覧下さい。
また連載200回に向けて、コツコツ精進してまいりますので、ご質問のある方は是非送って下さいね。


2014年7月25日 グラフ旭川8月号 
「外斜視の疑い」
 

(Q)はじめまして。私は、小学校一年生の娘をもつ母です。診察についての質問ですが、よろしくお願いいたします。
 小学校一年生の娘が、学校の健診で「外斜視の疑い」と診断されました。
 どの病院に行けば、斜視を治療してもらえるのかわかりません。斜視の治療については、専門的に見てもらえるのでしょうか?
 どこの病院に行けば良いのかわからず困っています。よろしくお願いいたします。
 
(A) ご連絡有難うございます。小学校1年生の娘さんが外斜視の疑いとのことですね。
 外斜視とは、物をみる時に片方の目の視線が外側にずれている状態のことを言います。常に片方の目が外側にずれている恒常性外斜視と、疲れた時、眠たい時、ボーッとしている時などにだけ、片方の目が外側にずれる間歇性外斜視があります。恒常性外斜視の場合は、常に片方の目で物を見ていることになりますので、遠近感や立体感が悪くなっている場合がありますので、治療を要しますが、この場合は、ご家族の方が気がつくことが多いと思います。
 学校検診では、限られた時間の中で検査をしますので、まずは眼科の精密検査が必要になると思います。
 視力検査、屈折検査、眼位検査、眼球運動検査、立体視検査などを行い、目の中に異常がないかも調べる必要がありますので、目薬を入れて眼底検査になると思います。
 これらの検査は、どこの眼科でも受けることが出来ますので、まずはご自宅のお近くの眼科を受診されるのが、よろしいのではないかと思います。眼科学校医の先生の眼科にかかるのも、良いと思います。
 まずは、お近くの眼科を受診して、外斜視があるのかどうか、あるとすれば治療が必要なのかどうか、の判断をしてもらうのが、よろしいのではないかと思います。どうぞ参考になさってください。


 
2014年6月25日 グラフ旭川7月号 
「緑色に見える」
 

(Q)はじめまして。今回、田舎にいる母(73歳)の件で、ご相談申し上げたいことがあり、メールを差し上げました。もしよろしかったら、先生のご意見をお聞かせいただけませんでしょうか?2~3日前から、昼間ウトウトした後に目覚めた際、視界が一面の緑色になり、驚いて、目をパチパチしたり、ギュッとつぶったりすると、元に戻る・・・というようなことがある、と申しております。丁度、緑色一色の画用紙を、目の前に置かれた時のようだと申しておりました。ただ、この症状は、昼間ウトウトした後だけで、朝起きた時や、活動している間は、起こらないそうです。驚いて、近所の眼科で診てもらったところ、眼底・視力ともに異状なしと、言われたそうですが・・・
 母は数年前から緑内障と診断され、トラバタンズを点眼しております。また、白内障も出て来ていて、白い壁や部屋の電灯を見るとまぶしいと申します。何か、視神経に問題でもあるのでしょうか?このままほっておいても大丈夫なものでしょうか?脳神経外科など、他科で診てもらわなくてもいいのでしょうか?(トラバタンズ以外に、気管支喘息のため、シングレア(錠剤)とアドエア(吸入薬)、高血圧のため、アダラートCR20を毎日服用しています。また、3年前には、肺がんの摘出手術を受け、術後2年間はUFT(抗がん剤)を服用しておりましたが、現在は飲んでおりません。少し前から、エーザイの「贅沢ポリフェノール」というサプリメントを飲み始めております。これは、ビタミンE含有加工食品で、一日分でビタミンEが100ミリグラム配合されているものです)
 お手数おかけして恐縮ですが、何卒よろしくお願い申し上げます。
 
(A)ご連絡いただきまして有難うございます。
 緑色に見える症状があるとのことですが、昼間ウトウトした後だけで、朝起きた時や、活動している間は起こらないということからは、視神経などの病気ではないと思います。
 また、近所の眼科で診てもらったところ、眼底・視力ともに異状なしと言われたとのことですので、検査所見上にも問題ないものと考えられます。
 診察をしておりませんので、確定的なことは申し上げられませんが、お話だけからでは、心配ないもののように思います。しかし、ご本人に症状が続いており、ご本人が心配されているようでしたら脳神経外科などの診察をお勧め頂いた方が、安心が得られるのではないかと思います。どうぞ参考になさってください。


2014年5月26日 グラフ旭川6月号 
「2才8か月の外斜視」
 

(Q)はじめまして。ネットで知り、初めてメールさせて頂きます。2歳8ヵ月の子供の事で相談です。物心ついた時からテレビにくっついて見ていて、離してもすぐ近づき、遠くの物を見るときは目を細めます。私自身まだ見たことがないのですが、保育園では何度か寄り目にしてその後両黒目を外側に離すといった行動をするそうです。名前を呼ぶと治るらしいのですが、小児科の先生に相談しても地元の眼科医に相談しても、子供だからよくある事、と言われて終わります。
 つい先日地元の眼科へ行きました。その時は覗いたら気球の見える検査はできたのですが、絵の書いてある紙を見て、自分で答える検査はできず(言葉が遅いのもあり)、目は悪いみたいでメガネが必要だけど、自分で答える視力検査ができないので、3歳にならないと難しいと言われました(先生を見るなり大泣きもしたので)。ちなみに私も目が左右相当悪くメガネかけています。なので、遺伝かな?と言われました。
 このまま3歳まで様子を見るべきか、それとも早急に何らかの検査を受けるべきか、先生のお考えをお聞きしたいと思いました。3歳児健診は今年の9月頃にあると思います。とても長々となってしまい大変申し訳ありません。先生のお時間あるときの返信で構いませんので、ご回答お待ちしております。
 
(A)ご連絡いただきまして有難うございます。
 2歳8ヵ月とのことですが、視力が悪いとご心配とのことですので、検査を受けにきて頂きたいと思います。
 一度検査を受けて、上手くできなかったとのことですが、3歳にならないと、検査ができない場合が多いので、そのこと自体は心配ないと思います。
 お子さんの場合、その日の体調、ご機嫌などで上手く出来ることもありますので、一度、検査に来てみて頂きたいと思います。検査が出来なかったとしても、何度か、検査に通ってもらううちに、病院の雰囲気になれて、検査が出来るようになることもあります。
 当クリニックは予約の方を優先に診察しています。小さいお子さんの場合、落ち着いた雰囲気で検査したほうが良いと思います。御都合の良い日がありましたら、予約をいれてから来て頂きたいと思います。メールでも予約をおとりできますので、御都合の良い日をお知らせください。どうぞ参考になさってください。


2014年4月25日 グラフ旭川5月号 
「視神経の異常」
 

(Q)はじめまして。関東に住んでいるものです。
 実は、先日子供が公園で遊んでいて友達の投げた石が跳ね返り娘の目に直撃しました。すぐに市立病院へ行き検査をしてもらいましたが怪我では異常はありませんでした。しかし、医師に今回の怪我では関係なく眼底に異常がみられたと言われました。診断の結果、眼底から脳につながっている神経が弱いとの事でした。すぐにとは言わないけれど一応東京の大きい病院での精密検査をすすめられました。こんな症例はないとも言われ困惑しております。このような事はあるのでしょうか?
 思い当たることは、10か月の頃に鉄のパイプベットが頭に落ちて、たんこぶがボコボコ出て大泣きした事がありました。また、1歳の頃にも頭から落ちて、瀬戸物のガラスの電気を割るなど(傷はないけど相当に硬い置物)、また、右目の上のおでこを部屋の角にすごい勢いでぶつけて、内出血の大きいたんこぶができたこともありました。
 今になりこの様な後遺症が脳から出ているのと思うと、取り返しのつかない事なのかと思い本当に悩んでします。よろしくお願いします。
 
(A)ご連絡有難うございます。
 「眼底から脳につながっている神経が弱い」とのことですが、このお話だけでは、どのような状況なのかわかりません。可能性としては、先天的な視神経乳頭の形態異常があげられます。
 少なくとも、10ヵ月のころの怪我や、1歳のころの怪我が原因でなったものではないと思います。
 東京の大きい病院での精密検査を勧められたとのことですから、思い悩まずに、精密検査を受けにいってみてください。そこで、疑問に思ったことを、お聞きになってください。メール相談では、お答えに限界があることをご理解ください。納得できるお答えになっていないと思います。申し訳ございません。どうぞ参考になさってください。


2014年3月25日 グラフ旭川4月号 
「内斜視のある方の複視」
 

(Q)はじめまして。気になる症状がありまして、メールをさせていただきました。高校3年女性です。
右目:視力(矯正)0.15 弱視 調節性内斜視 乱視
左目:視力(矯正)1.2 (裸眼)0.7 近視
日常は眼鏡なし
 4ヵ月前に3日間位両目に痛みがあり、その後から暗い所では光が上に伸びて見えることがあり(例えて言うと、テレビの電源のランプの光)、テレビで背景が暗い画面に映る明るい文字は上にもう一つ見えることがありました。最初は時々だったのでしたが、今はこの条件が揃うと症状が出ます。両目で見ている感覚はないので左目だけです。眼鏡をかけても変わりません。たまに、突発性の軽い頭痛や目の痛みはありますが、すぐに治まります。最近は光だけでなく、色が黒めのTシャツにプリントされている明るい文字や柄が同じように見えることがあります。ネットや携帯、紙に書いてある文字は普通に見えます。
 先日、病院に行き主治医に伝え、眼底検査などをしたのですが異常なし。
 日常生活は今のところ何の不自由はないのですが、頼りの左目なので何かあると不安なので相談させていただきました。読みにくいですが、よろしくお願いします。
 
(A)ご連絡有難うございます。
 距離の離れたものを見ると上下に物が2つに見えて近くのものを見るときは何ともないとのことですね。
 ものが2つに見えることを複視といいますが、片方だけの目でみても2つにみえることを単眼性複視、両方の目で見ると2つにみえることを両眼性複視といいます。
 両目で見ている感覚はないとのことですが、常に左目だけで見ている訳ではないのではないかと思います。眼底検査などで、異常はなかったとのことですので、可能性としては、遠見時(遠くを見る時)に、少し上斜視があるのではないかと思います。主治医の先生に眼位検査(斜視の検査)をしていただいたら如何でしょうか。どうぞ参考になさってください。


2014年2月25日 グラフ旭川3月号 
「黄斑浮腫」
 

(Q)私は今、ベトナムに住んでいる30歳の女です。
 2週間前にベトナムのローカル病院で検査しました。ストレスと判断されましたが、自分なりに検査結果の写真でインターネットを見たのですが、どうも黄斑浮腫じゃないのかと思います。
 そのローカル病院で、ビタミン剤とストレス緩和剤と人工涙液の目薬を処方されました。最初は見え方がぼやけるだけでしたが、今は部分的(視界の2/3)に見えないです。処方の薬を飲んで様子見て、1ヶ月後にきて下さいと言われました。
 黄斑浮腫は、自然に治る病気でしょうか。
 自然に治る病気なら良いですが、何も処置しなくて1ヶ月ビタミンやらの処方薬で治るのか心配です。
 最近では、痛みがあり、もう片方の目も少し見え方に異常がでています。
 すみませんが、よろしくお願いします。
 
(A) ご連絡有難うございます。
 30才でストレスと判断されたというお話からは、中心性網脈絡膜症ではないかと考えました。
 黄斑浮腫は糖尿病網膜症、網膜静脈閉塞症、ぶどう膜炎などに続発して起きることがありますが、他の病気がなく、黄斑浮腫が生じることはあまり多くありません。
 しかし、部分的(視界の2/3)に見えないということや、痛みがあり、もう片方の目も少し見え方に異常がでているということは、気になる症状ですので、1ヵ月の予約を待たずに、再検査を受けて、悪くなっていないことを確認して頂きたいと思います。
 メール相談では、診察をしているわけではありませんので、断定的なもの言いはなかなかできません。今一度、検査、診察を受けて、疑問点は質問し、解消して頂きたいと思います。どうぞ参考になさってください。


2014年1月25日 グラフ旭川2月号 
「飛蚊症の治療」
 

(Q)私は60歳・男性です。 
 5年程前から飛蚊症になりましたが、症状は比較的軽かったので特に気にはなりませんでした。
 しかし、先日急に左目に今度は大きな模様が現れました。
 近くの眼科で診てもらったところ、「病的なものではないので、治療は必要ありません。だんだん慣れてきます」と言われましたが、毎日鬱陶しくて仕方がありません。 
 何か症状を軽減できるような処置はないものでしょうか? 
 ネットで調べましたところ、飛蚊症のレーザー治療を行っているところがあり、受けてよろしいものでしょうか?本当に困っています。 
 よろしくお願いいたします。
 
(A) ご連絡有難うございます。飛蚊症で悩まれているとのこと、ご心痛をお察しします。
 飛蚊症を近くの眼科で診察を受け、病的なものではないとのことですので、まずは一安心かと思われます。
 しかしながら、急激に生じた飛蚊症や、悪化した飛蚊症の場合には、眼球の中にある硝子体の加齢性変化にもとなう後部硝子体剥離が生じていることが考えられます。後部硝子体剥離が生じた際には、網膜と硝子体に癒着部分がある場合、飛蚊症を自覚した後に、網膜裂孔を発症することがあります。まずは、しばらくは飛蚊症の症状に悪化がないか経過観察をし、悪化した場合には、眼科を受診していただきたいと思います。
 飛蚊症のレーザー治療に関しましては、保険適応されているものではなく、その安全性がどの程度保証されているものかわかりません。自分や家族に置き換えて考えてみますと、私は受けようとは思いません。どうぞ参考になさってください。


2013年12月25日 グラフ旭川1月号 
「黄斑変性症の鑑別」
 

(Q)今野先生はじめまして。眼のことで悩んでいたところ、当院のサイトを見つけたのでメールさせていただきました。
 要件なのですが、私の母(53歳)が9月ごろから視界にゆがみを感じるようになり、最近になって中心部が暗くなるようになったので眼科を受診すると、加齢性黄斑変性か中心性漿液性脈絡膜症のどちらかではないかと診断されました。
 本当にどちらかを知りたいのであれば、大きい病院などの特定の病院を受診しないといけないと言われたそうなのですが、本当に大学病院などでないと診断できないのでしょうか。
 医院では無理なのか教えてほしいです。
 本当に大変ご迷惑をおかけしますが、ご返答よろしくお願いいたします。
 
(A) ご連絡有難うございます。お母様の歪視症、中心暗点とのこと、ご心痛のこととお察し致します。
 視界に歪みを感じることを歪視症、中心部が暗く見えることを、中心暗点といいます。神経の膜である網膜の中心部分、黄斑と呼ばれる部位に病気が起きている時に生じる可能性のある症状です。
 加齢性黄斑変性か中心性漿液性脈絡膜症のどちらかではないかと診断されたとのことですが、この2つが代表的な病気です。両者とも、黄斑部に水が溜まったようになることがありますので、通常の診察では、鑑別出来ない場合があります。
 中心性漿液性脈絡膜症は、自然に治って来ることの多い病気ですが、加齢性黄斑変性は、悪化してくる場合もあります。
 その鑑別のために、腕の血管から色素を注射して、目の奥の血管の状態を把握する目的で蛍光造影眼底検査が必要になります。当クリニックでも、蛍光造影眼底検査は行っていませんので、お母様と同様の症状がある方の場合は、大学病院や、総合病院の眼科に紹介させて頂いております。
 症状がなかなか改善しない場合には、やはり精密検査(蛍光造影眼底検査)が必要ではないかと考えます。どうぞ参考になさってください

2013年11月25日 グラフ旭川12月号 
「先天眼振の眼鏡合わせ」
 

(Q)メールにて失礼致します。中学生の男の子の母親です。
 産まれてすぐから眼振があり弱視で5才の時から医大の弱視外来に通院していましたが、9才の時に眼鏡を新調して以来 通院していません。小学校の眼科検診では毎年、両目とも0.2~0.3しかありません。
 今回、眼鏡を新調したいと考えているのですが、そちらでも診察が可能か教えて頂きたくメールさせて頂きました。最近、また弱視について調べてみたところ眼振にはプリズム眼鏡がよいが作れるところが少ないと書いてある記述を読みました。
 あと、中学生になりコンタクトレンズにしてあげたほうがよいのかも考えましたが、眼振があると装着が難しいとの記述もあったのでどうしたらよいのか考えてしまいます。
 前に通院していた医大に行ったほうがよいでしょうか? 私も仕事を休んだり、子供も早退させなくては診察時間に間に合わないので、そちらでも対応が可能であれば通院したいのでアドバイスをお願い致します。
 
(A) ご連絡有難うございます。
 私どものところでよろしければ受診してください。視能訓練士も数人おりますので、検査は問題なくできるかと思います。ご都合の付く日に予約を入れますので、メールもしくは電話で予約をお取りになってから、お出でいただけましたら幸いです。
 眼鏡を新調する前に、点眼剤を用いた度数検査を行いたいと思います。一度目の受診の時には、目薬を入れて目の度数、眼底検査もさせていただきます。眼鏡処方は二度目の受診の時になると思います。
 プリズム眼鏡、コンタクトレンズに関しましては、検査の結果をみせていただいてから、ご相談したいと思います。どうぞ参考になさってください。


2013年10月25日 グラフ旭川11月号 
「飛蚊症と運動」
 

(Q)飛蚊症の人は激しい運動をしてはいけないと聞きますが本当でしょうか?今私は縄跳びと水泳をやっているのですがこのままやり続けても大丈夫ですか?
 
(A) ご連絡有難うございます。
 飛蚊症は、病名ではなく症状の名前です。ご自分の視界に、黒い糸状のものや、点状のものが飛んでいるように見える症状を飛蚊症と呼んでいます。飛蚊症は、目の中に入っている生タマゴの白身のようなゼリー状の物質の中にできた濁りの影を見ることによって感じると考えられています。特に明るい日、白い壁や白いノートを見た時に気になることが多いようです。
 飛蚊症で受診される方のほとんどは、心配のないもの(病気ではないもの)なのですが、なかには網膜剥離や網膜剥離の原因となる網膜の穴(網膜裂孔)が見つかる場合や、目の中の出血や、目の中の炎症など病的なものが原因となっている場合もあります。
 目の病気が原因となっている病的飛蚊症の場合は、その病気が悪化しないように安静が必要な場合がありますが、病気が原因ではない生理的飛蚊症の場合は、全く安静を要しません。ですので、飛蚊症の人は…とひとくくりにはお答えするのは難しいと思います。まずは、ご自分の飛蚊症が病気によるものではないことを眼科で診断を受けていただいて、診察をしてもらった先生に運動の可否をご相談ください。
 眼科では、瞳をひろげる目薬を点眼し、30分くらいお待ちいただき、詳しく目の中の端っこまで、見せていただきます。検査自体は少しまぶしいくらいで、痛くない心配のない検査です。ただし検査後も3~4時間瞳がひろがっているため、見づらくなりますので、運転はしないで受診することをお勧めします。どうぞ参考になさってください。


 
2013年9月25日 グラフ旭川10月号 
「第2回緑内障無料検診」
 

 今回の目ディカル相談室 目に優しいお話は、いつもの相談をお休みさせていただきまして、10月6日に全道各地で行われる「第2回緑内障無料検診」のお知らせです。
 北海道眼科医会では、公衆衛生活動の一環として、道民の目の健康に関してより積極的な貢献を目指すために、「第2回緑内障無料検診」を企画致しました。
 緑内障は初期にはほとんど自覚症状がないため、道内においても14-15万人の潜在患者がいると推測されますが、この検診では緑内障の疑いが僅かでもある患者さんの発見を目指します。また、時間的・経済的に眼科医療機関を受診できない人や,眼科受診に無関心な人たちに受診の機会をもってもらうことにより、緑内障の潜在患者を掘り起こすことを目的に行われます。
 第1回緑内障無料検診は、平成21年に行われ、全道で5081名の方が検診を受け、検診後1ヵ月の間に95名を緑内障として、さらに158名を緑内障疑いとして治療、経過観察を開始するという成果が得られました。これらは検診数の約5.0%に相当し、他の眼疾患の診断(疑いを含める)を行った方を合わせると433名(約8.5%)に上りました。
 今回の第2回緑内障無料検診は、前回の検診から4年がたっていることもあり、北海道眼科医会が再度企画したものです。
実施日時:平成25年10月6日(日) 午前9時から12時
検査対象者:40歳以上の道民
実施場所:北海道新聞全道版9月17日と20日に参加医療機関名と住所が掲載されました
  今回の検診は前回と違って、完全予約制です。北海道新聞に掲載されたコールセンターで予約を受け付け、予約票が発行された方のみが検診を受けることができるシステムになりました。今回の検診の予約は9月24日(火)に締め切られています。検診にご興味があっても受けられなかった方には、お知らせが遅くなって申し訳ございませんでした。


2013年8月25日 グラフ旭川9月号 
「脳出血後遺症」
 

(Q)初めまして。
 実家の父の目についての相談があり、メールを送らせて頂きました。
 父が今年の春に皮質下出血を起こし、2週間ほどの入院で退院後の特別な通院もなく退院できました。その際に、右目の視界が少し狭くなっているとのことでした。今現在は自宅療養していますが、最近字を書く機会があり、その際に自身の名前の字が上手く書けなかったり、マークシートのようなものを塗りつぶす時にずれた箇所を塗りつぶしてしまったりするようです。
 このような症状の場合、自宅で何か良くなるリハビリはありますでしょうか。実家の金銭面と、父の病院嫌いがあり、このままでは悪くなっていく一方ではないかと心配しています。
 私は結婚し実家から離れているので、無理やり病院に連れて行く事もできません。何か良い方法やアドバイスを頂けたら幸いです。
 お手数おかけいたしますが、宜しくお願い致します。
 
(A)ご連絡有難うございます。お父様の脳出血の後遺症とのこと、ご心痛のほどお察しします。
 「右目の視界が少し狭くなっているとのこと」ですが、もちろん診察をしていませんので、確定的なことは申せませんが、右側の視野が狭くなっている可能性もあるかと思います。
 目でものを見ていると感じますが、目は光を受け取って、視神経というケーブルを通して情報は脳に届けられます。脳は左右に分かれていますが、左脳は両目の右側の視覚情報を受け取り、右脳は両目の左側の情報を受け取っています。脳出血の後遺症として(もちろん脳出血でダメージを受けた場所によりますが)、左側しか見えない状態になっている可能性も考えられます。
 病院嫌いとのことですが、やはり一度眼科を受診して頂いて、現在の視野の状況を把握する必要があるのではないかと考えます。見えている範囲を知ることによって、日常生活で、どのように目や道具を使うのがいいのか、相談することができるように思います。
 日常生活でお困りなのは、ご本人でしょうから、検査を受けて、何か日常生活を改善する方法が見つかるかもしれないという前向きなお話をしていただいて、眼科を受診していただきたいと思います。どうぞ参考になさってください。


 
2013年7月25日 グラフ旭川8月号 
「網膜剥離」
 

(Q)先生こんにちは。
 現在医学生の者です。
 先日視野にゆがみが出たため眼科に行ったところ網膜剥離と診断され手術をうけることになりました。
 色々と担当の先生から説明をして頂いたのですが、バックリング法がよいのか、硝子体手術の方がよいのかどうしても決めることができません。
 よろしければ先生のご意見を聞かせていただきたいです。
 また後遺症として目のゆがみなとが残ってしまった場合、将来医師免許が交付され医師として働くことはできるのでしょうか。
 お忙しいところ申し訳有りませんがよろしくお願いいたします。
 
(A)ご連絡ありがとうございます。
 網膜剥離とのこと、ご心痛のことと思います。網膜剥離は手術で完治することの出来る病気ですから、前向きな気持ちで、手術を受けていただきたいと思います。
 「バックリング法がよいのか、硝子体手術の方がよいのか」というご質問ですが、一般的な答えは、あまり意味をなさないのではないかと思います。
 後部硝子体剥離のない例は、強膜バックリングの適応と考えます。後部硝子体剥離は加齢とともに、頻度が増えますが、その方の近視の度数によっては、年齢より早く生じることもあります。
 手術を担当する先生は、後部硝子体剥離の有無を把握されていますので、執刀医の先生と良く相談されるのが、よろしいかと思います。
 「後遺症として目のゆがみなとが残ってしまった場合」ですが、網膜剥離の手術を受けたことのある眼科医もいますし、そのゆがみの程度と、仕事における両眼視の使い方にもよると思います。
 心配されるお気持ちは察しますが、今はまず、手術を受けて完治されることをお祈り致します。参考にしていただけましたら、幸いに存じます。


2013年6月25日 グラフ旭川7月号 
「網膜中心静脈閉塞症」
 

(Q)母が、今年の3月に網膜中心静脈閉塞症と診断されました。眼底出血がどんどんひどくなり、目の前に黒いカーテンがかかったように見えるらしく、5月に入って視力が0.1に落ちてしまいました。
 5月中旬にステロイドの注射をしましたが効果がなく、5月末にアバスチンを注射しました。翌日の検査では、むくみはとれていましたが、視力が変わりません。目の球体につながる静脈がつまりかけていて、非常に危険な状態だと言われています。
 1週間たって視力が向上しないようなら、これ以上悪くならないように、レーザー治療をすると言われました。
 また、つまりかけた血管を通すために、昨日から「ワーファリン」という血をさらさらにする薬を飲み始めました。
 お聞きしたいのは、
・視力回復のために、効果的な治療方法
・レーザー治療をしてしまうと、今後、視力が回復する可能性がなくなってしまうのか。
・つまりかけた血管を通す方法はないのか。(心臓等ならステントを入れることができると思うのですが、同様の措置はできないのか。)
・血管がつまると失明や眼底が大出血する危険があると言われましたが、大出血するとどうなるのか。
・数年たてば、眼底の出血が吸収されて消えてしまうと聞きましたが、出血がひけば、たとえ、視力はもどらないとしても、視界が黒い状態になるのは解消されるのか。
 お忙しい中、恐縮ですが、至急ご回答をいただきたく、よろしくお願い申し上げます。
 
(A)ご連絡有難うございます。お母様の網膜中心静脈閉塞症とのこと、ご心痛のほど、お察しいたします。
 網膜中心静脈閉塞症は、心臓から眼球に血液が送られ、眼球に酸素を供給した、帰り道の血管が詰まってしまうことによって、帰れなくなった血液が、神経の膜の網膜の中に溜まってしまう状態です。
 しかし、網膜中心静脈閉塞症という病名でも、その閉塞の具合、範囲、網膜の虚血、浮腫の程度など、それぞれのケースで違って来ますので、その病名だけでのアドバイスはなかなか難しいと思います。
 現在、通院中の眼科ではステロイドの注射、アバスチンの注射、レーザー治療、ワーファリン内服、と考えられる治療を、全て施行していると思います。主治医の先生に良く相談して、治療を継続されることが最良の方策ではないかと考えます。
 メール医療相談は、診察をしない上でのお返事ですので、個々の病態に関しまして、具体的なことが申せないことがありますことをご了承ください。
 主治医の先生と相談してください。その上で、納得できないときには、紹介状を書いてもらってセカンドオピニオンを求めるのがよろしいのではないかと考えます。どうぞ参考になさってください。


2013年5月25日 グラフ旭川6月号 
「複視」
 

(Q)私は、神奈川に住んでいるものです。
 相談内容は、友人(50代男性です)のことです。
 もともと既往に緑内障があり点眼薬を使用しておりました。
 今年3月の下旬から急に、物が二重にみえるようになり、それにより1人で歩くことも困難となりました。眼科では原因が分からず、頭の方も疑いましたが、CT、MRIともに問題ありませんでした。一過性によくなったりまた悪くなったりの繰り返しです。とりあえず、ビタミンの内服をしておりますが専門の眼科医に見てもらった方がよいでしょうか?また、何が疑われますか?教えて頂ければ幸いです。
 
(A) ご連絡有難うございます。
 ご友人病状のご質問とのことですが、ご心痛お察しします。
 「物が二重に見える」ということを複視といいますが、どの方向を見る時に、複視が悪化するのか、常に複視があるのかなど、実際に診察してみないことには、なかなかお答えできない問題です。
 眼球を動かす筋肉は、それぞれの目に6本あり、その筋肉を司る脳神経は3つあります。左右の眼球が共同して動くことで、通常は複視を感じることはありません。眼球の筋肉(外眼筋)か眼球運動の支配神経に、麻痺が起きている可能性もありますが、よくなったり悪くなったりとのことですので、他の可能性も考える必要がありそうです。
 眼科、脳外科にも受診されているとのことですので、主治医の先生と良く相談されることをお勧めください。
 メール相談では、お答えに限界があることをご了承ください。お役に立たないお答えで恐縮です。お大事になさってください。


2013年4月25日 グラフ旭川5月号 
「閃輝暗点」
 

(Q)2007年8月に飛蚊症で貴院を受診し、網膜裂孔のレーザー治療を受けたものです。
 昨晩、視野の中に虹色の帯のようなものが10分ほど見えつづけました。今は見えませんが、単なる目の疲れでしょうか?その時、頭痛や吐き気はありませんでした。緑内障の可能性もありますか?
 また、すぐに受診したほうがいいのか、少し様子を見てもよいのか教えてください。
 
(A) ご連絡有難うございます。
 『視野の中に虹色の帯のようなものが10分ほど見えた』という症状ですが、10分ほどで消えたとのことですので、おそらくは「閃輝暗点」というものではないかと思います。
 閃輝暗点は、片頭痛の前駆症状のこともありますが、頭痛をともなわない場合もあります。人によっては、「ギザギザの光が見えた」「銀紙が折れ曲がったように光って見えた」「水面に光が反射しているように見えた」と感じ方は色々あるようです。これは、物を見る中枢がある後頭葉に血液を送っている血管が痙攣を起こし、血流が減少するために起こると考えられています。頭痛をともなわない閃輝暗点は、とくに治療は要さないものと考えます。何度も繰り返したり、頭痛をともなう場合は、一度脳神経外科での精密検査をお勧めしています。
 緑内障の症状とは異なると思いますが、検査をせずに緑内障ではない、とは断言できません。
 以前に、網膜裂孔のレーザー治療をしていますし、最近は4年ほど検診を受けていらっしゃいませんので、近いうちに眼底検査は受けていただいたほうがよろしいかと思います。光視症といって、暗いところで光を感じる場合は、網膜に刺激が起きていることを示し、網膜裂孔による自覚症状の可能性があります。今回の症状は光視症ではないと考えられますが、眼底検査をお勧めします。どうぞ参考になさってください。


2013年3月25日 グラフ旭川4月号 
「イールズ病後の眼精疲労」
 

(Q)初めまして。インターネットでいろいろと検索しているとこちらにたどり着きましたので、メールをさせていただきました。
 私は、現在38歳で男性ですが、約20年ぐらい前にイールズ病になり、入院してレーザー治療を受けましたが、左目に中心暗点が少し大きく残っています。退院後は遠近感などが慣れず仕事にも支障が出ていましたが、現在は遠近感などは気になりませんが、歳を重ねるごとに眼精疲労がひどく、睡眠を取っても疲れがとれず、全身が浮腫んで寝込む時もあります。
 あまりのつらさにいろいろ調べて、コンタクトレンズの度数をいろいろと試しましたが、改善されなかったので、今度は眼鏡で左眼の中心暗点をずらす意味でプリズムを入れました。このような眼鏡にすると少しは眼精疲労が改善されたような気もしますが、まだ疲れてしまいます。目の検査をすると、ほぼ片眼視(右目)で見ていますが、左眼の視野のみは完全に生きています。
 疲れてくると左眼の側頭周辺の血管がうっ血するので、本当に疲れてしまいます。側頭部周辺なので、関係無いと思いましたが、膠原病などの検査もしてみました。(検査結果は問題なかったです)
 という状況なのですが、少しでも何か改善方法があればと思いご連絡させていただきました。お手数をおかけいたしますが、よろしくお願いいたします。
 
(A) ご連絡有難うございます。
 イールズ病後の片眼の中心暗点による眼精疲労とのこと、ご心痛をお察しいたします。
 普段は片眼視で、疲れを生じているとのことですね。神経眼科の大家である井上眼科病院名誉院長の若倉先生が、見えにくくなった方の目が日常視を邪魔することがあり、そのために眼精疲労をきたすことは大いにあり得ることだとおっしゃっています。
 若倉先生は、その際には見えにくくなった目に眼帯をするということが効を奏することもあるとおっしゃっています。若倉先生は限られた曜日のようですが、外来診察もしているようですので、可能であれば、いちど相談されてみては如何でしょうか。どうぞ参考になさってください。


2013年2月25日 グラフ旭川3月号 
「片眼の視力低下」
 

(Q)お忙しい中、失礼いたします。
 中学1年生の息子の視力のことでご相談があります。学校の視力検査にて、右2.0 左0.04という極端な視力の左右差が判明いたしました。
 小学校の低学年の頃には、左右共に2.0ありましたが、一度、友人の靴が左目を打撃し、それ以来、左の視力は徐々に落ち、中学年、高学年と進むうちに、さらに片方の視力低下が顕著になりました。
 今まで、新聞等で時折目にします、視力回復器なるものを購入して、どうにか眼鏡にならないようにしたいと思っておりましたが、先日の視力検査結果を見、もうそんなことを言っているレベルではないのだろうなと思っておりますが、いかがでしょうか?
 お忙しいところ、大変恐縮ですが、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 
(A) ご連絡有難うございます。中学1年生の息子さんの片目の視力低下ということで、ご心配のことと思います。
 小学校低学年の頃には、左右共に2.0とのことですので、視力の発達には問題がなかったものと思われます。
 小学校の高学年になるにつれて、お子さんのクラスのお友達の中に、眼鏡をかけている子の割合が少しずつ増えていったと思います。小学校の高学年から中学校にかけて、近視が進行し眼鏡が必要になるお子さんが増加してきます。これは、その時期に身長も伸び、成長に伴って、日本人の場合は近視になる人の割合が高くなるためと考えられています。
 ご相談の息子さんのことですが、片目の視力低下とのことで気になっていると思いますが、近視の進行にたまたま左右差が生じて、片目の視力が低下する場合が多く見受けられます。しかし、一度目を打撲しているとのことですので、一度、眼科で詳しい検査を受けることが必要だと思います。メールだけでは、近視だけで心配のないものか、打撲の影響が出たものかについては、判断できません。眼科では、視力検査をおこなった後、目薬を入れて眼底検査も行う必要があると思います。4.5時間まぶしくはなりますが、痛みのない心配のない検査ですので、どうぞお近くの眼科を受診してください。どうぞ参考になさってください。


2013年1月25日 グラフ旭川2月号 
「角膜穿孔」
 

(Q)今月7日 13時に、仕事中の外傷(金属片が目に当たる)により、16時緊急手術。ステロイド点滴+ばい菌感染予防の点滴で18日まで入院していました。 
 手術は、角膜縫合で、CTをとりましたが、奥は出血がひどくてどうなっているかわからないとのことで、様子を見ましょうとのことでした。診断は左目失明で、光も感じません。 ばい菌感染はなく、目の液?が漏れている心配もないのでということで、退院しました。
 今は週一で診察に通っていますが、経過観察で、黒目の抜糸は2か月後とのことでした。 家では、点眼が2種類、目の中に入れる軟膏が1種類で、2~3時間おきにしています。 充血がひどく、人には見せれない感じで、時にチクチクしみるような痛みがあります。目の奥の方がズキンと痛む時もあります。
 このまま今の眼科(総合病院の)に通っていて良いものか・・・不安になり、この相談を見つけましたので、相談させていただきました。よろしくお願いします。
 
(A) ご連絡有難うございます。角膜穿孔後の失明とのことで、ご心痛のこととお察しします。
 外傷では、その度合いによって対応が変化するとは思いますが、眼球の形態を維持すること、そして視機能を維持することが目標になります。外傷による損傷が激しい場合には、視機能を維持できない事態も起こりえます。
 また、眼球は非常に感染に弱い場所ですので、感染症を予防し、治療するということが重要になります。
 メールを拝見いたしましたが、「ばい菌感染はなく、目の液?が漏れている心配もない」ということは、感染症はなく、眼球形態を維持することができたということだと思います。外傷後早期の合併症は起きずに、経過は良好なのだと思われます。
 「充血がひどい」ということと「痛みがある」ということですが、通常の外傷後の経過なのかどうかは、主治医の先生によく相談するのが良いと思います。
 術後の経過がご自分の期待と一致しない時には、疑心暗鬼になることもわかりますが、外傷はそれぞれの状況が個々で違いますので、一般的な答えが、当てはまるとは限りません。やはり、主治医の先生によく相談することが、一番の安心に繋がるのではないかと思います。
 お役に立てるお答えではないかもしれませんが、診察をしていないメール相談には限界があることをご了承ください。どうぞお大事になさってください。


2012年12月25日 グラフ旭川1月号 
「眼瞼痙攣」
 

(Q)初めまして。私は本州に住んでいます。
 ネットで貴クリニックのことを知り、母のことでご相談したくメールいたしました。貴クリニックに受診したことはありません。
 母は、現在81歳で、旭川に住んでおります。4、5年前に別の眼科を受診し、白内障といわれたそうです。母は、原因はわからないのですが、更年期の時期から、まぶしかったり特に緊張すると目が開けられない状態になります。そのため眼科受診時に、先生から「目が開けられないなら検査できない」、「白内障の手術は全身麻酔にしないとできない」などと言われ、ショックを受け、それ以来眼科を受診しようとしません。点眼薬を薬局で購入してすませていますが、年齢のこともあり白内障が進んでいないか心配です。何とか母を説得して眼科を受診させたいと思っておりましたところ、貴クリニックの『患者さんに優しい眼科クリニック』というフレーズが目にとまったのです。
 母のような症状の人でも診察していただけるでしょうか。お忙しいところ恐れ入りますが、お返事を頂けましたらありがたく存じます。よろしくお願い申し上げます。
 なお、ホームページによりますと医療相談の内容を公開することもあるとのことですが、その際にはくれぐれも個人情報が漏れないようご配慮くださいますようお願い申し上げます。
 
(A) ご連絡有難うございます。
 お母様の白内障がご心配とのことですが、一度、診察を受けていただきたいと思います。
 「まぶしかったり、特に緊張すると目が開けられない」という症状は、眼瞼痙攣という病態に似ていると思います。まずは、一度診察を受けていただいて、眼瞼痙攣と考えられる場合は、神経内科に対診を求める必要があるかもしれません。
 まずは、一度診察を受けていただいて、場合によっては、やはり全身麻酔での手術を勧めることになるかもしれません。
 当クリニックは予約優先で診察させていただいておりますので御都合の良い日に、予約をとっていただきたいと思います。

  2012年11月25日 グラフ旭川12月号 
「スポーツコンタクト」
 

(Q)こんにちは。お忙しい中すみません。質問がありましてメールしました。
 今後、コンタクトを使用してみたいと思っていますが、眼科の方で調べていただいてどんなコンタクトが適切なのか?使用方法などを教えていただけるのでしょうか?
 それとスポーツコンタクトというものもありますか?
 ご返事いただけると幸いです。よろしくお願いいたします。
 
(A) ご連絡ありがとうございます。コンタクトレンズ使用希望とのことですね。
 まずは、目に病気がないかの検査を受けていただきます。次には、適切な眼鏡をお持ちかも検査させていただきます。コンタクトレンズは少なからず目に負担をかけてしまいますので、コンタクトレンズ装用の時間が長くなってしまわないように、眼鏡との併用が必要になります。お使いの眼鏡が合っていない場合は、眼鏡を先に処方します。以上の検査で、問題なければいよいよコンタクトレンズ合わせです。
 どういった時にご使用になるのか、近視の度数はどれくらいか、乱視の度数はどれくらいか、1日何時間くらいの使用を希望しているのかなどの観点から、目に安全なレンズをお勧めします。スポーツコンタクトというものはございませんが、激しいスポーツにはソフトレンズがハードレンズよりも適している場合があります。
 使用するコンタクトレンズが決まりましたら次ははめはずしの練習になります。完全にご自分で安心してはめはずしができるようになるまで指導します。ご自分でできるようになったら、お試し使用の開始です。
 以上のような流れになります。どうぞご参考になさってください。


2012年10月25日 グラフ旭川11月号 
「ハードとソフト」
 

(Q)コンタクトのことについて、質問させていただきます。
 普段はハードコンタクトを着用していますが、宿泊やスポーツの際はソフトを使用しています。夜は基本的にメガネを使用しています。
 ハード着用の際、左右のバランスが悪く、非常に疲れます。また、右目に違和感を感じます。作りなおすことを思案中ですが、このように3種類の矯正をしていいものなのでしょうか?それぞれに度数が違うのですが、それでも良いのでしょうか?
(A) ご連絡有難うございます。
 「普段はハードレンズで、宿泊やスポーツの際はソフト」という使い方は問題ないと思います。基本的にはハードレンズの方が、角膜に行く酸素が多いのでハードレンズ中心の使用をお勧めします。夜は眼鏡ということですが、角膜に充分な酸素を送るためには、眼鏡の時間が長いことが好ましいと思います。
 ハードレンズは1年で新しいレンズに取り替えて使ってください。ハードレンズを長期間にわたって使用している方が見受けられますが、使っているうちに汚れによって、酸素透過性が低下します。1年での交換が望ましいと考えています。
 左右のバランスがハードレンズで悪いとのことですが、度数が合っていない可能性があると思います。
 それぞれに度数が違うとのことですが、ハードとソフトでは、涙のレンズ効果の関係からまったく同じ度数ということにはなりません。しかし、違和感などの症状があることからは、適正な度数になっているかどうかの検査が必要かと思います。処方を受けている眼科でのご相談をお勧めいたします。どうぞ参考になさってください。


2012年9月26日 グラフ旭川10月号 
「ハードレンズ希望」
 

(Q)高校一年生の娘がメガネを掛けているのですが、最近コンタクトにしてみたいと・・・
 今は使い捨てなど便利になっているのは分かっているのですが、経済的な事を考えると、長持ちするハードレンズがいいのかな?と親としては考えてしまうのですが、実際診察しなければハードが合うのかなどは分からないとは思うのですが。
 先日メガネを作るために近くの眼科に行ったのですが、その時、チラッと「最近は使い捨てありますけどハードコンタクトレンズはどうですかね?」っとお聞きしたら、笑いながら、「ハード?今でもあるのかね?俺は知らないけど」「今は使い捨てだからね~清潔だし、だからみんな使ってるんだよ。お金・・・そんな変わんないよ」何だか、ものすごく嫌な思いをしてしまって、馬鹿にされたような言い方で・・・
 ハードコンタクトレンズを選択してはいけないのかな?と思わせるような。もし実際に診察したり、装着して合わない場合は、ソフトでも使い捨てでもしょうがないとは思うのですが、最初からダメみたいに言われる所での、コンタクトレンズの相談は無理だなと思い、ネット検索しているうちに先生のHPを見つけました。
 ハードコンタクトの扱いもされているんですよね?最初から否定的なお話にはなりませんよね?ながなが愚痴になってしまってすいません。よろしくお願いいたします。
 
(A) ご連絡有難うございます。当クリニックでは酸素透過性ハードレンズも扱っております。
 コンタクトレンズは大きく分けて「ハード」「ソフト」の2種類に分けられます。
 「ハード」は安全性には最も優れています。ただし、名前の通りレンズが硬いので、慣れるまで時間がかかり、異物感のために装用できない方もいらっしゃいます。近視度数の強い方、乱視の強い方、1日の装用時間の長い方に適しています。
 「ソフト」は名前の通りレンズが柔らかいので、慣れるのが早く、付け心地は良好です。目に酸素が行きにくいという欠点がありますので、長時間の装用はお勧めできません。また、細菌やアメーバなどに感染する危険性がありますので、しっかりとした擦り洗いのケアが必要です。ドライアイ、アレルギーのある方には向かないこともあります。
 安全性は上に述べましたようにハードの方が高いと考えられます。でも、ご質問にありました「経済的な事を考えると長持ちするハードレンズ」という考え方は正しくありません。現在の酸素透過性ハードレンズは、1年に1回の更新が必要です。せっかく安全性の高いハードレンズを使っていても長い期間使用しますと、汚れのため酸素透過性が低下してしまうからです。
 当クリニックではメルスプランでのハードレンズの使用をお勧めしています。安全にきれいなレンズを使用するためのメニコンのシステムです。月会費制になっています。くわしくは、メニコンのホームページで検索してみてください。ハードレンズのお試しもできます。
 初めての方の場合は、一度眼底検査を含め詳しい検査を受けていただいて問題なければ、次回に装脱練習になります。ご希望であれば、予約の上受診してください。どうぞ参考になさってくださいね。


2012年8月27日 グラフ旭川9月号 
「7才の遠視」
 

(Q)こんにちは。初めてご質問させていただきます。よろしくお願いいたします。
 7歳の娘が、時々小さいものが見ずらく、頭痛がするというため眼科を受診したところ、裸眼視力は両目1.2でしたが、遠視と言われました。数値は両目+2.0ほどで、軽い遠視とのことでした。
 が、後日、散瞳をし検査を行ったところ、両目+4.0ほどで弱視になってもおかしくないくらいの値だといわれました。ただ、裸眼視力が良いためメガネはかけずに様子を見てよいとの事です。
 そこでお聞きしたいのですが、
1) 子供の遠視はメガネで矯正してあげることが大事と聞いていたのですが、裸眼視力が1.2あり、弱視の心配がないようであれば、かけなくてもよいものなのでしょうか?(頭痛も、かけて良くなるとははっきり言えないとの事でした。)
2) もしかけた場合、授業中だけかけるといったスタイルと、終日かけるスタイルではどちらが良いのでしょうか?(目の矯正という意味で、終日のほうがよいのでしょうか?)
3)遠視の程度が重いとの事なので、これ以上の回復は望めないのでしょうか?メガネをかけた場合、外せることはないのでしょうか?
 お忙しいところ大変申し訳ありませんが、どうぞよろしくお願いいたします。
 
(A) ご連絡有難うございます。娘さんの遠視とのことで、ご心配の事とお察しします。
 ご連絡いただいたデータから私の考えを伝える事もできますが、そのことが娘さんにとってよいことかどうか考えます。
 「7歳の遠視」と一言で言われましても視力検査のときの反応、眼位検査の結果(内斜視もしくは内斜位はないかどうか)、散瞳検査に用いた点眼薬の種類、検査データを得た器械の種類など、わからない点も多く、普段私が用いている方法と異なる可能性もあります。
 まずは、検査を受けた先生によく説明を受けてみてください。ご質問からは主治医の先生は詳しく説明してくれている先生だと思います。それで、納得いかなければ、セカンドオピニオンを求めて、次の先生の診察を受けるのがよろしいかと思います。
 診察をせずに相談をうけることには、限界があることもご了承ください。今回の娘さんの遠視に関しましては、ネットで相談するよりも、診察して下さった先生に よく相談されるのがよろしいかと考えます。
 ご期待に応えるお答えでなく、申し訳ございません。


2012年7月25日 グラフ旭川8月号 
「外傷後の眼瞼下垂?」
 

(Q)1歳8ヶ月の幼児について相談があります。
 今年5月末に階段で眉毛部を強打しました。結果、眉毛に沿って相当腫れました。ただ、本人は暫くして機嫌良さそうにしていたのでそのまま放置しました。その後、2週間程度で腫れは引き、瞼の内出血らしきものも無くなりました。
 ところが、最近になってぶつけた方の眼が小さくなったように見えるのです。正確には以前に比べて瞼が下がっているように見える。かつ、眼球が奥まったようにも見えるのです。眼が大きい子なので、余計にそう見えてしまう気もします。
 尚、常にという訳ではなく、時々上記のように見えます。また、瞼の動きについては正面よりも上を見上げる時に引き上げにくそうにしている感じがします。眼は上下左右に動くようだし、複視があるようにも見えないので眼球にダメージがあったとは思えません。
 どうしても気になるので打撲してから1ヶ月以上経ってしまったものの、念の為近所の眼科を受診しました。CTやレントゲン、精密検査等は無し。瞳孔のチェックや視力チェック(物を眼で追うかどうか)をし、「特に問題はないと思う」との回答を貰いました。
 でも、どうしても眼の見た目が気になります。もしかして隠れた問題が発生していて、直ぐに病院に連れて行けば避けられたのではないかと・・・。
 以下にお答えください。参考にしたいです。ネットでも調べましたが回答に辿り着きません。
・打撲によって瞼が下がる(がんけんかすい?)が起き得るか。その場合、治療法はあるか。手術は避けたい。
・実は骨折(吹き抜け骨折?)をしていたのではないか。実は複視になっていないか。チェック法はあるか。
・眼球陥没していないか。チェック法はあるか。
・上を見る時に瞼の開けづらさが顕著に出る。これもがんけんかすいか。
・精密検査が必要か。幼児の場合、どういった検査内容なのか。
・そもそも単なる気のせいか。筋肉や神経に問題はなく、本人がたまたまそのように眼を開けているだけか。その見分け方はあるか。
 宜しくお願い申し上げます。
 
(A)ご連絡有難うございます。お子様の眼部打撲後の心配とのことですね。お近くの眼科で、「特に問題はないと思う」との回答とのことですので、心配ないものとは思いますが。
 打撲による眼瞼下垂は起きうると思います。瞼をあげる筋肉に外傷があり、そのために下垂になるケースはあり得ます。その場合の治療法としては、手術になるかと思います。
 眼窩吹き抜け骨折は眼球部を強く打撲した際に逃れられない外力が目のまわりの骨に伝わって生じます。眉毛部の外力では起きないものと考えます。
 眼球陥没は、視診で判断することもできますが、確実な診断となりますと、眼窩CT検査が必要になります。
 上を見る時の瞼の開けづらさは、眼瞼下垂でも生じる場合があります。
 ご心配でしょうから、やはり精密検査を受けた方がよろしいかと思います。眼窩CT検査などの画像検査も必要だと思います。大人ですと、じっと横たわっているだけですが、お子さんは怖がって(もちろん痛くない検査ですが)動く場合もあり少し眠くなるお薬を使うこともあります。その場合は小児科の先生に相談することになりますので、小児科もあり、CT検査のできる総合病院の眼科を受診してみては如何でしょうか。どうぞ参考になさってください。


2012年6月25日 グラフ旭川7月号 
「中心暗点」
 

(Q)はじめまして。初めてメール致します。
留萌市在住42歳男性です。私個人は、貴医院の受診履歴は無いのですが、何年か前に母が白内障の手術にて、お世話になった経緯があります。
 さて相談内容ですが、何日か前に突然、仕事で運転中に、前兆も無く左目に、眩しいものを見た時に残像が残るように、瞬きする度に白い丸い物が目に残るようになりました。最初のうちは気にかけていなかったのですが、2~3日経っても白い丸は消えず、色が段々と薄茶色がかって来た様にも思えます。眼球を動かすと丸も一緒に動き、丸い中は多少ボヤけてはいますが見えています。しかし焦点が合いづらくなることもしばしばです。白い壁などを見た時に、ハッキリと丸は確認できます。たまに、丸の中がチカチカと、いくつかの点が点滅したりすることもあります。原因は全く思い当たらないのですが、今後悪化していくような可能性はありますか?私の視力は、近視と乱視が混在で0.1~0.2程度で、メガネを常時使用しています。コンタクトレンズは、たまに使用していた期間はありましたが、もう8年くらい使用していません。
 良きアドバイス等御座いましたら、宜しくお願い致します。
 
(A)ご連絡有難うございます。
 ご相談の内容からは、目の奥にある神経の膜の中心部、網膜(もうまく)の黄斑部(おうはんぶ)という場所に病気が起きている可能性がありますので、ぜひ眼科を受診することをお勧めします。
 私たちの目は、瞳から入った光が目の奥で像を結び、その像が神経を通って脳に伝えられることによって物が見える仕組みになっています。目の奥の一番内側にある神経の膜の網膜は、目をカメラに例えますとフィルムの役割を果たしています。網膜はその場所によって感度が異なり、網膜の中心部分は感度が高く、もっとも重要な部分で黄斑部と呼ばれています。黄斑部は視力に関わりが深く、物が見えたり色を識別する細胞が集まっています。
 ご相談にあります「白い丸い物が目に残る」というのは「中心暗点」という症状ではないかと思います。中心暗点は、網膜の黄斑部に変化が生じたときに起こる症状です。年齢からは、「中心性網脈絡膜症」が最も考えられますが、眼科で診断を受けて下さい。
 眼科では視力検査を行い、網膜の状態を詳しく調べるために精密眼底検査を行います。検査では目薬をさして瞳を開きます。そのためまぶしくなり、近くが見えにくい状態が4.5時間くらい続きますので、車の運転をせずに眼科を受診していただいた方がよろしいと思います。黄斑部に病気が生じている場合は「蛍光眼底造影検査」という検査が必要です。当クリニックでは、その造影検査はできませんので、大きい病院に紹介しています。留萌でしたら市立病院で検査可能と思われます。是非、留萌市立病院を受診することをお勧めいたします。どうぞお大事になさってください。


2012年5月26日 グラフ旭川6月号 
「目の健康講座」
 

 今回の目ディカル相談室 目に優しいお話は、いつもの相談をお休みさせていただきまして、今月開かれる「目の健康講座」の告知です。
 日本眼科医会、北海道眼科医会の共催で、「目の健康講座:あなたの目は大丈夫ですか?」が開かれます。
 6月10日の日曜日、午前10時から、6条通9丁目の旭川グランドホテル 2階「孔雀の間」で開講されます。もちろん受講料は無料です。目についての大切な話を、お二人の先生がしてくださいます。
 ひとつ目の講演は、「白内障とその治療について」のタイトルで旭川赤十字病院眼科部長の太田勳男先生が担当されます。もうひとつの講演は旭川医科大学医工連携総研講座教授の石子智士先生が「目の健康を守るために」についてお話してくださいます。
 目の働きや構造はよくカメラに例えられます。黒目(角膜)のすぐ後ろに透けて見えるいわゆる茶目は虹彩といい、これは目の中に入ってくる光の量を調節する働きがあり、カメラのしぼりにあたります。この虹彩の後ろに水晶体という部分があります。水晶体はカメラのレンズと同じで、私達が見ようとするものを正しく、網膜(カメラのフィルムにあたる部分)に焦点を結ばせる働きがあります。網膜に映った像が視神経を通して脳に伝えられ、私達は、初めてものを見ることができるのです。
 白内障とは、カメラのレンズにあたる水晶体が白く濁ってくる状態です。冬の寒い日に、外から家の中に入ったときに、メガネが曇って見えなくなってしまうように、目の中に曇ったレンズが入っているために、目がかすんでしまう状態が白内障です。水晶体が濁り始めると、ものがかすんだり、二重に見えたり、まぶしく見えたりし、進行すれば視力が低下し、眼鏡での矯正ができなくなります。
 「目の健康講座」は毎年道内のいろんな街で開催されています。旭川で開かれるのは5年ぶりです。5年前の講座では黄斑変性のお話と目の検診の重要性のお話で、とてもわかり易いと大好評でした。目についてのまとまったお話を聞ける機会はあまりありません。きっと目に優しいお話が聞けると思いますので、お忙しい時期とは思いますが、ご興味のある方は是非お出かけください。受付は午前9時半からとなっております。


2012年4月26日 グラフ旭川5月号 
「虚血性視神経症後の白内障手術」
 

(Q)はじめまして。77歳の父が白内障の手術を薦められています。両白内障、両虚血性視神経症。左視力0.04右視力0.04(平成15年時点)。
 数十年来お世話になっていた眼科医には「見えにくいのは、白内障よりも細い血管が詰まっていることが原因。白内障の手術をしてもあまり見えるようにはならないと思う」と言われてきました。しかしその先生が引退なさり、跡を継がれたご子息が診察された直後(2年前)から今に至るまで手術を薦められている状況です。
 ところが……昨年6月に顕微鏡的多発血管炎、糸球体腎炎を発症。ステロイドと免疫抑制剤のパルス療法→服薬で寛解に至り3カ月後退院。現在もステロイド、免疫抑制剤、その他を服薬中。健康状態は、年相応の日常生活は送れる程度。ただし脊柱管狭窄症の痛みがこの2カ月ほど激しく、一時期は歩けないほどでした。また咳もよくしております。
……以上のようなことを総合的に考えますと、白内障の手術が軽いほうだとはいえ控えたほうが無難ではと、私(長女)や母は思っています。
 しかし眼科医は「大丈夫、血管炎もステロイド・免疫抑制剤の服薬も関係ない。手術をするなら体力のある今しかない」と大変意欲的です(父が病気のことをシッカリとは伝えられていない可能性もあります)。
 そういうものでしょうか? 私ども家族が心配しすぎなのでしょうか…?本人は、手術さえすれば必ずよく見えるようになると信じていること、点眼薬を頂戴しに行くたび医師に手術を薦められる気まずさから、ややしたいほうに傾いています。
 今野先生は、父の白内障手術をどう考えられますか?もしも今野先生に手術は控えたほうがと伺っても、そのことでご迷惑をお掛けするような言動は決して致しません。通院上の問題から違う病院へ掛かることも検討しておりますので、今後に支障もございません。ですから、どうか忌憚のない、今野先生ご個人のご意見を賜れますようよろしくお願い致します。(兵庫県在住)
 
(A) ご連絡有難うございます。白内障手術の適応かどうかは、それぞれ個別の事情がありますので、ケースバイケースで、なかなかひとことで決められるものではありません。
 両眼の虚血性視神経症の既往があり平成15年時点で0.04とのことですから、視力回復という点におきましては、回復が難しい可能性があるかと思います。また、全身疾患による投薬も受けていらっしゃるという点からは、より手術に慎重になるご家族のお気持ちはお察し致します。また、長年診察されている主治医の先生の時期を遅くすると手術が難しくなるという判断にも根拠があるものと思われます。
 やはり、ご本人とご家族の方と一緒に、主治医の先生とよく相談されることが一番よろしいのではないかと考えます。「手術さえすれば必ずよく見えるようになると信じている」というお父様に、先生の術後の視力予測をお話していただいてご家族も含めて手術に納得されるか、相談が必要ではないかと思います。ご家族の方の心配も、直接お聞きになることをお勧め致します。
 白内障手術は簡単な手術と考えられるむきもありますが、私は、手術に簡単なものはないと考えています。もちろん、安全性は高い手術ですが、予期しないことが起きる心配もあります。手術をうける方、ご家族の方がご理解納得の上で手術に向かうべきと考えております。どうぞ参考になさってください。


2012年3月26日 グラフ旭川4月号 
「流涙症」
 

(Q)私の母のことで相談です。
 現在75歳の母は、自然と涙が流れてきて、お医者さんにみて貰ったところ、治らないと言われて、20年になります。何が原因なのでしょうか?良い対処法は、ないのでしょうか?
 お忙しいところ、申し訳ありませんが、素人にもよくわかる説明お願いします。
 
(A) ご連絡有難うございます。
 涙についてですが、涙は涙腺(るいせん)というところで、常に作られています。涙腺は上瞼の耳側にあります。作られた涙は、常に分泌されていますが、悲しい時、風に当たった時などには、多く分泌されます。
 瞬きのときに、瞼の動きが車のフロントガラスのワイパーのように、涙を拭き取って、拭き取られた涙は目頭の方に集められます。目頭には上と下に小さい穴が開いています。上涙点と下涙点といいますが、この上下の穴から吸い込まれて、鼻の中へとつながっています。それで、大泣きした時などには、鼻水もグシュグシュになるわけです。
 涙が出る場合には、作られる涙が多い場合(水道に問題がある場合)と、流れ出ていく涙が少ない場合(下水に問題がある場合)の二つが考えられます。
 作られる涙が多い場合は、目の表面に問題がある時です。例えば、逆さ睫毛が目に当たっている、目に異物が入っているなどです。涙が出る場合の原因としては、流れ出ていく涙が少ないことが多くみられます。上下の涙点からそれぞれ涙小管、総涙小管、涙嚢、鼻涙管とつながって鼻の中へと導かれるのですが、鼻涙管閉塞、鼻涙管狭窄という状態が見られる場合があります。
 鼻涙管閉塞とは、読んで字のごとく、鼻涙管が完全に詰まっている場合、鼻涙管狭窄は、鼻涙管が完全に詰まってはいないけれど、狭くなっている場合です。特に女性の場合、加齢とともに解剖学的に鼻涙管狭窄の方向に変化すると言われています。普段は何ともないけれど、寒い外に出た時に、とか、風に当たった時に涙が出るというのは、作られる涙の量が多い時に、吸い込みが追いつかない鼻涙管狭窄の症状としてよく自覚される症状です。
 この鼻涙管の閉塞か狭窄かを診断するときに、鼻涙管に水を通してみる検査をします。鼻涙管通水検査といいますが、別名:涙道洗浄、涙嚢洗浄ともいいます。涙道洗浄、涙嚢洗浄は略して涙洗(るいせん)と呼ばれていますので、眼科に行ったら「るいせんが詰まっていると言われた」とおっしゃる患者さんがいます。「涙洗で詰まっていた」は正しいのですが、多くの患者さんは「涙腺が詰まっている」と誤解されていることが多いようです。
 この鼻涙管閉塞の治療ですが、完治させる方法は手術です。しかも、鼻の中の骨を削って行う、かなり大掛かりな手術になりますので、眼科医も耳鼻科医も、あまり積極的には勧めないというのが現状だと思います。
 完治ではなく、症状を改善する可能性がある方法としては、プロービングという治療があります。涙点から、鼻涙管まで針金のようなものを通して、狭くなったり詰まっている道を、再び通すという方法です。ただ通しただけでは、また詰まってしまうことが多いですので、シリコンチューブを通して、数カ月通したままにしておくという治療があります。麻酔をして行いますが、やはりチューブを通す時には痛みがあります。全ての眼科医が積極的に行っているという治療ではありませんが、一般的な治療ではあります。
 お母さんが、治らないと言われたのが20年前でしたら、シリコンチューブはまだ行われていなかったので、相談してみる価値はあると思います。どうぞ参考になさって下さい。


2012年2月26日 グラフ旭川3月号 
「群発頭痛」

(Q)はじめまして。22歳女性です。
 今回メールを送らせて頂いたのは、私ではなく、私の彼(23歳)の症状が普通ではないと感じたからです。
 彼は一日に一~二回ひどい頭痛がすると言うのですが、その場所がいつも決まって目のあたりだと言うのです。
 なんでも中学生の時、右目を殴られたせいで右の眼底骨がない(?)とのこと。手術する予定だったのですが、まだ若いので手術はせずに様子を見ようということで決まり、ただし右目を強く押せば目が陥没してしまうので注意するようにと言われたそうです。
 その事件の前も頭痛持ちで、事件後も度々頭痛はあったようですが、最近は特に頻度が増えて痛みも大きくなっていると言っています。以前は市販の頭痛薬(ロキソニン、リンクルアイビー)で治まっていたのに、それも効かないそうです。
 昨日は頭痛と同時に目が赤くなり、涙も出て、痛みも酷かったそうです。症状が悪化しているようでとても心配ですが、彼は医者には行かないと言っています。専門家の方の意見をぜひ聞かせて頂きたいです。宜しくお願いします。
 
(A) ご連絡有難うございます。
 友人の頭痛とのことですが、お話からは群発頭痛ではないかと思われます。20代から30代の男性に多く見られるタイプの頭痛です。
 群発頭痛は目の奥がひどく痛くなるタイプの頭痛で、ある時期に痛みが頻回に生じます。また、頭痛が起きる時に目が赤くなり、涙が出るという症状を伴うことがあり、目がえぐられるように痛いと感じるほどの強い痛みが特徴です。
 おそらく眼窩底骨折とは、無関係ではないかと思います。
 群発頭痛の痛みを和らげるお薬もありますので、脳神経外科を受診することをお勧め致します。どうぞ参考になさって下さい。


2012年1月26日 グラフ旭川2月号 
「高眼圧症」
 

(Q)今野先生はじめまして。ホームページを拝見して今野先生にお聞きしたい事があり、メールをさせて頂きました。広島県在住です。
 私は8年くらい前から高眼圧症で定期的に眼科で検査を受けています。年齢は36歳です。8年前に市民病院検査で引っかかった時は、右23、左20でした。この8年の間に引越しなどで4軒眼科を変わっています。今の先生に診て頂いて3年くらいになります。今の先生は大学病院で手術などを担当されて、8年くらい前に開業された眼科専門医の先生です。診察のペースとしまして、2~3ヶ月に1回精密眼圧検査と精密眼底検査と細隙燈顕微鏡検査を受けています。視神経は非常に綺麗で全く問題ないと言われております。点眼薬なども全く使っておりません。昨日検査した眼圧の数値は右18、左19でした。3ヶ月前の数値は右18、左17でした。昨日は静的量的視野検査を行い、全く異常ありませんでした。このような状況の中で、次の5点についてお聞きしたいと思います。
1)今のかかりつけの先生は視野検査は2年に1回で十分だとおっしゃいますが、それで良いのでしょうか?
2)視野や視神経に異常がない場合、1年に1回の検査では少ないでしょうか?(個人的に3ヶ月に1回は多いような気がしております)
3)3年くらい前から眼圧が下降傾向にありますが、年齢と共に下がる事はあるのでしょうか?
4)今まで診て頂いた眼科は、市民病院1軒、開業医3軒ですが、大学病院でも念のために診て頂いたほうが良いでしょうか?
5)私は地方在住ですが、都市部と地方の病院では眼科のレベルも違うのでしょうか?
 大変お忙しい中とは思いますが、出来る限りでお答え頂けると幸いです。どうぞよろしくお願い致します。
 
(A) ご連絡有難うございます。
高眼圧症とのことですが、診察をしている訳ではありませんので、あくまでも一般的な場合に関する私の意見ということで返答させていただきます。
1)今のかかりつけの先生は視野検査は2年に1回で十分だとおっしゃいますが、それで良いのでしょうか?
 最近の眼圧は正常範囲内であり、視神経乳頭所見に異常がないことから、判断されていると思われますので、36歳であれば2年に一度でよいのではないかと思います。
2)視野や視神経に異常がない場合、1年に1回の検査では少ないでしょうか?
 3ヵ月に一度の検診をお勧め致します。
3)3年くらい前から眼圧が下降傾向にありますが、年齢と共に下がる事はあるのでしょうか?
 そのような報告はないと思います。
4)今まで診て頂いた眼科は、市民病院1軒、開業医3軒ですが、大学病院でも念のために診て頂いたほうが良いでしょうか?
 私は必要ないと思いますが、ご本人次第だと思います。
5)私は地方在住ですが、都市部と地方の病院では眼科のレベルも違うのでしょうか?
 そのようなことはないと思っています。
どうぞ参考になさってください。


2011年12月26日 グラフ旭川1月号 
「間歇性外斜視」
 

(Q)初めまして。どうぞよろしくお願い致します。
 31歳女性です。先日、眼科にて「間欠性外斜視」との診断がありました。目の状態は、裸眼両目0.05、矯正両目1.2、近視と乱視有り、複視なし。これまで眼の病気はなく、今は、眼精疲労があります。
 視能訓練士の方によると、私の場合、眼鏡・コンタクトの矯正が第一で、それだけでもだいぶ違うだろう、ということでした。それと視能訓練も始めていきますが、そうすることで「完治」することはないが、だいぶよくなるとおっしゃいました。
 医師からは、このまま進行し「恒常性外斜視」になることはない、そんなに気にしなくてよいとの説明を受けましたが、私としては不安が募るばかりです。
 視能訓練は勿論、受け努力もしますが、他に手段はないものか模索しています。
 先生に教えて頂きたいのですが、
1)間欠性外斜視はあっても、恒常性外斜視に一生進行しないこともあるのでしょうか?
2)斜視に、「鍼灸」が効果あると聞きますが、どうなのでしょうか?
3)完治する方法はないのか
 毎日、不安と恐怖で一杯です。どうかご返信をよろしくお願い致します。
 
(A) ご連絡有難うございます。「間欠性外斜視」と診断されご心配とのことですね。
 「間欠性外斜視」の方は日常診療のなかでも多く見られますし、日本人には多いと考えられています。
 眼鏡での適正な矯正は眼位の保持に有効な場合が多いですから、眼鏡での矯正をまず行うことが重要ではないかと思います。
1)間欠性外斜視はあっても、恒常性外斜視に一生進行しないこともあるのでしょうか?
 間欠性外斜視の方が全て恒常性外斜視になるわけではないですので、この度診断され、先生からも気にしなくて良いとの説明をされているとのことですから、まずは様子をみられるのが、よいのではないかと考えます。
2)斜視に、「鍼灸」が効果あると聞きますが、どうなのでしょうか?
 私は鍼灸については、存じ上げませんので、その専門の方にお聞きになってください。
3)完治する方法はないのか
 間欠性外斜視の完治という意味では手術があると思います。現在の眼精疲労の症状が、眼鏡でも治まらなく、手術を勧められてから、主治医の先生と相談されるのがよろしいのではないかと思います。
 診断された時には,驚いてなかなか主治医の先生に質問できなかったかと思いますが、これから通院するうちに,色々と質問され,納得できることと思います。主治医の先生と良好な関係を保ち、安心されることを願います。どうぞ参考になさってください。

2011年11月25日 グラフ旭川12月号 
「はやり目」

 

(Q)某眼科に受診し、流行性結膜炎(アデノウイルス)であると診断を受けました。
 11月中旬一度受診した時に、単なる結膜炎といわれ抗生剤点眼薬を2種類もらい、その後改善しました。11月23~26日までグアムに旅行してました。11月24日ころから症状が悪化し、26日に帰国後すぐに受診し診断を受けました。1週間の休業の診断書をもらい、12月3日から回りに配慮しながら仕事をしています。
 某眼科で処方されたのはリンデロン点眼薬を日に6回。次回受診はと尋ねると、「うつるので来ないでほしい、2週間過ぎてから来るように」と言われました。現在、赤みはだいぶん引いたようですが、非常に見えづらい状況にあります。なにか曇ったように、涙目っぽいような、見えづらさがとにかく心配で、そちらに受診をしたいと思いますがいかがでしょうか?48歳 男性。
 
(A)  ご連絡有難うございます。
 アデノウイルスによる結膜炎は感染力が強いため、かかっている間は、視力検査などは行っておりません。視力検査に用いる眼鏡試験枠、検査機器などから院内感染を引き起こしてしまう危険性があるためです。
 アデノウイルス感染は、流行性角結膜炎という病名であり、結膜炎だけではなく、角膜に点状混濁を伴う炎症を引き起こすことがあり、そのために視力が一時的に下がることがあります。その角膜炎に対する治療は、ステロイドの点眼ですので、現在のリンデロン点眼を継続して良いと思います。
 すぐに治る病気ではなく、まだまだ人にうつる危険性も高いですから、目を触らないように気をつけて、手を良く洗うべきと思います。どうぞお大事になさってください。


2011年10月25日 グラフ旭川11月号 
「緑内障」
 

(Q)前略 眼のことについてご教示戴きたいと存じます。84歳男性です。
 私は平成20年の10月9日の朝、鏡を見ますと左眼に出血していました。翌日からは右眼にも多少出血があり、その後もほとんど毎朝、同じような状態が続きましたので、年が明けた1月23日に市内のある眼科医院に行き、診察を受けました。
 その結果、緑内障の疑いがあると言われ、26日と2月3日の2回、通院しました。この間、いろいろな検査がありましたが、検査の受け方や結果については詳しい説明がなく、不信感を持ちましたので、通院をやめました。
 その後も僅かの出血が認められる日が続きましたが、日常生活に支障がないため放置してきましたが、最近時々、右眼が腫れたり、左眼が小さく感じたりするようになりました。
 また毎日ではありませんが、眼にかゆみを覚えることもあります。このまま放置しても今後10年くらいは心配なければ良いがと考えていますが一応先生のご意見をお聞かせ戴きたいと思います。
 お手数と存じますが何卒よろしくお願い申し上げます。
 
(A)   前略 目についてのご相談のお手紙をいただき、誠に有難うございます。
 平成20年10月9日の出血は、おそらくは結膜下出血で心配のないものではないかと考えます。白目(結膜)の下にある血管が切れることによって、目が真っ赤になってしまいますが、通常は治療することなく、1~2週間で自然に吸収されていき、これによる後遺症などは起こさないものです。
 平成21年1月23日に眼科医院を受診し、緑内障の疑いがあると言われたとのことですが、緑内障は現在日本の失明原因の第1位になっている病気です。かなり病状が進行するまで、自覚症状が出ない点が怖いところです、ご自分で自覚症状がないからといっても安心できません。一度、視力検査、眼圧検査、眼底検査、視野検査などの検査を受けていただきたいと思います。
 当クリニックでは、予約優先で診察しておりますので、ご都合の良い日がわかりましたらお電話(25-8341)で予約をお願いいたします。最初の検査の日は、眼底検査のための目薬を入れますので、ご自分では運転せずに来院いただけましたら幸いに存じます。どうぞ参考になさってください。草々


2011年09月26日 グラフ旭川10月号 
「ドライアイのコンタクトレンズ」
 

(Q)お世話になります。
 突然すみません。目の事で悩んでおり、メールさせて頂きました。
 私は近視(両目とも0.04程)でドライアイの22歳の者です。中学の頃、コンタクトをし始め、去年の4月頃まで毎日コンタクトをつけていました。何年も2週間の使い捨てのソフトを使っており、2年位は1dayにしていました。しかし、目の乾燥など不調が続き、去年の夏頃からコンタクトは週2、3回しかつけていません。最近も週に2回程つけるのですが、長時間つけていなくても目の乾燥がひどく、充血する事も多々あります。点眼はなるべくしています。
 困るのがコンタクトを外す時で、コンタクトが目にひっついています。下にずらして取るにも下にもあまりずれてくれず、毎回少し強引にずらして無理に取っているからか、コンタクトが外した時との痛み、外れた後少しの間の痛みが1番心配です。極まれにきちんと外せる時もあるんですが…。コンタクトを1dayにしてるからよいものの、外れたコンタクトは外れた時、2つに折れてくっつき、水につけても元には戻らず、これが1dayじゃなくても1回きりしか使えません…。コンタクトを購入しているかかりつけの眼科で相談しても、点眼をこまめにする事と時間を短くする事しかないと言われました。何度か相談すると、コンタクトを使わず毎日眼鏡にしたら?と言われました…。
 違う眼科でもらったヒアレインも1dayだからと一時期コンタクトの上からもさしてましたが、かかりつけに駄目だと言われ、やめました。保育士をしていて、眼鏡で仕事をしていると、今までも子どもにも何度もあたったり、私が叩かれてずれて目に眼鏡があたったりと危険な事が多々あったので、出来る限り眼鏡はしたくないのです。今までコンタクトを購入している眼科で何度も見てもらいましたが、その時は傷はありませんでした。外した時の目の痛み(何の痛みなのか…)、ドライアイについて等いろいろ悩んでいます。ちなみに花粉などにアレルギーがあり、目に痒みが出たりします。またよく、片目の瞼が蕁麻疹のように赤く腫れます。
 
(A)  ご連絡有難うございます。
 ドライアイがあり、コンタクトレンズの装用が難しいということですね。
 コンタクトレンズは確かにドライアイに不利に働きますので、眼鏡で過ごすことができるのなら、それが一番だと思います。
 コンタクトレンズの使用をご希望されるということでしたら、
(1)ドライアイに対しての治療をした上でレンズを使ってみる。(涙点プラグ、キープティアなどの治療があります)
(2)ドライアイに適しているというコンタクトレンズに変更してみる。(プロクリアワンデーというレンズが出ています)
 という方法が、考えられるかと思います。
しかし、ドライアイの程度によっては,難しい場合もありますので、お近くの眼科でご相談をお勧め致します。どうぞ参考になさってください。


2011年08月25日 グラフ旭川9月号 
「交通事故後の飛蚊症」
 

(Q)お世話になります。
 飛蚊症の症状を読んでいて気になった事があります。以前、交通事故で頭を強打しました。その日の朝までは、浮遊物も何も見えなかったのですが。
 交通事故にあって、病室に入り天井を眺めていた時に、浮遊物がふわふわと飛んでいました。その時部屋で見ていた事もあり、顕微鏡で見る微生物のように見えました。しかし、退院して外に出ると黒い浮遊物がふわふわと、大量に見えました。
 交通事故にあうその日までは、全くなかった症状です。頭を強打した場合、このような症状が起きるのでしょうか。
 お忙しい中、すみませんが、回答の程よろしくお願いします。
 
(A)  ご連絡有難うございます。
 交通事故後の飛蚊症とのことですね。
 飛蚊症で受診される方のほとんどは、心配のないもの(病気ではないもの)なのですが、なかには網膜剥離や網膜剥離の原因となる網膜の穴(網膜裂孔)が見つかる場合や、目の中の出血や、目の中の炎症など病的なものが原因となっている場合もあります。
 眼球を直接ぶつけた場合には、外傷による網膜裂孔が原因の場合もあり得ます。頭をぶつけたということでしたら、それが直接飛蚊症の原因とは考えにくいのではないかと思います。
 飛蚊症は目に病気が起きて生じている場合と、そうではない場合があります。まずはお近くの眼科を受診されて、詳しい眼底検査を受けることをお勧めいたします。瞳をひろげる目薬を点眼し、30分くらいお待ちいただき、詳しく目の中の端っこまで、見せていただきます。検査自体は少しまぶしいくらいで、痛くない心配のない検査です。ただし検査後も3~4時間瞳がひろがっているため、見づらくなりますので、運転はしないで受診することをお勧めします。どうぞ参考になさってください。


2011年07月25日 グラフ旭川8月号 
「先天性鼻涙管閉塞」
 

(Q)旭川で小児眼科でどこがいいかとネットで検索していてこちらにたどり着きました。
 生後2ヵ月の娘が「先天性鼻涙管閉塞症」と診断され(里帰り出産でしたので、実家の近くの眼科に数回かかった時にそう診断されました)、旭川でも眼科にかからなくてはならないのですが、どちらにかかればよいかと迷っているところでした。
 生後間もなく目やにがひどかったので一度眼科にかかったほうがよいと言われて眼科にかかり、鼻涙管がつまっているので目薬とマッサージで様子を見ながら、数回検査も受けました。数日前まで目薬とマッサージを続けていましたが、今も目やには少し出ますし、大泣きすると涙がぴょんと飛ぶときがあります。
 このままマッサージだけで改善しないときは鼻涙管に針金のようなものを通す処置が必要だとは言われていますが、これをするかどうかと処置の時期等には医師によって判断がまちまちだと実家近くのの医師には言われました。自然に治ることがあるということなのでしょうか?出来れば痛い思いはさせたくないと思いますが、小さいうちに治療したほうが、軽くすむのなら早く治してあげたいという気持ちもあります。
 先生はこのような乳幼児の治療についてはどのようなご判断でしょうか?よろしければ教えていただければありがたいです。
 
(A)  ご連絡有難うございます。
 先天性鼻涙管閉塞症とのことで、ご心痛のこととお察し致します。赤ちゃんの目やに、涙の原因として見られる病気です。
 かかってらした眼科の先生のお話の通り、まずは涙嚢マッサージと点眼薬で様子をみるという方針に賛成です。
 私は、生後7ヵ月になるまではマッサージと点眼で様子をみています。マッサージと点眼で自然に治る場合があること、7ヵ月以上になってしまいますと、赤ちゃんを抑えて処置することが難しいこと、7ヵ月くらいまでは、感染に対する抵抗力が弱いので早期の処置はお勧めできないことが7ヵ月まで待つ理由です。
 しかし、赤ちゃんによって体の大きさが異なりますので、体格のよい赤ちゃんの場合は、抑えることが出来るうちにと考えて、生後5ヵ月で処置を行う場合もあります。これは、抑えられない場合は全身麻酔で行わなければならないことになってしまうので、それであれば、早めにと考えて行う場合があるということになります。
 痛い思いをさせたくないというお気持ちはよくわかりますが、急いで処置を行うことにもリスクがありますので、私はお勧め致しません。7ヵ月ころの処置はもちろん赤ちゃんの記憶には残らないと考えています。
 一度、現在の状態の診察を受けていただいて、ご相談すべきかと思います。当クリニックに受診されるのであれば、予約を入れますのでご連絡をお願い致します。どうぞ参考になさってください。


2011年06月25日 グラフ旭川7月号 
「強度近視のHCL」
 

(Q)初めてメールいたします。56歳 男性です。
 私、超強度近視で左-21.0D 右-18.5D のハードコンタクトを付けていますが、このレンズが合わなくなりました。
 いくつかの眼科医に相談しましたが、無理といわれました。先生のところで、これ以上の度数のコンタクトレンズを作ることは可能でしょうか。
 もし、作っていただけるのなら診察を受けたいと思います。
 よろしくお願いいたします。
 
(A)  ご連絡有難うございます。
 当方ではメニコンのコンタクトレンズを取り扱っております。メニコンでは、特注制作になりますが、-25.0Dまでは作製可能となっております。特注ですので、注文してから2週間ほどお待ちいただく必要があります。一度、検査にいらしてください。予約の方を優先に診察していますので、いらっしゃる前に予約をお願い致します。
 いくつかの眼科で相談したということですが、コンタクトレンズの度数を上げても視力が出ないので作製できないということであれば、詳しい検査が必要になると思います。眼底検査も必要だと思いますので、ご自分で運転しないでの来院をお願い致します。
 また、長年コンタクトレンズを使用されている場合に、角膜内皮細胞が減少していることがあり、その場合はレンズの使用を中止しなければならないこともあり得ます。
 それらの検査結果をみて、ご相談させてください。どうぞ参考になさってください。


2011年05月25日 グラフ旭川6月号 
「外傷性網膜裂孔」
 

(Q)お忙しいとこ申し訳ありません。子供の(小学6年・男の子)の母親です。
 先日(土曜日)、サッカーの試合中に右目辺りを相手チームの子の頭部と激突してしまい、目の辺りが内出血してしまいました。念の為、目に異常はないかと思い眼科に行き、診察をしてもらったところ、ごくわずかな穴が開いてると言われ(場所的に時計の10時辺り)ました。光をあて固めましょうと言われました。手術名は・・・網膜光疑固術でした。まさかそんな事になってるとは思わず、驚きのままゆっくり考えずその場で手術を承諾し治療した事がよかったものか悩んでおります。
そこで質問なのですが・・・
1.この手術自体はよくある手術なのでしょうか?
2.また、穴の回りを焼き固めるのではなく、塞ぐような事は出来なかったものなのでしょうか?
3.この手術は、網膜剥離を防ぐための手術だとは思われるのですが、網膜光疑固術は、レーザーで焼き固めたとこが完全に固まる事によって成功した事になるのでしょうか?
4.手術後気をつけておかなければならない事がアドバイスお願い致します。
 いろいろと、ご質問させて頂き申し訳ないのですが、手術をして頂いた、先生は具体的なアドバイスをしてくれず、聞いてもただ安静にしておけばいいですとしか言われず・・・不安でたまりません。実際、診察をしてもらわないとわからいとこではありますが、一般的な事でよいのでご回答宜しくお願い致します。
 
(A)  ご連絡有難うございます。お子様の外傷性網膜裂孔とのことですね。
 外傷によって網膜剥離が起きることも有りますので、外傷があって網膜裂孔をみつけた場合には、網膜光凝固術を行うと思います。
 「穴の周りを焼き固めるのではなく、塞ぐようなこと」になりますと手術になります。網膜剥離になっている場合は、手術を行いますが、全身麻酔をかけて入院に手術になります。網膜剥離を伴わない網膜裂孔では、通常は網膜光凝固術を行います。
 「網膜光疑固術は、レーザーで焼き固めたとこが完全に固まる事によって成功した事になるのでしょうか?」そうです。
 網膜光凝固術で100%網膜剥離を予防できるわけではありませんので、飛蚊症の症状があったらすぐに受診すること、主治医の先生の指示に従って受診することが大切だと思います。お子さんに片目ずつ隠して、見え方の左右差がないかチェックするようにお話ししてみると良いと思います。どうぞお大事になさってください。


2011年04月25日 グラフ旭川5月号 
「サッカーのコンタクトレンズ」
 

(Q)はじめまして よろしくお願いします。
 今回相談したいことは、今年中学校1年生になった息子のことです。小学校1年生から続けているサッカーですが、中学でもサッカー部に入部しました。眼鏡は小学校3年生から使用しています。合わせてサッカーではスポーツゴーグルを使用していましたが、中学では試合によっては危険なのでゴーグル禁止の試合もあるということで、コンタクトに変えようと思い近隣の眼科へ行きました。
 しかし診察で「身長が低いからコンタクトは使用できません」と言われたので、サッカーの試合でスポーツゴーグルが使用できないことを説明し、もう一度お願いすると「ガマンするしかないね、身長が150cm超えたらもう一回来て。」と言われました。
 もともと小さい息子が150cm超えるの待ってたら、高校生になってしまう・・・今必要なのに・・・
 ネットを調べると小さいころからコンタクトを使用している方もいるみたいで、なぜうちはダメなのか不思議に思いネットで調べたら今野先生はネットでも相談してくれるのを見つけお願いした次第です。
 身長が低いとやはり無理なんでしょうか?判断をお願いします。
身長 138cm(今年1月測定)
体重 40kg
 どうかよろしくお願いします。
 
(A)ご連絡ありがとうございます。
 中学1年生のコンタクトレンズとのことですね。コンタクトレンズは角膜に直接のせるものですので、角膜に行く酸素が少なくなるので、早い時期からの装用は私もお勧めしておりません。
 サッカーなどで眼鏡が使用できないということは,実際にありますので、そういう場合は、サッカーの試合などの間だけの、なるべく短い時間での使用をお勧めしています。試合以外の練習の時はスポーツゴーグルの使用をお勧めしています。
 身長が低いと無理かどうかについてですが、実際に入れられるかどうかは、やってみないとわかりません。確かにお顔が小さいお子さんの場合には、瞼裂(目のあき方)が狭く、コンタクトレンズが入れられないこともあり得ます。その場合は、残念ですが断念せざるを得ないと思います。
 コンタクトレンズがご希望でしたら、一度診察にいらしていただきたいと思います。初日は視力検査と、レンズが入れられるかの確認、入れられるとすると、次回に装用練習ということになります。
 ご都合のよろしい時に、予約を入れて下さい。宜しくお願い申し上げます。どうぞ参考になさってください。


2011年03月25日 グラフ旭川4月号 
「まぶしい」
 

(Q)はじめまして。
 ひとつ相談があります。当方22歳の男性です。
 最近、自分の目が非常に刺激に対して疲れやすいのです。たとえば、夜間の車の運転のときに他の車のライトが、直接、もしくは鏡を通して目にどうしても入ってきて疲れるのです。
 また、会議などホワイトボードを何時間も見ていると、蛍光灯が、ホワイトボードを反射して、目に入ってくるので、疲れるのです。
 他の眼科で、疲れ目の目薬はもらっているのですが、刺激への感度を低下するいいものは何かございませんでしょうか?
 
(A)ご連絡ありがとうございます。光がまぶしいとのことですね。
 まぶしさは、角膜の傷や白内障などの目の光の通り道に異常がある時に、光が散乱するために起きることがあります。22歳でしたら、白内障は考えにくいと思いますし、眼科を受診しているとのことですので、角膜の傷もないのだと思います。
 「ホワイトボードを何時間も見ていると…」とのことからは、角膜の表面が乾きやすくなっている可能性はあるのではないかと思います。通院している眼科で、もう一度ご相談することをお勧め致します。ドライアイの検査をしてみたほうがよいのではないかと思います。ドライアイの中にも、涙の量が減少しているタイプ、涙の質の変化により蒸発量が増加しているタイプのドライアイもあります。ドライアイの新しい目薬も出ていますので、ご相談してみては如何でしょうか。
 お役に立たないお返事で申し訳ございません。当クリニックを受診できるのでしたら、ご予約の連絡をお願い申し上げます。どうぞ参考になさってください。


2011年02月25日 グラフ旭川3月号 
「二重手術後の出血」
 

(Q)はじめまして。先生の相談室を知り、分野違いであると思いますが、医師のご意見を聞きたくメールいたしました。
 美容形成の医院で、3日前に両目の二重全切開をしました。 以前の埋没法の糸を取り除くことも一緒にお願いして。
 そして、術後、糸は溶ける糸だったのか、捜したけど見つからなかった。 探すのでいじったから、もしかしたら、左目が内出血なるかも。と術後いわれました。もしなったら赤み引くのに1年はかかると言われました。 切ったラインの周りがなることはよく情報で見かけていたのですが、眼球の白目の部分が赤く内出血を起こすことなんてあるんでしょうか? 手術に何か起こったとしか考えられないんですが・・。 そして、術後3日目で左目のみ、白目のところが赤くなりました。
 目頭の内側も腫れていずいような・・ゴロゴロした感じがあります。下瞼に痒みがあります。手術を担当した先生は何をいっても「大丈夫だよ」しか言ってくれません。
 去年、花粉症なので、痒くなり目が赤くなることはありましたが、、。今回は術後で言われたとおり内出血がおこったので、手術が原因かなと思っています。それとも目の病気を併発したのでしょうか?現在術後間もなくで、眼科に行ける顔ではなく、こうして、ご相談させていただきました。 いまとても不安です。 切開法の手術で、このようなことは起こりうることなんでしょうか?
 ご多忙とは思いますが、ご返答お待ちしております。
 
(A)  ご連絡ありがとうございます。手術後の変化でご心痛のことと思います。
 白目のところの出血ということですが、白目の出血は、結膜下出血だと思います。ただし、診察していませんので断言はできませんが。
 結膜下出血であれば、もちろん量によりますが、1週間から2週間で自然に引いてくるものだと思います。主治医の先生が赤みがひくのに1年かかるというのは、それとは違うものかと思います。
 主治医の先生が大丈夫というということですので、心配のない結膜下出血ではないかと思います。執刀した先生とよくご相談することをお勧め致します。
 はっきりとした物言いではなく、申し訳ございません。診察をせずにお答えするメール相談には、限界があることをご理解下さい。どうぞ参考になさってください。


2011年01月25日 グラフ旭川2月号 
「下眼瞼睫毛内反」
  

(Q)初めまして、子供についてご相談です。1歳10カ月 男児 です。
 1週間くらい前から、左目下まつげが若干上を向き始めて、常時ではないのですが目に入っているようなのです。目やにも、それほどひどいわけでないのですが、気になります。
 ちなみに旦那も子供の時に逆さまつげの手術を経験済みです。(4歳くらいから発症して、小学3年生くらいに手術)。まだすぐに手術ということにはならないと思うのですが、まだ子供も小さいので、できるだけ親切な病院を探しています。
 とりあえず一度受診したほうがよいのでしょうか?まだ様子をみたほうがよいのでしょうか?
 返信よろしくお願いいたします。 雨竜郡北竜町 
 
(A)ご連絡有難うございます。
 お子さんの逆さ睫毛とのことですね。下眼瞼睫毛内反という状態かと思います。
 通常は成長とともに自然に治ってくる場合が多いですので、様子を見ることになると思いますが、場合によっては角膜(黒目)に傷がついてしまいますので、傷を治す目薬が必要になることもあります。
 自然に治る場合が多いですから、すぐに手術にはなりませんが、小学校に入る頃になっても、まだ睫毛が黒目に当たっている場合は、手術のご相談が必要になる場合があります。お子さんの手術ですので、通常は全身麻酔での手術になりますから、麻酔科のある総合病院での手術を紹介させていただくことになります。旭川でしたら、医大病院、日赤病院、市立病院にお願いすることになります。
 やはり一度、受診していただいた方がよろしいかと考えます。どうぞ参考になさってください。


2010年12月25日 グラフ旭川1月号 
「間歇性外斜視」
 

(Q)こんばんは。
 私と娘が斜視(ぼーとしたりすると斜視になる)なんですが、ここ1~2年で私の斜視の具合が悪化したような気がするんです。
 頻繁に斜視になっているというか…。パソコンやテレビを数分見ていると、すごく疲れてほとんど片目で見ているような感じです。
 近くにある眼科で見てもらった際には「年とともに悪化してきているのかもしれない。あまり酷くなって辛いようなら手術なども考えた方がいいかも…」と言われました。
 これから冬休みが始まり子供たちも家にいて病院には行けないので、休み明けに見てもらったほうがいいのかな…と思うのですが…。
 急ぐものではないでしょうか?
 
(A)  ご連絡有難うございます。
 お話からは 間歇性外斜視ではないかと思います。
 疲れた時や、ぼーっとした時に、片目が外側に行きやすくなる状態ではないかと思います。お近くの眼科の先生がお話しされたように、外斜視の時間が長くなって、疲れなどの自覚症状がある場合は、手術を考えた方がよい場合もあります。
 急ぐものではありませんので、冬休みが終わってから、休み明けに眼科の受診をお勧めします。
 また、お子さんも一緒に受診していただいたほうがよろしいかと思います。いらっしゃる日がわかりましたら 予約をいれますのでご連絡をお願い申し上げます。
 眼底検査も必要になりますので、3.4時間まぶしくなる目薬を入れます。ご自分で運転しないで、受診していただければと思います。どうぞ参考になさってください。

2010年11月25日 グラフ旭川12月号 
「ハードコンタクトレンズ更新」
 

(Q)大変お世話になります。
 コンタクトレンズについてですが、現在コンタクトレンズを使用していたのですが、紛失してしまいました。更新をしたいのですが、受診後すぐにコンタクトレンズを受け取ることはできますでしょうか?遠距離のため何度も通院することが困難であります。
 紛失したコンタクトはハードレンズを使用しており、紛失した対応として一日使い捨てのソフトレンズを使っています。
 更新には2週間使い捨てのソフトレンズを希望しています。
 使用していたコンタクトは古くなり更新を考えていたものでした。眼鏡も使用はしています。
 よろしくお願いします。
 
(A)  ご連絡有難うございます。
 レンズの更新とのことですが、例えば度数が強い、カーブが強い(弱い)場合はすぐにレンズがないこともあります。
 また、今までハードレンズにしているとのことですが、近視の度数が強い場合、角膜内皮細胞が減少している場合などはソフトレンズをお勧めできない場合もあります。角膜にとっては、ハードレンズの方が透過する酸素量が多いため、安全であると考えられています。
 まずは視力検査、角膜内皮細胞検査を受けていただき、2週間使い捨てのソフトレンズの使用が可能かどうか、相談が必要かと思います。その結果によりましては、ハードレンズの更新をお勧めすることになる場合もあります。また、ハードレンズは長く使用している方もいらっやいますが、1年に一度の更新が好ましいと考えられております。
 ご都合の良い日が分りましたら、予約を入れますので、ご検討をお願い致します。


2010年10月25日 グラフ旭川11月号 
「82歳白内障手術」
 

(Q)診療にも伺っていないのに、メールでの問い合わせで失礼致します。
 今年、82歳になる母ですが、以前、白内障と診断され、目薬投与の治療をしておりましたが、最近になって手術での治療を考えているようで、娘と致しましては、高齢で、しかも20年来C型肝炎で通院しており、手術という方法での治療を考えるべきなのか迷っております。
 症状の特徴は、黒い花が飛んでいるような感覚があると申しております。
 お忙しいのに、申し訳ありませんが、アドバイス下さいますようお願いいたします。
 
(A)  ご連絡有難うございます。
 お母様の白内障手術のお尋ねですが、ご本人の意欲次第だと思います。
 ご本人が見えにくくて、手術を考えているのであれば、手術を受ける方向で考えるべきだと思います。年齢だけではなく、全身疾患、また白内障の進行度合いから、入院手術が好ましいか、日帰り手術で問題ないか、決めるべきだと思います。
 ご本人が白内障だと思っていても、目の中に他の病気がみつかることもありますので、まずは眼科で検査を受けて、白内障手術によって視力回復が得られる可能性が高いかどうか、診断をもう一度受けていただく必要があると思います。
 また、黒い花が飛んでいるような感覚、というのは白内障によるものではなく、飛蚊症かと考えます。飛蚊症は目の中の病気で起きることもありますので、詳しい眼底検査が必要です。飛蚊症の原因が病気でなく、年齢による変化によるものであっても、こちらの症状は白内障の手術のあとにも残る可能性があると思います。
 お母様とよく相談になって、お近くの眼科を受診してみて下さい。どうぞ参考になさってください。


2010年09月25日 グラフ旭川10月号 
「緑内障の点眼治療」
 

(Q)道新のWEBで先生のメール相談受付の件拝見しメールさせていただきました。
 今年の8月に両目共緑内障と診断され、視野の欠損それぞれ、初期と4分の1、正常眼圧13から14、ドライアイです。
 5月より目薬治療“レスキュラ”点眼始めましたが、8日目で目が一瞬開けられないほどの激痛あり角膜が傷ついた事判明し、点眼ストップしました。
 次回からはタプロスという新薬と言われ迷っています。
1. タプロスという新薬、副作用のデーターもなく不安な事。
2. 副作用はレスキュラが一番ないのなら痛くても、角膜傷ついても、我慢して点眼したほうがよいのか。
3. わずか点眼1週間足らずで正直、ずーっと点眼治療に恐怖心があり戸惑いがあります。
 札幌でどこか緑内障の専門眼科ご存知でしたら教えて戴けますでしょうか?お忙しいところ恐れ入りますが、どうぞよろしくお願いいたします。
 
(A)  ご連絡有難うございます。
 緑内障の治療薬についてのご質問ですが、角膜に傷がおきるというのも、副作用の一つの可能性があります。角膜に傷があっても、我慢して点眼するということはお勧めしません。
 タプロスは新しく発売された薬ですが、キサラタンという発売されて10年経過するお薬と似ている薬で、眼圧を下げる効果はキサラタンと同等かそれ以上と言われています。副作用もキサラタンと同程度と考えられていますので、あまり心配することはないのではないかと思います。人によって薬の効き方には差がありますので、使用して効果判定が必要になると思います。
 緑内障は眼圧を下げ、視野を守ることが必要な病気です。点眼治療を怖がらずに、効果と副作用をみながら継続する必要があると思います。
 札幌での緑内障専門眼科とのご質問ですが、旭川医大の先輩の小笠原博宣先生が ことに眼科クリニックを開設しています。大学時代は緑内障外来を担当されていた優しい先生です。お近くでしたら、ご相談してみたらいかがでしょうか。どうぞ参考になさってください。


2010年08月25日 グラフ旭川9月号 
「プール後の洗眼」
 

(Q)はじめまして。 海外に住んでいます。
 プールの後の、洗眼について質問です。
 今までは、洗眼液で点眼していたのですが、プールが真水の場合は、必要ないですか?塩素系の消毒が入っている所は、したほうがいいのでしょうか?両方の場合で教えていただきたいです。 よろしくお願いします。
 
(A)ご連絡有難うございます。
 プール後の洗眼についてのご質問ですが、日本眼科医会の学校でのプール後の洗眼についての見解は「プールにはゴーグル使用が望ましい。またプール後の水道水による簡単な洗眼は行って良いが、積極的に推奨するものではない。なお児童生徒の体質によっては、学校医の指導のもと、プール後に防腐剤無添加の人工涙液の点眼や、簡単に水道水で目のまわりを洗うなどの対応も必要である。」というものです。
 洗眼は塩素系の消毒薬を洗い流すという意味と、プールの水自体が清潔ではないという観点から、洗い流しの効果も幾分かは期待されます。真水と消毒入りと同様に考えて良いと思います。しかし、長い時間の洗眼は逆に角膜を痛める原因になると考えられています。
 洗眼液は目のまわりの汚れを目に入れる危険があり、お勧めしません。どうぞ参考になさってください。


2010年07月25日 グラフ旭川8月号 
「授乳中の霰粒腫手術」
 

(Q)はじめまして。29歳  旭川市内在住です。
 何度か他院で霰粒腫の診断で切開の治療を受けたことがあり、この度半年くらい前から左の下瞼に霰粒腫ができてしましました。
 5月に他院を受診しましたが、当時妊娠中だったため切開できず、経過観察となりました。だんだん大きくなってきており、見た目にも見苦しいので治療したいのですが、もうすぐ2ヶ月になる子供がいるために(完全母乳で育てています)、なかなか受診できずにいます。
 受診当日に治療を受けることは可能でしょうか。また、処置はどのくらいの時間がかかるのでしょうか。2ヶ月の子供を連れて受診することは可能でしょうか(泣いたら他の患者さんの迷惑になってしまうので・・)。麻酔が母乳栄養に影響を及ぼす可能性はありますか。
 知人から貴院を薦められ、ホームページをみたところ、アットホームな感じがして受診したいと思いますが、まずはメール相談で今の困っていることを相談したくメールしました。よろしくお願いします。
 
(A)ご連絡有難うございます。
 霰粒腫の切開手術についてのお尋ねですが、結論から先に申しますと、授乳中とのことですので、現時点での切開手術はお勧め致しません。
 手術後に抗生剤、消炎剤の内服が必要であり、少ないながらも母乳への移行が考えられる点と、育児で疲れていると思われ、体力的に落ちている可能性のある時期の手術はお勧めではありません。お子さんがもう少し大きくなってからの切開手術をお勧め致します。それまでの間は、しばらく点眼薬の治療をしたいと思います。
 当クリニックでは、受診当日の切開手術は行っておりません。一度診察を受けていただいてから、予約の上で切開手術を行っています。お子さんはベビーカーで来ていただければ、問題ないかとは思います。どうぞ参考になさってください。


2010年06月25日 グラフ旭川7月号 
「網膜剥離術後のバックル除去」
 

(Q)私は、昨年6月に右目の裂孔原性網膜剥離と診断され、網膜復位術(強膜バックリング術)を受けました。おかげさまで順調に回復している様なのですが、以下の事が気になっています。
1.手術から1年以上経過しましたが、暗い所では若干ですが、視野は狭くなります。(剥離した網膜の感度低下?)(これ以上は回復しないかも知れないとのことでした。)
2.術後から異物感が消えず、手術をしていない眼と比べると疲れやすく、眼を開けている時間が短い。
3.風が当たる等の刺激で涙が出やすい。
4.調子が悪い時は、瞬きの後およそ1秒程、ほんのわずかに物が2重に見えてしまう。(大きく眼を見開いている時は常に2重に見えます。)
 この様なことから半年ほど前、執刀した先生に「バックルを外すことが可能か?」と尋ねたところ、もう一度眼をレーザー凝固して網膜を固定してしまえば、バックルは外しても構わないとのお返事を頂いたことがありました。でも、「術後1年間はこのまま様子を見ましょう」との事だったのですが、先生が転勤になり、今は別の先生に診て貰っております。でも、その先生は「バックルを外すことは感染症のリスクを伴い、なおかつ再び網膜が剥離する危険がある。」と言われました。私は、多少のリスクは覚悟してでも、眼の異物感と疲れやすさ、2重に見える現象を緩和したいと思っているのですが、バックルを外すことによる感染症や剥離の危険についての今野先生のご意見をお聞かせ頂けないでしょうか。
 
(A)ご連絡ありがとうございます。網膜バックルをはずしても問題ないかどうかにつきましては、おそらくは、多くの眼科医は確信を持った答えを持ち合わせていないと思います。
 バックル除去に伴う感染症のリスクについてですが、例えば網膜再剥離になった場合に再手術をためらうことはないはずです。再手術に関して感染症にかかるリスクは、もちろんありますが、手術の必要性がそのリスクを上回ると考えられる場合に手術は行われます。その点から考えますと、感染症のリスクを上回るバックル除去手術の必要性があるかと、言うことになると思います。
1.暗い所で視野が狭い。2.術後から異物感がある。3.刺激で涙が出やすい。4.ものが二重に見える。ということですが、バックル除去手術を行っても1-3は治らない可能性があります。ですので、4の二重に見えることがどれくらい不自由かということになるかと思います。日常生活で苦になっているのでしたら、バックル除去手術を考えてみるべきだと思います。
 網膜バックルをはずすことによる再剥離の危険性については、確信をもった答えを持ち合わせていないと申しますのは、基本的に網膜剥離手術の後にバックルをはずすことは非常にまれであるため、はずしたことによるリスクの上昇度合いを測りかねるからです。術後感染症、バックル露出などの場合に除去することがありますが、基本的には術後バックルをはずすことはありません。
 しかし、理論的には網膜瘢痕が完全に形成されていれば、網膜再剥離になる危険性はかなり減少していると考えられます。自分が執刀していない手術の患者さんのバックルをはずすのは、確かにある程度の勇気がいることだと思います。
 多少のリスクは覚悟してでも、眼の異物感と疲れやすさ、二重に見える現象を緩和したいと思っているということでしたら、そのことを主治医の先生によく話してみては如何かと思います。ただし、バックル除去しても、眼の異物感と疲れやすさ、二重に見える現象が完全になくならないこともありうることをご理解ください。
 はっきりとした物言いでなく恐縮です。どうぞ参考になさってください。


2010年05月25日 グラフ旭川6月号 
「糖尿病の視力低下」
 

(Q)留萌市  56歳 女性
 昨年7月糖尿病発症し、目に白いすじといいますかオブラートがかった様になり、視力も落ち、こちらの眼科で一度診てもらいましたが、水晶体のにごりだけです、との診断でしたが、今年に入り、ますます目えずらくなり、不安です。
 インスリンは昨年8月よりしてます。1日12単位  ヘモグロビン8.4。
 レーザー治療で解消されるのか?又、保険はききますか?治療費はいくらくらいかかるか、お知らせ下さい
 
(A)白内障と診断されたとのことですが、まずは現在の状態をしっかりと診てもらうことが重要だと思います。現在も、白内障だけで、糖尿病網膜症は発症していないのか、白内障に加えて、網膜症も出てきているのかで今後の治療方針は異なってくると思います。
 白内障だけであれば、白内障の手術も考えた方がよいかもしれません。ただし、手術を受けるにも、糖尿病のコントロールは重要であり、現在のヘモグロビンA1cの値は高すぎると思いますので、しっかりと内科での治療を続けることが重要だと思います。
 網膜症もある場合は、レーザー治療が必要かどうか造影剤を使った眼底造影検査が必要になると思います。その結果で、レーザー治療をするかどうかの判断を行います。当クリニックでは、眼底造影検査は行えません。留萌市で、造影検査を行えるのは市立病院だと思いますので、留萌市立病院に受診することをお勧めいたします。
 まずは現在の状態の正しい診断が必要だと思いますので、お早めに受診されることをお勧めいたします。どうぞ参考になさってください。


2010年04月26日 グラフ旭川5月号 
「歪み」
 

(Q)失礼します。ホームページを拝見してメールさせていただきました。
 54歳の男性です。遠視(+老眼)と乱視が入っております。下記のような状態なのですが、緊急の治療を要するか否かご教示賜れれば幸いです。
<症状の例>です。PCでの文字表現上水平には表記できない為、垂直で表記します。実際にはこれを左90°倒してお考え下さい。次のような平行線があったとします(つまり、実際には左へ90°傾けてお考え下さい):
I  I
I  I
I  I
I  I
I  I
これが左目ではそのままの平行線に見えます。ところが問題の右目では次のように見えます。
I  I
I  I
(  )
I  I
I  I
文字・記号で表現したために、一文字分のみで歪をあらわしました。 実際には(  )の部分はもう少しなだらかな曲線です。目の玉の部分に該当する部分の像が歪んでいるように思います。理由は、例えば目の玉を右へ動かすとこの( )のひずみの部分が右へ移動するからです。
<質問>只今のところ、眼科へ行く時間が取れないのですが、焦眉の急の処置を要する問題なのでしょうか?もしそうなら、作業を止めて眼科へ行きたいと思います。宜しくアドバイス賜りますようお願い致します。
 
(A)ご連絡有難うございます。
 ご相談の内容からは、目の奥にある神経の膜の中心部、網膜(もうまく)の黄斑部(おうはんぶ)という場所に病気が起きている可能性がありますので、ぜひ眼科を受診することをお勧めします。
 私たちの目は、瞳から入った光が目の奥で像を結び、その像が神経を通って脳に伝えられることによって物が見える仕組みになっています。目の奥の一番内側にある神経の膜の網膜は、目をカメラに例えますとフィルムの役割を果たしています。網膜はその場所によって感度が異なり、網膜の中心部分は感度が高く、もっとも重要な部分で黄斑部と呼ばれています。黄斑部は視力に関わりが深く、物が見えたり色を識別する細胞が集まっています。
 ご相談にあります物が歪んで見える「変視症」は、網膜の黄斑部に変化が生じたときに起こる症状です。眼科では視力検査を行い、網膜の状態を詳しく調べるために精密眼底検査を行います。検査では目薬をさして瞳を開きます。そのためまぶしくなり、近くが見えにくい状態が4.5時間くらい続きますので、車の運転をせずに眼科を受診していただいた方がよろしいと思います。
 お近くの眼科を受診してみてください。どうぞお大事になさってください。


2010年03月25日 グラフ旭川4月号 
「外傷と斜視」
 

(Q)はじめまして。初めてメールさせて頂きます。
 娘が4歳なのですが、先日、ドアノブに目を強くぶつけてしまい痛かったらしくて、凄い勢いで泣いておりました。
 目からは出血とかは、なかったのですが、ちょうど一週間前なのですが、そういうのが原因で斜視になるケースはあるのでしょうか?なんとなく横を向いてる時に、そうなのかなって思ってしまいます。
 もしかして、それが原因で斜視になってしまったのかと思うと、凄い責任を感じてしまいます。妻は全然そんなことないと言いますが、私自身、凄く気になります。
 私の不注意で、ドアノブに目を強打してしまったので。くだらない質問で申し訳ないのですが、回答をお願いいたします。
 
(A)  ご連絡有難うございます。
目に外傷をうけての斜視というのは、あまり一般的には認められないことかと思います。
しかし、
目に外傷を受けていること、
斜視のような気がすること、
の二つは、それぞれが眼科を受診する必要のある状態だと思います。
 4歳の娘さんであれば、しっかりと視力検査もできますので、是非お近くの眼科を受診することをお勧めいたします。
 視力検査、眼位・眼球運動検査を行い、目薬を入れて瞳を大きくしてから、目の中に異常が起きていないか眼底検査も必要になると思います。検査をして異常がないかを調べることが安心につながると思いますので、受診をお勧めいたします。どうぞ参考になさってください。


2010年02月25日 グラフ旭川3月号 
「飛蚊症」
 

(Q)こんにちは。最近目について気になっていることがあり、相談させていただこうと思います。私は今年21歳になる女性です。
 最近、左目の端(外側)に、白い物が上から下へ落ちていくような何かが見えることが時折あります。 実際に物体が落ちているというよりは、そういう風に見えているだけという感じで、異物感などはありません。
 コンタクトレンズを着用しているので、次回検診に行くときは聞いてみようとは思っているのですが、とても気になっているので、その前に先生にメールさせて頂きました。
 文章の分かりにくいところがあったらすみません。お忙しいとは思いますが、よろしくお願いします。
 
(A)ご連絡有難うございます。気になっている症状は飛蚊症だと思います。
 飛蚊症は、目の中に入っている生タマゴの白身のようなゼリー状の物質の中にできた濁りの影を見ることによって感じると考えられています。特に明るい日、白い壁や白いノートを見た時に気になることが多いようです。
 飛蚊症は病気が原因ではないことが多いのですが、まれに網膜裂孔などの病気が原因のこともあります。瞳を広げる目薬を入れて、目の端っこまで診察する必要があります。どうぞお近くの眼科を受診してください。
 瞳を広げますと、3.4時間まぶしく見えにくくなりますので、車の運転をせずに受診することをお勧めいたします。どうぞ参考になさってください。


2010年01月25日 グラフ旭川2月号 
「5ヵ月の内斜視」
 

(Q)こんにちは。5ヵ月の子供の斜視について、お聞きしたいことがあります。
 私自身は、子供が斜視かもしれないと、気が付いていなかったのですが、私の両親に、子供の右目が、時々内側に寄っているときがあると言われました。今、気にかけて見ているところです。
 子供の祖母、子供の父も斜視があるので、たぶん遺伝しているのだろうと思いますが・・・(子供の祖母が斜視なのはわかっていましたが、子供の父も斜視があったとは、自分の旦那なのに 気が付いていませんでした。旦那はかなりの視力の左右差があります)
 子供の視力が悪いとかわいそうなので、一度受診したいと思うのですが、まだ5ヶ月の赤ちゃんなので、このままもう少し様子をみるものなのか、もし斜視であった場合、経過をみたり 治療があったりするものなのでしょか?
 もう少し大きくなってから受診したほうが、よいのでしょうか?受診をして相談すべきなのでしょうが、よろしくお願いします。
 
(A)ご連絡有難うございます。5ヵ月のお子さんの内斜視とのことですね。
 生まれつき内側によっている場合は乳児内斜視、1歳くらいから内側によってくる場合は遠視の関与する調節性内斜視が考えられます。
 乳児内斜視の場合は、かなり目が内側に寄っていることが多いので、お母さんが今まで気付いていなかったということですので、その可能性は低いと思います。まずは一度、診察を受けていただきたいと思います。
 目の向きの検査と、眼底検査も必要になると思います。まだ視力検査はできませんが、斜視があるかないかを、まずは検査を受けていただきたいと思います。また赤ちゃんの場合は、見た目が内側によっていても、実は内斜視ではない偽内斜視の場合も多く見受けられます。
 ご都合のよい時間を連絡下さい。予約を入れたいと思います。正面から映っている顔写真も持ってきていただけると有難いです。どうぞお大事になさって下さい。


2009年12月25日 グラフ旭川1月号 
「Lasik の安全性」
 

(Q)38歳男性 裸眼視力:右0.04、左0.08。メガネ使用。
 とくに眼疾患を指摘されたことはありません。
 知人がレーシックを受け、当方も受けてみたいと考えておりますが、長期的な安全性が気になり、踏み込むことが出来ません。 近隣眼科専門医にてセカンドオピニオンを受けましたが、「全否定」という立場の医師であり、現段階では止めておくほうが無難かと考えましたが、いろんな立場の専門家の意見を伺いたく思います。
ポイントとして
1)長期の安全性(現段階では予測になると思いますが)
2)白内障年齢になった際は、手術をしたことが不利になりませんか?
よろしくお願いします。
兵庫県加古川市
 
(A)  ご連絡有難うございます。
 レーシックの長期的安全性についてですが、レーシックの歴史の長さから長期的な安全性には言及できませんが、角膜の実質細胞より表面に対しての手術ですので、角膜内皮細胞には手を加えている訳ではないことからは、おそらく長期的にも安全なものであろうと考えられているというのが眼科医のコンセンサスだと思います。
 しかしながら、近視の度数が強い場合には削る角膜量が増えてしまいますので、眼球の脆弱化を来す危険性もあり、それが長期的に問題となる可能性はあります。その観点からご自分の近視の度数が何ジオプトリーなのか(お知らせいただいた裸眼視力からは分りかねます)、ご自分の角膜の厚みが何マイクロメーターなのか、矯正に必要な角膜の削り量が何マイクロメーターなのか、ということを知る必要があると思われます。それは、手術を受ける前によく手術を担当する眼科医と相談することをお勧めいたします。
 白内障手術に関してですが、先ほども述べましたように角膜内皮細胞には影響はないと考えられますので、白内障手術に不利になることはないと思います。しかし、白内障手術後の屈折度数を幾らにするかという術前予測には、レーシック手術後の角膜の厚み、カーブを勘案する必要があり、その点は重要なことだと思います。
 どうぞ参考になさっていただいて、お近くの眼科専門医でご相談をお勧めいたします。

2009年11月25日 グラフ旭川12月号
 「蓄膿症と眼精疲労」
 

(Q)私は、リタイヤ後にネットトレード及び毎日ジョギングしている自称“元気印63歳男子”です。
 昨年7月に右眼レーザ治療(左眼は3年前、網膜剥離手術)後に、左右白内障手術をしました。現在眼科では1ヶ月毎にプロラノン点眼薬3個の処方を受けています。
 同じく昨年7月に耳鼻咽喉科で慢性副鼻腔炎と診断され、耳鼻咽喉科には1週間毎に通院し、アクディール30mgを1日3回、ジルテック10を1回の処方を受けています。
 現在の病状は、“蓄膿症”は完治しておらず、いまだに粘液性のある鼻汁が出て喉に回る病状が続いております。当初の顔全体(頬部)の炎症から、ここ1~2ヶ月前では両目と鼻上部が炎症している様子です。
 “眼精疲労”の件、近眼で新聞読み・2台PC利用するとジ~ンと眼の疲れが出るため1~2時間後にプロラノン点眼液を使用しています。又、眼精疲労が和らげるため市販のサプリメント・ナボリンS(エーザイ)を1日3回使用しています。
耳鼻咽喉科の先生からは蓄膿症と眼精疲労は無関係と言われていますが、
1)眼精疲労に「蓄膿症」は影響していないのでしょうか。
2)眼精疲労に対する治療が何かありましたらご教示ください。
3)その他、日常生活での留意事項などご教示ください。
宜しくお願い致します。
 
(A)  ご連絡ありがとうございます。眼精疲労でお困りとのことですね。
 副鼻腔炎が眼精疲労に影響していないか、とのことですが、目の疲れのメカニズムは完全に解明されている訳ではありませんので、目の近くの部位の炎症が、目の疲れとして現れている可能性はあるかもしれません。目も身体の一部ですので、他の部位の不調のための影響が出ていることがあるのかもしれません。副鼻腔炎が完治しても疲れが残るかどうか、ということになりますので眼精疲労の原因検索と合わせて、副鼻腔炎の治療の継続が必要だと思います。
 眼精疲労の治療、日常生活の留意事項についてですが、新聞、コンピュータ、運転時など、それぞれに際して、お使いの眼鏡が合っているかどうかが、重要なことだと思います。両眼の白内障手術も受けていらっしゃるとのことですので、眼内レンズ眼になっていると思います。調節力がありませんので、それぞれの見たい距離に適した眼鏡の使用が必要になってくると思います。また、コンピュータ使用時には瞬きの回数が極端に減りますので、ドライアイの症状として疲れが出ている可能性もあります。ドライアイがないか、主治医の先生に検査をお願いしてください。
 ご自分では、瞬きをつとめて多くするように意識していただき、疲れた時は目をタオルで冷やしたり、逆に暖めたりすることが効果的な方もいらっしゃいます。目の周りを軽くマッサージ(目自体は押さないでください)してみるのは如何でしょうか。どうぞ参考になさってください。


2009年10月25日 グラフ旭川11月号 
「近視の進行」
 

(Q)現在中学2年の男の子ですが、小学校2年生位から急に視力が落ち始め近視が進み、3年生で眼鏡をつくり今に至ります。よく考えてみると1年生から4年生位の間、台所の白熱灯の照明に手元に蛍光灯のスタンドを照らして毎晩勉強していました。
 それに比例して視力低下があったように思われて仕方がありません。白熱灯なので部屋は薄暗い感じで手元だけ蛍光灯で明るいので、眩しいような見づらいような感じだったと思います。
 最近ある本で部屋の明るさが均一でないと、視力低下が起きると知りました。その頃は視力が落ちたのはゲームのせいだとばかり思っていましたが、実は照明が原因で子どもの視力低下を招いたのではないかと思えるようになりました。両親とも近視で父親は強度の近視なので、こどもが近視なのは仕方がないとは思いますが、私がその事に早く気が付けばもっと近視を遅らせることは出来たはずだと自分を責めています。
 原因は自分にあるのだと思うと悔やんでも悔やみきれません。
 白熱灯の部屋に蛍光灯のスタンドという照明はやはり目を疲れさせ視力低下の原因になるでしょうか?
 
(A)ご連絡有難うございます。
 現時点で近視になる原因は、はっきりとはわかっていないというのが現状です。
 一般的には、遺伝的素因に環境要因が加わって近視になると言われていますが、この環境要因で必ず近視になるというものは、わかっておりません。ご両親が近視とのことですが、顔が似るように近視になることが多いようです。
 近視は決して心配な病気ではなく、背が高いとか低いとかと同じ身体の特徴だと考えてみてください。
 目が疲れることとと、近視の進行とには因果関係ははっきりしていないと思います。照明のために近視が進んだとは考えにくいとおもいますので、お母さんが原因ということはありません。どうぞ参考になさってください。


2009年09月25日 グラフ旭川10月号 
「ワニの涙現象」
 

(Q)初めまして、子供の目の事について相談したいのですが宜しくお願いします。
 3歳6ヶ月の娘がいるのですが、いつ頃からか定かでは無いのですが、気が付いたら泣いても左目のみ涙が出て右目から涙が出ません。
 それとは逆に、キャラメルやグミの様な歯ごたえが有る様な物や、梅干1つを口に入れてモグモグ食べると右目に涙がたまります。左目は普通です。普段どちらかの目に目ヤニが多いとかその様な事は有りません
 本人も特に痛みや、かゆみなどの症状は無いので普通にしていますが、治療の時期や治療方法など何か思い当たる様なことは御座いますか?
 何か良いアドバイスが有れば教えてください。宜しくお願いします。
  
(A)ご連絡ありがとうございます。
 涙は涙腺で作られて、目の表面を潤し、目頭の涙点から流れ出て行きます。涙が多い場合、作られる量が多いか、出て行く量が少ないかのどちらかです。
 その通り道に障害があると、涙が多く出ることがあります。通過障害の場合は、涙とともに、目やにが出ることが多いです。お話からは、通過障害ではないようです。
 作られる量が多い場合も考えられます。特に食事の時に涙が出るということですが、右の唾液腺にいく神経が、涙腺にいっている可能性があります。顔面神経麻痺のあとなどに、生じることのある現象ですが、お子さんの場合、顔面神経麻痺になったとは考えにくいですから、生まれつきの可能性があります。
 眼科と小児科のある総合病院を一度受診していただいたほうがよろしいかと思います。どうぞ参考になさってください。


2009年08月25日 グラフ旭川9月号 
「緑内障の点眼治療」
 

(Q)緑内障についてお伺いします。
 現在64歳の主婦です。昨年、目の検査をした所、眼圧が右19・左14でした。視野、その他の検査には異常はありませんでした。少し眼圧が高いという事と、私の目の構造が緑内障になりやすいと言われ、月に1度通院し、「モチプトールXE点眼液0.25%」を夜に1回点しています。
 一ヶ月前の結果は右14・左12でした。
この眼圧を下げる目薬を1年間毎日点しているのですが、長期で点し続けていても、目に差し支えないのでしょうか。また、同じ時期から目の奥がショボショボして痛く、「ヒアレイン点眼液0.1%」「サンコバ点眼液0.02%」も点していますが痛みは取れませんが、仕方ないのでしょうか。
 
(A)  ご連絡有難うございます。
 眼圧が高めで視野は異常ないとのことからは、現時点では緑内障にはなっていない段階と考えます。予防的投与ということかなと思います。
 緑内障の方に「モチプトールXE点眼液0.25%」はよく処方するお薬です。緑内障は慢性的な病気ですので、目薬は長期にわたって使うものですから、長期でさし続けることの問題は通常ございません。しかし、人によっては副作用が出ることもありますので、主治医の先生にしっかりみてもらって、継続使用に問題ないか確認してもらって下さい。
 目の奥がショボショボして痛いことに関しましては、診察をしなければお答えできませんので、主治医の先生によくお聞きになったほうがよろしいかと思います。
 可能でしたら当クリニックを受診してみてください。ご都合のよろしい日が分りましたら、予約を入れますのでご連絡下されば幸いです。どうぞ参考になさってください。


2009年07月25日 グラフ旭川8月号 
「閃輝暗点」
 

(Q)はじめまして。医療相談をお願いします。37歳女性です。
 3週間前に眼科を受診し、硝子体剥離による飛蚊症で問題ないと言われました(右眼)。その後1週間程前から両眼がチカチカ?するようになりました。チカチカと言っても光はなく、かげろうのような、動きとしてはレーザー光線のような感じです。
 再度眼科を受診すると、血管収縮によるもので、問題ないと言われました。その後、最初はたまに気になる位でしたが(気付いてなかっただけかもしれません)、眼科に行った後はチカチカがずっと続くようになりました。うっすら頭痛もしているので市販の頭痛薬を何度か飲んでいます。(日頃から肩凝りでたまに頭痛もします。)このまま放っておいて治まるものなのでしょうか?改善させるよい方法があったら教えて下さい。
 お忙しいところ恐縮ですが、よろしくお願い致します。
 
(A)  ご連絡ありがとうございます。
 「チカチカ見える」という症状は閃輝暗点と呼ばれる症状だと思います。眼科で眼底検査を受け、眼底に異常がないとすれば心配なものではありません。
 閃輝暗点は、その症状の出現後に頭痛がくることがあり、古典的偏頭痛の前駆症状としておきることがあります。頭痛もしているとのことですので、偏頭痛と考えられます。
 市販の頭痛薬は偏頭痛を悪化させる可能性もありますので、一度、頭痛を専門としている病院に受診することをお勧めいたします。
 閃輝暗点を治す薬は今の所ありませんが、閃輝暗点の出た時に飲むことによって、その後の頭痛を軽減させる良い薬があります。また、偏頭痛はチョコレートなど甘いものを食べた後、チーズを食べた後、お酒を飲んだときなどに起こる方もいらっしゃいますので、ご自分の症状がどんな時にでることが多いのか観察して、何かきっかけがわかれば、それを避けるということも重要かと思います。どうぞ参考になさってください。


2009年06月25日 グラフ旭川7月号 
「黄斑前膜」
 

(Q)小生、岐阜県に住む65歳男性です。あつかましくも、勝手ながらお尋ねします。
 1年半ほど前から右眼で視る画像の歪みが激しく、近所の眼科医より黄斑前膜の診断を受けました。手術を進められ、一旦はその気になったのですが結局踏み切れず、1年が経過しました。その間は何とか持ったのですが、この冬はとても物が視づらく、最近は、視野の右半分がぼやっとして車の運転に差し支えるような状態が多いので、手術を受けることになりましたが、いざとなると怖いのです。
 視力はめがね着用で1.0程度なのだそうですが、外に出るとまぶしく、視野はかなり狭く、特に字などはかなり視にくいのです。今はやっていませんが、ネット囲碁対局で眼を酷使したためかなり眼を悪くしたと自覚しています。
 黄斑前膜の手術についてお尋ねします。
 1)黄班前膜の除去手術は当方のお医者さんのおっしゃるように「特に難しくない手術」なのでしょうか?
 2)「眼と健康シリーズNo.20 黄斑円孔・黄斑前膜」 (医師より手渡されたパンフレット)に依れば、「黄斑前膜の手術では、まず最初に後部硝子体を切除し、そのあと前膜を剥がす」とあるのですが、医師の説明では「硝子体は全部取り除いた後、白内障の手術も行う」というものです。 硝子体を全部取り除いても大丈夫なのでしょうか?
 こちら地元の眼科クリニックは大変混み合っていて、なんとなくあわただしい雰囲気で、ついついお聞きすることをど忘れしたり、気がつかなかったり、遠慮したりでうまく訊けませんでした。この数日は、眼の方が割合見え、具合が楽なのでインターネットで探す気になりました。よろしくお願いします。
 
(A)ご連絡有難うございます。
 黄斑前膜の手術は難しくはないのか?というご質問ですが、これに関してはどういう意味でお答えするかによると思います。
 私は黄斑前膜の手術のような硝子体手術は行っていませんが、例えば、白内障手術を受けようと思っている患者さんに白内障手術は難しくはないのか?という質問をされることもあります。もちろん日常的に行っていますので、手技的に難しいと感じることは少ないのですが、その手術症例によっては、手こずってやや時間がかかることがあります。かといいましても、手術ですから危険性もあるわけで、それを全てひっくるめて難しくないですかという質問に答えなければなりません。私は、どんな手術も簡単なものはなく、一つ一つ細心の注意を払って取り組むものと考えています。
 主治医の先生は硝子体手術を増殖糖尿病網膜症に多数例執刀しているとすれば、硝子体手術のなかで、黄斑前膜の手術は難易度の低いものにあたると考えているのかもしれません。ですので、その手術をどう考えているかはそれぞれの眼科医によって異なりますので、主治医の先生とよく相談すべきだと思います。
 二つ目の質問の「後部硝子体を切除し、そのあと前膜を剥がす」ということと硝子体は全部取り除く」ということは同じことと考えて構いません。今回は硝子体手術に加えて、白内障の手術も行うということだと思います。
 あわただしい雰囲気といいましても、ご自分の目をお任せする病院でしっかりと説明を聞いて、納得の上で手術は受けるべきだと考えます。主治医の先生としっかりご相談することをお勧めいたします。どうぞご参考になさってください。


2009年05月25日 グラフ旭川6月号 
「白目の黄色いしこり」
 

(Q)はじめまして愛媛県の○○と申します。
 突然のメールで恐れ入ります。愛媛県在住のためメールにて失礼します。とりわけ病気?ではないと思っているのですが、気になる症状があるのでご相談です。
 現在自分はコンタクト(メニコンZ)を使用しています。ただ疲れたときとか、そうじゃない場合もありますが、目の内側、説明しにくいですが、黒目の外側(内目側の黒目と白目の境界)に黄色いシコリらしき症状があり、そこにレンズが当たってか充血することが多いようです。
 もちろんそれ以外にも体調や疲れで充血することはあります。この時期、花粉も原因かもしれません。
 とりあえず、目薬はドライアイ用としてロートドライエイドα、花粉・充血用としてロートアルガードを使用しています。
 これらの症状から医学的にみて、病気の症状が感じられますでしょうか?もしそうなら眼科医受診した方がいいですよね?
 近くの病院で受診するのが一番と思いましたが、参考までにご意見お聞かせ下さい。
 突然のメールで大変申し訳ありませんでした。
 
(A)ご連絡有難うございます。
 黒目の横の黄色いシコリ、と書いているのは瞼裂斑のことではないかと思います。黒目の内側、外側の両側にできることもあります。黒目を時計に例えますと、3時と9時の部分にできることがあります。黄色く盛り上がっているだけのものですが、寝不足、コンタクトレンズなどによって、その周囲が充血すると瞼裂斑炎という状態です。
 まず気になることは、コンタクトレンズの状態です。フィッティングに問題がないか、レンズが汚れていないか、お近くの眼科で検診をお勧めします。酸素透過性のよいメニコンZは、汚れやすいので、1年に一度の交換をお勧めします。メルスプランというのがありますので、ネットで検索してみて下さい。
 次に、点眼液の使用に伴う充血の可能性もあります。ロートアルガードには血管収縮剤の塩酸テトラヒドロゾリンが含有されています。一時的に充血が改善しますが、常用していますと、血管が拡張する場合もあり、逆に目薬をすることによって、充血することもあります。アレルギーをお持ちとのことですので、眼科でアレルギー用の点眼を処方してもらうほうが、よろしいかと思います。
 やはりお近くの眼科を受診し、今の状態を診断してもらって下さい。診察していない上でのお返事でありますことを、ご了承下さい。どうぞお大事になさってください。


2009年04月25日 グラフ旭川5月号 
「緑内障の疑い」
 

(Q)こんばんは、初めてメール致します。42歳、女性です。
 年に一度(今年で2度目)緑内障の検査で、眼科を受診しているのですが、不安になりこんの先生にお聞きしたいのです。
 検査の結果は、眼圧15、16で視野検査も大丈夫 視神経が緑内障の人と似ていると言ってました。次回1年後の受診でOK。何も知識がないままに受診していたのでこちらからは質問等したことも有りません。
 勝手に気になるところは視神経が緑内障の人に似ているのと眼圧が正常でも緑内障になるとか・・・(ネットで見て知りました)
 他の病院に行っているのに申し訳ないのですが、出来ましたらお返事宜しくお願い致します。
 
(A)ご質問有難うございます。視神経が緑内障の人と似ているとのことですので、視神経乳頭の陥凹拡大が疑われていると思います。
 緑内障では、視神経乳頭が圧迫されて凹んでしまいます。視神経がおかされると徐々に消失してしまい、その部分の情報は脳に伝わらずに視野が欠けてしまいます。
 緑内障は、眼圧検査、眼底検査、視野検査などから診断します。眼圧が正常範囲内にあっても正常眼圧緑内障の可能性は否定できません。視野検査が正常とのことですので、現時点では、正常眼圧緑内障疑いで経過観察が必要な状態だと思います。
 緑内障は急激に進行する病気ではなく、長く時間がかかって悪化する場合もあります。現時点で視野は正常とのことでしたら、やはり今まで通り、定期的に検査を受けることが望ましいと考えます。
 ご心配がおありでしたら、一度受診してみてください。お出で下さる前に、お電話かメールをいただけましたら予約しておきます。どうぞご参考になさってください。


2009年03月25日 グラフ旭川4月号 
「小視症」
 

(Q)初めまして。突然のメール、失礼致します。インターネットで、先生が医療相談をしてくださっていると知りましたので、思い切って相談させていただきます。どうかよろしくお願いいたします。
40歳女性です、眼の見え方の異常で苦しんでいます。
 ここ半年くらい前から、左右の眼の見え方が違うことに気がつきました。初めは単なる乱視だと思っていたのですが(右目が1.2 左目が1.5)次第に両目で見ると、それぞれの焦点が合わなくなり、物が二重に見えるようになりました。本を読むときには疲れるので、片方の目で読んだりしています。
 それが、次第に悪くなったのか、今では、右目だけで見るときと、左目だけを使って見るときの、物の見え方の大きさが違うのです。本の文字を読むとよくわかるのですが、右目で見える文字の方が、左目で見える文字より、2回りくらい小さいのです。かなり小さい文字になってしまいます。そして、(左目では決してないのですが)右目だけで見ると、まだらにぼやけているようにも感じます。両目で見ていても、左目だけを使って見ているような感じがして、右目が極端に疲れ、目の奥が重い感じがします。
 これは眼の異常でしょうか。何か考えられる病気などはあるのでしょうか。それとも、単に視力が落ちてきているということでしょうか。今まで、視力は1.2~1.5で、めがねをかけたりしたことはありません。
 何かアドバイス等頂ければと思い、メール致しました。ご回答いただけますよう、どうぞよろしくおねがいいたします。
 
(A)ご連絡有難うございます。
 ご相談の内容からは、目の奥にある神経の膜の中心部、網膜(もうまく)の黄斑部(おうはんぶ)という場所に病気が起きている可能性がありますので、ぜひ眼科を受診することをお勧めします。
 私たちの目は、瞳から入った光が目の奥で像を結び、その像が神経を通って脳に伝えられることによって物が見える仕組みになっています。目の奥の一番内側にある神経の膜の網膜は、目をカメラに例えますとフィルムの役割を果たしています。網膜はその場所によって感度が異なり、網膜の中心部分は感度が高く、もっとも重要な部分で黄斑部と呼ばれています。黄斑部は視力に関わりが深く、物が見えたり色を識別する細胞が集まっています。
 ご相談にあります物が小さく見える「小視症」、まだらにぼやける「中心暗点」は、網膜の黄斑部に変化が生じたときに起こる症状です。眼科では視力検査を行い、網膜の状態を詳しく調べるために精密眼底検査を行います。検査では目薬をさして瞳を開きます。そのためまぶしくなり、近くが見えにくい状態が4.5時間くらい続きますので、車の運転をせずに眼科を受診していただいた方がよろしいと思います。
 お近くの眼科を受診してみてください。どうぞお大事になさってください。


2009年02月25日 グラフ旭川3月号 
「強度近視の進行」
 

(Q)強度近視と視力低下で悩んでいます。
 先生自身、強度近視でコンタクト愛用とのことで親しみを持ち(スミマセン)メールしてみました。
 視力は0.03程度であまり変わりはないように思うのですがパソコンを使用し始めた三年前頃より、眼鏡、コンタクトが合わなくり眼科で見てもらったところ度数が進んでいるとのことです。また、涙が少なくドライアイとも言われました。
 現在42歳なのですが、まだ近視が進むのは目に何か問題があるのでしょうか。度に合わせた強い眼鏡をつくると眼鏡の方に目が合っていき、もっと目が悪くなりそうで怖いです。いったいどこまで悪くなるのか心配な日々です。
 度数と視力とはどう違うのでしょうか?また、度の合っていない眼鏡をかけていると目に良くはないのでしょうか。度がきついので眼鏡はゆるめの度数でなければかけるとクラクラします。眼鏡がないと何もできないです。
 雑誌などで視力回復トレーニング というのもよく見ますが効果あるのでしょうか(3D等)。近視歴30年と年齢から言って無理でしょうね。とにかく不便で困っています。
 
(A)ご連絡有難うございます。
 近視が進行してるとのことですが、実際の度数がわかりませんので、あまりはっきりしたことが申せません。3年で多少の度数の変化はあまり珍しいことではないように思います。近視が極端に進行しているのであれば、病気がないか検査が必要だと思いますが、眼科を受診して特に何も言われなかったのであれば、心配ないかと思います。
 「度に合わせた強い眼鏡をつくると眼鏡の方に目が合っていき」ということはないと考えられます。適正な眼鏡であれば問題ないと思います。度の強すぎる眼鏡(過矯正といいます)は目の疲れの原因になります。
 「度数と視力」についてですが、靴の例えで申しますと、度数は靴の大きさ、サイズで、視力はその靴を履いて走った時のタイムでしょうか。
 度数はある程度客観的で数日ではさほど変化しないものですが、視力はその日の調子などで、変化しやすいものです。視力回復トレーニングで近視の度数が変化することはないと思います。近視は目の奥行きが長くなっているための結果として起きていると考えられています。ただ視力は先ほども申しましたように変化するものです。どうぞ参考になさってください。


2009年01月25日 グラフ旭川2月号 
「原田病の難聴」
 

(Q)はじめまして、兵庫在住、42歳男性です。お伺いしたいことがありまして、よろしくお願いします。
 10月5日から18日まで、原田病で、地元の病院に入院していました。左右両眼です。治療方法は、ステロイドパルス療法です。入院して、最初の3日間は、点滴のステロイドによる治療で、その後は、1日に(プレドニゾロン5mg)多分、8錠ぐらいだったと思います。その後退院してから、プレドニゾロンを減らしながら内服を続けていました。
 経過ですが、週に1度、受診しています。造影剤による検査で、炎症の漏れは、左右ともないそうです。ですが、右目が、2,3箇所、まだ、炎症しているみたいです。先週あった炎症が消え、新たに違う所に、出てきたり、なかなか、症状が、落ち着かないようです。左目は、ほぼ、普通に見えます。右目はまだ、歪んで見えます。(視界の中心部のみ)目のほうも、心配なんですが、退院して、10日ぐらいたった頃に、耳が、聞こえにくくなり、高い所に、上がった時のように、詰まったように、左右ともなり、眼科の主治医の先生にも、聞きましたが、原田病との関連性はあると、言われましたが、よくわからないので、耳鼻咽喉科の受診をすすめられ、耳鼻咽喉科の先生からも、原田病の関連性はあるみたいですと、同じような回答でした。結局よくわからないみたいです。耳自体の聴力や、神経等は正常との事でした。先生にお伺いしたいんですが、原田病で難聴になるとかは、あるのでしょうか。難聴自体は、治るんでしょうか。就寝時の、何も音のしないような、シーンと音がしているような感じが、ずーとしています。
 長々と書きましたが、乱文乱筆、申し訳ございませんでした。 m(_)m
 ご返事、宜しく、お願いします。それでは、失礼します。
 
(A)ご連絡有難うございます。原田病とのことで、ご心痛のこととお察しいたします。
 原田病では目の症状が起きる前に頭痛などの髄膜炎症状、耳鳴り・めまい・感音性難聴などの内耳症状、嘔気、嘔吐、感冒様症状が起きることが良く知られています。
 また眼底網膜に漿液性剥離の生じる眼病期に、多くの例で内耳機能障害(感音性難聴)を合併すると言われています。
 ご相談のメールでは聴力低下はないとのことですが、耳鼻科の先生に感音性難聴ではないか、伺ってみたら如何かと思います。
 原田病の漿液性剥離、感音性難聴は病状の回復とともに治まっていくものと、私は考えておりますが、主治医の先生と良く相談されることをお勧めいたします。通常は、治まってくれるものと思います。
 はっきりとした物言いでなく、申し訳ございません。診察していない上での意見ですので、参考に留めて主治医の先生と良く相談なさってください。
 どうぞ、お大事になさってください。一刻も早いご回復をお祈り申し上げます。


2008年12月25日 グラフ旭川1月号 
「コンタクトレンズの破片」
 

(Q)名古屋に住んでいるものです。
 先日目をぶつけ、目の中でコンタクトが割れ眼科にかかりました。
 とったコンタクトは全てではなかったのですが、細かい破片は目の中に残っていたとしても大丈夫なんでしょうか?先生が見た限りでは残っていないとの事ですが、レントゲンをとったり確認しなくても大丈夫ですか?
 傷は二日で治り、一週間後に来てください。と言われました。
 今は、二日目でまだ少し痛みとたまに異物感を感じます。不安ですが、担当医に伺うのは失礼かとメールしました。
 身元を詳しく記名しないと回答いただけませんか?アドバイスだけでもお願いします。
 
(A)ご連絡有難うございます。
 コンタクトレンズはレントゲンではうつりません。診察の時に受けた顕微鏡で探す方法で問題はありません。
 コンタクトレンズの破片が目の裏側に行っていると考える患者さんもいらっしゃいますが、目の表面には結膜という透明な膜があり、黒目の周りから瞼の裏まで覆っていますので、異物は目の裏側には行かないようになっています。ただ結膜の奥のほうに異物が入っていることもまれにはあります。
 異物感は結膜の奥のほうでは感じることはありませんので、現在残っている異物感は結膜の炎症が治っていないためかもしれません。
 それは、診察することでわかりますので、異物感が残っているということでしたら、もう一度診察を受けに行ったほうがよろしいかと思います。お大事になさってください。

2008年11月25日 グラフ旭川12月号 
「アトピー性白内障」
 

(Q)はじめまして帯広市在住、40歳女性です。1年半程前に逆光や夜間のライトがまぶしいことや、なんとなく霞んで見える気がして眼科に行ったら白内障だと診断されました(後嚢下白内障です)。ここ半年くらいで進んだようで手術を渋っていた先生も、本人が望むなら手術してもいいころだということになり、総合病院を紹介されたのですが、そこで原因が加齢にしては早いので小学生のときアトピー性皮膚炎があったというと、アトピー性なら白内障の手術をすることによって網膜剥離になる可能性があり、網膜剥離の手術の成功率は50%ほどだと説明をうけました。見えるようになろうと手術して失明したら何にもならないので、本当に進んでどうしようもなくなってから、手術したほうがいいのではないかと言われ、それを押してもやってくれとは言い出せませんでした。眼底検査でもエコーでも今のところ網膜剥離の心配はないそうです。
 私の場合、アトピーは軽かったので、本当にアトピー性なのかもいまひとつ確信が持てないのですが、検査でこれはアトピー性とはっきりわかるものがなにかあるのでしょうか?それとアトピー性白内障の人が網膜剥離になる確率はそんなに高いのですか?
 今、左目が矯正視力で0.2ほどしか出ず、幸い右目が0.6ほどあるのでなんとかやっております。ただまぶしさは酷くて、視力表で視力があっても社会生活の中では見えないことが多いです。この頃はあまりに不自由なので、もし失明ということになってもまだ片方残るからいいやと言うような気持ちにもなり、早く手術受けたいなと思うようにもなってます。
 長々と書いてしまいました。このように話を聞いてもらえるというだけでものすごく心強く感じています。どうぞよろしくお願いいたします。
 
(A)ご連絡ありがとうございます。40歳での白内障手術は、たしかに手術を受ける人の中では若い方になります。若い人の白内障は、原因がわからないこともあります。アトピーがさほどひどくなかったとすれば、確かにアトピー性の白内障と決めつけるのには、多少無理があるかもしれません。
 アトピーの方に網膜剥離が起こりやすいことは知られております。白内障の手術をすることで、網膜剥離のおきる可能性が増加する危険性は確かに増えると考えられますが、手術をしていないアトピーの方に網膜剥離が起きることもあり得ます。眼底検査とエコー検査もしているとのことですが、眼底検査で見えにくいほどの白内障があるならば、網膜剥離を見落とさないためにも手術も考えなければならないかもしれません。検査でこれはアトピー性とわかる、はっきりしたものはありません。アトピー性であれば、両眼性が多いと思います。両眼性でも左右差が大きいこともあります。
 私の考えですが、現在の生活に不自由を感じるのであれば、ご自分で手術を受けるかどうかの決断が必要だと思います。アトピー性と考えるのであれば、極論ですが、手術を受けなくても網膜剥離になる危険性はあり、手術を受けないことで、網膜剥離の初期変化を見逃してしまう危険性もあるわけです。もちろん、網膜剥離はなってしまうと、確かにやっかいな病気です。しかし、その恐怖をかかえたまま、見えないままの生活が可能なのか、手術を受けることにより、見えやすくなって、しっかりと定期検査をし、網膜剥離の症状、所見を見落とさない方が良いのか、主治医の先生とよく相談した方が良いのではないかと思います。
 手術を受けた場合は、眼内レンズが入りますので、調節力がなくなります。手術の後の度数を、どこに合わせるのかも相談してください。手術を受けることだけではなく、手術後の定期検査が大切になります。主治医の先生と良好な関係を築いて、よくよくご相談してください。お大事になさってください。


2008年10月25日 グラフ旭川11月号 
「先天白内障」
 

(Q)ホームページを拝見させていただき初めてメールさせていただきます。お忙しいとは思いますが、不安なこともあり教えてください。
 昨年の2月急に左目がかすみ少し心配だったので地元の眼科にかかりました。
 今まで1.2以上あった視力が0.7になっていて、急に視力が落ちたためいろいろな検査と脳神経外科での検査も行ったのですが異常は無く、結果角膜に傷がついているとの事でヒアレインとソフトサンティアを処方されました。傷は少なくなり視力もだいたい回復しましたので現在は通院していません。
 しかし、両目とも白内障との診断もされ大変ショックを受けました。糖尿病等もないので年齢的に考えると先天性のものではないかと思うので進行はしないであろうといわれましたが、6年くらい前に緑内障などの検査もしていますが一度も白内障があるとは言われたことは無く、白内障については詳しく説明を受けていなかったので若干不安があります。突然先天性の白内障になんてなるものなのでしょうか?本当に進行の心配は無いものなのでしょうか?
 このまま進行しないのであればいいのですが、最近まぶしく感じたりまたなんとなくかすんで見えるように思います。あまり心配するほどでもないとは思うのですが、不安なままで生活するより一度違う病院で診察を受けようかと思うのですが、心配しすぎでしょうか? 37歳 女性
 
(A)ご連絡有難うございます。
 先天白内障は、元々生まれつきある水晶体の混濁のことです。程度が強い場合は、生後すぐに手術が必要になる場合もあります。
 ご相談の内容からは、角膜の傷が治って、視力も回復したとのことですから、少なくとも視力には影響していない程度のものと考えることができます。
 6年くらい前に緑内障の検査をしたとのことですが、視力に影響していない生まれつきの水晶体の混濁については、あえて、指摘しないことがあります。
 先天白内障は基本的には進行しないものですが、加齢の変化に伴う水晶体の濁りが先天性の濁りの部分を助長することはあります。現在37才ですので、その心配はまだないとは、思いますが。
 まぶしい、かすむなどの症状があるのでしたら、一度診察を受けていただいた方がよいと思います。お時間のある時に、診察をお受けください。メールで予約入れられますので、ご都合つくようでしたら、連絡をお願いいたします。お大事になさってください。


2008年09月25日 グラフ旭川10月号 
「眼鏡のかけはずし」
 

(Q)今は右が0.2、左が0.3の状態です。ですがめがねは時々必要なときにかける程度です。めがねの掛けはずしの繰り返しは目に悪いのですか?本やさまざまな情報には、めがねの掛けはずしの繰り返しは悪いので見えるときは掛けず、見えないときは掛ける、目に負担がかからないようめがねをずっと掛けたほうがよいなどあり、どれが正しい情報かわかリません。
 また、目の運動やマッサージをしても近視が進んでしまいます。なかなか良くなりません。愛知県
 
(A)ご連絡有難うございます。
 近視で眼鏡をかけているとのことですが、裸眼視力もさほど悪く無いようですし、不自由を感じていないのでしたら、必要な時のみの眼鏡装用で問題ないと思います。
 近視の進行は眼鏡のかけはずしとは関係ないと一般的には考えられています。
 また、近視の進行は20才代半ばで止まるのが普通です。人によっては20才代半ばをこえても近視が進行する場合もあります。近視の進行を目の運動やマッサージなどで止める方法は確立されていないと思います。
 近視の場合は、眼鏡をかけないこと自体が目に負担をかけることにはなりませんので、かけはずししていても問題ないと思います。
 若い方であれば、コンピュータなどの近業によって、目に調節の負担がかかり、近視が強くなったような状態となる調節痙攣という病気もあります。瞳を広げる点眼薬を入れて、目の本来の近視度数を調べることによって診断することができます。実際の近視の進行が生じているかどうかは、お近くの眼科を受診し検査を受けることをお勧め致します。どうぞ参考になさって下さい。


2008年08月25日 グラフ旭川9月号 
「緑内障の転医希望」
 

(Q)初めてメールをさせて頂きます。年齢 30歳。
 眼科を変えたいと考えております。
 今年3月に昔から通院していた他の眼科で緑内障と診断され、さまざまな目薬を試し、現在は3、4種類の目薬で眼圧も落ち着き始め右18左13に下がっています。以降は月に2回ほど診察して頂いています。
 先日私が引越をしまして、診察時間も早いこともあり、不便さを感じており、他院でのメイン受診を検討しておりました。旦那が以前こちらのこんの優眼科さんを受診しまして印象が良かったらしく、近々受診をさせて頂きたいと思っておりますが、
 その際には
・現在使用している点眼薬は持参が必要でしょうか?
・現在治療で通院している眼科には一言ことわりを入れておいた方がいいのでしょうか?
 お忙しい中お手数おかけしますがお返事をお待ちしております。どうぞよろしくお願いいたします。
 
(A)ご連絡有難うございます。
 点眼薬は実物でなくても、お薬手帳などでどんな点眼薬をさしているかは、教えていただきたいと思います。緑内障の治療薬には、色々と種類があり、その方にとって効く薬(眼圧の下がる薬)、効かない薬があることもありますので、今までの使用歴がわかったほうが有難いです。
 現在治療で通院している眼科には、今までの経過についてのお手紙を書いていただければベストですが、頼みにくければ、なくても構いません。
 こちらでも、視力検査、眼圧検査をして、視野検査も受けていただこうと思います。現在の視野の状態、視神経乳頭の所見、眼圧から、今後の受診間隔、点眼薬などにつきまして、ご相談させていただきたいと思います。
 当クリニックは完全予約制ではありませんが、受診してくださる方の待ち時間対策として、予約の方を優先して診療しております。受診日が予めわかりましたら、予約を入れますので、メールをいただけましたら、幸いです。宜しくお願い申し上げます。


2008年07月25日 グラフ旭川8月号 
「レーシック手術」
 

(Q)44歳女性です。いつもはハードコンタクトレンズを使っています。コンタクトレンズの度数は-3.0です。レーシックという、近視の手術があると聞きました。インターネットでも、見てみたのですが・・・・。どんなものなのでしょうか?
 視力が回復して、本当にずっと良い視力のままでいられるのでしょうか?ごくまれに、視力が元に戻った場合、無料で再手術をしてくれる病院もあると、ありましたが・・・何度も手術して大丈夫なのですか?以前、視力は元に戻ってしまうことが多いと、聞いたように記憶しているのですが、最新の手術なのでしょうか?教えて下さい。
 
(A)レーシックは、角膜の皮を一枚はがして、そこにレーザーをうつことにより、角膜のカーブを平らにする手術です。( という角膜を [ にするという感じでしょうか。
 以前はケラトームというカンナのような器械で皮をはいでいましたが、最近はそれもレーザーでやるようです。皮をはいで、元に戻すので、手術後の痛みもあまりないようです。
 私は近視度数が-10Dを超える強度近視ですので、レーシックを受けるとすると、角膜をたくさん削らなければなりません。手術後に角膜が薄くなり過ぎる危険がありますので、とても手術を受けようとは、思いません。
 -3.0くらいの度数であれば、手術後に角膜が薄くなりすぎるという危険性はあまりないかと思います。近視が強い人が受けると、術後また近視が少し戻るようです。その際、追加手術は残っている角膜の厚みを考慮し、行うものだと思います。
 確かに最近はレーシックを受けている人が増えているようです。当クリニックにも他院でレーシックを受けてきた人が通ってきています。レーシック手術を受けた方々はほとんど皆、満足しているようです。中に一人だけ、痛かったので、再手術は絶対受けたくないと言っている方がいました。
 レーシックもあくまでも手術ですから、100%安全とは言えません。現在使用しているコンタクトレンズで不満が強いのであれば、考えても良いものだと思います。これからは老眼になってくる年齢ですから、遠くがはっきり見えることばかりに目標をおきますと、日常生活上、読書などには不便を感じることも多くなってくると考えられます。ご自分のライフスタイルから、遠くを見ることがどれくらい重要なのかを、よくよく考えてから手術をうけるかどうか考えたほうがよいのではないかと思います。どうぞ参考になさってください。


2008年06月25日 グラフ旭川7月号 
「角膜内皮細胞減少の白内障手術」
 

(Q)はじめまして。
 滝川市在住のものです。実家の祖母(90歳)が地元の眼科で、今年手術をする予定でしたが、検査で角膜の細胞が少ない事がわかり、手術を見合わせました。
 手術によって角膜の細胞が壊れてしまうと見えなくなるかもしれないからだそうです。手術をしなくても2~3年で見えなくなるのでは・・・とも言われたそうです。それほど角膜の細胞が少ないということは、細胞を傷つけずに手術できても、効果が無いということでしょうか。祖母は、足が悪く、最近は体調も良くないので、他の眼科にかかるよう勧めてもなかなか首を縦に振りません。が、もし、効果が期待できるなら、何とか説得して「こんの優眼科クリニック」さんに受診させたいと思っています。どうか、お返事をよろしくお願いします。
 
(A)ご連絡有難うございます。
 角膜内皮細胞が少ないため、手術を見合わせたとのことですね。白内障手術で、仰るように角膜内皮細胞を傷つけずにすることができれば、よいのですが、現在の医学でそれは、不可能なことです。白内障手術によって、10%くらいは細胞が減ってしまうと考えられています。通常は10%の細胞が減少したとしましても、余力がありますので、たいていの場合は問題になることはありません。
 しかし、手術前の検査で細胞の数が少ないと判明した場合、手術をするかどうかは、よくよく相談しなければならないと思います。といいますのは、90才という年齢からは白内障になっている水晶体の核が非常に硬くなっていることが考えられ、それは角膜内皮細胞を傷つける原因となります。見えるようになっていただくための白内障手術で、角膜内皮細胞を傷つけることによって、かえって見えにくくなってしまうことがあり得ます。手術後に透明だった角膜が白く濁ってしまうことになる危険性があります。手術を担当する先生は、その危険性が高いと判断したのではないかと思います。
 90才で体調が思わしくないとしますと、当クリニックでの日帰り手術は難しいと思われます。現在の視力、白内障の程度がわかりませんので、手術をしないほうがよい、したほうがよいとは申し上げられませんが、担当の先生とよくご相談したほうがよろしいのではないかと思います。
 例えば、両方の目が白内障で見えにくく困っていらっしゃるのであれば、手術後に角膜が濁る危険性もご理解した上で、角膜内皮細胞の良好な片方の目の手術を受ける選択もあると思いますし、片方だけで、現在日常生活に困っていないのであれば、見えている目を大切に様子をみるという選択もあるのではないかと思います。
 ご本人のご希望、ご家族の方のご希望をよく話し合った上で、もう一度主治医の先生とご相談していただければ、と思います。
 お役に立たないお返事で申し訳ございません。どうそ御参考になさってください。


2008年05月23日 グラフ旭川6月号 
「アレルギー性結膜炎」
 

(Q)おはようございます。インターネットで眼科を検索していて、ここに辿り着きました。
 早速ですが、お訊きしたいことがあります。先日、7歳の息子の右眼から透明のゼリーみたいなものが出てきて、とても痒がったため、地元の眼科を受診しました。
 この日は遠足だったので、何箇所もの公園に行ったのですが、その途中で、眼にゼリーの様なものが出てきたそうです。
 「アレルギー性の結膜炎」とのことで、フルメトロンという薬を処方していただきました。1日3回 両眼に点眼していますが、痒みがおさまらず、夜もあまり眠れない様です。
 一体、何のアレルギーなのか・・・というのは調べてもらうことは出来るのでしょうか?薬以外にも何か痒みを抑える方法はありませんか?
 是非アドバイスをお願いいたします。
 
(A)  おはようございます。御質問有難うございます。
 右眼にゼリーの様なもの、は、おそらく結膜浮腫だと思います。アレルギーの急性反応や、こすった時などに白目(結膜)の下に、水がたまったような感じになります。これは、一時的なもので、治まったことと思います。
 アレルギーの原因ですが、遠足というお話からは草、木、花粉など植物性の原因が疑われます。今年はゴールデンウイーク前から、シラカバの花粉の飛散も増加しているとのことです。原因の検査の一つとして、採血検査があります。確実に原因を指摘できないこともありますが、疑わしい植物に対しての、抗体価を調べるものです。アトピー、喘息がある場合は、動物性のものも原因として考えられます。
 痒みを抑える方法としては、第一は点眼薬だと思います。フルメトロンで効かない場合でも、抗ヒスタミン剤が効くこともあります。痒みが強く眠れない場合、タオルで冷やしてあげては、どうでしょうか。日中には、眼帯のように、片目を隠すのは、よくありませんので、冷やす時は両眼を一緒に冷やしてあげて下さい。
 アレルギーの原因が植物性のものであれば、外で遊んだ後、お家に入る前に、洋服についた花粉をほろってからお家に入ったほうが、良いと思います。どうぞ、参考になさって下さい。
 何か、ございましたらまた御連絡下さい。お大事になさって下さい。


2008年04月25日 グラフ旭川5月号 
「緑内障術後の白内障手術」
 

(Q)緑内障の父(83歳)のことでお聞きします。
 左目はもともと悪く、失明状態です。右目が緑内障で手術を5年くらい前にしています。
 最近、その右目が白内障と言われて来月に手術といわれています。残りの目が見えなくなったらと家族で心配していますし、本人も不安だと思います。危険はないものでしょうか。
 最近、見えずらいからか、めっきり元気がなくなり心配です。
 是非、緑内障の上に白内障の手術について教えてください。
 
(A)ご連絡有難うございます。右眼の白内障手術とのことですね。
 白内障手術は眼科の手術のなかでも、確立されたもので、その危険性はかなり低いものとなっております。もちろん、手術ですので、感染症、出血などの危険性は、全くない訳ではありませんが、その危険性は低いものです。
 緑内障の手術もされているとのことですので、前回の緑内障の手術部位は手術後の癒着があることが考えられ、執刀される先生は、その部位を避けて手術するものと考えます。緑内障のどのような手術をされているのか、わかりませんが、まったく手術を受けたことのない目に比べますと、手術の難易度は上がってしまいますが、執刀する先生は、十分に検討された上で手術を予定されているでしょうから、心配ないのではないでしょうか。
 緑内障による視野狭窄がどの程度進行しているかわかりませんが、中心部の視野が保たれているのでしたら、術後の視力向上は期待できるものと思います。
 診察していませんので、具体的なことは申せませんので、主治医の先生とよくお話をされて、納得してから手術をうけることが必要ではないかと思います。ご本人とご家族の方と、主治医の先生に面談する時間を作ってもらって質問されるべきだと思います。
 どうぞ、参考になさってください。お父様の手術がうまくいくことをお祈りいたします。


2008年03月25日 グラフ旭川4月号 
「子どもの内斜視」
 

(Q)はじめまして。
 一歳になった子どもの右目の黒目が最近よく内側に寄るんです。
 実は三歳の長女も一歳半のときに左の黒目が寄るようになってきて、近くの眼科に行ってみたんですが、小さくて検査できないし、受診のときは寄ってないから、また三ヵ月後に来るようにいわれ、それを繰り返し、結局三歳になっても黒目が寄る原因がわかりませんでした。途中、旭川市に祖母が昔白内障の手術をした眼科があって、そこに黒目が寄る話をして診察してもらえるか電話してみたのですが、当時二歳ぐらいだったため、そこでも検査できないですと言われました。でもそうしているうちにだんだん右目も寄るようになってきて、三歳になり話もできるようになったのでとりあえず旭川の眼科を受診したところ、遠視による調節性内斜視と診断されました。しかもひどい遠視らしく、裸眼での視力回復は期待しないでください。ということでした。そしてすぐにメガネをつくりました。まだメガネをかけ始めて二ヶ月なんですが。ただ、もう少し早く原因がわかり治療していれば、もしかしたら視力があったのかな、っとどうしても後悔ばかりしてしまいます。でもとりあえず原因がわかってほっとしていたのもつかの間、今度は下の子が・・・
 この子も遠視!?と思いましたが、今上の子が行っている眼科では見てもらえないみたいで。でも三歳までっていったらまだ二年もあるし、このままどんどん悪くなってしまうのではないかと、心配で。一歳ぐらいの子でもみてくれるところがあるかもしれないとインターネットで調べていたら、こんの優眼科さんを見つけメールしてみました。そちらでは、一歳の子どもでもみていただけるのでしょうか。長々と書いてしまい申し訳ありません。よろしくおねがいします。
 
(A)ご連絡有難うございます。
 確かに小さいお子さんの斜視検査は難しい点があります。こちらの示した指標を見てもらうことができないと、なかなか、確かなことは言えない場合があります。
 生まれつき内側によっている場合は乳児内斜視、1歳くらいから内側によってくる場合は遠視の関与する調節性内斜視が考えられます。検査ができるまで、何度か通院していただいて、病院の雰囲気に慣れながら、経過観察することは重要なことだと思います。
 お姉ちゃんの、裸眼での視力回復が難しいということですが、遠視が強いとのことですから、遠視の眼鏡をかけての視力が出てくれば治療は成功だと考えて下さい。調節性内斜視の眼鏡治療が3歳からとのことですが、これは決して遅くないと思いますので、眼鏡をかけての視力は段々と伸びて来ると思います。
 さて、妹さんの検査についてですが、小さいお子さんの視力を他覚的に測定する装置は旭川の病院にはないと思います。遠視かどうか、測る器械で手持ちの器械があり、この場合、小さいお子さんでも測れることがあります(もちろん、全員測れるわけではありません)。残念ながら、当クリニックには、その器械はありませんが、検影法という方法で遠視がどれくらいかを測定することはできるかと思います。まずは一度診察を受けていただきたいと思います。ご都合の良い時間に予約を入れますので、ご連絡をお待ちしております。どうぞお大事になさって下さい。


2008年02月25日 グラフ旭川3月号 
「白目の腫れ」
 

(Q)ホームページを見て、初めてメールさせていただきます。
 先日、眼に異物感を感じて鏡で見てみると、目尻の方の白い所が下瞼の上に乗るような感じになってました。びっくりして何回か瞬きをしているうちに治りましたが、気になっています。
 皮膚の上からですが、黒目のほうに押し上げるように触ってみると、反対の眼より白目の表面が柔らかく動いているように思います。朝はまったく気にならないのですが、夜になると気になります。
 特にかゆみや痛みなども無く、視野が狭くなるようなことや黒い点なども見えることはありません。白目の色も反対の眼と変わりはありません。
 視力がとても悪く、ソフトコンタクトレンズを使用しています。気になってからは、家に居る間はコンタクトを控えています。今は何もわからないので、目薬なども使用していません。
 インターネットで色々調べましたが、よくわからないのでお聞きしたいと思いメールさせていただきました。お忙しいかと思いますが、よろしくお願いします。 東京都大田区
 
(A)ご連絡有難うございます。
 お話からだけでは、なかなか判断がつきません。
 おそらくは、白目の上の透明な膜(結膜)が腫れているか、ゆるんでいるかのどちらかではないかと思われます。
 白目(強膜)の上には、透明な結膜と呼ばれる膜があります。白目が赤くなったり、炎症が起きたり、目やにが出たりという結膜炎になる場所です。かゆみや痛みもないということですので、炎症は起きていないように思います。
 結膜の腫れは、アレルギー性結膜炎の時に見られることが多いのですが、水っぽい感じで結膜が盛り上がるもので、結膜浮腫といいますが、充血やかゆみを伴うことが多いと思います。
 もう一つの可能性の、結膜のゆるみは、加齢とともに起きることがあり、結膜弛緩と呼んでおりますが、これは意外と頻度は多くみられますが、それに伴って症状がない場合は、あえて指摘することはないもので、心配のないものです。
 心配のないものと思いますが、診察せずに無責任なことは申せませんので、どうぞお近くの眼科を受診してください。実際に診察してみると、すぐに診断がつくものと思いますし、診察は全く痛みはありませんので、受診をお勧めいたします。
 お役に立てずに申し訳ございません。どうぞお大事になさって下さい。


2008年01月25日 グラフ旭川2月号 
「コンタクトレンズ再開」
 

(Q)HPを拝見してまいりました。
さっそくですが、お忙しい所、恐れ入ります。コンタクトレンズの件です。55歳、普段は近視用めがね使用。テレビもです。パソコンなどは、遠近両用です。
 コンタクトレンズは 若いとき使用しました。1番高いとき?だったと思います。長時間は使うつもりはないのですが、まためがねは曇るので使いたいと思います。知人は、2週間用。子供は毎日用を使ってるようです。
 どちらが、どうなのか、適当なのか、費用と、通院回数など、知りたいのですが。その他、知っておくと良いと、思われることなど。
 昼間は、お店をやっているので、自由時間がないです。今は暇なので、夜6時過ぎなら、伺えると思います。
 
(A)ご連絡有難うございます。
 長時間使うつもりはないとのことですので、ソフトレンズでよろしいかと思います。
 ソフトレンズは、黒目(角膜と言います)全体を覆ってしまいますので、どうしても角膜に必要な酸素が不足してしまう欠点があります。特に近視の度数が強い方(強度近視といいます)の場合、角膜に十分な酸素が届かない心配がありますので、検査を受けていただいて、ソフトレンズが使える状態かどうかの判断をさせてください。また、以前にコンタクトレンズを使用していたとの事ですが、その時の使用方法が目に負担になっている可能性もありますので、角膜内皮細胞の検査も受けていただこうと思います。角膜に酸素が十分に届いていなかった場合、角膜の透明性を維持するために働いている角膜内皮細胞が減少してしまっている場合があります。その場合は、ソフトレンズ装用は、更なる内皮細胞の減少を引き起こしますので、使用できないことになってしまいます。
 ソフトレンズ使用が可能な場合、1日、2週間、1ヵ月で新しいレンズに交換するタイプがお勧めです。以前は主流であった、使い捨てではないタイプのソフトレンズは、レンズに汚れが蓄積しやすく、角膜にとって良いことはありませんので、お勧めしておりません。
 毎日使うのであれば、1日使い捨ては最も費用がかかります。また、乱視が強い場合は乱視用のレンズとなります。
 コンタクトレンズを遠くを見ることに合わせてしまいますと、近くは見えにくいので、どのような用途に使うのかなど、実際に検査をしてからご相談したほうが、よろしいかと思います。ソフトレンズは3ヵ月毎の検査をお勧めしております。
 ご都合の良い日がわかりましたら、予約を入れさせていただきますので、ご連絡ください。


2007年12月25日 グラフ旭川1月号 
「傍中心暗点」
 

(Q)1955年2月生まれで、52歳です。
 以前から、左の目の視野の一部に見えにくいところがあるのは気付いていましたが、最近、どうも読書に集中しづらくなっています。広がっているのかも知れません。比較的判りやすいのは、左目の注視点のわずかに上側。本を読んでいて視点をずらすと判ります。
 近視(強度)・老眼・乱視ですので、見えにくいのはしょうがないと思っていますが、視野が欠けるのが気になります。
 経年変化でしょうか、病気でしょうか。病気だとすればどのようなものが考えられるでしょうか。
 白内障や緑内障の説明を読んでも、当てはまるような当てはまらないような。
 一度診てもらいたいとも思いますが、検査や通院は車(自分で運転)でも可能でしょうか。
 
(A)ご連絡有難うございます。詳しく教えて下さいまして有難うございます。
 内容からは、左眼の注視点のわずかに上側の見えにくい部分があるとのことですので、傍中心暗点かと考えます。原因としましては、物を見る中央部分である網膜の黄斑部の近くに病気が起きている可能性が考えられます。
 私たちの目は、瞳から入った光が目の奥で像を結び、その像が神経を通って脳に伝えられることによって物が見える仕組みになっています。目の奥の一番内側にある神経の膜の網膜は、目をカメラに例えますとフィルムの役割を果たしています。網膜はその場所によって感度が異なり、網膜の中心部分は感度が高く、もっとも重要な部分で黄斑部と呼ばれています。黄斑部は視力に関わりが深く、物が見えたり色を識別する細胞が集まっています。
 黄斑の近くに病気が生じますと、見ようとする中心部分の近くが見えづらくなったり、暗くなったりという症状が起きます。強度近視があるとのことですので、強い近視に伴って網膜変化が生じている可能性もあります。
 視力検査の後、網膜の状態を詳しく調べるために精密眼底検査を行います。瞳孔を拡げる目薬を入れての検査をお勧めします。そのためまぶしくなり、近くが見えにくい状態が4.5時間くらい続きますので、車の運転をせずに来院していただいた方がよろしいと思います。
 御都合のよろしい時間がありましたら、予約を入れさせていただきますので、返信してください。宜しくお願い申し上げます。

2007年11月26日 グラフ旭川12月号 
「近視の進行」
 

(Q)こんにちは、20代両目近視0.03ぐらいです。
 弱いあかりを見ていると、その光が急に強く見えたり弱くなったりして見えるんです。電球自体は一定の光を保っているのに、一定に見えないことがよくあるんです。それと、暗闇で目を開けていると突然明るくなってすぐまた暗くなったりということが結構あります。これについては、どこかで読みましたが異常であると書いてあったと思うんです。なので以前、別の眼科さんにお聞きしたのですが、特に問題ないといわれて一体どっちなのかわからなくなり不安が残ってしまいました。異常なんでしょうか?検査が必要であれば行きたいと思っています。
 それと、私は近視なのですが、子供のころ眼科医師に「視力落ちるのは二十歳ぐらいでストップしますよ」と言われたのに、今24歳になりますが、まだ視力が落ちています。これ以上悪くしないために、どうしたらいいのかアドバイスいただけたら嬉しいです。
 よろしくお願いいたします。
 
(A)ご連絡有難うございます。
 弱いあかりの強度が変化するのはピントの合い方の差かなと思います。暗闇で明るくなるというのが、全体ではなく部分的なものでしたら、光視症という網膜に病気がある時に起きることのある症状ですので、眼底検査を受けていただきたいと思います。目の中は硝子体という生卵の白身のようなゲル状のもので満たされています。その硝子体と網膜の癒着が強い場合に、網膜を引っ張る力が働いた時に、暗い所で光が走るという光視症が生じます。まれに、網膜を引っ張る力が強い場合に、網膜に裂け目(網膜裂孔)ができてしまい、網膜剥離の原因となってしまいます。網膜裂孔の場合は、レーザー光線で網膜裂孔の周囲を焼き固めることによって、網膜剥離になることを予防することができます。眼底検査は散瞳剤を点眼し、4、5時間まぶしくなりますので、車の運転をせずに、来院下されば幸いです。
 また近視の進行は以前は20歳くらいまでと考えられていましたが、現在では20歳以降でも進行する方はいると考えられるようになっています。永遠に進行するものではありませんので心配ないものと思いますが、現在の近視の度数がわかりませんので、一度検査を受けて下さい。
 検査結果がありませんと、はっきりしたことが申せません。申し訳ございません。どうぞ参考になさってください。


2007年10月25日 グラフ旭川11月号 
「緑内障の眼圧日内変動」
 

(Q)初めてお便りします。先生のサイトでこの相談コーナーを見つけました。不躾ながら早速ご相談申し上げます。
 私現在50歳男性ですが、76歳になる母親が十年近くまえから正常眼圧緑内障を患っております。今は、もう眼圧も高く、手術も何回もしましたが、視野がかなり欠けているようです。私にも遺伝的なリスクがあると思い、毎年1回眼底を見てもらっておりましたが、昨年夏の検診まではきれいな眼底ですと言われておりました。ところが、つい先日、健康診断で眼底を見てもらいましたとろ、視神経乳頭が多少拡大しているが、これは年齢相応かな、というようなお話をされました。 ぎょっとして、これは専門医に見てもらったほうがいいと思い、ネットで緑内障のことを調べたり、知人に聞いて眼科医院を探しておりました。そこで今野先生の評判を聞いて、ネットで先生のサイトを探してお便りしている次第です。前置きが長くなりましたが、受診前にお伺いしたいのですが、ネットの文献で、眼圧の日内変動は大きいので、ホームトノメーターとかいうポータブル眼圧測定器を使って家で計るか、1日入院施設で計測してもらい、その変動に合わせた治療計画を立てるのがいい。というようなお話が書いてあったのですが、先生は、この点に関して、どのようにお考えでしょうか? 症状が出る前に、眼を大切にケアしていきたいとい考えております。よろしくお願い致します。
 
(A)ご質問有難うございます。お母様が緑内障とのこと、ご心配だと思います。
 既にご存知のこととは思いますが、家族歴は緑内障のリスクファクターと考えられております。眼底検査を定期的に受けられていたとのことですが、現在の視神経乳頭の形状につきましては、一度診察を受けていただきたいと考えます。
 といいますのも、検診では少し拡大していると考えられる場合には、緑内障の疑いとして眼科受診を勧めることが多いからです。40才以上の17人に1人の割合で緑内障の方がおり、緑内障は自覚症状がほとんど出ませんので、検診では多目に疑いをかけている病院が多いと思います。ですので、検診で指摘された方の中には緑内障ではない方も沢山いらっしゃいますので、まずは診察をお受けください。緑内障の診断は、視神経乳頭所見、視野検査から判断します。
 さて、眼圧の日内変動の検査に関してですが、まず緑内障である場合、そして点眼薬での治療を行っても視野が悪化する場合に必要になると考えます。緑内障の視野悪化には、正常眼圧緑内障でも開放隅角緑内障でも眼圧が関与していると考えられています。緑内障と診断されても、点眼薬にて眼圧を下げることができれば視野進行はないと考えられます。緑内障が進行する場合には、更なる眼圧下降が必要となり、手術に踏みきらざるを得ません。その際の判断の基準として日内変動を調べる必要が出てくることがあります。
 また、以前は正常眼圧緑内障と開放隅角緑内障の鑑別に日内変動を計測し、21ミリ水銀柱を越えているか否かで鑑別していましたが、現在ではその鑑別には、あまり意味がなく、両者ともに眼圧を下げることが視野悪化防止に有用であることがわかっており、鑑別としての日内変動計測はあまり行われていないと思います。
 現実問題としましては、大阪厚生年金の桑山先生のグループがホームトノメーターの開発に携わってはいますが、まだ市販されるに至っておりません。学術的には重要なこととは思いますが、自分が緑内障になった場合、日内変動の計測は行わず、眼圧下降の点眼を開始すると考えます。
 返事が長くなり恐縮ですが、お時間のある時に検査をお受けください。


2007年09月26日 グラフ旭川10月号 
「目の筋力低下」
 

(Q)はじめまして。静岡に住んでいる者です。
 私はもともと視力が悪く目の筋力が弱いです。そして少し前に受診したところ飛蚊症だと診断され、さらに目の筋力もかなり落ちてきていると言われました。
 現在、目のリハビリに1回/W通っています。が、今では裸眼だと隣りにいる人の顔もぼやけてしまって全然見えないです。これは目の筋力が落ちているからだと言われましたが、これを良くする方法or現状維持する方法があれば教えていただきたく思いメールさせていただきました。
 今までのようにリハビリに通うしかないのでしょうか。
 お忙しいところ誠に申し訳ありませんが、どうか返信のほどよろしくお願い致します。
 
(A)ご質問有難うございます。
 裸眼視力が悪いとのことですが、矯正視力は良好でしょうか。矯正視力とは眼科で検査する際にレンズを替えて測る眼鏡をかけた時の視力です。矯正視力が良好であれば、心配な病気ではないことになります。
 目の筋力というのが、どういうことか判断ができません。毛様体筋のことでしたら、近くを見るのが疲れるということになると思います。外眼筋のことであれば、目の向きの問題があるかと思います。申し訳ございませんが、文面からだけでは正しいお答えは難しいかと思います。
 今かかっている先生に、現在の病状、今後の治療の目標、予定される治療の期間について、お尋ねしては如何でしょうか。納得できないときは、別の眼科でご相談してみたらよいのではないかと思います。
 ご相談いただきながら、お役にたてるお答えでなく申し訳ございません。また、何かございましたらご連絡ください。お大事になさってください。


2007年08月25日 グラフ旭川9月号 
「目の健康講座」
 

 今回の目ディカル相談室 目に優しいお話は、いつもの相談をお休みさせていただきまして今月開かれる「目の健康講座」の告知です。
 日本眼科医会、北海道眼科医会の主催で、「目の健康講座」が開かれます。
 今月16日の日曜日、午後0時30分から、4条通り9丁目の旭川北洋ビル8階「北洋ホール」で開講されます。もちろん受講料は無料です。目についての大切な話を、お二人の先生がしてくださいます。
 ひとつ目の講演は、「加齢黄斑変性-最近増えている高齢者の目の病気-」のタイトルで市立札幌病院の今泉寛子先生が担当されます。もうひとつの講演は旭川医科大学の石子智士先生が「眼科検診はなぜ大切か」についてお話してくださいます。
 目の奥には網膜と呼ばれる神経の膜があり、カメラに例えますと、フィルムにあたります。カメラのフィルムと違って網膜は場所によって感度が違っているのですが、黄斑は網膜の一番まん中にあり、一番感度の高い場所なのです。
 黄斑に病気が生じますと、見ようとする中心部分が見えづらくなり、歪んで見えたり、小さく見えたり、まん中が暗くなったりという症状が起きます。
 黄斑に起きる病気で、最近増えてきているのが「加齢黄斑変性」です。加齢黄斑変性はアメリカでは、成人の失明原因の第1位です(欧米かっ)。わが国の失明原因の第1位は糖尿病網膜症ですが、食生活の欧米化、高齢者人口の増加のためか、加齢黄斑変性の患者数が増加してきています。新しい治療法も出てきていますが、病気が進行してからでは、なかなか視力を取り戻せない病気です。早期発見、早期治療が重要な病気ですので、時々片目を隠して、問題がないか、自己チェックをお勧めします。
 「目の健康講座」は毎年道内のいろんな街で開催されています。旭川で開かれるのは数年ぶりとのことです。最近増えている黄斑変性のお話と目の検診の重要性のお話です。目についてのまとまったお話を聞ける機会はあまりありません。きっと目に優しいお話が聞けると思いますので、連休中のお忙しい時期とは思いますが、ご興味のある方は是非お出かけください。


2007年07月25日 グラフ旭川8月号 
「ものもらい」
 

(Q)はじめまして。ホームページ拝見させていただきました。
 1ヵ月前から左目下まぶたの粘膜にものもらいができてしまい、他院で目薬、飲み薬を試しても治りませんでした。一時は良くなったと思ったのですが、赤みと腫れが引かずここ数日は痒みも増してきています・・。思い切って切開をすれば治るかとは思うのですが、以前切開をした時の麻酔のあまりの痛さを思い出してしまい気持ちが固まりません・・・。
 そちらではこの場合どの様な治療を行っているのでしょうか?やはりものもらいは痛い思いをして切開しなくてはなりませんか?
 お手数ですがお返事お待ちしております。宜しくお願い致します。
 
(A)ご連絡有難うございます。
 ものもらいが1ヵ月残っているとのことですので、霰粒種かと思います。霰粒種は上下の瞼にあるマイボーム腺の出口が詰まってしまい、中に分泌物がたまっている状態です。赤みと腫れと痒みがあるとのことですので、炎症も伴っているようです。
 すぐに切開よりは、もう一度炎症止めの点眼を試してみては如何でしょうか。炎症が治まった後にしこりが気になる場合は切開になりますが、しこりが気にならなければ切開しなくても良いと考えます。長い目で見ますと、自然に吸収してきて小さくなっていくことが多いものです。
 いきなり切開はしませんので、一度受診してみてください。どうぞお大事になさってください。


2007年06月25日 グラフ旭川7月号 
「甲状腺眼症」
 

(Q)私は、バセドウ病の眼球突出により左目が外斜視、複視になりました。バセドウ病自体は、メルカゾールの服用のみで病状もホルモンの量も暫く安定しているのですが、そちらの治療を優先的にと考えていた為、これまで、余り眼科には通院しませんでした。しかし今は、複視と斜視(美容上)で悩んでいます。バセドウ病自体の方は落ち着き、私自身の気持ちや生活にもゆとりが出来た為、(遅いのでしょうが)目の治療も考えなければと本気で思うようになりました。眼球突出は、今春に受けたMRI検査の結果、以前よりもわずかに引っ込んでいるとの事でしたが、やはりどうしても今は、左目の斜視が外見上(美容上)気になります。そして、複視が仕事においても時々障害になっています。
 貴院では複視の治療は行っているのでしょうか?私はどうしても、外見上(美容上)の問題から斜視も治したいと思っています。私は2月前に青森から北海道に移住したのですが、北海道に来てからは未だ眼科を受診していません。バセドウ病で現在通院している病院の眼科で受診しようかと思っていましたが、知人から貴院の事を聞き知りました。
 私は、眼球突出に気付いてからバセドウ病ではないかと受診したのですが、はっきりと眼球突出に気付いたのはもう7年位も前で、しかし、バセドウ病の治療の為に初めて受診したのはそれから2年位後なので、内科にしても眼科にしても、もっと早く治療を始めていればと、とても後悔しました。眼球突出の治療も随分前から勧められ、昨年は放射線照射の治療や眼球裏の脂肪そのものを除去する手術などの話も、当時の内分泌内科の担当医から聞いたのですが、当時は中々気持ちが向きませんでした。今では、前向きに複視・斜視の治療をしたいと思っています。仕事にも時々支障がある為、先に複視を治したいと思っています。もし万が一、一生この斜視と複視で生きて行かなければならないのだとしても、ともかく眼科を受診しない事には何もならないですね。
貴院で複視の治療を受けれるのであれば、是非受診したいと思っています。宜しくお願いします。
 
(A)ご連絡いただきまして、有難うございます。詳しくご説明いただきまして、有難うございました。甲状腺眼症にてお悩みのことと思います。
 甲状腺眼症の治療方法といたしましては、内分泌内科の先生からご説明されたように、一般的にはステロイド剤の点滴治療、球後注射、放射線療法、外科的治療があると思いますが、当院ではできないものです。一般的にはと申しましたのは、甲状腺機能の状態、現在の眼所見から総合的に判断されるものと考えられるからです。お手紙からは、甲状腺機能は落ち着いているとのことですので、現在の眼所見から治療方法を選択することになると思います。その際には、今までの治療実績から判断されることと思います。可能であれば、内分泌内科、眼科、放射線科のそろっている総合病院での治療が望ましいと考えます。
 北海道では、札幌医大の眼科が甲状腺眼症に数多く取り組んでいます。また斜視手術の症例数も多いと思いますので、私は札幌医大での治療をお勧め致します。
 ご希望に応えられなく申し訳ございません。自分の家族が同じ状態でしたら、どのようにするかを考えて、お答えさせていただきました。また、何かありましたらご連絡ください。お大事になさってください。


2007年05月25日 グラフ旭川6月号 
「小学生のコンタクトレンズ」
 

(Q)長男は4年生から眼鏡をかけています。
 現在、6年生ですが両眼とも0.1以下の視力だと思います。学校から視力検査を受けた際に頂いた用紙を紛失したので、定かではありませんが 度が進んでいる事は確かです。
 3年生からサッカーをしておりまして、試合の際には眼鏡を外して出場しています。(眼鏡は大会によってですがかけてはいけないようです)
 眼鏡の度が合っていないようなので購入を検討していますが、試合の時でも出来るようコンタクトレンズの使用も検討しています。
 小学生のうちからコンタクトレンズの使用は出来ますでしょうか?するとしたら費用はいくらくらいかかりますか?
 ご返答をお待ちしております。
 
(A)御質問有難うございます。近視で眼鏡をかけているということでお返事させていただきます。
 6年生でしたら、コンタクトレンズの使用は充分可能だと思います。眼鏡と併用していただきたいと思います。コンタクトレンズは角膜に直接のりますので、角膜に必要な酸素が不足しやすくなる欠点があります。必要な時はコンタクトレンズをして、御家庭では眼鏡をしていただきたいと思います。
 サッカーに使うのでしたら、ソフトレンズが適しています。成長期ですので、まだこれからも近視の度数は進むと思います。度数の変更も考え、定期交換のソフトレンズをお勧めします。メニコンのマンスウエアというレンズの場合は入会金3150円、月々1890円の会費制です。
   サッカーの時にだけということでしたら1日の使い捨てソフトレンズがあります。こちらは、1箱片目30回分ですので、両眼2箱で5250円になります。どうぞ御参考になさって下さい。


2007年04月25日 グラフ旭川5月号 
「高校生の弱視」
 

(Q)高校3年生になる息子についてですが、小学1年の入学時の視力検査で視力の異常があるとのことで、すぐに眼科にて検査を受けたところ右0.1 左1.5の弱視とのことで、視力回復の為の訓練の指導をうけ、それと併せて眼鏡を作りました。その後定期的に眼科で検査を受け、訓練も続けましたが視力は回復することなく、6年前に今後訓練をしても回復見込みがないとの話でそれ以来、眼科には通院していませんでした。
 毎年学校で今時期に行われる視力検査にて左視力Aの判定を受けて安心していましたが、最近になり左眼がぼやけてよく見えないのと、疲れるとの訴えがあり、以前医師からは両眼弱視と言われ、すごく不安に感じています。弱視=眼鏡かけてもよく見えないという知識しかありません。以前息子の将来の車の免許取得に不安を感じ、警察に問い合わせた所、視野が規定まであれば大丈夫とのことで安心したのですが、今回の視力低下でそのことにも不安が生じています。ただ昨日私が近視のためにかけている眼鏡を試しにかけさせたところ、左が見えるとのことなのですが。受診の前に弱視について知りたく思いました。ネットで見る限り治療法はないとのことですが。眼鏡は最後の受診から中学生になり見た目もあり、あまりかけなくなり現在もかけていません。眼科に数度受診しましたが弱視ということだけで親はショックなのにそのたびに医師からの心無い話し方に悲しい思いをしました。今回は息子も結果によってはショックなことも想像され、ネットにて色々眼科を探し、貴クリニックにて息子を診ていたたければと思いました。診察しなければわからないとはわかっていますが、その前に弱視についてお話願えるでしょうか。お忙しい中、申し訳ありませんがよろしくお願いします。
 
(A)ご連絡有難うございます。小学校入学時に右0.1 左1.5とのことですので、両眼の弱視ではなく、右眼の弱視だと思います。診察したわけではありませんので、確定的なことは申せませんが、左右の度数に差がある:不同視弱視か、右眼の乱視が強い:屈折性弱視かと考えます。
 今まで左眼の視力は良好であったとのことですし、お母さんの近視の眼鏡で見えやすくなるとのことからは、今回の左眼の視力低下は近視によるものが、最も考えられます。この変化は右眼の弱視とは、関係ないものと思われます。小学校高学年から、中学校、高校と進むに連れ、眼鏡をかけているお子さんが増えてくるように、近視の進行は身体の成長に伴うものと考えられます。
 自動車免許に関しましては、普通免許は全く問題なく取れると思います。大型免許は両眼で検査をする深視力も要求されますので、残念ながら難しいかと思いますが。
 弱視はその後、悪化する心配な病気ではありませんので、ご安心を。受診日が決まりましたらメール下さい。予約させていただきます。お大事になさって下さい。


2007年03月25日 グラフ旭川4月号 
「ぶどう膜炎」
 

(Q) はじめましてメールにて大変失礼致します。
 1ヵ月前に右目が痛くなり、家の近くの眼科にかかったところ、ぶどう膜炎との診断を受け、点眼薬のみを受けましたが、一向に症状が良くならないために、旭川市内の総合病院にて入院をしました。原因は不明の同じ病名であり、現在は見えるまでに回復をしておりますが、眼の奥の痛みと充血などは消えません。全く開けることのできなかった時から比べるといいのですが、車の運転などはできない状況であります。
 しばらくは完治までに時間がかかるのでしょうが、気持ち的にもかなり参っている毎日であります。現在は眼に支障のないように仕事をしながらですが、思うようにはいきません。内服薬(朝昼食後にプレドニゾロン錠4錠、毎食後にマーズレン顆粒、朝夕食後にガスターD錠)と点眼薬(リンデロン液を1日10回、ミドリン液を1日3回)で治療している状況です。
 大事な大切な眼の健康を取り戻すためにこのままでよろしいのかどうか、大変不安なために失礼とは存じますが、お問い合わせした次第です。
宜しくお願い致します。
 
(A)ご連絡有難うございます。
 ぶどう膜炎とのこと、ご心痛お察しします。現在は、ステロイド内服によって症状が改善しているとのことですね。
 ご存知のこととは思いますが、ぶどう膜とは、虹彩、毛様体、脈絡膜の総称です。いわゆる茶目の炎症がブドウ膜炎ですが、調べても、はっきりした原因が分らない場合があります。いわゆる原因不明のぶどう膜炎ですが、やはり、ステロイド薬での治療が行われると思います。
 ステロイド薬は、強い抗炎症作用がありますので、点眼薬のみで効果のでない場合は内服や、場合によっては点滴を使用します。炎症の治まり具合を見ながら、徐々に量を減らして行くという投薬法を用いますので、指示通りに内服していただきたいと思います。(胃薬は胃への負担を軽くするためのものです。)
 眼の奥の痛み、充血、まぶしさなどはぶどう膜炎のときに、よく見られる症状で、お困りのことと思いますが、ぶどう膜に多く分布しています三叉神経(痛みも感じます)が刺激されているために起こると考えられています。炎症が治まってくれれば、かならず治っていきますので、気を落とさずに、治療を続けて下さい。
 メールでお伺いしましたところ、治療にも問題なく、徐々に良くなっていると思いますので、治療を続けて下さい。どうぞお大事になさって下さい。


2007年02月25日 グラフ旭川3月号 
「遠視のコンタクトレンズ」
 

(Q)こんにちは。
 私は遠視で子供の頃から、メガネをかけています。
 ずーっとメガネがキライです。何年もメガネをかけずに過ごしていた時期もあります。
2年ほど前に、コンタクトレンズを使おうと思い、地元の眼科を受診し、検査をして、その場ですぐに練習用みたいな、目に合った物を作ってもらって実際に目に入れてみたのですが、(ハードレンズでした)もう~涙ボロボロで、この先使い続けて「慣れる」とは思えなかったですし、先生にもあきらめてといわれました。
 その時、ソフトレンズだったら、違和感もなく、ハードが使えない人でも大丈夫だと聞いたのですが、残念ながら、私の目に合うソフトレンズは、ないとのことでした。
 遠視用のソフトコンタクトレンズって、やっぱりないのでしょうか?
 
(A)ご連絡有難うございます。
ソフトレンズでも、遠視用のものはあります。申し訳ないのですが、受診した日にすぐには、お渡しするレンズの用意はありませんので、再度お出かけいただかないとなりません。また遠視性乱視で、乱視度数が強い場合ですと、ソフトレンズのトーリックレンズは作製度数に限りがありますので、ソフトレンズが使えない可能性もあります。実際に目にのせてみませんと、合うかどうかは、わかりませんので、一度受診していただけましたら幸いです。
 ハードレンズが辛かったとのことですが、ソフトレンズに比較しますと、角膜に対する安全性は明らかにハードレンズがまさっています。コンタクトレンズで角膜にトラブルを起こす患者さんもソフトレンズの方が大半です。ハードレンズが敬遠される最大の要因は、初装時の異物感ですが、装用後1週間で装用時の痛みが軽減し、平均3週間で装用に慣れると報告されています。もう20年以上も前の話ですが、私自身もソフトレンズからハードレンズに替えて(その時はかなり辛かったですが)現在にいたります。ハードレンズは初めてつけた直後には、とても辛い感じがするものです。しかし、ハードレンズには多くの優れた長所がありますので、当クリニックでは1ヵ月のお試し期間を用意しております。大切な目を守るためにも、もう一度考えてみては如何でしょうか。どうぞ参考になさって下さい。


2007年01月25日 グラフ旭川2月号 
「網膜静脈分枝閉塞症」
 

(Q)はじめまして。
 昨年10月末に、右目が見えずらい感じがして眼科を受診しましたところ、「網膜静脈閉塞症」と診断されました。内科での検査も勧められましたが血圧が高いことだけで、他に異常はありませんでした。幸いなことに中心をはずれているので、視力の低下はあまり無いとのことでした。
 現在、月に一度受診し、お薬を処方していただいておりますが、この、お薬はずっと、飲み続けなければならないのでしょうか?また、投薬以外の治療はないのでしょうか?
処方されているお薬は下記のとおりです。
 カリクレイン錠10単位 1錠
 シナール錠200    1錠
 タジン錠30      1錠   食後 3回 服用です。
どうぞよろしくお願いいたします。
 
(A)ご連絡有難うございます。中心をはずれて視力低下はあまりない、とのことですので、網膜静脈分枝閉塞症だと思われます。網膜の中心部の黄斑部というところに病気が来ていなければ、現在処方されているお薬で治療するのが最良と考えます。
 網膜静脈分枝閉塞症は目のフィルムの働きをしている網膜の静脈の枝の一つが閉塞して起こる病気です。動脈の壁が高血圧、糖尿病、高コレステロール血症などにより硬くなる(動脈硬化)ことによって、網膜の血管の動脈と静脈が交叉する部分で、動脈が静脈を圧迫することによって閉塞すると考えられています。高血圧を指摘されたとのことですので、内科での高血圧の治療が重要と考えます。
 現在処方されているお薬は網膜出血が吸収されたら止めることができると思います。主治医の先生の指示に従って下さい。
 出血がなかなか吸収されない時、黄斑部に腫れが出てきた時、新生血管が認められた時にはレーザー光治療をすることがあります。病状によって判断するものですので、主治医の先生とご相談してください。
 視力低下がないのでしたら、順調に治っていくと思いますが、診察していませんので、無責任なことは申せませんね。何かありましたら、またご連絡ください。どうぞ、お大事になさってください。


2006年12月25日 グラフ旭川1月号   
「日帰り白内障手術」
 

(Q)私は地元の眼科に通っています37歳。
 三年前からステロイドを服用して定期的に眼圧をはかったりしてきました。白内障は少しありますね、と言われていましたが、最近特に近いものが見えづらく、本を見たり何かと不便に感じます。
 今の眼科は白内障の手術は入院のため、インターネットでどこか日帰りで出来る病院を探したりしてましたら、こんの優眼科さんを見て、もし手術をするなら安心して出来そうと思い、旭川市内に住んでいないのですが、日帰り手術は可能なのかなと思い、相談させていただきました。車で1時間ほどの所に住んでいます。
 
(A)ご連絡有難うございます。旭川市外の方でも、車で1時間であれば日帰り手術は可能と考えます。私の前任地の士別からも、日帰り白内障手術希望の患者さんがいらしゃっています。もちろん手術後は、ご自分では運転できませんので、どなたかに乗せて来てもらわなければなりませんが。
 日帰りで手術を行い、翌朝まで眼帯になります。翌朝、診察を受けていただいております。基本的には、手術日、翌日、2日目に診察をして、4日目に視力検査をしていますので、手術後の数日は通院が大変かと思いますが、手術後数日はばい菌が入る心配がありますので、診察を受けていただいております。特にステロイドを服用している方は、ばい菌に対する抵抗力が落ちている心配がありますので、手術後に目を触らないように、特に注意をしていただく必要があります。
 当クリニックには入院施設がございませんので、通院が大変とおっしゃる際には、お近くのホテルを紹介させていただいております。
   白内障の手術をすべきかどうかは、一度診察を受けて、ご相談させていただきたいと思います。ステロイド緑内障の心配がないかも、検査させていただきます。御都合のつく日がありましたら、メールで予約入れて下さい。お大事になさって下さい。

2006年11月25日 グラフ旭川12月号 
「正常眼圧緑内障」
 

Q)ホームページを読ませていただきました。お忙しい中とは思いますが、もしお時間がありましら、少し心配なので質問にお答え下さい。
 私は左目が正常眼圧緑内障と言われて2年の49歳の女性です。いろいろ目薬を試しましたが効きが悪く、また3本の目薬は大変だろうという事で、レーザーをし、現在はエイゾプトとチモプトールの2本の目薬を左目にさす事で、17だった眼圧を14に維持し、視野欠損の進行もなくほっと安心しています。
 私は視野の欠けた部分は小さいのですが、とても視野の中心に近いのです。下半分は全然欠けてはいませんが、左目の上の10度から15度あたりの上半円があまり見えません。だから見ている新聞の小さな一字は読めても、その一つ上の字は見えません。下は読めるので苦労はないし、片目で読むこともないので、別に日常不便はないのですが、本などでは緑内障の欠け方は、中心は残って周りから欠けてくると書いています。でも私のように中心が早くから欠けいる人もいるのでしょうか。ハンフリーの30度の視野検査では、いつも真中の数字は0が横に4個並んでいます。
 主治医の先生は目の中心の部分はとても大切だとおっしゃいます。目の上半分と下半分とは視神経の関係はどのようになっているかはわかりませんが、場所が近いから見えないところが下に移ったらどうしようと思ってしまいます。こんな欠け方の人はたくさんいるのでしょうか。また左目が緑内障の人はいずれ右目になる可能性は高いのでしょうか。また左目は眼圧が14ですが、さしていない右目の眼圧も17から15になってきて差はこのごろありません。薬が本当に効いているのか、ちょっと気になる時もあります。お忙しい中とは思いますが、いろいろ心配なので、もしよければお答え下さい。お願いします。
 
A)ご連絡有難うございます。左眼の正常眼圧緑内障で点眼治療を受けていらっしゃるとのことですね。緑内障の治療の目的は、視野欠損の進行を抑えることですので、現在の治療は十分効果がでていると考えるべきだと思います。
 緑内障の視野欠損はブエルム領域という比較的中央に近い部分から生じることもありますので、特殊な例ではないと思います。また、視神経線維の走行は上下で別れています。視野の上半分を担当する視神経線維は眼底の下方を走行し、視神経乳頭の下側から眼外に出ていきます。一方、視野の下半分を担当する視神経線維は眼底の上方を走行し、視神経乳頭の上側から出ていきます。眼圧がコントロールされているのならば、見えない所が下に移るという心配はないのでご安心下さい。もともと緑内障は自覚症状の乏しい病気ですから、視野欠損が進行してから治療が開始されることが珍しくありません。下方の視野欠損は日常生活に妨げになることが多いのですが、上方の視野欠損は瞼のためもあり、気づかれないことが多いと思います。上方半分が見えない時点で見つかる患者さんも珍しくないと思います。日常生活に必要な下方が保たれていることを前向きにとらえ、治療を継続されるとよろしいかと考えます。
 眼圧は日によって、時間によっても変動していますので、眼圧値に一喜一憂することなく、視野欠損の進行がないことを目安にすべきと考えます。両眼に変化が生じることもありますので、定期的に右眼の視野検査も受けることをお勧め致します。どうぞ参考になさって下さい。お大事になさって下さい。


2006年10月25日 グラフ旭川11月号 
「眼底出血」
 

Q)はじめまして。旭川近郊に住む母が眼底出血で1月前から片目が見えない状態のようで、以前からかかっている病院で薬を飲み様子をみてレーザーをするとのことでしたが、出血がひどくレーザーができず昨日診てもらいますと、血の固まりが下がって、まだ  レーザーもできず手術で血を抜くことも考えているようです。
 とりあえず、あと一月ほど薬を飲み様子みるようですが、今の状態で良いのかとても心配です。
 娘の私は札幌に住んでおり、インターネットで旭川の眼科を調べておりましたら、そちらの病院でメール相談をしてくださるのを知り、おたよりさせていただいております。このまま様子を見ていて、よいものでしょうか。そちらでも母の状態を診ていただけますか。来院の際は予約が必要ですか。なにとぞ遠くなもので、心配です。よろしくお願いします。
 
A)ご質問有難うございます。
 片目の眼底出血でレーザーがうてないとのことですので、元々糖尿病がないとすれば、「網膜静脈分枝閉塞症」から「硝子体出血」を生じたのではないかと思います。(もちろん、診察しておりませんので、確定的なことは申せませんが)
 通常は眼底検査を継続的に行い、出血の自然吸収を待ち、出血が引かない場合は「硝子体手術」という目の中の血を取り除く手術を考えます。
 お話からは、治療方針に間違いないと思いますが、出血は、すぐに吸収されない場合もあり、御不安なことと思います。
当クリニックでは、硝子体手術を行う器械はありませんので、その際は、手術をしている施設(旭川赤十字病院、旭川医大附属病院)に紹介しています。
 もちろん私でよろしければ、診察させていただきます。受診する日がおわかりになれば、メールいただければ予約致しますが、平日の11時くらいは空いておりますので、来院いただいても構いません。どうぞ、お大事になさって下さい。


2006年09月25日 グラフ旭川10月号 
「緑内障の疑い」
 

Q)貴院のホームページを見て、初めてメールさせていただきます。
 緑内障の検査について教えてください。
 会社の健康診断の際の眼底検査で、一度、緑内障の検査を受けることを勧められました。
 平日は19:00まで診察されているようですが、勤務終了後の18:00以降にうかがっても検査・診察は可能でしょうか。貴院で検査・診察を受ける場合、事前に準備すること(してはいけないこと)があれば教えてください。また、検査は午前中だけとか時間的な制約があれば教えてください。
 お忙しいところ恐縮ですが、ご回答いただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
 
A)ご質問有難うございます。
 眼底検査で緑内障の検査を勧められたとのことですので、視神経乳頭の陥凹拡大が疑われていると思います。緑内障では、視神経乳頭が圧迫されて凹んでしまいます。視神経がおかされると徐々に消失してしまい、その部分の情報は脳に伝わらずに視野が欠けてしまいます。しかし、視神経の傷害はゆっくりと起こり、視野も少しずつ狭くなっていくため、自覚症状はほとんどなく、知らないうちに病気が進行しているのが緑内障の怖い点です。緑内障は、眼圧検査、眼底検査、視野検査などから診断でき、これらは眼科で一般的に行われる検査です。緑内障は自覚症状がほとんどありませんので、眼科受診した際に偶然発見されるということが最も多いのです。最近では健康診断で眼底写真を撮ることも多く、健康診断をきっかけに緑内障が発見されることも増えています。
 まずは、視力検査、眼圧検査を行い、視神経乳頭の写真を撮ります。やはり、視神経所見から緑内障が疑わしければ、視野検査を行います。視野検査は片目5分くらいかかる検査です。
 これらの検査はいつでも可能ですので、お出で下さい。特に検査の前に準備していただくことはございません。お出で下さる前に、お電話いただけましたら予約しておきます。御都合のよろしい時に、検査をお受け下さい。


2006年08月25日 グラフ旭川9月号 
「お子さんの近視」
 

Q8才の息子が両眼とも0.2になってしまいました。半年前は両眼とも1.2でした。
 パソコンやテレビゲームは好きでやっていますが、一日30分と決めています。
 今日、眼科へ行って調べてもらったところ、仮性近視ではなく、近視と診断されました。
 近視を治す治療等があれば、ガイダンスでもよろしく教えてくだされば幸いです。
 尚、両親とも近視で眼鏡をかけておりますが、お父さんは26年コンピューター関係の仕事で、そのため近眼になったものです。(お母さんの近眼の理由はひたすら本の読みすぎ)。
 半年で、1.2から0.2まで低下する原因、そして治療方法をご教授願えれば幸いです。
 
A)御質問有難うございます。息子さんの視力低下でご心配のことと思います。
 眼科で仮性近視ではない、と診断されたとのことですが、瞳を開く目薬を入れた後に、検査を受けましたでしょうか。目薬を使った検査を受けていましたら、仮性近視ではないという診断は正しいかと思います。
 近視になってしまうこと、につきましては、私は「背が伸びるのと同じように、成長に伴うもの」と考えています。もちろん、全員が近視になる訳ではありませんが、日本人全体に近視になりやすい遺伝子があるのでは、と考えています。
 ある時期に視力が1.2から0.2に低下することは、あまり珍しいことではありません。ただし、近視になる時期には視力は変動しますので、場合によっては、視力が上がったり下がったりします。
 仮性近視ではなく近視と診断された場合、近視を治す治療は、ないというのが現状です。一般的に言われますように、暗い所で本を読まない、姿勢を正しくする、長時間テレビゲームをしない、というのが、注意する点だと思いますが、既に気をつけていらっしゃるように思います。
 御期待に答えられる返答でなく申し訳ございません。視力低下のため、学業に差し障りがないように、黒板の字が見えにくい、普段目を細めているなどの様子があれば、眼鏡も考えていただきたいと思います。お大事になさって下さい。


2006年07月25日 グラフ旭川8月号 
「閃輝暗点」
 

(Q)はじめまして。24才女性です。
 突然ですが私は、頭痛で悩んでいます。なぜこちらに問い合わせたのかと言いますと、私は学生の頃から目が悪く、コンタクトレンズと眼鏡を使用しています。そのうえ毎日パソコンを使用する仕事に就いておりますので、目が疲れて、そのせいで頭痛をおこしているのではないかと思ったからです。
 昔からなのですが、症状は頭痛がする前には必ず目がチカチカ(カメラのフラッシュみたいな感じ)して、見えずらくなり吐き気をともなう頭痛におそわれます。(寝ると治ります)
 最近なる頭痛は上記ほどひどくはないので、自宅でTVを見たりするのは平気なんですが、会社でパソコンの画面を長い時間見ていられません。画面が見ずらくなったり、頭が痛くなったりします。
 目の疲れが原因では?と思っているのですが、こうゆう現象も眼科さんで診てもらえるのでしょうか??
 ちなみにコンタクトレンズを作るときに診ていただいてる眼科さんでは、今まで特に異常があると言われたことはありません。よろしくお願いします。
 
(A)  御質問有難うございます。
 確かに眼が疲れて頭痛をおこしている可能性もあるかと思います。特に、眼鏡やコンタクトレンズが過矯正になっておりますと、頭痛の原因になる可能性があります。
 ご質問の中に書いて下さった
> 昔からなのですが、症状は頭痛がする前には必ず目がチカチカ(カメラのフラッシュみたいな感じ)して見えずらくなり吐き気をともなう頭痛におそわれます。(寝ると治ります)
という症状は、片頭痛の時に見られます閃輝暗点という症状に非常に似ていると思います。人によっては、ギザギザとした光として感じることや、オーロラのような光の波のように感じる方もいらっしゃいます。
 パソコンの画面を見ていて生じる頭痛には、先程の眼鏡コンタクトレンズの問題、他にもドライアイによって、生じることもあります。まずは、眼鏡、コンタクトレンズに問題がないか調べ、問題がなく、片頭痛と診断した場合には、閃輝暗点を感じた時に、内服してもらうことによって、頭痛を抑えることのできる薬剤もありますので、一度、受診されることをお勧め致します。御都合のよろしい日がありましたら、予約をいれることもできますので、ご連絡下さい。お大事になさって下さい。


2006年06月26日 グラフ旭川7月号 
「3歳時健診」
 

Q)はじめまして。三才の娘を持つ母です。
 三歳児健診前に自宅でやる目の検査で、右目が良く見えていないことに気づき、あわてて病院に行き検査をした所、遠視だと言われました(目薬をして検査)。さっそくいただいた用紙を持ってめがね屋さんに行き、めがねを作りました。病院では、「かけ始めたらなるべくずっとさせてください。かけると良く見えるはずなので、耳の所などがいずくないかぎりしているはず」と言われました。めがね屋さんでは、「かけ始めは目が疲れるので目をしばしばしているなど、疲れているな、と思ったらはずして、目をつぶらせるなどして休ませ、一週間位かけて、慣らしてあげて」と言われました。娘は、最初家に帰ってくるまではおとなしくかけていたものの、テレビを見ているうちに「見えなーい!」と叫んだかと思うと、ちょうどおばあさんのように上目づかいにめがねをずらして見始めました。その後もすぐめがねをはずしてしまいます。目が疲れているから「見えない」と言うのか、適度に休ませない私が悪いのか・・・。それともずっとさせずにちょこちょこはずしてしまうから慣れないのか・・・。一番困るのが本人がどう見えているのか、どうにも的を得ないことです。私はいったいどうしたらいいのでしょうか?
 
A)ご質問有難うございます。詳しく伝えて下さったので、めがねに慣れずにお困りの様子がわかります。遠視のお子さんで、特に片方の目の視力の悪いお子さんを早期に見つけて、早期に治療する目的で眼科の三歳児健診が平成2年から始まりましたので、三歳児健診で視力が悪いことが見つかったことを、前向きにとらえて下さい。
 右目の矯正視力が悪いのであれば、不同視弱視、両目の矯正視力が悪いのであれば、屈折性弱視の心配があります。でも、今3歳とのことですので、めがねをかけることによって、治療効果は必ず現れ、視力が改善されると思います。
 私は、弱視のお子さんにめがねを処方する時は、「最初、めがねをかけてもよく見えるわけではありませんので、お子さんが好んでかけることは、あまりないと思います。でも、めがねをかけて、ピントのあった像を結ばせることによって、少しずつ、視力が出てきますので、気長に構えて下さい。できれば、めがねはお風呂に入るときと、寝るとき以外は、頑張ってかけているように、励まして下さい。」と、説明させていただいております。
 この説明は、病院の先生と同じような方向だと思います。ただ、気長に構えなければなりませんから、最初から嫌がるのを無理強いしては、お子さんも困ってしまうと思います。今3歳ですから、治療可能期間は、まだまだ余裕があります。大人だって、初めてのことには抵抗があります。お子さんが、慣れていくのを優しく見守ってあげて下さい。定期的に病院に行って、視力の伸びを確認して下さい。それでは、お大事になさって下さい。


2005年05月26日 グラフ旭川6月号   
「ご挨拶」
 

 はじめまして。この度、グラフ旭川の目ディカル相談室で目についてのご相談に答えさせていただくことになりました今野優(こんのすぐる)と申します。いままでも何度か「市民の健康ガイド」に目についてのお話を載せていただきましたが、『グラフ旭川の記事を読んでみて、心配なので来ました』と受診される方がいらっしゃいました。情報過多の時代ではありますが、本当に患者さんが知りたい情報は、なかなか手に入りにくいのかもしれません。直接自分の主治医には聞きにくいこと、病院にかかる前にちょっと聞いてみたいことなど、何でもよろしいですので、是非、目ディカル相談室にご質問下さい。
 ご質問、お問い合わせは郵便、またはメール(konno@8341ganka.com)でお願い致します。件名を「目ディカル相談室」にしていただけますと、ありがたいです。
 今回は初めてですので自己紹介をさせて下さい。
 平成15年7月、『患者さんに優しい眼科クリニック』をめざし、曙1条6丁目にこんの優眼科クリニックを開設致しました。常に『患者さんが自分だったら、自分の親だったら、自分の子供だったら』と考え、診察させていただいております。開設にあたり、患者さんに優しい眼科クリニックになるために、10のお約束をしました。
1.  スタッフ全員が笑顔で患者さんに対応します。
2.  明るく、元気に患者さんに挨拶します。
3.  待ち時間が短くなるように工夫します。電話・メールでの予約(489@8341ganka.com)もお受けいたします。
4.  診療時間を工夫します。平日は毎日、夜7時まで診療します。土曜日も午後3時まで診療します。
5.  開かれた眼科診療を行います。目の状態(角結膜・網膜)の画像をお見せし、病状を説明します。
6.  目に優しい白内障手術を行います。
7.  患者さんのプライバシーを守ります。
8.  バリアフリーの建築です。
9.  院内感染対策として、手洗いは自動給水、ジェットタオルです。
10. コンタクトレンズも目に優しい素材、高品質のレンズをリーズナブルな価格で提案します。
 当クリニックでは、特に白内障日帰り手術、緑内障治療、糖尿病網膜症治療、ドライアイ治療、コンタクトレンズ診療に、積極的に取り組んでいます。『こんな優しい眼科クリニックがあったらいいな』と思う眼科クリニックを実現させるために、スタッフ一同、力を合わせて、頑張っております。
 いつもは「優しい眼科」をめざしていますが、この目ディカル相談室では、目のご質問に優しく、易しくお答えしようと思います。どうぞ宜しくお願い申し上げます。
 

メール医療相談

 こんの優眼科クリニックは『患者さんに優しい眼科クリニック』をめざし、メールでのお問い合わせを受け付けます。

 当クリニックを受診されたことがある方は、診察券に記入されている番号を記入して下さい。診療内容やお薬についての問い合わせや、当クリニックへのご意見・ご要望・苦情もお受けしています。
 当クリニックを受診されたことがない方は、お名前・ご住所・電話番号・年齢をご記入の上、どのようなことでお困りか、ご遠慮なくご質問下さい。
質問された方のプライバシーは厳守いたします。診察しなければお答えできないこともありますことを、ご理解下さい。
 質問と回答をホームページ上に公開することもありますので、ご了承ください。その際にも、プライバシー保護には充分注意致します。